緑谷出久の中の人 作:アニメ勢
本編書きたい欲求がムクムクしたので進めますね
閑話楽しみにしてた人はごめんなさい!
毎度ながら誤字報告ありがとうございます!
雄英体育祭。生徒たちが切磋琢磨するイベントであり、プロヒーローが有望株を見つけて唾かける準備を始めるイベントである。
そして、緑谷出久にとって憧れの人物からプレッシャーをかけられた状態で挑む、気合を入れざるを得ないイベントであった。
「第一種目は障害物競走11のクラスが一斉にスタートするからあのゲートでは明らかにキャパオーバーてことはいかに速くゲートを抜けるかがカギになるけど僕たちヒーロー科は後方からのスタートになってて僕じゃこの人混みをかき分けて進むのは不可能けどゲートまでの通路の側壁を走り抜ければいけるかもゲートも幅は狭いけど高さはあるから大丈夫あぁでも他の人の妨害は絶対あるからそれをどう切り抜けるのかも重要だでもどんな個性なのか分からないし正直すぐ対応できるよう注意することしかできないかなでもクラスの皆ならある程度は予想できるかその場合はいったいどんな手で妨害して来るか射程距離のある轟君やかっちゃんが筆頭だけど瀬呂君や上鳴君もありえるかいや上鳴君はデメリットが大きいからそんな広範囲で放電はしないかだとすると要注意なのは轟君とかっちゃんかあの2人控室でもバチバチだったし危ないっていうか僕にも喧嘩売ってたしホント危険が危ないかもしれない」
―――緊張しすぎだ阿呆め
で、でも対策はしっかりしておかないと……!
―――そうだけど、俺らにあるのは単純な増強型の個性に拳法だけ。やれることなんて限られてるぜ? それに
……それにいつもと変わらないって言いたいんでしょ? 何があっても対処できるよう全方位に警戒網を張り巡らしておく。
―――せやで。お師匠から口酸っぱく言われてることやで
そういえば最初の頃は型の練習中に視界の外から殴りかかってきたこともあったね。いやはや、アレで周囲に気を配る重要性を知れたよね。
―――文字通り骨身に沁みる形でなー。あれもしかしなくても虐待だよ虐待、出るとこ出たら勝てるよ俺ら
自分から頼み込んだから負けるんじゃないかなー。……ありがと、少しリラックスできたよ。
―――いいってことよ
ふぅ、と一息つく。落ち着いてみればもうスタートのカウントダウンが始まっていた。いや本当に危ないところだ。もしかしたら出遅れてたかもしれない。
もう一度前にいる生徒の群れを観察する。そうすればさっきは見えなかったものが見えてきた。…………うん、これなら行ける。
『スタートォォオ!!』
一歩踏み出すと同時にフルカウルを発動させ、一気にトップスピードまで加速する。
前の集団には狭いが隙間が空いている。詰めすぎると動きづらくなるから開いている隙間だ。僕はその隙間を縫うように駆け抜けていく。
「うおっ! なんだ!?」
「今なんか緑に光らなかったか?」
個性を使うと出る謎の閃光を纏いながら進んでいく。すると隙間がないほど人がごった返しているゲート前まで来た。僕はそれを見て右に進路をずらし跳び上がる。跳んだ先にある壁に着地、そのまま重力に逆らうようにして壁を走る。一歩踏みしめるごとに壁に蜘蛛の巣みたいな罅が入っているが、まぁしょうがない。これが一番早いのだ。
「あいつ壁走ってやがるぞ!?」
「ジャパニーズニンジャ! カラテ! ワザマエ!」
「忍者ってかただの力技じゃね? あとそれを言うならアイエエエエ! だろ」
―――一部クッソ余裕な人がおるんじゃが……
今は自分の事に集中!
