受験期により更新を一時的に停止していたのですが、先日無事合格発表をもぎ取ることができました。
なので、これからまたちょくちょくと更新できると思います。
これからも本作をよろしくお願いします!!!
七草真由美との話を終えた後、司波達也が帰ってきた。
あんなことを言ってしまった手前、服部何某は口にすることはないが、達也が風紀委員に入るということを認めたらしい。
今は摩利に連れられて生徒会室の下にある風紀委員の部屋へと行ってしまった。
服部何某は、もうちょっと柔軟な考え方をすればいいのにとつくづく思う。
取り敢えず、生徒会執行部に入ってしまったからには仕方がない。
私はやると言ったらちゃんとやり切る主義の人間なのだ。
「では会長、仕事説明などをしていただきたいのですが」
「ええ、いい……のだけれども……。取り敢えずあーちゃんの話聞いてもらってもいいかしら」
気まずそうな目線の先には、調整の影響を受けた私の低身長と同等かそれ以下の身長の少女がテレビの中の人気者を見るかのような目で私を見ていた。
「紹介するわね、彼女は「中条梓です!あ、あの、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン さんですか!?ご本人様ですか!?」……」
会長の言葉を遮って名乗りを上げたのは本校生徒会本部役員の一員である2年の中城あずさだった。
そして彼女は生粋のCADオタクでもあるのだ。達也の使っているCADが一般販売の物ではなく、限定モデルであることを見抜いたのも彼女がオタクであるが故だ。
そして彼女はイリヤの大ファンでもあった。あくまで、CADが大好きなだけなので雫には敵わないものの、数々の名作を作り上げた製作者を尊敬していた。
「きょ、今日会えるならもっと色々聞きたいこととか準備できたんですけど……えっとその……サ、サインください!」
そう言ってノートを1ページを開いて私に頭を下げていた。なんか既視感があるぞ。
「ええ、構わないわ」
そう返事をしながらノートを受け取る。趣味で作ったノートだろうか。CADのことや魔法理論についてよくまとめられたノートだった。ペラペラと他のページを覗いてしまったのは申し訳ないが、これも
感心しながら各ページを流し、空いてるページを開く。
そこに日本に来て2度目のサインをした。
「はい、できました。それにしてもとてもよくまとめられていますね」
「あ、ありがとうございます!!」
当のあずさは興奮でどんどん顔が赤くなっている。
「あ、申し遅れました。この度生徒会本部役員の一役員として一緒に仕事をさせていただきます、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン と申します。不慣れな点があるかと思いますが、よろしくお願いします」
「いえいえいえいえ、こちらこそ、えっと頭をあげてください!私なんかに……ええっと」
私の突然の行動に驚いたのかあずさは目を回して大いに混乱しているようだった。
「すみません。少しからかってみただけです、改めてよろしくお願いします」
そう言って再度頭を下げる。
わずかな静寂
「た、体調不良で帰らせていただきますぅ!」
とうとうキャパをオーバーしてしまった梓は、その言葉を最後に顔を真っ赤にしてドタバタとカバンをひっ掴み、生徒会室を出て言ってしまった。
すこしやりすぎてしまったのだろうか。これから出会うであろう学友の全員にこんな反応されたら流石に困るし面倒だぞ。できれば司波達也くらいな落ち着いた対応をしてほしいものである。流石に高望みしすぎか。
「えっと、じゃあ仕事の説明に入ってもいいかしら?」
「はい、よろしくお願いします」
申し訳なさそうな会長から他の役員の紹介をしてもらった。
すこし静かになった生徒会室で私は作業内容を学ぶのであった。
翌日
「今日から部活動の勧誘期間に入ります」
真由美からの説明が続く。
やはりというか、この魔法科高校にも部活動はちゃんと存在するらしい。魔法を使用する競技の部活動も多数存在している。そのため、この部活動新入部員勧誘期間になると、説明の際などにCADの使用が必要となるケースが増えるため、CADの利用許可が緩くなるのだそうだ。
そうすれば必然とトラブルも多数発生する。
各部活の予算は活動実績によって割り振られるため、その年の大会結果によって今後の活動できる金銭的に範囲が決まってしまう。
