東方三題噺 ~ the killing time ~   作:姫命と過南

3 / 3
今回もハーメルンの作品内から、お題にさせていただいております。

今回のお題は
ハイスクールD×Dから
「理(ことわり)の神様」から
超次元ゲイムネプテューヌから

・吸血鬼
・理
・ゲーム

の三本でお送りいたします。
次作もまた見てくださいね、んっふっふっふっふっ。

……はい、おふざけも終わったところで、御静読のほどよろしくお願いいたします。

それと、勝手にお題にして申し訳ございません(特に真ん中)。
かなり面白い作品でしたので、つい。



三題目

この地の理(ことわり)は残酷だ。

強い者はその決まりをねじ曲げ、それより弱いものは従うしかない。

 

この地の景色は酷く美しい。

自分と同じ弱き者が淘汰される様は、決して許されるものでない。

だと言うのに、その光景を美しいと思わされる。

 

この地は救えない。

悪神百鬼がはびこり、聖なる者にさえ見捨てられる土地を見て、私はそう思った。

強きが法であり、弱きが喰われ、それでもその光景が当然と映るこの土地を見て。

 

だからこそ。

必ず、救って見せよう。

救われない者を救うこと、それが私のやるべきことなのだから。

 

 

 

~とある少女の目覚め~

 

 

「んぅ……?」

 

ボーッとした目で、天井を見る。

うん、知らない天井だ。

 

「いや、そうじゃないから」

 

知らないってことは知ってる。

むしろ、ここまでの旅で知らないことだらけだったし。

そうじゃなくて……えーと、ここはどこだろう?

まだ、万全とは言いがたい回転力の頭を左右に動かしてみると、誰かの寝室であることが分かった。

私は、誰かの寝室で布団に寝かされていた。

拘束はされてないし、見たところ、扉が無い、とかじゃないから、監禁目的じゃないだろうけど。

 

と、そこで、部屋の外から軽い足音が聞こえてきた。

それは、部屋の前で止まる。

 

「失礼いたします」

 

するーっと障子が開くと、私と同じぐらいの女の人が、室内に入ってきた。

 

「ええっと……こんにちは?」

 

今が何刻か、分からないので疑問系になってしまったが、とりあえずは挨拶が基本。

すると、入ってきた女の人は、少し驚いた顔をした。

何だろう、私の顔に何かついてるのかな?

 

「あ、はい。

えっと、おはようございます。」

 

ふむ、どうやら今は朝みたい。

少し恥ずかしい。

そんなことを考えていると、女の人は私の方を気遣わしげに見る。

 

「お客様、お体の具合はいかがですか?」

「ほぇ? ああ、ぐっすり寝てたからかな。

少し頭は痛いけど、気持ちは凄くスッキリしてるよ。

でも、何でそんなこと聞くの?」

 

もしかして、病気だからここにいるとか?

 

「実は、お客様がこの部屋に担ぎ込まれてから、実に三日間も眠り続けてらしたので」

 

三日!?

そりゃ、心配もされるわけだ。

んー、でも……

 

「ねぇ、何で私はここに担ぎ込まれたの?」

 

どうも、意識を失う前の記憶が曖昧だ。

これも、三日間寝てたせいかなぁ?

 

「それは、順を追って説明いたしますね。

しかし……」

「しかし?」

「朝食をご用意させていただきます。

お腹が空いているのでは?」

くーきゅるきゅる。

 

分かったこと。

私は何か理由があって、ここに運び込まれたこと。

そして、私のお腹は空気を読むものなのだ、ということだ。

 

 

宿(聞いたところによると、ここは宿屋らしい)の人に、出された朝食(茹で玉子と漬け物、炊きたてのご飯、それとお味噌汁。美味しい)をもっきゅもっきゅと、口に押し込みながら、話を聞く。

それによると、私は傷だらけで、ここの宿屋の前に倒れていたそうだ。

でも、その倒れていた理由と言うのが意外や意外の予想外。

なんと、私は『妖怪』と戦って、ボロボロになったそうなのだ。

 

いや、よく考えると予想外でもなかったかな。

その話を聞いていると、私もなんだか朧気(おぼろげ)に思い出してきた。

そうだ、確か……。

 

 

~とある少女の記憶~

 

ここは……?