不意に白い煙が目に映る。これはアレだろう。予想していたので壁から飛び上がる。すると音をたてながら壁や床が凍っていく。
「あっぶないなぁ!」
「避けてるんだから謝んねーぞ」
跳んだ先にいた下手人、轟君と目が合った。一人ごちただけだったが轟君が反応してきて思わず苦笑い。
―――ホンマ轟きゅんは天然やなぁ。それで顔もイケてるとか最強すぎる
ついでに中の人にも苦笑いをしつつ轟君と並走する。
「オレの前に出てんじゃねーよ! カス共!!」
聞きなれた暴言と爆音を耳にする。もしかしなくてもかっちゃんだ。スタートダッシュが決まったのでかっちゃんの前にいるが、彼女はスロースターターなので直に追いつかれるだろう。
―――それまでに出来るだけ距離を稼ぐってなぁ! って
裏谷君の言葉に視線を上に向ける。そこには頬を腫らした峰田君がぶっ飛ばされているところだった。って
「み、峰田君!? 大丈夫!?」
―――クソッ、敵は取ってやるからな
たぶん死んではない。いやそんなことより。峰田君が飛んで行った方とは逆の方向を見る。
「アレは、入試の時の仮想
―――第一関門ってやつか!
すると実況のプレゼント・マイク先生の声が聞こえてきた。
『アレは第二関門仮想ヴィラン! お邪魔虫が行く手を阻むぜぇ! どうにかして突破してくれや!!』
―――えっ。だ、第二っすか? 第一は何処へ?
たぶんあの狭いゲートがそうなんじゃないかな。最初の篩的なアレ。
そうこうしていると進路を塞ぐようにヴィランが現れた。一瞬も止まることなく跳び蹴りで粉砕、着地しようとしたら地面が凍っていて体勢を崩してしまう。
「っ! 轟君か!」
いやらしい妨害をする。おそらく彼の靴にはスパイクでもついているのだろう。走りにくい環境を作り、他がもたついてる間に自分はスイスイ進もうとしているんだ。
―――影響なさそうなのは飛んでるかっちゃんくらいかな? でも残念でした!
そう、こう見えてもバランス感覚には自信があるのだ。さっきのはいきなりだったから対応できなかっただけ、ノーカンノーカン。
―――どんな姿勢でも受け流せるようにバランス感覚と柔軟はとことん鍛えられたからねぇ。こんなんあってないようなもんだわ
次々現れるヴィランを鎧袖一触とばかりに蹴散らしながら走っていると、開けた場所に出た。
そこには懐かしのものがあった。
『あの巨大ロボは入試で使用された特大ヴィラン! 見た目通りの性能してるから、ちゃっちゃと突破しっちゃってちょーだい!』
僕が入試でぶっ飛ばした0ポイントヴィラン。それが何体もいる。
けど、躊躇することなくヴィランに突っ込む。
『おぉっと、一切止まることなく突撃する奴がいるぞぉ!? アレは1-Aの緑谷出久に轟焦凍、そして爆豪勝己だぁ! さあさあどう突破するつもりだ!?』
確かにあの巨体から繰り出されるパワーは脅威だが、その分動きは鈍重だ。動きの先は読みやすい。マイク先生が言うにはかっちゃんと轟君もいるはずなんだけど姿は見えない。きっと別の個体と対峙しているんだろう。
ただ一人向かって来る僕をロックオンしたらしく、拳を振り上げ殴ってくる。その着弾地点および衝撃が及ぶ範囲を推測し、そのギリギリのところを走り抜ける。土埃が視界を奪うが被害なし。そのままヴィランの股下を駆け抜ける。
隣では爆音と何かが倒れる音が聞こえてくる。案の定簡単に突破したようだ。
『3人とも楽々突破したぁ!!』
『だがリードしたのは緑谷だ。爆豪は上に飛び上がったこと、轟はいったん止まって撃破したことで若干タイムロスが出たな。一方緑谷は最小限の動きで回避してほぼ直進、合理的だな。』
僕がリードしてる! このまま距離を稼ぐ!
しかしそうは問屋が卸さなかった。
―――なんだこの地形はたまげたなぁ……。これかっちゃん一強じゃね
断崖絶壁にロープ、これを渡って進めってことか。この距離はフルカウルでも跳んで渡るのは無理、ロープを渡るしかない。
『さぁ第三関門だが、これは爆豪有利! 飛べば関係ねーもんなぁ! それに追随するのは轟! ロープを凍らせて滑って進むぅ! ついでにロープ破壊して後続の妨害もする! さっきから妨害してばっかだなコイツ!』
『合理的な判断だ。にしても緑谷は災難だな。ここに来て普通に進むしかない』
『それでも十分速いけどな! それ以上にあの2人が速いってことよ!』
っ! 速く追いつかないと!
―――大丈夫、残りの距離から考えてもう1つぐらいは難所があるはず! そこで挽回すればいい!
しばらく走ると実況が聞こえてきた。もう難所に着いたのかあの2人!
