東方死体祭〜幻想少女達が天神小入り〜   作:ハゲ男

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今回長めだよ!
この調子でどんどん書き進めて行きてぇ…!
でもどう頑張ってもあまり話が進まない…


第3話「先生」

四人が天神小入りして少し経った頃…

 

ここは人里から少し離れた寺小屋沿いの空き地。

「チルノちゃん、皆。ちょっと良いかな?」

幼い見た目の翼の生えたサイドテールの少女が、他の少女達に呼びかける。

「ん?大ちゃんどうしたの?」

チルノ…そう呼ばれた少女もまた氷翼を生やし、緑色のリボンをぴょこんと揺らしながら声がした方を振り向く。

「最近流行りのこれ、やってみない?『幸せのサチコさん』!この御呪いをすると、皆いつまでも一緒にいられるんだって!」

そういって紙人形を差し出す。

大ちゃんこと大妖精は、御呪いの類の物が大好きで、新しい情報や御呪いを見つけてはそれを皆でやったりしている。

「おー!あの人里でぶーむになってるやつか!やろやろ!」

「御呪いより人をいつまでも食べていたいよー」

「私もやるー!」

「じゃあ私も!」

他の面子…ルーミア、ミスティア、リグルもいつもの様にそれに乗っかり、大妖精の元へ近づいていった。

…ルーミアの言った事はここではスルーしておこう。

「やり方は皆分かるかな?」

「ぶんぶんの新聞に載ってたからばっちし分かるよ!さっちゃん10人分でしょ?」

「チルノの事だからそんな事だろうとは思ったよ」

リグルの素早いツッコミ。これもこのメンバーなら最早定番である。

「あはは…とりあえずやり方を説明するね…」

妖精説明中…

「成る程ー…紙人形をちぎるのはなんか可哀想な気がするのだ」

「いつも人を食べようとかどうのこうの言ってるルーミアちゃんが言う事かなぁ!?」

「むっ、ミスティアその言い方は無いな…もっと良い言い方があるのだ」

「どう言えと…まぁ良いや、かまってても疲れるだけだし…」

溜息をつくミスティア。

「じゃあ、早速やってみよう!まずは…」

皆が紙人形を掴み始めた時だった。

チルノがちらっと余所見をすると、ある人物が目に入った。

「…お?あっ!けーねっっ!ついでにけーねも入れよう!」

けーねと呼ばれた女性は、チルノのその声に気づき、こちらに近づく。

「…む?チルノ達じゃないか。ここで何をしてるんだ?今日は授業は無いはずだが」

上白沢慧音。

歴史を食べ、それと共に歴史を創る賢い獣人である。

本人はその賢さを生かし、寺小屋で教師として子供やチルノ達に授業を教えている。

「慧音先生もやりませんか?『幸せのサチコさん』。これをやると皆いつまでも一緒に居られるんです!」

大妖精も慧音を誘う。

(…幸せのサチコさん?確かこれは……そうだ、これは危険な…やめさせなければ!)

慧音はこの御呪いについて、ある程度の情報は知っていた。

この御呪いをする時、紙人形に妙に妖気が宿ってしまう事。

御呪いをした後から精神が狂ったり、行方不明になる者がいた事。

後者に至っては最近の話だが、皆はすぐ忘れ、話題にすらならなかった。

だから多分この妖精達は何も知らずに、この御呪いをしようとしている。

幻想郷の大事な存在として…そして、教師として。

「悪いがお前達。それはしてはいけない御呪いなんだ。話にこそあがっていないが色々と危ない例が出ている。だからやめて…」

慧音は幸せのサチコさんを阻止しようとした。

が…

「え、そうなんですか…?ごめんなさい、私そんな悪い事なんて…」

「そんなわけ無いよ!こんな紙切れにそんな危ない事出来るわけ無い!もしなんかあってもあたいが倒してあげるから大丈夫だって!」

大妖精はやめようとしたが、チルノが意味の分からない主張をし始め、胸を張る。

「馬鹿者!それでは済まないのだ!行方不明者まで出ているのだぞ!?大妖精、その紙人形を渡しなさい。もう妖気がついていて危ない」

「は、はい…」

慧音は大妖精から紙人形を受け取ろうとするが…

「あっ!駄目けーね!自分ばっかりいい思いしようとして!大ちゃん貸して!あたいが引っ張る!皆も手伝って!」

「え、えぇ!?とにかく良く分からないけど、引っ張れ!」

「おー!」

「これ嫌な気がする…」

「ああぁ…」

その他の馬鹿3人はチルノに従い引っ張る。大妖精は慌てふためいているだけだ…

「お前達、分かってくれ!本当に駄目なんだ!これをしてはお前達の身が…」

「いーやーだーっ!」

お互いに渡すものかと引っ張り合う。

「そ、そんな事したら…!」

大妖精がそう言った次の瞬間。

ビリビリビリッ!

