東方三題噺 ~ the killing time ~ 作:姫命と過南
今回のお題は
ハイスクールD×Dから
「理(ことわり)の神様」から
超次元ゲイムネプテューヌから
・吸血鬼
・理
・ゲーム
の三本でお送りいたします。
次作もまた見てくださいね、んっふっふっふっふっ。
……はい、おふざけも終わったところで、御静読のほどよろしくお願いいたします。
それと、勝手にお題にして申し訳ございません(特に真ん中)。
かなり面白い作品でしたので、つい。
この地の理(ことわり)は残酷だ。
強い者はその決まりをねじ曲げ、それより弱いものは従うしかない。
この地の景色は酷く美しい。
自分と同じ弱き者が淘汰される様は、決して許されるものでない。
だと言うのに、その光景を美しいと思わされる。
この地は救えない。
悪神百鬼がはびこり、聖なる者にさえ見捨てられる土地を見て、私はそう思った。
強きが法であり、弱きが喰われ、それでもその光景が当然と映るこの土地を見て。
だからこそ。
必ず、救って見せよう。
救われない者を救うこと、それが私のやるべきことなのだから。
~とある少女の目覚め~
「んぅ……?」
ボーッとした目で、天井を見る。
うん、知らない天井だ。
「いや、そうじゃないから」
知らないってことは知ってる。
むしろ、ここまでの旅で知らないことだらけだったし。
そうじゃなくて……えーと、ここはどこだろう?
まだ、万全とは言いがたい回転力の頭を左右に動かしてみると、誰かの寝室であることが分かった。
私は、誰かの寝室で布団に寝かされていた。
拘束はされてないし、見たところ、扉が無い、とかじゃないから、監禁目的じゃないだろうけど。
と、そこで、部屋の外から軽い足音が聞こえてきた。
それは、部屋の前で止まる。
「失礼いたします」
するーっと障子が開くと、私と同じぐらいの女の人が、室内に入ってきた。
「ええっと……こんにちは?」
今が何刻か、分からないので疑問系になってしまったが、とりあえずは挨拶が基本。
すると、入ってきた女の人は、少し驚いた顔をした。
何だろう、私の顔に何かついてるのかな?
「あ、はい。
えっと、おはようございます。」
ふむ、どうやら今は朝みたい。
少し恥ずかしい。
そんなことを考えていると、女の人は私の方を気遣わしげに見る。
「お客様、お体の具合はいかがですか?」
「ほぇ? ああ、ぐっすり寝てたからかな。
少し頭は痛いけど、気持ちは凄くスッキリしてるよ。
でも、何でそんなこと聞くの?」
もしかして、病気だからここにいるとか?
「実は、お客様がこの部屋に担ぎ込まれてから、実に三日間も眠り続けてらしたので」
三日!?
そりゃ、心配もされるわけだ。
んー、でも……
「ねぇ、何で私はここに担ぎ込まれたの?」
どうも、意識を失う前の記憶が曖昧だ。
これも、三日間寝てたせいかなぁ?
「それは、順を追って説明いたしますね。
しかし……」
「しかし?」
「朝食をご用意させていただきます。
お腹が空いているのでは?」
くーきゅるきゅる。
分かったこと。
私は何か理由があって、ここに運び込まれたこと。
そして、私のお腹は空気を読むものなのだ、ということだ。
宿(聞いたところによると、ここは宿屋らしい)の人に、出された朝食(茹で玉子と漬け物、炊きたてのご飯、それとお味噌汁。美味しい)をもっきゅもっきゅと、口に押し込みながら、話を聞く。
それによると、私は傷だらけで、ここの宿屋の前に倒れていたそうだ。
でも、その倒れていた理由と言うのが意外や意外の予想外。
なんと、私は『妖怪』と戦って、ボロボロになったそうなのだ。
いや、よく考えると予想外でもなかったかな。
その話を聞いていると、私もなんだか朧気(おぼろげ)に思い出してきた。
そうだ、確か……。
~とある少女の記憶~
ここは……?