辺りを見渡してみても、見知らぬ木々ばかり。

私はその性質(というか旅人の気質)がら、色々な山々に分け入るため、それなりに草木には精通している。

でも、今はそんな私でも分からないような木がそこら中に生えている。

これは……。

 

「面白いことになってきたね」

 

 

そう呟きながら、そのまま直進する私。

この悪い癖のせいで、何度も損をしてきたと言うのに、なかなか直らない。

 

で、予想通り__

 

「迷ったァ……」

 

後ろに退いても、前に行っても、横へ直進しても全く景色が変わんない。

ううん、面白いことあると思ったんだけどなぁ。

さて困った。

まあ止まってても仕方ないか、と再度歩きだす。

 

闇雲に歩いた結果か、突然開けた場所に出た。

民家もあるし、どうやらちょっとした里に着いたみたいだ。

しかし、おかしいのが、人っ子一人いないこと。

時刻は未だ、お昼。

お天道様もまだまだ頭上でお仕事中なので、私はあまり仕事したくない。

いや、そんなことはどうでも良いや。

とにかく、人がいないのは気になる。

 

と、なにやら人里の奥の方から声が聞こえてきた。

私の杞憂(※1)……だと、良いんだけどなぁ

 

~~~~~

 

[※1 きゆう 心配のしすぎ。]

 

~~~~~

 

声のする方へ行くと、人が集まっていた。

構図としては、女性と子供vsそれ以外って感じで、どっちかって言うと……あんまり好きじゃないなぁ……。

 

「やぁ、皆々さん。

そんなところで一同集まって何をしていらっしゃるのですか?」

 

というわけで、乱入。

最初だし、友好的なのは悪いことじゃないはずだよね。

 

「何だ、あんた!」

「どっから入ってきた!?」

「余所者にゃ関係ねぇ! すっこんでろ!」

 

ほう、人が下手に出れば……。

 

『ヒッ!?』

「あのォ、よろしければァ、少し話をォ、聞かせていただいてもよろしいですかァ……?」

 

 

『も、勿論ですっ!!』

 

 

うん、やっぱり誠意って大事。

決して眼力に怯えていた訳じゃないと思う。

 

 

話を聞くと、それは典型的な妖怪の仕業だった。

よく聞く、生け贄譚ってやつだね。

毎度、人間を求めるやつがいて、今回はその女性と子供の番。

よく聞くのと違うのは、そこに英雄はいないこと。

そして、

 

「境界を操る妖怪……?」

 

「はい、特別強力な妖怪でして」

「いや、聞いたことも見たことも無いんだけど……」

 

そんなに、強力な奴なら旅人である私の耳にも入って良さそうなのに……。

 

そう、従来と違うのは、その妖怪が一度も聞いたことがない、ということだ。

普通、そういう話の妖怪は皆似たような特性や姿をしているものなのに……。

 

「そうなのです。だからこそ、対処できない。

いや、しようとしたところで全てが無意味なのです。」

 

「そういうことなんだね。」

 

分からないものは対処できない。

そして、更に従来のものよりも強力ときている。

そりゃ、諦めても仕方ないか。

 

「でも」

「はい?」

 

「それは、その人たちを見捨てる理由にならない。

妖怪に心を差し出す理由にはならないよ。」

 

敵わないなら逃げればいい。

逃げられないのなら、仲間を守って死ねばいい。

 

なんて、偽善者みたいな言葉なのだろうけど。

それでも、私は口に出して言おう。

 

「あなたたちは、そんな腰抜けなのか!?

人の心を捨てて、妖怪に屈する惰弱な人間なのか!!?」

 

 

 

 

 

「……そう、だよなぁ」

 

それで、一人でも立ち上がる人がいるのならば、私もまたその人を支えてみせよう。

 

「最後に一つ、やってみせてやる!」

「思えば、この人にゃ何度世話になったか知れねぇ。ここで立ち上がんなきゃ男じゃねぇだろ!」

 

昔、私を妖怪から救ってくれたあの人のように。

 

「うん、そこまででいいよ。

後は、任せておいて」

 

私に名字をくれたあの人のように。

 

「妖怪退治の専門家、『博麗』にさ」

 

 

________

 

 

結果から言うと、私はその妖怪に勝った。

 

 

まあ、かなり厳しい戦いだったみたいで、宿屋の前に倒れていたときは一瞬死体に見えた、と言われた。

 

ただ、勝ったからと言って、倒した訳じゃないみたい。

その証拠に……

 

「何かしら、その体たらくは。

あなた、ホントに私に勝った人間なの?

余暇を楽しむお婆ちゃんの方がまだ通じるわよ?」

 

と、宿屋の人の横で散々煽ってくる、『空間の裂け目から上半身だけ出てる』女の人がいる。

というか、負けたのに何でこんなに尊大なの?

