拙いノロノロ投稿ではございますが、みなさまの更新お待ちいただいている声が励みになっております。
翌日。
本当に久しぶりの雷門中に俺達は集まった。
「「じゃーん!」」
「雷門イレブン大変身という事で」
「円堂くんと立向居くんの新しいユニフォームを用意したわ」
「おおー! ありがとな」
「ありがとうございます!」
それぞれのユニフォームに袖を通す二人。
その新しい姿にみんなはおおーっと声を出した。
「なんだか新鮮ですね」
「ええ」
「これが、新しい雷門イレブンの姿なのね」
それを見ていたマネージャー達も話す。
「なんだか、気が引き締まりますね」
「決まってるぜ、立向居」
「お、俺……俺、もっともっとマジン・ザ・ハンドを鍛えて鉄壁の守りになります!」
「もちろん、マジン・ザ・ハンドの強化は大きな課題だけど、お前にはもう一つ、やってもらいたいことがある」
円堂はそう言って一冊のノートを取り出した。
「それは?」
「キャプテンのお爺さんの裏ノートです! これを求めて行った福岡で、立向居くんと出会ったんですよ」
俺が聞くと音無が得意げに答えた。
やはり同じ一年だからか、立向居の事には特に関わってくる傾向にあるよなこの子。
けどまあ、そういう積極性も彼女の魅力の一つだし、悪いことじゃないからな。
「でも、円堂さん。これは?」
「この究極奥義をお前に託す」
「え!? いいんですか…円堂さんは?」
「今、俺が覚えなきゃならないのはリベロ技だ。だから、この奥義はお前に覚えてほしいんだ」
そう言って円堂から大介さんのノートを受け取る立向井。
そしてそのノートを食い入るように見つめ、
「あ、あの……円堂さん…読めません…」
「あれ?」
そう返した。
そりゃあの文字は読めんわ。
「これはじいちゃんの残したキーパー技の究極奥義。ムゲン・ザ・ハンド」
「ムゲン・ザ・ハンド…」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
某所。
まだ、円堂達の知らないこの場所で3名による会合が行われていた。
「まったく情けねえ野郎だ。自分からケンカ売っといて引き分けとはな。同点は敗北と同じ、だっけ? という事は今のお前は―――」
「私は負けたわけではない」
エイリア学園が誇るマスターランクチーム。
プロミネンスとダイヤモンドダストのキャプテンであるバーンとガゼルが睨みを利かせて言いあう。
「雷門イレブンのスペックは確認できた。次の勝利は我々ダイヤモンドダスト確実に頂く…!」
「生憎だったね、ガゼル」
その場を去ろうとするガゼルの耳に届いたのは、誰よりも先に円堂達と試合をした基山ヒロトことグランであった。
「そのデータは無駄になったよ」
「何っ!?」
「ダイヤモンドダストに次は無いって事だ。終わりなんだよ、お前らは」
「…………あのお方が…そう言ったのか?」
「そうだ」
わなわなと拳を震わせるガゼルにグランが返す。
その後のバーンとグランの会話はガゼルの耳には届いていなかった。
「……あのお方は、選択を誤った!」
しかし、彼の目はまだ諦めてはいなかった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
俺達は、超攻撃型雷門イレブン完成に向けて特訓を行っていた。
円堂はダイヤモンドダスト戦で見せたあのヘディング技の、立向井はムゲン・ザ・ハンドの習得。
そして俺達はそれに伴ったシュート力のレベルアップや各自の連携を強化すること。
「行くよ、円堂くん!」
「おう、頼むぜアフロディ!」
一之瀬とアイコンタクトを交わして上に跳ぶアフロディ。
そんなアフロディに一之瀬がボールをパスして、アフロディ円堂に向けてボールを蹴る。
円堂はそのボールを防ぐために額にパワーを溜めようとしたが、咄嗟に手が出てしまっていた。
「違う! お前はもうキーパーじゃないんだぞ!」
その様子を鬼道に責められてるし、向こうはあれで大丈夫だろう。
俺も自分のやるべき事をしっかりやらないと。
「んじゃ、俺達は立向井のムゲン・ザ・ハンド習得班だ。みんな頑張っていこうぜ!」
「み、みなさん。よろしくお願いします!」
俺の合図に綱海、浦部、塔子の三人が返す。
「それじゃあ、まずは俺からだな。いいか立向井、円堂に教えてもらった事を思い出せよ」
「はい!」
それはほんの30分程度遡る―――。
「こう書いてあるんだ。ムゲン・ザ・ハンドは全てのシュートを見切る技なり。その極意、シュタタタタタンドババババーン! これあらば上下左右前から後ろからどんなシュートも防御することが出来る!」
「え、円堂くんのおじいさんってすごく個性的な感性をお持ちなんだね…」
「安心しろアフロディ。誰でも最初はそうなる」
アフロディの肩を叩いて言う俺。
そんな俺達には見向きもせず、円堂のムゲン・ザ・ハンド講座は続く。
「ポイントは眼と耳」
「心眼…心の眼という事なんでしょうか?」
「心の眼か、じゃあ耳は?」
「う~ん…」
「分かった! シュートの作り出す空気の音を聞き分けるんだ! 全身を眼と耳にしてシュート見切る、これだ!」
そして今に戻る。
「ふっ!!」
俺が立向井に向けてシュートを出す。
立向井はそんな俺のシュートに目を閉じた。
「シュタタタタタン、ドババババーン! ムゲン・ザ・ハンド!」
両手を力強く合わせ立向井の前にゴッドハンドを思わせる巨大な手が現れたが、俺のシュートの勢いを軽減することも出来ないまま立向井ごとゴールに突き刺さった。
「だ、大丈夫か、立向井!?」
立向井を心配して近寄る塔子。
しかし立向井は気丈に立ち上がった。
「ま、まだまだ……次、お願いします!」
いいガッツ、それでこそ円堂が任せた雷門のキーパーだ。
俺はそんな立向井を見てそう思った。
そしてその反面
「……」
ベンチで一人でボールを抱える吹雪。
あいつが心に抱えている傷は、計り知れないものだけど。
そっちに関しては―――
「たああああああああああっ!!」
あっちでタイヤ達磨になってるキャプテンの熱に任せよう。
それに、あいつもあいつなりに頑張ってるんだ。
負けてられないぜ!
改めてになりますが、今年もよろしくお願いいたします。