荒神万事塞人ガ喰ウ   作:裕 紫翠

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はい後編です
こちらは過去最多の1万3000です
ちと長いですが是非最後まで読んでみて下さい




どぞ(っ´∀`)っ


使いとヴァジュラとトラウマと(後編)

─上空/12:00─

そう言えば今日だっけまた新しく1人増えるのって。

ロシアからの新顔、間違いなくアリサだな………という事は()()()も来るのか、そうか。

「マチキレナイナァ」

『どうかしましたか?劍華さん』

「いや、何でもないです。今日はこの任務終了後に1度集合するんですよね?」

『はい、ロシアから新型に適応した子が来るみたいです。部隊登録が第一部隊と言うことになっているので、これから劍華さん達の仲間になる子という事になりますね』

取り敢えず見て見ないことには何とも言えないし、アリサをどうこうする事も出来ない、ただ見れば大体どういう状態かは分かる伊達に()()()体になった訳じゃない

『2人とも会話中すまない、劍華、今回()()でのヴァジュラ討伐任務ということだが大丈夫か?』

「問題無いですよ、あれですか時間がかかりすぎるとかそういう心配ですか?」

『いや、ハッキリ言ってその辺は全く心配していないと言うよりもむしろ逆だ。ほか何体かの大型がそちらの方に向かっている。殺れるか?』

「はははっ。そこは殺れるな?1匹残らず食い殺せで良かったと思いますよ」

『愚問だったか、ならばいい、そちらの方は任せる今回中央モニターで管理するのは蓮華の方になる、つまりお前の監視が出来なくなる。バイタルと腕輪の位置くらいしか正確に測れないが───構わないな?』

「はい、大丈夫です蓮華の方ちゃんと見ててやってください。ほかの皆さんもフォローお願いします。蓮華も頑張って」

『了解任せて』『おぉ!蓮華頑張って行こうぜ!』『……ああ』

『大丈夫だアンタに扱かれて即死亡なんてありえないからな』

「そっかそっか、大丈夫そうだね。じゃあ俺そろそろ時間なんで通信切ります。またアナグラで」

『分かった、それでは降下開始、作戦位置に到着し次第各自で作戦行動を開始。その後の対応は各作戦の指示者に一任する。集合時間に遅れるな、死ぬな、必ず生きて帰ってこい。私からは以上だ。健闘を祈る』

「了解、神喰でます───目標視認、任務(食事)開始します」

ヘリからの降下。

命綱なしでしかもパラシュートなしでこの高さ。目測でおよそ100メートルいやぁ怖いわぁ、死ねるわぁこの高さ

なんて心にもない事を考えながら全力で捕食形態に移行させながら高速落下する。この程度の高さゴッドイーターが落ちるなんてなんてことはない、打ちどころにもよるけど。少なくとも俺はどう落ちても無傷だ。

「目標捕捉、イタダキマス!」

ヴァジュラからすれば不思議な一瞬だっただろう目の前に一瞬狼の口が見えたと思ったら次の瞬間には死んでるんだから。

昔風に言うなら交通事故か?飛び出し事故とか引かれた側はそんな感じだな。

「ミッションコンプリート。ゴチソウサマデシタ」

目標のヴァジュラ任務開始からわずか10秒前後で討伐及びコアの回収の終了。

この具合なら他も余裕だな。

『……流石、早いですね次のアラガミ来ますボルグ・カムランとグボロ・グボロ並びにコンゴウとシユウです』

先程までと違いヒバリさんじゃない別のオペレーターなのでどこが冷たい感じがする。ただ早すぎて引いてるだけかもしれないけど

それにしても結構来るなぁ〜、しかもそこまで美味くないヤツらが

まぁ殲滅目指してぼちぼち頑張って行きますか

「了解、全て殲滅します」

『はいお願いします、できればモニターで捉えられる速さでお願いします。バイタルと戦闘時間の統計を取りたいので』

「了解、善処します」

この返事を最後に通信用のマイクを切った

 

まず初めに姿を表したのはボルグ・カムラン

針飛ばしくらいしか警戒する技がないから大したは事ない。

手始めに間合いを詰めて奴の攻撃が届かない足下へ、そのまま関節部を全て切断し足の1本を噛みちぎって空腹を満たす。

「アァ、マずイ」

鉄齧ってる気分だ。でも少し満たされる

食事を終えたら尻尾を両断して行動を完全に停止させる。これでダルマ状態になったこいつは針を飛ばすくらいしか出来ない。そして足で体を支える事も出来ないから盾腕も意味をなさない

