平凡人間の転生守護獣日記   作:風邪太郎

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本編ストーリーには多分20話くらいから入ると思います。あと今回オリキャラ登場注意です。


第3話 私達の名はANIMAL GIRL(動物少女)

「そういえばあなたの名前聞いてなかったよね、なんていうの?」

 

 

バスでくつろいでいた俺は、サーバルの突然の質問に驚いた。

名前、か……普通に名乗ってもいいけど、よく考えたら生まれたばかりでそんな日本人らしい名前もっていたら明らかに不審だし、でも何も言わなかったらそれはそれでなんて呼ばれるかわからんし。

 

 

「あー……気がついたらあそこにいて、あとはお前たちの知っているとうりだ」

「なるほど、この前生まれたばかりってことですかね?それなら前例がない可能性もうなずけますし」

「ああ、そうなるな」

 

 

よし、名前の件はごまかせたな……あ、いや、まだ問題のままか。

 

 

「あれ?それまでなんて呼べばいいのかな?」

 

 

そうくるよなぁ。俺は何も思いつかないし、なんというか、サーバルのネーミングセンスはあてにならなさそうだし。

 

 

「うーん、あまりいい名前は出てきませんね……でも、猫耳と羽をどっちも持ってるのは特徴的です!」

「まぁ、珍しいだろうな」

「ええ、2倍にモフモフしてて可愛いですよ!」

 

 

お、おう……?ま、確かに猫なのに羽生えてんだもんな。正直聞いたことがないけども、UMAとかそっちの部類か?

 

 

「あ、はいはーい!ネコハネちゃんとかどう?」

「ねえだろ」

「ないですね」

「ひどいよー!」

 

 

いや、だってお前それくっつけただけじゃん。なんの捻りもないじゃん。ダメだろ。

いっそのこと、普通に名前いうか?いや、だからそれは流石に怪しすぎ……あ、そういえば最近使われなかったけどあのあだ名があったか。えーっと、確か──

 

 

「あ、思いつきましたか?」

「なんとなく、呼んで欲しい名前があってな」

 

 

この名前で呼ばれるの久しぶりだし慣れないかもしれんが……うん、サーバルに名付けられるよかマシだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『トツカ』。俺の名前はトツカだ、そう呼んでくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

の  の  の  の  の  の  の

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つきましたよ、トツカさん、サーバルさん」

「ほら、起きてトツカ」

「ん……うにゃ」

 

 

ん……寝てたのか……?疲れが溜まりすぎてたんだな、ふぁ〜ぁ……もう外少し暗くなってるし、眠気がすさまじいのはそれも原因か。でもそこまで早く寝てた覚えないんだけども。

 

 

「……おお」

 

 

目の前に現れたのは、先程まで大自然(サバンナ)にいたとは微塵も思わせないほどに立派で清潔な建物(人工物)。なるほど、さすが大型複合施設の1支部なだけある。とは言ってもここら辺建物多いし、そこまで大きいわけじゃないが。

 

 

「驚きましたか?まぁ研究所とは言っても、実質観測所みたいなとこですし。そこまで大きいわけじゃないんです」

「うん、1つだけおっきい部屋があるけどそれ以外は小さいし。ほら、あそこにタワーがあるでしょ?」

「ん……そう、だな」

「んもう、ちゃんと聞いてる?それでね、それでね……」

「サーバルさん、ちょっと落ち着いて」

 

 

説明も全く頭に入ってこない。目を擦りつつ、サーバルとミライさんに続いて施設の中へ……

 

 

ウィーン

 

 

お、転生後初の自動ドア。さっきまでの光景が光景だけになかなか感慨深い。

自動ドアに思いを馳せていると、ミライさん達が受付?らしき人と話していた。

 

 

「あ、ミライさん!あのソファーって、ちゃんと持って行けましたか?結構ボロかったと思うけど」

「はい、サーバルさんの手伝いもあってなんとか。それとテレビとかって持って行けますかね?」

「んー、本体はまだしも電波とかはどうかなって感じ。所長がなんて言うか」

「そういえばアデリナ所長、ミライさんに話があるって言ってましたよ。なんでもガイドについてだそうで」

「えっ、所長から!?うわ、絶対めんどくさいやつだー……はぁ、ついてないなぁ」

 