優秀な魔法師の卵をいかにして部活に引き入れるかというこの期間から部活動としての戦いは始まっているのである。
その結果、デモンストレーションで張り切った結果やりすぎてしまったり、ある生徒を何人もの部員で囲んだり、挙げ句の果てには拉致なんてこともあるらしい。
さらに、魔法を使用する部活動と使用しない部活動との見えない確執がそれに拍車をかけており、例年とんでもない数の問題の対応に追われるらしい。
「でも今年は助かったわ。主だって問題児の確保に当たる風紀委員は新しく二人、問題の処理をする生徒会本部役員も二人増えてくれたことだし」
語尾に音符マークでもついてそうな言い方をする真由美に対して私は『無理矢理っぽかったじゃないか』と目で訴える。
ごめんごめんと言いながら頬をかき、真由美は今後の動きについての説明に入った。
「今年も生徒会本部役員は問題解決に回ってもらう予定です。事情聴取等は部活連とともに行います。そこで、生徒を拘束できる魔法を持っているイリヤさんには風紀委員会からの生徒の受け渡しを担当してください。深雪さんはリンちゃんの下についてください」
なるほど、会長は人を使うことに長けているようだ。たしかに昨日の時点で魔法の研究とは全く関係ない書類まとめなどが苦手なことがバレてしまってはこうした仕事の方が私には向いているだろう。
そもそも、私の主な仕事としてはこの魔法科高校の区別に対するアドバイザーなのだ。別に書類仕事ができなかったからといって悔しいとかそんなわけでは断じてないのだ。ないったらない。
「わかりました」
「ありがとう。あ、これが勧誘期間中の風紀委員の主な流れが書いてあるデータで、これが事情聴取のために借りた部屋と風紀委員からの受け渡し場所の地図のデータ」
ケースに入れられた小さなチップを受け取る。それと同時に生徒会本部のタブレットも渡された。チップを、タブレットに入れてデータを表示させて中身を確認する。
風紀委員の動き、タイムテーブルといくつかの地点にマークがされたこの学校の地図のデータが収められていた。
「ありがとうございます。風紀委員の方々に一応挨拶したほうがいいでしょうか?」
「そうねぇ。ちょうど今決起集会でもしてそうだし、一応挨拶したほうがいいかもね」
「わかりました、失礼します」
そう言ってお辞儀をして、生徒会室奥の下の階にある風紀委員の部屋に直通している階段へと向かう。
後付け感がひしひしと伝わる外部階段を下って風紀委員の部屋の扉の前に立ち、ノックをする。
「引き渡し担当のアインツベルン です」
『あぁ、入ってくれ』
「失礼します」
摩利の返事を受けて、風紀委員の部屋に入る。
中を見ると、ちょうど取り締まり前のミーティングだったのか、風紀委員会の全員が集まっていた。そのなかで見慣れた顔が二つ。
一つは昨日もあっていた司波達也。もう一人は数日前、司波深雪を巡ってトラブルを起こしていた森崎何某だ。個人的に知っているわけではないが、あんなに騒いでいたのだから一応顔だけは覚えている。
森崎と私の目があった。ワナワナと何か言いたげな表情を、浮かべていた。
「紹介しよう。我々で捕らえた問題児を事情聴取の部屋へと引き渡す係として生徒会本部から来たイリヤスフィール・フォン・アインツベルン だ。彼女のことを知っているものもいるかと思うが、特別に扱う必要はない。彼女もただの新入生だ。では、挨拶を」
「ご紹介していただいた通りです。イリヤスフィール・フォン・アインツベルン 。一科生の一年生です。生徒会本部役員の末席に就かせていただいています。部活動の勧誘期間中は先ほどの通り、引き渡し役として動きます。よろしくお願いします」
そう言って頭を下げる。
よろしく、とかたのむぞ!だとかの、声が聞こえた。良かった。ここにいる人たちは雫や梓のような過剰反応しない人たちだった。
「最後に合わせでミーティングをした後に出動とする!」
摩利の締めの言葉により皆の表情が変わった。
さて、問題が起きないのが一番なんだけれども…………
はい、という形です。
勧誘期間はなるべくざっくり。で行きたいかと。
敬語あたりになにか違和感を感じるかもしれませんが、イリヤは長年ドイツにいたので少し日本語に不慣れなんだな程度に思っていただけたら幸いです。
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