ダルマと化したボルグ・カムランの背後に立って天ノ咢で捕食。コアも同時に回収。次

 

次はコンゴウとシユウだ。

どっちもそんなに美味くない比較的コンゴウの方が肉がある感じの食感だ淡白な味わいで肉質的には豚に近い一番美味いのは腹だ。

シユウは全体的に筋張って硬いから好きじゃない。腕なんて食えたもんじゃない強いて上げるなら脳だなシユウミソ?とでも名付けるか

でも味はウニじゃない。水団の種だ小麦っぽい味だ。

 

2体同時ゲームだと中距離コンゴウ。近距離シユウって感じだけどコンゴウの肉弾戦車食らった直後にシユウの波動弾はムカついたな。

アレ?中近逆だなまぁいっか

ハラヘッタから、クぅそれだけダ

2体同時で近い場所にいる。なら───初めに攻撃を仕掛けたのはコンゴウ前と一緒顔面に一発その後に蹴りも一発ただ前と違うのは

 

ブチ、グシャァァァ、ベシャ

 

首から上が消し飛んで胴体は蹴り上げられて空中へ舞い上がる

ついでに腹の肉を食い破っておく

グチゅぐぢゃと獣らしい咀嚼音がする。モニターされていない上に通信も切っているから指示が一方的に入るだけ。

ただ一つ問題とするならその指示すら聞いちゃいないこと

 

欲に飲まれて体が上手くコントロール出来ていない。意識だけはハッキリしてるからVRゲームで操作してる様な感覚に近いそれに味と触覚があると言うだけの話だ

 

「フツうかそれなり。次」

コンゴウが落ちてくる前にこちらに向かって波動弾を放ったシユウへ特攻。大して速くもないし追尾も弱いだからギリギリでと言いたいが大きく旋回しながらシユウへ迫るいくら弱いからと言っても油断は命取り確実性を期すには旋回してからのダッシュ捕食

滑りながら捕食を使って加速。足元掬い取ったらこちらの勝ち

腕しか使えないシユウはそんなに強くない。

捕食形態を戻す間にシユウに向かって走るまだ慣性で体が残っているうちにクイック捕食で腕以外を喰らう。

コアの回収も出来て一石二鳥。

そしてコンゴウの下に戻って上に向かって捕食。

ツマミ感覚でシユウの腕をバリボリと………前より顎強くなったな

「デカくてムみの煎餅か」

 

最後にグボロ・グボロ

今回で一番美味いやつだな

味わいは淡白な白身魚、ただちょっと臭みが強い。

鼻の利くこちら側としてはたまったもんじゃないんだが、それはお互いさまとして、アラガミの中でも比較的上手い部類に入るやつだ。揚げ物にしたら絶対に美味い。シソがあればなお良い。

まぁこの世界アラガミのせいで香辛料とかハーブとか以前に植物も絶滅仕掛けてるからな。そんな贅沢出来ないが

 

幸いやつはまだこちらに気付いてはいない

となれば、だ兼ねてから試して見ようと思っていたカスタムバレットを使っわてみようかね

この体になっての利点の一つオラクルリザーブの装填が1度で完了すること。それにあやかって一つ粘着爆弾を作ってみた

まずレーザーを一発的に向かって、そして装飾印を残す

そしてそこにリザーブの限界まで爆発し続ける様に開発したこのバレット

爆発規模は最大の物を用意してある。回数は1発につき9回

これは限度があったゲームと比べれば優秀過ぎるくらいだ。リンクを続けていたらリザーブ容量がかなり増えたみたいで出来ることが増えた。バレットエディット楽しい。という訳で試作したこのバレットを使用する

狙うのは砲塔部分。結合崩壊を起こせる部位で弱体化を狙える。と言ってもまぁ実際には切りつければ傷つくし流血酷いとアラガミでも死ぬから大して差は無い。さてダミーだと木っ端微塵が可愛いレベルだったけどアラガミだとどうなるかね

 

銃口をグボロ・グボロに向けカスタムバレットを一発

 

ドパン!

 

特に違和感も無く真っ直ぐグボロ・グボロに向かってレーザーが飛ぶ、順調に接触し軽く穴があくが直ぐに塞がりそこに印が残る

丸い印だどうやって引っ付いてるのか分からないけどスゲー半透明なのにキチンと張り付き続けている。

そして問題の爆発本物に大してはどんな威力になるんだか

ちなみに奴さんは撃ち込まれたのに気付きはしたものの俺がどこにいるのかには気付いていないらしい。というか見えていない。ずーっとキョロキョロしてる。ちょっと面白い。

観察していると少しして爆発が始まった

 

バアアァァァァン!!!!