辺りを見渡してみても、見知らぬ木々ばかり。
私はその性質(というか旅人の気質)がら、色々な山々に分け入るため、それなりに草木には精通している。
でも、今はそんな私でも分からないような木がそこら中に生えている。
これは……。
「面白いことになってきたね」
そう呟きながら、そのまま直進する私。
この悪い癖のせいで、何度も損をしてきたと言うのに、なかなか直らない。
で、予想通り__
「迷ったァ……」
後ろに退いても、前に行っても、横へ直進しても全く景色が変わんない。
ううん、面白いことあると思ったんだけどなぁ。
さて困った。
まあ止まってても仕方ないか、と再度歩きだす。
闇雲に歩いた結果か、突然開けた場所に出た。
民家もあるし、どうやらちょっとした里に着いたみたいだ。
しかし、おかしいのが、人っ子一人いないこと。
時刻は未だ、お昼。
お天道様もまだまだ頭上でお仕事中なので、私はあまり仕事したくない。
いや、そんなことはどうでも良いや。
とにかく、人がいないのは気になる。
と、なにやら人里の奥の方から声が聞こえてきた。
私の杞憂(※1)……だと、良いんだけどなぁ
~~~~~
[※1 きゆう 心配のしすぎ。]
~~~~~
声のする方へ行くと、人が集まっていた。
構図としては、女性と子供vsそれ以外って感じで、どっちかって言うと……あんまり好きじゃないなぁ……。
「やぁ、皆々さん。
そんなところで一同集まって何をしていらっしゃるのですか?」
というわけで、乱入。
最初だし、友好的なのは悪いことじゃないはずだよね。
「何だ、あんた!」
「どっから入ってきた!?」
「余所者にゃ関係ねぇ! すっこんでろ!」
ほう、人が下手に出れば……。
『ヒッ!?』
「あのォ、よろしければァ、少し話をォ、聞かせていただいてもよろしいですかァ……?」
『も、勿論ですっ!!』
うん、やっぱり誠意って大事。
決して眼力に怯えていた訳じゃないと思う。
話を聞くと、それは典型的な妖怪の仕業だった。
よく聞く、生け贄譚ってやつだね。
毎度、人間を求めるやつがいて、今回はその女性と子供の番。
よく聞くのと違うのは、そこに英雄はいないこと。
そして、
「境界を操る妖怪……?」
「はい、特別強力な妖怪でして」
「いや、聞いたことも見たことも無いんだけど……」
そんなに、強力な奴なら旅人である私の耳にも入って良さそうなのに……。
そう、従来と違うのは、その妖怪が一度も聞いたことがない、ということだ。
普通、そういう話の妖怪は皆似たような特性や姿をしているものなのに……。
「そうなのです。だからこそ、対処できない。
いや、しようとしたところで全てが無意味なのです。」
「そういうことなんだね。」
分からないものは対処できない。
そして、更に従来のものよりも強力ときている。
そりゃ、諦めても仕方ないか。
「でも」
「はい?」
「それは、その人たちを見捨てる理由にならない。
妖怪に心を差し出す理由にはならないよ。」
敵わないなら逃げればいい。
逃げられないのなら、仲間を守って死ねばいい。
なんて、偽善者みたいな言葉なのだろうけど。
それでも、私は口に出して言おう。
「あなたたちは、そんな腰抜けなのか!?
人の心を捨てて、妖怪に屈する惰弱な人間なのか!!?」
「……そう、だよなぁ」
それで、一人でも立ち上がる人がいるのならば、私もまたその人を支えてみせよう。
「最後に一つ、やってみせてやる!」
「思えば、この人にゃ何度世話になったか知れねぇ。ここで立ち上がんなきゃ男じゃねぇだろ!」
昔、私を妖怪から救ってくれたあの人のように。
「うん、そこまででいいよ。
後は、任せておいて」
私に名字をくれたあの人のように。
「妖怪退治の専門家、『博麗』にさ」
________
結果から言うと、私はその妖怪に勝った。
まあ、かなり厳しい戦いだったみたいで、宿屋の前に倒れていたときは一瞬死体に見えた、と言われた。
ただ、勝ったからと言って、倒した訳じゃないみたい。
その証拠に……
「何かしら、その体たらくは。
あなた、ホントに私に勝った人間なの?
余暇を楽しむお婆ちゃんの方がまだ通じるわよ?」
と、宿屋の人の横で散々煽ってくる、『空間の裂け目から上半身だけ出てる』女の人がいる。
というか、負けたのに何でこんなに尊大なの?
