緑谷出久の中の人   作:アニメ勢

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幕間的なやつ
大部分を深夜に書いた


爆豪勝己:オリジン

 私の幼馴染はヒーローに憧れている。いや、正確にはNo.1ヒーローであるオールマイトに憧れている。それは筋金入りでオールマイトのデビュー時の映像、災害救助をしている動画の再生回数を幼馴染だけで万単位で増やしている疑惑がある。

 そんな彼は個性が発現するのが遅かった。私を含めた周りは、そんな彼を無個性とからかっていた。もちろん悪意のないただのノリで、彼もそのノリに乗ってバカ騒ぎしていた。

 

 彼が本当に無個性と判明するまでは。

 

 無個性だとわかった彼は周りが心配するほど落ち込んでいた。私は励まそうとしたが、聞こえていない様子で呆然としていた。遊ぶ時も、お喋りする時も、ご飯を食べる時も、彼は心ここに在らずといった様子で、私の心配はどんどん大きくなっていった。

 

 と思ったらいつの間にか立ち直っていたのだ。

 

 なぜか顔に活力が漲っていて、なぜか沢山勉強を始めて、なぜかいっぱい運動していた。みんなは夢破れたのがショックでそれを忘れようとしているんじゃないか、なんて噂していた。彼が言った、ショックで二重人格になった宣言がそれに拍車をかけていた。

 でも、私はそれが間違いであることを確信していた。

 

 運動はヒーローになるための訓練で、勉強は無個性であることを補おうとしているからで、顔の活力はヒーローになる夢がただの夢でなくなったから。

 

 そう考えるとつじつまが合うのだ。急に勉強や運動を始めたことも、急に人助けを率先してやるようになったのも。

 おそらくもう一人の彼、裏谷(うらたに)とか名乗っている奴が原因だ。急に精悍な顔になったり、急に大人びた言動したり。ホントもう勘弁してほしい。

 

 なんだか、一人置いて行かれた気分なんだ。

 

 ずっと一緒だったじゃないか。遊ぶ時も、お喋りする時も、ご飯を食べる時も、何ならクラスだってずっと一緒だったじゃないか。それが一人で先走りよってからに。

 それからだ、一人称を私からオレに変えたのは。

 

 少しでも彼に追いつきたかったから。

 

 

 

 

 

 彼が拳法を習っているらしいと聞いて、オレも格闘技を習った。中学生になってから始めたからアイツには敵わないかもしれない。でもオレには個性がある。それを踏まえれば互角に戦える、はずだ。

 中学3年生になり進路を真剣に考える時期になった。アイツのことだ、どうせプロヒーローの登竜門と呼ばれる雄英を志望しているだろう。

 

 だからオレも雄英を志望した。

 

 勘違いの無いよう言っておくが、オレの目標はアイツを、緑谷出久を超えることだ。目標が近くに居ないと超えたかどうかわからない。だから一緒のところに行くだけだ、他意はない。

 それに、今までずっと一緒だったものが急になくなっても困る。考えただけでもモヤモヤする。最高のパフォーマンスを維持する為にも一緒にいる方が良いだろう。

 

 案の定アイツは雄英を志望していた。予想が外れない、単純で素直、ホントしょうがない奴。少し厳しいかもしれない。けど、きっと合格するだろう。ずっと見てきたオレが言うんだから間違いない。

 ただ、クラスの奴らはそんな彼を笑っていた。「爆豪はともかく、頭が良いだけじゃ無理だ」、「そもそも無個性では書類審査で落とされるんじゃねーの?」口々に奴らは言った。

 

 アイツのことを、アイツの努力を何も知らないくせに、貶してんじゃねぇカス共が。

 

 今思い出すだけで腹が立つ。思わず足元にあったペットボトルを蹴ってしまうくらいには。重さからして中身があったのだろう、こぼれてたら掃除しなくては。

 確認のために近づいていく。それが、全ての始まりとも知らずに。

 

 

 

「良い個性の、隠れミノ」

 

 

 

 苦しい、息ができない。

 身動きも取れない。

 体にヘドロが纏わりついている。

 くさい、さわるな、くちのなかにはいるな。

 いきが、できない。

 

 ペットボトルにはヴィランが入っていた。ナンデそんなところに入ってんだよ変態か。襲われて抵抗を試みたが、奮戦虚しく捕らわれてしまった。今でもどうにかして脱出しようとしている。無駄に被害を拡大させている気がしないでもないが知ったこっちゃない。このオレがヴィランに捕まってるってだけで腹立たしいのに、これはオレの体をまさぐってやがる。これがが一番腹立たしい。死にたくなってくる。

 

 もがく。 しかし手をバタつかせるだけだ。

 もがく。 ヘドロを蹴ったが効果は薄い。

 もがく。 一瞬口を解放できたがまた拘束される。

 もがく。 もううごくことすらつらくなってきた。

 

 だれか…………たす、け…………―――――。

 

 

「かっちゃん!!」

 

 

 彼の、声が聞こえた。

 飛びかけていた意識が戻る。

 目を開いて声の方を見る。

 

 私の幼馴染、緑谷出久がこちらに走ってきていた。

 

 なんで、ここに。いや、ちが、来るな。無個性では巻き添えになるだけで―――

 

「どっっせい!」

 

 持っていた鞄を投げつける。鞄は狙いすましたようにヴィランに目玉に直撃した。

 怯んだのか拘束が緩まる。口が自由になった。

 

「っ! てめえデク! 何してやがる! さっさと逃げろ!!」

「嫌だ!!」

「あぁ!? 何言って―――」

 

「君が! 助けを求めていたから! 絶対に助け出してみせる!!」

 

 被せるように言われた言葉。それに次の言葉が出せなくなる。あぁそうだ、お前はいつもそうだ。困ってる奴を見過ごせない、困ってるのに言い出せない奴を見逃さない。

 お前は、いつも……!