 

という音が9回土埃で見えないが連絡からすると対象の反応の消滅、討伐完了したのは間違いないらしい。土埃もしばらくして収まってきた。そこに広がっていたのは

「うわぁ………これは流石にちょっと」

爆発により撒き散らされた血液や体液体の一部と思しき何かによって赤く染まっていたり爆発の影響で黒く焦げていた

残っていたのは胴体の下半分とヒレの部分。ちなみに残っていた部分も物の数秒で消滅した。

なんせコアですら木っ端微塵になるまで爆発し続けたみたいで物凄く凄惨な現場になった。

 

一応連絡入れておこうか

「こちら神喰です。討伐対象の殲滅完了しました」

『了解よくやった、こちらの方ももうすぐ終わる、迎えを送るから先に帰ってこい』

「了解です、雨宮三佐一つ問題が」

『どうした?』

「グボロ・グボロのコアの回収に失敗しました」

『お前にしては珍しいな。何かあったか?』

「コア諸共グボロ・グボロを木っ端微塵にしました」

『……………………………そうか。後で話がある戻ってきたら私の元へ来い』

「………はい」

オワタ、これは死んだわ。アハハハハ

『新入り一つ聞いていいか?』

「リンドウさんお疲れ様です。聞きたい事ってなんですか?」

『ああ、お疲れさん。いや大した事じゃないんだけどな?お前さんどうやって木っ端微塵にしたんだ?オレでも出来ねぇぞ』

「簡単ですって言うのもちょっと違うんですけど、カスタムバレットっていうシステムを使って自分で作ったバレットを撃ち込んだだけです」

『それだけ?』

「はい、それだけです。一発撃ち込んだだけで木っ端微塵です」

『そうかお前さんの作ったバレット後で見せてくれや』

「はい、もちろんです」

『じゃな気を付けて帰れよ〜』

「またアナグラでお会いしましょう」

………正直あのバレットは封印案件だなどう考えてもオーバーキル過ぎるウロボロスとかアマテラスとかあの辺の超巨大系の連中には持って来いかも知れないけど流石になぁ

 

結局アナグラに帰るまで封印するか否かをずーっと考えていた

 

 

 

─帰還─

「あら、おかえりなさい劍華どうだった?」

「サクヤさんぼちぼちって感じですね」

「そうこっちは順調だったわよこっちに割く人員が多すぎ──「何がぼちぼちだ!劍華貴様送られてきたグボロ・グボロの絵を見たぞ本当にあんなになったのか!?」──あら?」

おぉ、お怒りですね雨宮三佐

「ええとまぁはい。概ねあのままです。流石に全部書くのはちょっとはばかられたので、はい。俺もちょっとあれは無理です」

「私だって無理だあんなモノ、後でリンドウとバレットについてと言っていたな私もその場に同席するいいな?」

「あ、はい。いいですよ。良ければサクヤさんとコウタもどう?」

「あらいいの?どんなバレット作ったのか私も気になるし是非見せて欲しいわ」

「お、俺も参加、す、するよ」

いや、だからビビり過ぎだってコウタ

「まぁまぁ、そんなに怒ると血圧上がりますよ雨宮さ───」

スパアアアァァァァン

あれ?いまリンドウが見えた気がしたんだけど三佐の手がぶれた瞬間に消えたな

 

「まぁいい、それよりもだ。今日よりお前たちの仲間になる新型適合者だ」

三佐が後ろに連れていた少女を前に出す

「本日一二:〇〇付けで極東支部配属になりましたアリサ・イリーニチナ・アミエーラと申します。よろしくお願いします」

「───っ」

わかってはいたけど、息を飲んだ。やっぱり似てる

彼女の声に、彼女の姿に。

違うところは髪の色がアリサの方が少し鈍い色をしている。

そして瞳の色、彼女は美しい緋色だったけど。アリサは黒い漆黒とまでは行かないが少し濁った黒い瞳をしている。

明確に違うのは態度くらいだろう。まだ()()というのが抜けきれていない幼い子供の仕草の様に思える。その髪を指で巻くという行為が。別に大人でやっている者がいないという訳ではないけれど。けれどどうしたって俺には子どもっぽく見えてしまう。

彼女はそんなことしなかったから。

はぁ…………切り替えろよ俺

彼女は彼女。アリサはアリサだ。

分かってるだろうが

 

