しかも、雷門VSジェミニストーム戦ですらありません!
楽しみにしていただいていた方々、大変申し訳ないです……
「おい、2人とも始まるぞ」
「行こう司くん」
「……ああ」
アフロディに手を引かれ、俺は世宇子中に備え付けてあるテレビへと向かい、その画面から決して目を離そうとはしなかった。
そう、今日は他でもない、雷門とジェミニストームの3回目の試合が始まる日だ。
そして、テレビの先では試合が始まった。
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雷門VSジェミニストーム。
その試合は、俺の知っている通り雷門が勝利した。
これによって地球に平和が訪れたかに思われたが、雷門の勝利直後、エイリア学園ファーストランクチームを名乗るイプシロンが現れたのだ。
そして、その試合をテレビで観戦したその帰り道。
「…………」
「どうかしたのかい、司くん?」
アフロディがずっと下を向く俺に声をかける。
きっと、アフロディなりに俺のことを心配してくれてのことなんだろう。
けど、その心配は無用だ。
「くううううーーー!!! 見たかよアフロディ! 円堂たちのあの強さ! アイツら、スゲー強くなってるぜ! なにせ最初は全然だったあのジェミニストーム相手に互角どころか勝っちまうんだからさ」
俺は心の中で思ったことをアフロディにありのまま話した。
「こうなったら俺も負けてられない。そう思ったのに、今日の練習は無しなんて言うからちょっと不完全燃焼でさ、それで少しな」
「そういうことか。ふっ、君らしいね」
アフロディは俺に静かに笑い返す。
……その瞬間、俺の心臓がドキッと高鳴ったのは内緒にしておこう。
「それなら、今日は僕たちだけ秘密の特訓と行こうか」
「秘密の特訓?」
「ああ。実は僕が小さい頃にサッカーの練習をしていた広場があるんだ。小さな小路の、さらに先だから人が来ることも少なくてね。そこで練習しよう」
……へー、アフロディが小さい時に練習してた場所か。
こんな話、この世界に来なきゃ聞けない話だよな。
「じゃあ、そこに案内してくれ。言っとくけど、練習でも手は抜かないからな」
「それで構わないよ。そうでなくちゃ、練習にならないからね」
そうして俺はアフロディの後ろに付いていった。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そうこう歩いて十数分。
俺達は狭い裏路地の中を歩いて、ようやく抜けた先には確かに広場が広がっていた。
公園のようにブランコや滑り台があるわけでもなく、ただ木が数本生えて周りは工場の壁やらに囲まれている。
まさに広場と言う場所だった。
けど、一つだけアフロディの言葉と違う事があった。
「どうやら、先客が居るみたいだな」
「そうみたいだね」
俺とアフロディが目を向けた先には、
「たああああああああっ!! ぶぇっ!」
子どもが一人、壁にぶつけたサッカーボールをキャッチしようとして見事に顔面に当たっている姿だった。
「い、いたい…。けど、まだまだ…!」
そう言って子どもはまたサッカーボールを蹴り出す。
あれだけ見事に失敗したのに挫けない。
……アイツに似てるな。
そう思った俺は途端に走り出していた。
「…司くん?」
俺を呼ぶアフロディの声に耳を傾けることなく。
そして俺は、子どもが再び蹴ったボールが壁に当たる前にそのボールを足でトラップする。
「えっ? おじさん何するのさ!」
おじさん……まあ、前世からカウントしたらおじさんだから良いか。
「サッカー、好きなのか?」
「当たり前だよ! 俺はもっともっと練習して、円堂さんみたいに強くなるんだ! ゴッド、ハンドーー!!」
子ども……少年はそう言って
「アッハッハッハ! 円堂さんみたいになりたいか。そうだな、そうやって頑張ってれば、絶対になれるよ」
「ホント!?」
「ああ、俺が保証する。だよなアフロディ?」
「アフロディ…? あああ!」
少年はアフロディを見るなり走り出した。
そして、
「あの! 世宇子中のアフロディさんですよね!? FFの決勝見てました!」
少年はそう言う。
するとアフロディは少しだけ顔を暗くした。
「あ、ありがとう…。けど、みっともない所を見せてしまったね」
「すっごくカッコよかったです!」
アフロディの言葉に被せるように少年はそう言った。
「特に、最後まで諦めなかったのはカッコよかったです! これからも頑張ってください!」
少年が続けて言うと、アフロディは笑顔で、
「ああ、任せてくれ」
そう言った。
…………よし、じゃあ俺もあの子のために少しだけ手を貸してやるかな。
「なあ君、もし練習相手が欲しいなら。今日は俺がなってやるよ」
「え! いいの!?」
「ああ、ちょうど俺も退屈してたからな。希望のポジションは?」
まあ、円堂みたいになりたいなら当然。
「キーパー!」
だよな。
俺はそう思ってボールをリフティングする。
するとそこに、
「亮くーん、待ってよ〜…」
ふわふわしてそうなピンクの髪を揺らして女の子がやって来た。
「あっ。また来た…」
「だって、亮くん以外遊んでくれないんだもん…!」
「俺もサッカーで忙しいの!」
「ええっ! そ、そんなぁ…」
亮。
そう呼ばれた少年に強く言われると、女の子は見るからに落ち込んでいた。
「……ま、まあけど、それが終わったあとなら遊んでもいいけど…」
「ほ、ほんと? わぁーい!」
「だ、だからそれまで待ってろ」
女の子はうんと言って少し離れた場所に行った。
まあ、アフロディの隣なんだけど。
「知り合い?」
「うん。俺の家のお隣さん。丸山彩って名前なんだ」
「へー。そう言えば、君の名前は?」
「俺は、
…………どうやら、俺達の後の世代は着々と育ってるようだな。
俺もこいつらにも円堂たちにも負けられねえ。
待ってろよ円堂! いつかもう一度お前たちとサッカーをするために!
「よし! じゃあ稲田! サッカーやろうぜ!」
この回に出てきた子どもたち、男の子はオリキャラ。
そして女の子はクロスオーバーであるゲームからのキャラクターになります。
ちなみに二人とも、今作では今回限りの登場にする予定です。