 

「まあ、いいわ。

私に勝つほどの頭脳を持ったあなたになら、教えてあげてもいいかもねぇ。

私の計画を」

 

だから、何で一々上からなのかな。

そんなイライラも束の間。

 

 

「私の目的は、『人間と妖怪の橋渡し』よ。」

 

 

は?

理解が出来なかった。

今まで、人間をさらったやつが何を……?

 

ただ、頭の片隅で納得もしていた。

そう、大義の為の小さな犠牲っていうことも。

それが嫌で戦ったのだ。

だからこそ、わたしは

 

「ねぇ、あなた。

私に協力しなさい?」

 

「うん、いいよ」

 

その提案に従った。

その妖怪は一瞬あっけに取られた顔をしていたが、気を取り直し、その計画とやらを教えてくれた。

 

 

私がその提案に乗った理由は二つ。

 

「__だから、何人を犠牲に」

「やらせるか」パシンっ。

 

簡単だ、私がそこにいればそれは防げるから。

 

もう一つは、

 

「全く、私をはたいたのはあなたが初めてよ!

貴女といる時は、楽しい時間になりそうだわ」

「うん、お互いにね!」

 

この妖怪は、私に面白いものを持ってきてくれそうだったからだ。

例えば、吸血鬼、とかね?

 

 

~~

 

「……うん?」

 

随分と長い夢を見ていた気がする。

少女は、そんなことを考えながら、固まった体をぐぐうっと伸ばす。

 

「さてと、今日の予定はなんだったかしら……」

 

「確か、吸血鬼とゲームをするんでしょう?」

 

「おわぁっ!!?」

 

何の気なしに放った言葉に、反応が返ってきて驚く少女。

振り返ると、さっき少女が立っていた場所に、空間の裂け目が出来ていた。

声はその中から、飛んできた。

少女が、はぁっ、とため息をつくのと同時に、その穴から女性がにゅるっと生えてくる。

 

「あら、こんな美少女を捕まえて随分な表現ね。」

「どこに向かって話してんのよ?」

 

地の文を読まないでいただきたい。

 

「いえ、何でもないわ」

「そう。 ていうか、げーむってなによ。

私がするのは弾幕勝負で、妖怪退治!」

「あら、そういえばここでは通じないの忘れてたわ。」

「だから、何の話よ?」

「こっちの話よ、あまり気にしなくていいわ」

「そう。 じゃあ、私はそろそろ行くわ」

 

そろそろ、女性と会話するのにうんざりしていた少女は、その場から去ろうとする。

 

「えぇ、行ってらっしゃい。

楽しんできなさいな」

 

ひらひらと手を振り裂け目に戻ろうとする女性。

すると、何を思ったか、少女は立ち止まり、女性の方に振り返った。

 

「……ねぇ」

「ん? どうかしたの?」

 

少女は、少しだけ口をつぐむ。

そして、視線を逸らしつつ

 

「あのね、たまにはあんたも来てみない?

いや、別に来なくても良いんだけど、ほら私の修行がわりに参加してくれたりしないかなぁ、って。

別に用事があるなら、来なくてもいいわよ、別に。」

 

と言った。

女性は、その言葉に一瞬だけ驚いた顔をして

くすくすと笑いだす。

 

「な、なによ! なにも笑うことないじゃないの!!」

「うふふ、バカにした訳じゃないのよ?

で、返事だけど、いいわよ。

ただ、私が参加する以上、あなたも相手も楽にすむとは思わないことね」

「っ、上等よ! あいつも巻き込んであんたに勝ってやるんだから!」

 

妖怪に臆すことなく、毅然と立ち向かうその姿は過去の誰かを彷彿とさせる。

境界の妖怪は、そんな彼女をいとおしく思い、再びクスクスと笑い出す。

 

「まったく、『貴女』いる時はいつも楽しいわね」

 

すると、少女は振り返り、笑顔を浮かべた。

 

「えぇ、お互いにね!」




最近は、こんな話ばかり書いていますね。
次回あたりから、ホラーとかもいれてみましょうか?

さて、今回も御静読ありがとうございます。
それなりに分量を書きましたので、慣れてない方は読むのが大変だったかと思います。
回を追うごとに増える文字数卍。

さて、ここでお知らせを。
この作品以外の話も書いてみようかと思っております。
候補としては、戦闘モノですね。
他作品ごっちゃ混ぜのバトルを書いてみようかと。

それでは、今回はこの辺で。
次回も御静読、よろしくお願い致します。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。