「女の子ならいつでも大歓迎だよ!」

「よくそんな浮ついた考えで生き残って来れましたね」

「ぐは……」

コウタ、それは初対面の女の子にかけると言葉じゃないと思うよ。俺でも引くよそれはちょっと。場を和ませようとしたんだろうけどバッサリ切られたね

「彼女は実戦経験こそ少ないが訓練では優秀な成績を残している。皆、追い抜かれぬよう精進するんだな。まぁ約一名心配ないと思うが」

ん?なんでこっち見たの雨宮三佐

「了解です、いいよなぁ劍華は強いから」

「何言ってんのコウタはまだまだこれからでしょ」

直すべき所は多いがそれでも十分なくらいの強さがある。伊達に雨宮三佐の後を継いでいる訳じゃないな。

「うう、ありがとうフォローしてくれて」

「コウタお前も俺と一緒に訓練受けないか?」

「え?蓮華と一緒に?って事は劍華の?」

「そうなるな」

成程いい考えだ、コウタともっと仲良くなれるしコウタも強くなる。近接主体の俺よりもコウタの方が射撃に付いては詳しいし俺よりも精度が高い丁度いいんじゃないか?

「なるほど……じゃ「そこ、私語は慎めせめて話が終わってからにしろ」はい」

おぉ、珍しく悲鳴を上げなかった。硬直はしたけど

「リンドウ、いつまで伸びているつもりだ。さっさと立て。アリサは以後リンドウについて行動してもらう。いいな」

「了解しました」

「リンドウこの後前の支部からの引き継ぎの書類などがあるから私と一緒に来るように他のものは各自持ち場に戻れ、第一部隊同士中を深めて貰って構わん。それと劍華次の仕事はアリサ、リンドウ、貴様の3人だ依頼の受注を頼むぞ」

「了解でーす」

 

さてと、どうやって仲良くなろうかなと思い視線を戻すと

思いっきりコウタがアリサをナンパしていた。

同期の女の子だからってそこまでガツガツしなくても……

 

あっコウタが白くなった。まるで燃え尽きた某ボクサーのようだ

何言われたんだろ

「貴方が神喰さんですか?」

「ああ、そうだよ。神喰 劍華よろしくねアリサちゃん」

「………ちゃん付け辞めてもらってもいいですか?」

「んーー無理」

「なんでですか!?」

「何でも、強いて言うなら俺の方が年長者だからかな」

「なんですかそれ、理由になってないですよ」

「まぁまぁ、取り敢えずよろしくね」

「……まぁはい、先程の方よりは真面目そうなのでよろしくお願いします」

曖昧にしたのは話したく無い理由があるから、こればっかりはちょっとアリサには言えない。だって君が初恋の人に似てるから。なんて恥ずかしくて言えないだろ?そんな事

でも良かった、手を取って貰えて。それと今ここで誓おう、アリサ俺は何があっても君を護ると極東支部の仲間になったんだから絶対に壊させはしない。たとえそれで消えるのが俺になったとしてもだ。

「アリサちゃん実はねもう一人新型がいるんだよ」

「そうなんですか、ちゃん付けやめてもらってもいいですか?」

「んふふ、無理。蓮華挨拶したか?ちゃんとしろよ既婚者」

「劍華!?何を!というか既婚者ってなんだ!俺はまだ結婚出来る年齢じゃないぞ!」

左手の薬指にエンゲージリング着けてて何を言うか

「貴方ですか最近入ったっていう新型の人は」

「ん、ああ空木レンカだよろしく、と言っても本当に最近入ったばかりで今日初めて実地に出たばかりなんだ。だから足りないこととかあったら是非教えてくれ」

「いいですよ。こちらこそよろしくお願いします」

………思っていたよりも新型には当たりが柔らかいな

足でまといにはならないで下さいねくらい言うと思ったんだけどな。やっぱりリンドウにだけああいう反応になるのか。まぁただちょっぴりプライド高めだよな。発言が上からだ

 

でもうん、仲良くなるのはいい事だね。この調子でもっとみんなと仲良くなって行ってほしいな。なんて微笑ましく思いながらアリサを見ていたら

「アリサの事は劍華に任せれば大丈夫そうね」

とサクヤさんに声をかけられた。

「うぇ?なしてそう思ったとですか?」

「うふふ、変な訛りになってるわよ。一目惚れかしら?貴方さっきからずーっとあの子の事ばかり見てるんですもの」

「いや別にそんな事は」

なに?俺そんなにアリサのことばっかり見てたのか?

