サッカーやろうぜ! そうしよう!   作:ssgss

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詰め込み過ぎ…


雷雷軒の飯は上手い!

「皆! 分かってるな!」

 

《おーーーーー!!》

 

「とうとうFFが始まるんだ!」

 

《おーーーーー!!》

 

 円堂のかけ声に合わせて皆が叫ぶ。

 あ、正確には俺と豪炎寺以外の皆だな。

 

「ついに来たな円堂。FF。ま、地区予選だけどな」

 

「神向。そうだな、まだまだこれからだ。でもさ、地区予選ではあの帝国学園と戦えるんだ!」

 

 円堂の嬉しそうな顔を見ると、俺も嬉しくなる。

 それにそうだよな。また鬼道達帝国と戦えるんだ。ワクワクしないわけがないぜ!

 

「それで円堂。1回戦の相手はどこなんだ?」

 

「相手は! 知らない!」

 

 皆は先程までの空気とは一転して一気に気が抜けてしまった。まあ、キャプテンがどこの学校と戦うのか分からないとか言うんじゃそうもなるわな。

 

野生(のせ)中ですよ」

 

「え?」

 

 1回戦の相手が分からない円堂に冬海が現れて1回戦の対戦校を教える。

 よお、裏切り者。

 

「野生中は確か…」

 

「はい。昨年のFF地区予選決勝で、帝国学園と戦っています」

 

「すっげえ! そんな凄いチームといきなり戦えるのか!」

 

「普通は笑ってる場合じゃないんだぜ。円堂」

 

「神向くんの言う通りです。初戦大差で敗退なんてことは勘弁してほしいですね。ああそれから…」

 

 冬海が言い切る前に、その人物は部室に姿を現した。

 

「ちーっす! 俺、土門(どもん)飛鳥(あすか)。一応DF希望ね」

 

 土門……。

 一応冬海と同じで帝国からのスパイだけど、冬海とは違って本当は心優しい奴。

 俺としてはどうして帝国学園では土門のディフェンス力が買われなかったのか不思議なくらいだ。あれか? ボルケイノカットを習得していなかったからか?

 

「君も物好きですね。わざわざこんな弱小クラブに入りたいだなんて」

 

 うるせぇ冬海てめちょっと黙ってろ。

 どうせ影山の後ろ盾がなけりゃ何も出来ないような奴が。

 土門にそれだけ言うと冬海はその場を立ち去った。

 そして残された土門はあの人は何を言ってるんだ? とでも言いたげな風のジェスチャーを向けてくるので、俺は、俺達もよく分からんというジェスチャーを返した。

 

「土門くん。久しぶり」

 

「あれ、秋じゃない! お前雷門中だったの?」

 

「なんだ、知り合い?」

 

「うん。昔ね」

 

「そういえば、少林と壁山も土門のこと知ってるみたいだったな」

 

「俺達は、さっき校長室までの行き方を聞かれたんスよ」

 

 ……あー、そういえば俺も校舎内で見た気がする。

 朝寝坊ギリギリで頭まとまってなかったからすっかり忘れてたぜ。

 ……やれやれ、自分のことながらFF出場が決まって浮かれてるなんて、円堂達のことを笑えないな。

 

「とにかく! 歓迎するよ! FFに向けて、一緒に頑張ろう!」

 

 円堂は土門の手を掴んでグルグルと回した。

 

「相手野生中だろ? 大丈夫かな?」

 

「うん?」

 

「なんだよ、新入りが偉そうに」

 

 染岡が少し怒ったように土門に言う。

 

「そりゃ、俺は前の中学で野生中と戦ったことあるからね。瞬発力、機動力共に大会屈指だ。特に高さ勝負にはめっぽう強いのが特徴だ」

 

 土門の説明を聞いた途端に壁山がトイレに行きそうになるが、それを染岡が押さえた。

 

「大丈夫だ。俺達には、ファイアトルネード、ドラゴンクラッシュ、ドラゴントルネード、そしてデススピアーがあるんだ」

 

「どうかな?」

 

「えっ?」

 

「あいつらのジャンプ力は半端ないよ。ドラゴントルネードやデススピアーだって上から押さえつけられちゃうかも」

 

 染岡がそんなわけないと土門に言うが、その土門に豪炎寺が賛成した。

 

「俺も以前、奴らと戦ったことがある。空中戦だけで見たら、帝国や、俺や神向をも凌ぐだろう。あのジャンプ力で上を取られたら」

 

 空中戦を得意とする豪炎寺からの言葉で皆はやる気を無くしかける。

 

「それなら、新必殺技を考えればいいだけさ!」

 

 そこはさすが我らがキャプテン円堂守。

 意気消沈しかけてた皆をすぐにやる気にさせた。

 だが、新必殺技を考えるのもいいが基礎トレーニングも必要なので、今日は基本的な練習メニューだけをこなすことにした。

 

