悪いところのご指摘お願いいたします。
駆け出し冒険者達が集う街『アクセルの街』にある魔道具店、店内には客はおらず二人の男女がテーブルを間に向かい合って座っていた。
「ウィズ………私が言いたい事を君は察しているだろう……だが、あえて聞かせて頂くよ」
「……はい」
「あの木箱の山は何だね?」
「あ、あれはモンスター避けと言いまして」
ウィズと呼ばれる女性は木箱の中身から小瓶を取り出し男性の元に戻る。
「この瓶の蓋を開けると非常に不快な臭いを周囲に発してモンスターを寄り付かなくさせるという商品です。その臭いは、まともに嗅げばトロールでさえ気を失う程です!こ、これは絶対売れます!」
「………ふむ…では、一度街の外で実験出てみようか?」
「……え?」
男性はウィズの手を引っ張り、街の外へ連れ出す。
「さぁ、その瓶を開けるんだ」
布で鼻と口元を覆った男性はウィズから10メートル程離れた所で指示する。
「あの…何でそんなに私から離れているんですか…ハヤトさん?」
おどおどした表情でハヤトと呼ばれる男性に問いかけるが
「その事は気にしなくてもいい、早く蓋を開けたまえ」
お構い無しにハヤトはウィズに瓶の蓋を開ける様に指示する。
「は、はい……では、開けますよ」
ポンッ
「ヒイィィィィィィッ!?」
ウィズはモンスター避けの臭いに耐えきれず瓶を手離して気を失ってしまう。
「うッ!やはり欠陥商品……使用者にも支障きたしたら仕方ないだろうまったく……」
ハヤトは息を止めながらウィズが落としたモンスター避けに再び蓋をして、気を失ったウィズを抱き抱えて店に戻っていく。
「努力はしているんだがね、全て空回りしてしまうのがこの人の難点だ」
店に戻ったハヤトはウィズを寝室のベッドに寝かせ、店の売り場へと戻る。
ウィズが取り寄せたこのモンスター避けの山を倉庫にしまい、売り場のカウンターに座り紅茶を飲んで一息つく。
「私としては、できればこの店で働きながらゆったりと過ごしたいんだが……家賃も危ういこの状況だと、そんな事言ってられないな。久し振りに稼ぐかな……」
外出の仕度をして、店の看板を準備中に切り替えてハヤトはある所へ向かった。
「さて、今はどんなクエストが貼り出されてるのだろうか」
ガチャッ
魔道具店から数分、ハヤトはとある建物に入った。
中には沢山の冒険者が飲み食いしており、中々賑やかな光景だ。
「お⁉ハヤトじゃねぇか‼」
「あら、本当だわ。久し振りねハヤト」
「ハヤト!これからクエストに行くんだが付き合ってくれよ!」
「ねぇねぇハヤト~、うちのパーティーに入ってくれないかしら?」
一人の冒険者がハヤトに気付くと他の冒険者もハヤトに群がり始める。
「やぁやぁ久し振りだね皆、元気にしてたかな?」
ハヤトは笑顔で適当に流しながら、カウンターに座っている女性に話しかける。
「久し振りだねルナ」
「あ、ハヤトさんお久し振りです。冒険者ギルドへようこそ‼」
ここは冒険者ギルド、冒険者がクエストを受ける場所であり、他にも食事等もできる場所である。
「いや~、今月も厳しくてねぇ。高額のクエストはないかな~と思って来てみたのだが……どうかな?」
「ちょうどよかった、ハヤトさんにやって頂きたいクエストがありまして」
「?」
「これなのですが」
ギルドの受付嬢ルナは一枚の紙をハヤトに差し出す。
「……ヤマタノオロチの討伐…まさかアクセルの近くにいるなんてねぇ」
「はい、突如近辺の山にて目撃情報がありまして、徐々に山を下っているみたいです。放っておけばこの周辺の生態系を揺るがしかねない存在になりかねません。どうか引き受けていただけませんか?もちろん報酬金は高額な1億エリスになります」
「野暮なことを聞くものではないよルナ、私が断ると思うのかい?報酬金以前にこの街も危ないのだろ?ならばやるしかないじゃないか」
「ハヤトさん…ありがとうございます!」
「では行ってくるよ」
「あ、あの……ハヤトさん」
ギルドから出ようとするハヤトは呼び止めるルナ、その顔は少し赤くなっており緊張している様だ。
「ん?どうした?」
「あ、あぁぁの……こん、今度一緒にお食事でもしませんか?……あ!嫌でしたら…お断りして頂いても……」
「じゃあ、クエスト終わったら何か食べに行こうか」
「え?………いいんですか?」
「1億エリスもあれば余裕あるしね。私も最近外食してないし、いい機会だ。出来るだけ早く終わらせて来るから待っていてくれ」
「………はい、お待ちしてますね!」
ハヤトがギルドから出ると
(やったぁ~!ハヤトさんにお誘いできちゃった~!)
カウンターで一人嬉しさに悶えるルナ、冒険者達の痛い視線に気付くのは数十秒後である。
次はオリキャラの紹介です。