恥ずかし、意識しないようにとか思いつつ思いっきり意識してんじゃん。

「なんの話で盛り上がってるんですか?サクヤさん」

「ええ、ちょっとね。劍華がアリサに一目惚れしちゃったって話」

「ちょサクヤさん。違いますよ。姉さんに似てただけで別にそんな事じゃ」

「あっごめんなさい……そう言えば彼女貴方が描いていた女の人にそっくりね」

…………oh。一気に声のトーンが下がった。

ちょっと悪い事しちゃったな

「ああ、確かに劍華。ロケットちょっと見せてくれる?」

「いいよ、ほら」

首から提げてる家族写真のロケットをサクヤさんにも見えるように見せる

「うんやっぱり似てる」

「あら本当に似てるわね………劍華、貴方がちゃんと守ってあげなさいね。こんなに似てるんだものもしかしたらもう一度守るチャンスが回って来たのかもしれないわよ」

「………そう、ですね」

そうだ。この世界に祈れば助けてくれるような神はいない。

いるのは世界をめちゃくちゃにした化け物だけ

この世界に神なんていないんだ、俺も含めて全部が敵なんだから

 

「あの、さっきからこちらを見てコソコソとなんの話しをしているんですか?」

「うお!気づかなかった」

近い!息がかかる程では無かったがそれでもアリサの匂いが分かるほど近く。その表情から『私不機嫌です!』と言うのも聞かずとも伺えた。

「うふふ、内緒。もし聞きたかったら劍華にでも聞いてみたらいいんじゃないかしら?」

「サクヤさん!?」

「俺もそれをオススメするよ。次2人任務一緒に行くんでしょもう少し話してもいいんじゃないかな。じゃ俺部屋に戻ってバガラリー見るわ。ばいばーい」

「こ、コウタまで」

「どうなんですか?神喰さん」

「い、いやぁまぁそのだね。蓮華なんとか」

「劍華ファイトだ、俺は訓練所に行ってくる」

まじかぁ〜

「じぃ…………」

「わ、分かった話す、話すからちょっと待ってて任務の受注だけしてくるから」

「そうですか、仕方ないですね。すぐ戻って来てくださいね」

「はーい」

あの人見た目の割によく喋りますね。しかも軽く

もっと口数の少ないクールな人だと思っていたんですけど

などと思われている事はつゆ知らない劍華であった

 

 

 

さてリンドウさん来るまでまだ時間あるみたいだし少しおしゃべりをしようか

「アリサちゃん何飲む?」

「あのちゃん付け辞めてもらってもいいですか?あとソーダでお願いします」

「OKソーダね、じゃあ俺は冷やしコンポタにしよ。あとちゃん付けは外しません」

ガタンと2回音がする

自販機っていい文明だよなぁいつでも冷えてたり温まった飲み物飲めるんだから

「ありがとうございます。それ美味しいんですか?」

「冷やしコンポタ?ちょっとコツがあるんだけどね結構美味しいよ」

「へーそうですか私は飲みたいとは思いませんね。それよりさっきはなんの話をしてたんですか?文句があるのなら正直にどうぞ」

あら、アリサちゃん冷たい。あとビックリするくらい発言がカッコイイわ。普通面と向かって文句があるならどうぞとか言えないぞ怖くて

「文句じゃないんだけど、サクヤさんがアリサちゃん可愛いから一目惚れでもしたの?ってからかわれてたんだよ」

「…………それ本気で言ってます?からかっているのはあなたの方じゃないですか?」

えぇっ、怖っ声ひっく。そんな声出んの?

「冗談ではないね。アリサちゃんは実際可愛いと思うし、成績も優秀だって言ってたし、もしかしたら俺たちよりも強いのかななんて思って見てたんだよ」

───嘘をつく時に本当の事を交えると嘘に聞こえなくなる。

ただ嘘を付く側はそれを忘れてはいけない。傷つくのは嘘をつかれた側だから。これは前世で学んだ事。

「それで、一目惚れだと?」

「まぁね、そんなに情熱的に見つめてたつもりはなかったんだけど。サクヤさんにはどうもそう見えたらしくって。不快な思いをさせたのなら謝るよ、ごめんね」

「いえ別にそんな事は、それに実力であれば神喰さん貴方がこの極東支部で最強なんじゃないですか?雨宮三佐から聞いた話だともう大型なら単独で討伐に行けるとか」

「ああ、うん行けるよ。でも極東最強はリンドウさんかな、あの人飄々としてるくせにめちゃくちゃ優しくて、コッチへのフォローも忘れないしアラガミを殺すことに関しては他よりも頭一つ二つ抜けてるよあの人は。それと俺は元々外の出だからね。四六時中アラガミと生活していたって言っても過言じゃないと思うし、その経験があるからこそ憎しみで動いてるって感じかな」