「まあ、いいわ。
私に勝つほどの頭脳を持ったあなたになら、教えてあげてもいいかもねぇ。
私の計画を」
だから、何で一々上からなのかな。
そんなイライラも束の間。
「私の目的は、『人間と妖怪の橋渡し』よ。」
は?
理解が出来なかった。
今まで、人間をさらったやつが何を……?
ただ、頭の片隅で納得もしていた。
そう、大義の為の小さな犠牲っていうことも。
それが嫌で戦ったのだ。
だからこそ、わたしは
「ねぇ、あなた。
私に協力しなさい?」
「うん、いいよ」
その提案に従った。
その妖怪は一瞬あっけに取られた顔をしていたが、気を取り直し、その計画とやらを教えてくれた。
私がその提案に乗った理由は二つ。
「__だから、何人を犠牲に」
「やらせるか」パシンっ。
簡単だ、私がそこにいればそれは防げるから。
もう一つは、
「全く、私をはたいたのはあなたが初めてよ!
貴女といる時は、楽しい時間になりそうだわ」
「うん、お互いにね!」
この妖怪は、私に面白いものを持ってきてくれそうだったからだ。
例えば、吸血鬼、とかね?
~~
「……うん?」
随分と長い夢を見ていた気がする。
少女は、そんなことを考えながら、固まった体をぐぐうっと伸ばす。
「さてと、今日の予定はなんだったかしら……」
「確か、吸血鬼とゲームをするんでしょう?」
「おわぁっ!!?」
何の気なしに放った言葉に、反応が返ってきて驚く少女。
振り返ると、さっき少女が立っていた場所に、空間の裂け目が出来ていた。
声はその中から、飛んできた。
少女が、はぁっ、とため息をつくのと同時に、その穴から女性がにゅるっと生えてくる。
「あら、こんな美少女を捕まえて随分な表現ね。」
「どこに向かって話してんのよ?」
地の文を読まないでいただきたい。
「いえ、何でもないわ」
「そう。 ていうか、げーむってなによ。
私がするのは弾幕勝負で、妖怪退治!」
「あら、そういえばここでは通じないの忘れてたわ。」
「だから、何の話よ?」
「こっちの話よ、あまり気にしなくていいわ」
「そう。 じゃあ、私はそろそろ行くわ」
そろそろ、女性と会話するのにうんざりしていた少女は、その場から去ろうとする。
「えぇ、行ってらっしゃい。
楽しんできなさいな」
ひらひらと手を振り裂け目に戻ろうとする女性。
すると、何を思ったか、少女は立ち止まり、女性の方に振り返った。
「……ねぇ」
「ん? どうかしたの?」
少女は、少しだけ口をつぐむ。
そして、視線を逸らしつつ
「あのね、たまにはあんたも来てみない?
いや、別に来なくても良いんだけど、ほら私の修行がわりに参加してくれたりしないかなぁ、って。
別に用事があるなら、来なくてもいいわよ、別に。」
と言った。
女性は、その言葉に一瞬だけ驚いた顔をして
くすくすと笑いだす。
「な、なによ! なにも笑うことないじゃないの!!」
「うふふ、バカにした訳じゃないのよ?
で、返事だけど、いいわよ。
ただ、私が参加する以上、あなたも相手も楽にすむとは思わないことね」
「っ、上等よ! あいつも巻き込んであんたに勝ってやるんだから!」
妖怪に臆すことなく、毅然と立ち向かうその姿は過去の誰かを彷彿とさせる。
境界の妖怪は、そんな彼女をいとおしく思い、再びクスクスと笑い出す。
「まったく、『貴女』いる時はいつも楽しいわね」
すると、少女は振り返り、笑顔を浮かべた。
「えぇ、お互いにね!」
最近は、こんな話ばかり書いていますね。
次回あたりから、ホラーとかもいれてみましょうか?
さて、今回も御静読ありがとうございます。
それなりに分量を書きましたので、慣れてない方は読むのが大変だったかと思います。
回を追うごとに増える文字数卍。
さて、ここでお知らせを。
この作品以外の話も書いてみようかと思っております。
候補としては、戦闘モノですね。
他作品ごっちゃ混ぜのバトルを書いてみようかと。
それでは、今回はこの辺で。
次回も御静読、よろしくお願い致します。