 

「なんの話してるんだ?」

「私もよくわかんないなー。お仕事の話は愚痴しか聞いたことないから……あ、でも所長さんには会ったことあるよ」

「そうなのか。でも『めんどくさい』言われてるあたりそういう人なんだろうな」

 

 

しかも普段してるの愚痴かよ。パークガイドとはいえ、やっぱ社会人なんだな。俺も社会人……あ、今や『元』社会人か。どっちにしろ共感できるところはなきにしもあらずだからなんとなくミライさんの気持ちがわかる気がする。

 

 

「あ、それでさっき連絡を入れた新しいアニマルガールさんについてなんですけど」

「それってあそこのクリーム色の子?確かに見たことない……でもあの羽フサフサしてそう!」

「獣耳もぴょこぴょこしてて可愛いです!」

「さらに尻尾も加わって……」

 

「「「きゃーっ!!!」」」

 

 

「……なぁ、なんかもう色々と手遅れなんじゃないかあの人たち」

「だいじょぶだいじょぶ。これが普通だから。これから慣れてくから」

「だといいが」

 

 

いや、よくねぇな。慣れたら負けるを通り越して確実に死ぬ。少なくとも隣で若干悟り開いてるサーバルの二の舞になる。

 

 

「冗談はさて置き、空いてた人1人呼んどいたから。104号室で待ってるわよ」

「ああ、あのデカイ部屋の隣……ありがとうございます、行ってきますね」

「ミライさん、所長と話。忘れないでくださいね?」

「は、ははは……善処します」

 

 

そう言って走って行ってから数分後。

 

 

「こちらはここの研究員の方です」

「ほぇー……」

 

 

研究員、か。そういえばジャパリパークってただの動物園じゃないんだな、研究所とかある時点でアレだけど。あと眠くて話が入らん……

 

 

「どうも、リュウと言います。それと、久しぶり」

「久しぶりだね、研究員さん」

「話は聞いてるだろうが、トツカだ」

 

 

さて、データが欲しいねぇ。こちらとしてはもうさっさと寝たいんだが、出来るだけささっと終わらせて欲しいんだよな、ミライさんに話してみるか。あの人話通じる人だし。

 

 

「じゃあ、君が新しいアニマルガール?」

「そうです!ネコ科のアニマルガールの特徴を持ちながらもこのフサフサな羽を持ってるってすごくないですか!?しかもこれちゃんと猫の毛でできてるんですよ!」

 

 

あのー、なんであんたが説明してるんですか。それとあんまモフらないで頂けないでしょうか?いや、話通じる人だし、多分わかって──

 

 

「うへへー♪」

 

 

あ、今話通じないモードだ。そういえばけもの好きなんだっけ、そんな性格あったな。

 

 

「あー、ずるい、私もトツカのことモフモフしたいー!えいっ」

「なんでお前までってだあああああ!ひっぱんなお前!痛いっての!」

「わふー♪」

 

 

お前「モフる」の定義わかってんのか!?それ乱暴にくしゃくしゃしてるだけだから!あとミライさんも混乱に乗じてくっつくな!

 

 

「……た、大変ですね」

「わかるなら助けてくれないかなー!?」

 

 

マジで今助けがものすごい欲しいいだだだだだ!