また少し嘘を付いた

「そうですか、外はやっぱり過酷ですか?」

「過酷だよ、ゴッドイーターの様にアラガミを殺す力はないから、一方的に食われるだけ、できると言っても食われないように逃げるだけ。そのために色々やったりしたけどね。だけどね外でいちばん怖いのはアラガミなんかじゃないんだよ。知ってた?」

これも嘘、少しのホント

「それってどういう?」

「おっ、リンドウさん来たねそろそろ行こうか」

「あ、はい」

最後の一言どういう意味だろう

どうしてあんなにも悲しそうな顔をしたのだろう

それだけがアリサの心に残り続けた

 

─任務─

「えー、という訳で今回は新型二人と一生に任務って事でどちらも成績優秀っと何ともまぁ嬉しくないね。俺いる必要なくないか?劍華いるし。まぁ足を引っ張らない程度に頑張るからよろしく頼むわ」

「旧型は旧型なりの仕事をして頂ければ結構です……でも神喰さんの言う通り極東最強であるのならその力見せて欲しいです」

「……………」

開いた口が塞がらないってこの事か

リンドウなんてコッチ向いて信じられないもの見るような目をむけてきやがる

それにしてもまさか真に受けるとは思わなかった、いや実績上最強なのはリンドウだけど

「はははっ、新入りお前さん俺の事を極東最強だって?嬉しいが自己評価が低すぎやしないかね単純な殲滅力だったら俺より上だろうに。でもまぁその期待に添えるよう頑張って見るさ、アリサ取り敢えずよろしくな」

トンとリンドウが肩に手を付いた瞬間だった

「キャア!!」

アリサが尋常じゃない反応で後ろに下がった

フラッシュバックか

「…………おーお、随分嫌われちまったもんだな」

「あれ?私なんでそんなつもりじゃ、すみません………なんでもありません。もう大丈夫です」

明らかに異常な反応、流石のリンドウでもちょっと心外だなっていう顔してたけど

「フッ…冗談だ。……そうだ、アリサこういう時は動物に似た雲を探すといい。心が落ち着くぞ」

「どうして私がそんな事」

「見つけるまでここを動くな、いいな?これは命令だ、見つけたらこっちに合流してくれ、いいな?」

「…………はい」

おっ素直だ、意外だな。さっきの行動への罪悪感みたいなものか?

 

「おい、新入り先に行くぞ」

「了解でーす」

「ったくお前さん、最近軽くなってないか?」

2人で喋りながら降り討伐対象を探す

「まあ緊張しなくなりましたしね。アリサちゃんも今回コッチで初の実地だから緊張したんじゃないですかね?」

「そうだったらいいんだかな。あの子ちょっとわけアリらしい。まぁこのご時世だいたいのやつが色んな悲劇を背負ってるっちゃ背負ってるんだが、お前さんもあるだろ?あの描いてた女の人みたいに。そのなんだ何が言いたいかって言うと、同じ新型のよしみだ仲良くしてやってくれ」

「いいですよもちろん。俺も個人的にアリサとは仲良くなりたいですし」

「お?なんだ惚れたか?」

「リンドウさんといい、サクヤさんといいみんな何故そっち方面に話を持っていこうとするんですかね?」

「いやぁだって面白いだろ?」

「違いますからね、今はまだ」

「今はまだって事はそうなる事もあるって事じゃないか」

「当たり前ですよ、あんな可愛い子普通男がお近付きになりたいと思うもんでしょ。ただ、俺は俺の問題を解決しない限りアリサとそういう関係になりたくないと思ってますけどね」