「いくぞ円堂!」

 

「来い! 染岡!」

 

『ドラゴンクラッシュ!!』

 

『ゴッドハンド!!!』

 

「栗松! もっと積極的にボールを取りに来い! 誰かがやってくれじゃなく、自分がやらなきゃならない場面も必ず来る!」

 

「わ、分かったでやんす……!」

 

 

 まずは帝国戦からの課題になっていた俺達の体力面を直すために走り込み。そして次にDF陣の強化のために俺と風丸と松野で攻めて、DF陣に守らせるトレーニングと、最後の砦である円堂に対して基本的なFW陣が順番にシュートを撃つ練習をしていた。

 この練習に関してはある程度時間が経ったら交代することになっている。

 

『ファイアトルネード!』

 

『ゴッドハンド!』

 

 あっちはあっちで気合入ってるな。

 よし、俺も負けてられないぜ!

 そして、この練習の交代時間が来た。

 円堂にシュートを撃つ順番は、風丸、松野、俺の順番だ。

 

「よし! 風丸、来い!」

 

「はあっ!!」

 

 風丸のシュートしたボールは円堂の予想とは反対方向に飛んでいく。だが、円堂は即座に反応し、

 

『熱血パンチ!』

 

 熱血パンチでなんとかゴールを守った。

 ちなみに熱血パンチは尾刈斗戦では大活躍だった技なのはここだけの話だ。

 

「よし次は俺が行くぞ円堂!」

 

「来い! マックス!」

 

「てりぁあ!!」

 

「ふんっ! いいシュートだ!」

 

 松野のシュートを円堂は正面からがっしりとキャッチする。そしていよいよ、順番は俺に回ってきた。

 

「お前のゴッドハンドがどれ程の物か、もう一度あの衝撃を俺に見せてくれ。円堂!」

 

「望むところだ神向! お前のデススピアー、必ず止めてやる!」

 

「へえ、そりゃあ楽しみだ……ぜ!」

 

『デススピアー!!!』

 

『ゴッドハンド!!!』

 

 俺のデススピアーと円堂のゴッドハンドは真正面からぶつかり合った。だが悪いな円堂、今のお前のゴッドハンドじゃ俺のデススピアーは止められないぜ!

 そして俺のデススピアーは円堂のゴッドハンドを砕き、ゴールに刺さった。

 俺のデススピアーも本来の使い手の威力からしたらまだまだかもしれないが、それでも今のゴッドハンドなら破れる程度には強かったか。良かったぜ。

 

「すげえ……さすがは神向だ! まだ手が痺れてるぜ!」

 

「よお! 精が出るな!」

 

 グラウンドの端から古株さんが俺達に声をかけてきた。

 

「古株さん! お疲れさまです!」

 

「いいよそんなに畏まらんでも。それに、見せてもらったよ。前の尾刈斗中との試合。凄かったなぁ、まるでイナズマイレブンの再来だ!」

 

「イナズマイレブン?」

 

 古株さんが言ったイナズマイレブンという単語に円堂は疑問の声を上げる。

 

「おいおい。円堂大介の孫が、イナズマイレブンのことを知らないのか?」

 

 古株さんが円堂に聞くと円堂は迷わず首を縦に振った。

 そして一旦練習を中止し、皆で古株さんの話を聞くことになった。

 

「イナズマイレブンってのはな。40年前にこの雷門中に存在した伝説のサッカーチームさ。あいつらなら世界とも渡り合える。なのに、あんなことあっちまって…」

 

「あんなこと…?」

 

「いや。何でもない。とにかく、お前さんはそのイナズマイレブンの意志を受け継いでいるんだからな」

 

 古株さんが円堂を指差す。

 

「えっ? じいちゃんもイナズマイレブンだったの?」

 

「ああ。円堂大介はイナズマイレブンの監督さ。まさに、サッカーそのものって感じだった」

 

「……よーし! 絶対になってやるぜ! イナズマイレブンに!」

 

「一人でなる気かよ、円堂」

 

「俺達を忘れてないだろうな」

 

 意気込む円堂に俺と風丸が言う。

 すると円堂は俺達全員を見渡すと、

 

「もちろん! ここにいる全員でなるんだよ!」

 

《おーーーーー!!》

 

 円堂の言葉に今度は俺と豪炎寺も含め、本当に全員で叫ぶ。いや、今度は土門がいないから、全員ってわけではないか…。

 そして、その日の練習はそこで終了した。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 次の日。

 今日の俺達は新必殺技の練習をしていた。

 栗松と少林はジャンピングサンダーと命名した必殺技をやろうとしているが、息が合わずに二人とも落下する。少林に至っては股間を痛打していた。あれは痛いぞ~…。

 宍戸は自分の頭の中にボールを隠してシャドウヘアーと言っているが、頭に隠すな。そしてなによりボールを本当に複数個使ったら失格だから。

 そして壁山。お前はボールの前で何故回ってるだけなんだ。せめてボールを使え。帝国のジャッジスルーだってボールを使うんだから、あれは人蹴ってるけど。

 それにしても、喉が渇いたな。ドリンク貰いに行くか。

 