『最終関門は地雷原! 爆発しても死にはしないが吹っ飛ぶから注意しろよぉ!』
地雷原! まだチャンスはある!
―――先頭にいるほど地雷を踏む危険が高まる、もたついているだろう間に追いつくぞ!
当然!
地雷原に着くと2人は先に進んでいた。お互いに妨害しているようで思ったよりも距離は開いてない。辺りに爆発した跡がないってことは地雷を踏んでいないってことか。にしては結構進んでるけど……。
―――いや、よく見てみろ。地面の色が少し違ったり盛り上がってるところがある。それで判断してるんだろうな
なるほど。でもこれなら。
「一気に駆け抜ける!」
地雷なんぞ知らんとばかりに激走する。みるみるうちに距離は縮まりそして。
「追いついた!」
「っ! デクゥ!!」
「緑谷……!」
飛び上がった勢いを足した蹴りをかっちゃんにお見舞いする。防がれるものの吹き飛ばすことに成功する。着地した僕に冷気を纏った腕が迫るが左腕を使い外へ逸らす。
僅かにできた間隙をついて再び走り出す。2人から妨害されない内に少しでも前へ!
「行かせるワケねぇだろ!」
「止まれ緑谷!」
かっちゃんの爆撃しようとする腕ごと逸らし、迫り来る氷を爆散させる。
「っ! そう簡単にはいかせてくれないか!」
そこからは三つ巴の妨害合戦。抜け駆けされないよう妨害し合っていく。進むスピードは亀のように遅く、突き放していたはずの後続が見えるところまで来ている。
『さあさあ障害物競走もいよいよ大詰め! 先頭の3人は足の引っ張り合いに忙しいみてーだな! 遅々として進んでねぇ!』
『誰か1人が抜けると他の2人から標的にされるからな、迂闊に動けないんだろ。だが、そろそろ誰かが抜けないと後続に追いつかれるぞ』
くそっ、抜け出せない! 何かないか、何か……。
―――よっしゃ俺の出番だな! 出久、かっちゃんのアレ拝借しようぜ!
アレ? …………ふむふむ。なるほど、なるほど。
「それ採用!!」
強く踏みしめ、2人より一歩先んじる。
「採用? 何を企んでいるのか知らねぇけど」
「オレの先行かせるかよ!」
牽制していたが抜け駆けした1人がターゲットにされる。僕を先に行かせまいと手を伸ばす2人。だけどそうはいかない、いかせない。
「勝つのは僕たちだ!」
右腕がひとりでに動き出す。今腕を動かしているのはもう一人の僕だ。右腕が風を起こす。2人の足元に旋風が着弾、地面を僅かに切り裂き
爆発で2人の動きが阻まれる。
『ここで緑谷抜け出したぁ!! 地雷をわざと爆破させて妨害したぞ!! なんだあれ個性か!?』
『いや、それだけじゃないな』
そして僕は2人を尻目に爆風を推進力にして
―――
一度も地面に着くことなく地雷原を抜ける。ゴールとなる会場はもうすぐ目の前だ。後は走るだけ、全力疾走!!
―――GOGOGO!!
妨害なんて知ったこっちゃねぇと一目散。
BOOOOOM!!
爆発音がした。振り返るまでもない。
「オレのマネか? えぇ……」
彼女が迫ってくる。
「爆風使って! オレに敵うワケねぇだろうがぁ!!」
そうだ、これは彼女の技の見様見真似。同じことをしてもかっちゃんに一日の長がある。
連続した破裂音が迫る。確実に仕留める為大技を使うつもりだ。
「死ねやデク!!」
「信じてたよかっちゃん」
予測していた僕はその腕を逸らす。
「んなっ!?」
そのままかっちゃんのお腹に一撃入れる。
「こんのぉっ、クソがぁああ!!」
逆にかっちゃんを吹き飛ばし、そのまま僕は駆け抜ける。
吹き飛ばしたことでちょうどいい感じのポジションに来たかっちゃんの腕が爆発して巻き込まれたのはナイショの話。
『まさに気炎万丈! 白熱した戦いを制したのはこの男! 1年A組緑谷出久だぁ!!!』
次は騎馬戦!書ける気がしねぇ!
てことで割愛します
緑谷出久
後で酷い目に合う
轟焦凍
後で酷い目に合う
爆豪勝己
後で良い目に合う