「あっ!」

「痛っ!」

「あいたたー」

「いてっ!」

三人は尻餅をつき、慧音は破れた紙人形のかけらをみてわなわなと震えている。

その顔は怒りでも悲しみでも無く。

これから起こりかねない事に恐怖している、そんな顔だった。

そんな慧音の様子を見て、今更それを感じ取った三人は…

「これ、本当にマズイやつなんじゃ…」

「けーねがこんな顔をするのは珍しい…まさか本当なのか?」

「嫌な予感的中した…」

動揺の色を隠せなかった。

この少女を除いて。

「やった!これで皆一緒にいられるね!けーねもちぎったから一緒にいられるよ!独り占めしようとしてたけどこれで皆こーへーってやつでしょ!」

そう言ってニカッと笑った。

慧音はその笑顔を見ても、心に芽生えた恐怖は消えない。

「チルノ…違う、違うんだ…お前はまだ理解できていないんだ…これが…」

と、その時。

ゴゴゴゴゴ…

「じ、地震!?」

「おー!ナマズ!」

「とりあえず飛んで回避しなきゃ…!」

大きな地響きと揺れに突如見舞われ、皆体勢を崩してしまう。

「…!?なんだ、この圧は…!?ぐっ、体が重い…これがこの呪いの力…っ」

「と、飛べない!?体が重くて飛ぶ事が出来ない…!」

「おー…こ、れ、は…かなり重いぞー…」

謎の重力により、チルノ達は空へと逃げる事が出来ない。

しかし、一番驚いているのは…

「み、皆…どうしたの?」

1人平然としている大妖精だった。

「だ、大ちゃん何とも無いの…?」

「う、うん…何が起きてるの?」

皆がこの重力に耐えている時、大妖精は何食わぬ顔で佇んでいる。

「何故だ…!?何故私達だけが…と、とにかく大妖精!すまないが助けを呼んで…」

ズガガガッ!!

「「「!?」」」

突如大きな地割れが発生し、その場にいた全員が驚愕する。

ズガガガ…!

地割れは拡大していく。そして…

ズガァンッ!

「うわぁぁぁ!!」

「ち、チルノちゃん!?嘘…!」

チルノは割れた地と地の間に吸い込まれていった。

「大妖精…!頼む…!こいつらは私が絶対に救う!だから…」

慧音は未だ拡大していく地割れに落ちてしまう事を察したのか、

唯一被害の無い大妖精に向け、大きく息を吸い。

「この事を…博麗の巫女か、大妖怪八雲紫に伝えてくれっ…お前にしか出来ない仕事だ…頼んだぞ!」

そう言い放った途端。

ズガァンッ!

「きゃあぁぁぁ!?」

「おーー!?闇だーー!」

「嫌だぁぁぁぁ!!」

「…くぅっ!…任せたぞ、大妖精…」

慧音は闇に向かう中そう呟き、静かに目を閉じていった。

 

 

 

「あぁぁぁ…いや…嫌ぁぁぁ!!」

大妖精はその場で泣き崩れる。

皆を巻き込み、闇へと吸い込んだ地割れは未だに開いたままだ。

このままみんなと一緒に行ければどれだけ良かった事か。

「…違う。元は私がいけないんだ…こんな事になるなんて思ってなかった!私がもっとちゃんと御呪いについて分かっていれば…!私の…私のせいだ…!」

自分を責める大妖精。しかしそんな事をしても友達や先生は帰ってこない。

「うえぇ…ぐすっ…!私のせい……え?」

一瞬顔を上げた大妖精は、自分の体を見て驚く。

「何…この黒いの…」

黒い渦のようなものが、自身の体を包み込んでいたのだ。

しかし、不思議と嫌では無かった。

謎の安心感、もう何もかもがどうでも良くなる倦怠感に見舞われて、何だか心地が良かった。

「チルノちゃん達はもう何処かへ行ってしまったかもしれない…先生も行方不明者が出たって言ってたのはきっとこの事だったんだろうなぁ…良いなぁ皆一緒に死ねて…私も…私ももうすぐでそっちに行くから…待っててチルノちゃん…」

その途端、勝手に足が割れた地面へ向かって動き出す。

体はほぼ完全に黒色の渦に呑まれてしまっている。

目も虚ろになり、口はニヤリと不気味な笑みを浮かべている。

恐らく誰も、こんな大妖精を見た事が無いだろう。

「もう…言ってもしょうがないや…自分のせいで皆を殺しちゃったんだもん…言ったって…言ったって…」

足は止まる事なく割れ目へと向かう。

(皆…ごめんね。先生…ごめんなさい)

涙を流して不気味に笑いながら、一歩、また一歩と進んで行く。

『お前にしか出来ない仕事だ…頼んだぞ!』

その時、慧音が自分に託した言葉を思い出した。

(でも、先生…私…私は)