 

 

 

~検査後~

 

 

 

検査はそれほど時間はかからなかった。よくわかんない機械を当てられたり観察されたりしたくらいで、むしろミライさんやサーバルの突撃を抑える方が苦労した。本当に落ち着きを取り戻してくれてよかったよ……

 

 

「……以上から、トツカさんはイエネコの一種だと考えられます。体毛から推測するのも難しいです」

「羽についても前例が無いんで……イエネコの亜種、或いは突然変異が妥当だな」

 

 

リュウと後から『面白そうだから』という理由で入ってきた金髪研究員さんにはそう言われた。要は詳細なことはわからない、新種のアニマルガールじゃないかってことで、今は一応イエネコにしておくんだと。あれ、これもしかして実は俺に凄い秘密が隠されてる説あるな……

 

 

「にしても、もう夜だな」

 

 

そう言って俺は窓の外を見やる。完全に真っ暗だ。太陽はとっくのとうに沈んで、今は月がもうすでに顔を出している。

 

 

「今日はもう遅いですし、研究所の空いている部屋を使ってください」

「ありがとー!」

 

 

お、なかなか気がきくな、しかも動物のように野宿ではなくしっかりとした部屋で寝れるわけか。初日からなかなかに恵まれた待遇を受けてるぞ、転生最初のサバンナ散策がまるで嘘みたいだ。

 

 

「あれ、ミライさんも泊まって大丈夫なのか?」

「そうでした、ちょっと記録してきますね!」

「ガイドさん、所長さんとのお話もね?」

「ぐっ……わかりました、いってきますぅ」

 

 

あ、記録すれば大丈夫なんですね。意外にもゆるい管理だな、ジャパリパーク。

 

 

「んじゃ、寝るかー」

「トツカあんなに寝たのにまだ眠いの?」

「う……いいんだよ、睡眠は大事だから!」

 

 

さて、念願の就寝タイムだ!

 

 

 

~移動後~

 

 

 

「……と、行きたかったんだが」

 

 

部屋について、一番最初に目に付いたのは、小ささだった。

 

いやまぁ、しょうがないのはわかる。だって部屋とはいえ一応研究所の一室、それもおそらくは仮眠室的なところだと思うし。仮眠する必要とかよくわかんないけど、とにかく、この部屋を小さいと思ったのは、この部屋の現状最大の問題が原因だった。

 

それは……

 

 

「ベットが……」

「おっきくない……」

「だな……」

 

 

……そう。ベットが小さすぎるのだ。正確には「3人で寝るには」がくっつくが。うん、仮眠室的な部屋という仮説が正しければ、仮にもベットが1人だけが使うと仮定されて置かれていてもわかる。あれ今何回「仮」って漢字使ったってそれは関係ねぇ!とにかく、今問題なのは3人がどう寝るか、なんだが。たぶん2人までなら寝れるか?

 

 

「……俺は上で寝るぞ」

「えー、私も上で寝たい!」

「リュウさん、もう少し大きめの部屋は……」

「ここは全部これくらいの大きさで、他の部屋は今埋まってるんです」

 

 

無理やり詰めて寝るか?いや、絶対まずい気がする。ベット壊れるか弾き飛ばされるかで起こされるだろうし、何より暑そう。暑いのはもう今日の昼十分体験したからな、これ以上はもう味わいたくないんだよ。

 

 

「く……斯くなる上は……!」

「ああ……やるしかないみたいだな」

「……本当に、やるんですね」

 

 

もうやるっきゃないだろ、何よりさっさと寝たいんだよ!

こういう時はこの方法を使うしかない。これは絶対的なルールによって決められた、敗者と勝者を決める弱肉強食の世界の勝負──

 

決闘(じゃんけん)だ!

 

 

「最初はグー!」

「じゃんけん……」

 

「「「ぽん!」」」

 

 

ミライさん:グー サーバル:グー 俺:チョキ

 

 

「うがああああ!負けたあああ!」

「わーい!サーバルさん、勝ちましたよー!」

「やったー!これでベットは私達のものだー!」

 

 

おのれ、わざとらしく相手の前でやりやがって……覚えておれぇ!絶対復讐してやるからな、うごごごご……

 

こうして、俺は2人にベットを占領され部屋の床で寝る羽目となったのだった。

 

 

 

~夜~

 

 

 

「サーバルさん、きもちいいれふ……(ギュー」

「トツカー、上で寝ていいよー!?」

「約束は守れよ、サーバル?ふぁ〜」

「そんなー!!」

 

 




「トツカ」という名前に深い意味はありません。
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