 

 そうこうしていると彼がすぐそこまで来る。手を伸ばせば届く距離、そしてそれは彼の間合いだ。

 

「流水岩砕拳」

 

 纏わりついていたヘドロが吹き飛んだ。

 体が投げ出される。倒れる、手を突こうと伸ばす。

 すると彼はその手を掴み取った。

 

 そして彼に投げ飛ばされる。

 

「!? てめ、なにして!?」

 

 彼が走ってきた方向に投げ飛ばされた。おかげでもうヘドロに捕まることはない。

 しかしそれは、捕まるのが私から彼に変わるだけだ。

 

「この、クソがあああぁぁああぁあ!!」

 

 回復したヴィランが叫びながら彼を捕らえる。

 

「少しでも近づいてみろ! このガキを潰すぞ!」

 

 半狂乱になったヴィランが周囲にいるヒーローに喚いている。私が抵抗する時に個性を使っていたから近づけなかったヒーローが来ることを恐れたのだ。

 それを見た私は言葉をもらす。

 

「……てめえは、いつもそうだ。いつも困ってるやつを見つけては助けて。いつも、誰にでも手を差し伸べて」

 

 そうだ、こいつはいつもいつも……。

 

「でも! てめえが! 傷ついてちゃ意味ねぇだろうが! ふざけんなよクソデク!」

 

 なんで自分を傷つける。なんで自分を大切にしない。止めてくれ、貴方が傷つくのを見たくない。

 思いが口をついて出ていく。止まらない激情が言葉になって止められない。

 

「なんで、なんでっ!」

 

 なんで、お前は、心底よかったって顔で笑ってやがる!

 

「もう大丈夫だ」

 

 後ろから声がする。振り返ると見上げるような大男。

 

 

「私が来た」

 

 

 オールマイトの一撃ですべて終わった。オールマイトはインタビューを受けている。その傍らでデクは叱られている。あんな危険なことをしたんだ、当然だ。

 そしてオレは、なぜか褒められている。やれよく頑張った、やれサイドキックに。そんな言葉はすべて耳を通り過ぎていく。思い返されるのは無様な自分。ヴィランに捕らわれ何もできなかった自分。

 

 何より、また彼に助けられてしまった自分。

 

「っ! クソがぁ……!」

 

 

 

 

 

「おいデク!」

「かっちゃん」

 

 帰路についていた彼を呼び止める。今日は雄英の入試だった。今日の手ごたえを聞くため呼び止める。筆記は心配ない、だが実技が心配だ。

 10か月前に個性が生えたとほざいているこのバカが、たった10か月で個性を手足のように扱えるとは思えない。他の奴らが16年の歳月を費やしてきたものに太刀打ちできるか不安だった。

 

「どうしたのかっちゃん、何か用?」

「っ……! テメェ……まあいい。で、どうだったんだ」

「えっと……何が?」

「っ、だから、試験だよ試験! 受かってる自信はあるのかって聞いてんだクソナード!」

 

 こいつぅ……! 人の気も知らないで……。

 

「え、心配してくれてるの? ありがとうかっちゃん」

「なんっ、ちげぇよぶっ殺すぞ!?」

 

 ナニ言ってんだこいつ!? いや違う! ナニ言ってんだ私! その通りだろ!?

 

「あはは、うん。筆記は完璧だったんだけど、実技でやらかしちゃって……正直微妙なラインなんだ」

「……ちっ、そうかよ」

 

 会話が途切れてしまう。イカン気まずい、何か言わねば。

 

「オレは雄英に行く。そこで一番になって、ゆくゆくはNo.1ヒーローになる。」

 

 ひねり出した言葉がこれだ。そうじゃない、そうじゃないだろ私。あんなに頑張ったんだから大丈夫だって一言すら言えんのか私の口は。

 でも、と思い直す。

 これはいい機会じゃなかろうか。私の思いを宣言する、いい機会なんじゃ?

 意を決して言葉を重ねる。

 

「だから、お前も来い。オレと同じところに来い。」

 

 こう言えば例え落ちたとしてもこいつなら来年も雄英を受験するに違いない。何故かこいつは私を追いかけている節がある。いつも見ている私が言うんだから間違いない。

 言ってから感情が高ぶっていく。そうだ、この気持ちだけは伝えねば。

 

 

「お前を倒すのは、このオレだ!」

 

 

 貴方にはもう傷ついて欲しくないから。

 貴方が人を助ける代わりに傷つくのが辛いんです。

 だから私は強くなります。

 貴方が傷つかなくて済むように。

 誰かを助ける、貴方を助ける為に。

 

 

 私は貴方の隣に立ちたいんです。




深夜テンションってこえー
思ったよりも変な方向になってしまった気がする
プロットではライバル系幼馴染枠だったのに……

爆豪勝己
この後踵を返したけど帰り道が逆なのを思い出した
戻るのも恥ずかしいので、彼がいなくなるまで電柱の陰に隠れてやりすごしたらしい
オレっ娘、ただし心の中では私率高め 趣味が入ってゴメンね
格闘技はその辺で会った人に習った
頑張れば天空ペケ字拳使える
師匠はめちゃ小っちゃい あと無精卵がどうのこうのって煽ってくる

裏谷
初めて名前がでた! 良かったね! 1つ前で出るはずだったからやっと出せたね!
プロット通りに進めることって難しい

ヘドロ
ぶっちゃけ強個性だと思う
あの場にオールマイト居なかったらどう対処したんだろうか
水ぶっかけて泥水になれオラァ!ってするんだろうか
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