首を横に振り、諦めをつけたかのように歩みを進める。

『頼んだぞ!』

それでも浮かぶ、教師の言葉。

「ごめんなさい、ごめんなさい先生…私は先生達を殺して…」

『こいつらは私が絶対に救う!だから…』

「先生…!先生…!」

『頼んだぞ!』

死んだ人を救う。

そんな事出来るわけが無い。第一救う人自身も死んでいる筈なのに。

それでも…

「先生…!皆…!本当に、生きて帰って来れるの…?私が伝えれば皆は無事なの…?分からない。分からないけど…」

『お前にしか出来ない仕事だ!』

「先生に仕事を任されたのに死のうとしてる自分が馬鹿だったって事は…一番分かった気がする」

彼女は一度目を閉じて、心を落ち着かせる。

瞳についた涙の粒を、指で拭う。

「私…皆を助ける為に伝えなきゃ。皆が生きてるかどうかは知らないけど…そのままにするのはもっとダメだ…」

ついに決心がつき、割れ目に向かっていた踵を返した。

…筈だった。

「…え?嘘…足、止まらない…」

自分の意思とは裏腹に、足は未だに割れ目に向かって歩いている。

良く見ると黒いオーラも消えていない。

「いや…このままじゃ私も…やだっ!止まれ!止まれ!止まれってば!…きゃっ!?」

ドサッ!

突然躓き、体勢を前に崩す大妖精。

「いたた……ひいっ!?」

その時、彼女は心から怯えた。

自分が向かおうとしていた先…割れ目のちょうど真ん中に、赤いワンピースの女の子が浮いていたのだから。

それも、凄い形相でこちらを睨んで。

「こッちにクれバ良かっタのに…ケッ、お前ニあいツラの命が救エるかナ?あは、あははは…キャハはははハハ!!お前モ必ズ連れて行ク…『お母さんの場所』ニ…!」

「嫌ぁぁぁ!!誰か助けてぇええ!!」

大声で助けを乞う大妖精。

そのまま動き出そうとするが…

「う、動けない…!金縛り…!?」

「クスクス…さァ、お迎エに来マしたヨ…」

その場に固定され動けない大妖精を捕らえようと、近づいてくる女の子。

(いや、いや…!先生と約束したんだ!早く伝えないと…!)

そう思うも虚しく、体は言う事を聞かない。

「キャハはは…死んジゃえ」

やがて目の前まで来ていた女の子が、大妖精の腕を掴もうとする。

終わった。そう思い目を瞑った時だった。

「…あら?そこで何をしてるの?」

「っ!邪魔ガ入っタか…」

女の子は大妖精から離れる。

「ちょっと、大丈夫…?」

「はぁっ…はぁっ…かひゅ…かっ…はぁっ…」

金縛りから解放された大妖精は、あまりの怖さに過呼吸になってしまった。

「何があったのか分からないけど…大丈夫。大丈夫です。安心なさい」

通りかかった女性が大妖精を抱きしめ、落ち着かせる。

「はぁっ…すぅ…はぁ…ゆ、ゆ…」

「私はどこにも行かないから。落ち着いて話を聞かせなさい」

「紫さん…どう、して…ここに…」

まだ少し整え切れていない息で、大妖精が尋ねた女性は。

「ここ辺りから大きな力を感じてね…調査しに来てみたけど、どうやら正解だったみたいね」

妖怪賢者、そして幻想郷の創生者の1人でもある、八雲紫本人であった。

 

 

そしてここは…

「うーん、むにゃむにゃ…はっ!ここはどこだ!あたいは…あたいか!そうだよね!」

「真っ暗で個人的には好みだなぁ」

忘れられた郷よりも忘れられた悲劇の小学校。

 

「あいてて…何ですかいきなり…上から落ちてきて…」

「…お前は新聞の…何故ここにいるのだ」

この悲しい悲しい学校は。

 

「誰もいないぜ…霊夢や早苗もいないし…ってうわぁっ!」

プツンッ

罪も無い人々を蓄え、糧として。

また新たに進化しようとしていた…。

 

 

 

「かーごーめ かーごーめ…

かーごのなーかの…

キャハ、キャはハはハははは…!早ク死んデね、皆」

 

 

 

 

 

 

現在の幻想少女…9人

 

死亡した幻想少女…0人

 




今回も割と長い割には話が全然進まない…!
駄目だ、僕には全然文章構成力が足りていない…!
何はともあれ、読んでいただきありがとうございます!ハゲ男です。
さて、メンバー増やしました。まぁこの人達は絶対に入れようと思ってたので。だってやりそうでしょ?この人達なら。
とかいう偏見は置いときましょう。
ゴールデンウィーク中に出す予定でしたが、無理でした!
無理無理。僕じゃ無理です。
さて、大妖精は紫と会う事が出来ましたが、果たしてどうするのか。
天神小にいる9人の幻想少女達は、ちゃんと生きて帰れるでしょうか。
まぁまだもう少しメンバーは増やすかもしれません。
でも増やし過ぎたらグダグダになりますね…考えとこ。
若干長くなりましたが、ここで僕は寝ます。
東方憑依華楽しすぎるね!
それでは、また!
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