「おーお、イケメンは言うことが違うねぇ、なれる前提か」

「さぁ分かりませんよ最後に選ぶのは彼女ですし。俺はまだ姉に似た女の子としか認識出来ていないんですから」

「あぁ、そういう事かそういや似てるなアリサのやつ。そうかだからあんなにも気を掛けてたのか。ずっと近くにいただろ」

「あれはアリサちゃんが話をしたいって言うのでいただけですけどね」

「お、噂をすればなんとやらか、アリサも合流したな」

「あのリンドウさん。どう頑張っても動物に似た雲なんて見えないじゃないですか。今日曇りですよ」

「ん?あ、本当だ。すまんすまんじゃあ索敵と行きますか「リンドウさん9時の方向、シユウ来ます」っとする間もなかったか」

今回は近接主体のリンドウさんとどちらも出来るアリサがいる俺は遊撃だな

「リンドウさん俺遊撃に入りますアリサちゃんは得意な方で!」

「ああ!近接は任せろ!」

「私に指示しないで下さい」

あ、そこは否定するんだ。ちょっぴりショックだ。………切り替え切り替え。

神機を一度銃形態に変更しリザーブ、アリサとリンドウはどちらも近距離主体の立ち回り、俺は今回ずっとこれで問題さなそうだな。

っと波動弾貯めてんな

「スタン行きます!」

「「了解」」

パァンとスタングレネードが弾けてシユウが怯んだ。

その間にアリサとリンドウが切り込む。

俺は空いた間合いに銃撃を撃ち込む

一分程で方がついた。ほとんどリンドウの活躍だ。

俺は後半スタン投げ入れてただけだったからな

 

「お疲れさん、完璧なフォローありがとさん。どうだ?次近接主体でやるか?」

「いえ、リンドウさんは近接のみですし、アリサちゃんは遊撃を完璧にこなせているので俺は遠距離から固定砲台で大丈夫だと思いますよ」

「神喰さん貴方、同じ新型なのにどうして近接攻撃を一度もしなかったんですか!?アラガミが怖いんですか?」

それ君にだけは言われたくはないなぁ

 

「いいや、必要ないと思ったから銃撃に徹してただけだよ。さっきも言ったけど、リンドウさんは近接しか出来ない、でもその近接を的確に確実に行っているからフォローも入れやすかった。一方でアリサちゃんは近接と遠距離どちらも出来ていて遊撃を完璧にこなせていた。だから俺は遠距離からのサポートに回っただけ、別に近接が怖いなんて事はないけど。まぁでもちょっとビビるよねアイツら無駄にでかいし」

「そんなので「まあまあいいじゃねーのコイツは役割をしっかり見極めて行った。アリサは遊撃を完璧にこなせた。つまりアリサは訓練の成果をしっかりと実践でも発揮できてるって事だろ?それでいいじゃねえか」それはまぁそうですけど」

「あ、もしかして俺の近接戦見てみたかった?」

「はい、雨宮三佐が目で追えるのならやつの戦闘スタイルを真似るのが1番強くなれるとの事でしたので」

やだ可愛い。すごい素直この子

「あー成程、三佐の言う通りだな仮にコイツの動きが目で追えるのであれば大したもんだ俺よりすげぇわ」

え?俺ってそこまで逸脱してる?あーでもそんなもんか大型中型合わせて五体を3分未満で倒すんだから逸脱してるわ

『緊急事態です、想定外の中型種が作戦区域に侵入。すみません討伐にお願いします』

「ああ、分かった。おい新入り出番だぞ。アリサに見せてやれお前の近接」

「はい、了解しました───スゥ……ハァー」

切り替えろ。リンドウの言葉、あの感じからするに単独で討伐になるだろうし────食い荒らす!

「え?違う、さっきまでの神喰さんじゃ」

「凄いだろでもこれからもっと凄いのが見られるぞ。この中型、手を出さずコイツの動きだけをよく見てみろ本当に凄いから」

「討伐対象視認、任務(食事)開始します」

入って来たのはコンゴウまだこちらを認識してない

一度全身の力を抜きフラフラと体を揺らす

そのまま前に倒れるように脱力してコンゴウの目の前に向かって走り神機が届く距離で停止

認識される前に両腕を切り落とし前宙をしながらコンゴウを飛び越える、無論神機を持ったまま

面から通して背部を切り裂く、浅かったのか直ぐに傷が塞がるが着地と同時にコンゴウに向き直って尻尾を断つ

少し下がって銃形態に移行

怒りコンゴウがコチラを向いたところでブラストからのゼロ距離爆破

首が吹き飛んだところで捕食形態に移行

最後にその大きな顎で一飲みにする。これで終わり

「ミッションコンプリート、ごちそうさまでした」

これが俺の食事だ

 

「……………」

言葉が出ないそんな様子だった、でもそこに恐怖とか嫌悪といった感情は感じられなかった

ただ単純には起こった事を、事実を消化しようとしているそんな風な感じだった。まぁビックリしてるそれだけ

「どうかな、参考になった?」

「え、ああはい。正直凄すぎてどうすればそうなるのか分かりませんでしたけど、同じゴッドイーターとしては遥かに卓越した身体能力なんじゃないかと思いました」

「俺も全くの同意見だ。お前さんも俺と初めて組んだ時よりも強くなってやがるな?成長してること自体は好ましい事なんだが。体、不調とかはないのか?」

リンドウが言っているのは恐らくオラクルの侵食による肉体の限界について言っているんだろういくらゴッドイーターでも俺の身体能力は他を遥かに凌駕するものだから。

「大丈夫ですよ、どこにも不調はないです」

「そうか、ならいい。それじゃあ戻るぞ、帰りながら反省会な」

「はい、お願いしますね。アリサちゃんも客観的指示は受けといた方がいいよ。この先の連携にも繋がるし」

「どうして私がそんなに説明を受けなきゃならないんですか?」

んんん?アリサなんか俺にちょっと反抗的じゃないかな?かな?