「野生中との試合までに新必殺技なんて出来るのかしら」

 

「さあ、どうなんでしょうか? あ、神向先輩」

 

「神向くん。どうしたの? どこか怪我?」

 

「いや、ちょっと喉が渇いてよ。何の話をしてたんだ」

 

 木野達の話では、俺達が新必殺技を野生戦までに完成させられるのか、という話だったらしい。まあ確かにそうだよな。この状況だけ見たら到底出来るわけねえもん…。

 そしてその日の放課後。

 俺と円堂、風丸、豪炎寺の4人で雷雷軒に向かっていた。

 

「FFが始まるってのに、新必殺技のひの字も見つからないなんて」

 

「諦めるなよ」

 

「諦めたわけじゃないさ。ただ、最悪の事態を考えてなきゃいけないだけだ」

 

「それに、新必殺技が見つかったとしても。身に付けるまでの練習が必要だ」

 

 円堂達も新必殺技のことで結構行き詰まってるみたいだな。

 ……けど、俺もう腹減ってきた。

 

「腹減ってきたな。早いとこ雷雷軒に行こうぜ」

 

「そうだな! よーし食って寝て、また明日も特訓だ!」

 

 そして俺達は雷雷軒に向かい、店内に入る。

 そこでは、既に一人のお客さん……というか鬼瓦刑事が飯を食べていた。

 俺は炒飯大盛り、円堂達は全員ラーメンを注文した。

 

「野生中相手に、新必殺技も無しでどうやって戦うんだよ?」

 

「うーん…。まあ何とかなるさ、な? 神向!」

 

「そうだな。俺も、円堂も同じさ。皆を信じてる」

 

「は?」

 

 俺と円堂の言葉に風丸は首を傾げる。

 ……しっかし上手いなここの飯。

 

「風丸。忘れたのか、俺達は全員でイナズマイレブンになるんだよ。伸びるぞラーメン」

 

 円堂が言うと風丸はあ、ヤベ…とだけ言ってラーメンをすすり出す。

 

「イナズマイレブン……か」

 

「不安か豪炎寺? 俺達じゃイナズマイレブンになれないと」

 

「そんなことは無い。だが、イナズマイレブンになるにはまず野生中に勝たなきゃいけないことも確かだ」

 

 豪炎寺の言う通りだ。

 イナズマイレブンは伝説のチーム、そのチームになろうっていう俺達が野生程度に苦戦するようじゃ駄目だからな。

 

「うーん…。じいちゃん、どんな必殺技を持ってたんだろ? 知りたいなぁ…」

 

「……イナズマイレブンの秘伝書がある」

 

「へえ。秘伝書なんてあるんだ」

 

「なーに書いてあるんだろ?」

 

 ……そこから一瞬間を置いて。

 

「「えーー!? 秘伝書だって!?」」

 

 凄いなお前ら、息ピッタリじゃねえか。

 もう結婚しろよ、絶対上手くいくって。

 そんなアホなことを心の中で俺が言っているのは円堂達が分かる筈もなく、話は進んでいっていた。

 

「秘伝書はお前に災いをもたらすかもしれんぞ?」

 

 気づいたときには円堂は床に倒れていて、雷雷軒店主の響さんが円堂におたまを向けてそう言っていた。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 そしてまた翌日。

 俺達は響さんから聞いた秘伝書を探し、理事長室で夏未から受け取った。

 だが…、

 

「何かの暗号か?」

 

「外国の文字っスかね?」

 

 そう、そこには何が書いてあるのかさっぱり分からなかった。ヤベー…、分かってはいたけど、これは読めねえわ。

 そして風丸が一言。

 

「いや、おっそろしく汚い字なんだ」

 

 それでその場の全員は落胆している。

 当然だよな。新必殺技のヒントが得れると思ったらこれだもんな。

 

「誰も読めないんじゃ」

 

「それ使えねえよ…」

 

「「円堂っ!!!!!」」

 

 染岡と風丸がかなりのお怒りモードで円堂に怒鳴り付ける。

 

「すげえ! ゴッドハンドの極意だってよ!」

 

 だが、円堂だけは読めていた。

 そして、そこから俺達は野生中に向けて新必殺技。

 『イナズマ落とし』を覚えてもらうために壁山と豪炎寺に全力で協力することになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




オリ主のデススピアーはバダップの物と比べると大分弱いです。
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