「さっきも言ったけどこれから先他の人と組んだ時により効率的にアラガミを狩れる様に連携が取りやすくなるようになるのと、自分でも気づけなかった癖とか修正する為だよ。アリサちゃんなんかは特に訓練時の成績が優秀だから独りよがりな戦い方になりがちなんじゃない?」

煽るつもりは無いのに無意識に言葉に棘があるような言い回しばっかりになっちゃうな

「ふーん、なら貴方は反省会なんて必要ないんじゃ無いですか?最初の戦闘では完璧なフォローをしていましたし、先の戦いでは戦闘内容は単独でしたがどう見ても非の打ち所がありませんでしたから」

「高評価ありがとうでもちょっと違うかな、俺もまだ直すべき所はいっぱいあるからね、もともと神機に合わせて無理やり体を動かしているから時々体を痛めるんだ、だからそれを無くすために話し合って改善して行っているんだよ。さっきリンドウさんも言ってくれたけどこれを続けたから初の実地の時よりもどんどん強くなれているんだ」

ついでにコミュニケーションも取れるしね〜と続ける

「……分かりました、でもあなたはちょっと異常ですあんな戦い方が出来ていて更に上を目指すなんて何を目指しているんですか?」

「うーんそうだねぇ最終的な目標はアラガミを根絶する事だけど多分無理だから、当分の間は自己強化かな」

「大層な目標ですね、でもいいと思います。私の家族のような人が出なくなるのなら」

「そっかアリサちゃんの家族はアラガミに」

「っ!……ええまぁ、必ず仇はとります」

危ない今はまだ深く思い出す必要はないから、前向きにいこう『前向きに』

「そっかそっかじゃあ頑張って強くならなきゃね」

「あと」

「ん?」

「強くなったらちゃん付け辞めてもらってもいいですか?」

「──ふふ。いいねじゃあアリサちゃんが仇を討てたら辞めてあげよう」

これは意外だったな。ここまで『前向きに』なるとは思わなかったけどでもいい兆候だ。このままずっと前向きに上手く行くことはまぁないだろうけどそれでもアリサの心境に少しでも変化があったのならそれはいい事だ

「ええ勿論です」

ほらこんなにも綺麗な笑顔の華が咲くんだ、仏頂面なんて勿体ない。

彼女とは違う凛とした強さと人間的強さもなく。それでもまだあどけなさのある中に蕾の様な強さと前進的力は彼女よりも大きく強い。

ああ、そうだ、例えトラウマが掘り起こされ、別のトラウマと不安を植え付けられても前に進めるような強い子なんだ。

 

あぁ、久々に感じた優しい温かさ、心の奥にポっと灯る。例えまだか弱い火種の様な力でもいずれ大きく燃え盛る炎になるだろうか

こんな気持ち本当に彼女以来だ

 

 

 

 

 

 

 

その日とその翌日から俺は色々な人から新型担当の新型と呼ばれる様になった

リンドウがアリサと俺の様子を第一部隊のみんなに話したらしく。本格的にアリサを任されるようになるらしい

それと気が付いたら第一部隊の副隊長になっていた。この間説明しようと思ったけどし損ねたらしい。

 

今日はアリサを描いた

あの時見た笑顔を忘れないように、残してしまおうと思ったから

何故だか分からないけど描き終わったら泣いていた。

いつから泣いていたかも気が付かなかったけど心は暖かった。

 

 

 

今日は新月だった




やっとアリサ来たァ!
しゃぁぁあ!と思ったのですが君随分と素直だね
と書いてる途中に思いました。まだ書き方が拙いんだなぁ思いつつ
できるだけアリサに出番が回るように可愛く見てもらえるように書いてみたんですがいかがですかね?
来てすぐの時は見た目もそうですが、性格のインパクトも強かったのでその辺ちょっと強調して書きたいなぁ。とは思っていたので受け手によってはちょっときつい感じになっちゃったかもしれませぬ。それはそれでいいと思っているので。流して下さい
さて次回は少し箸休めと行きたいところですがどうなりますかね
アリサが来たから書きたい事が多すぎる!
どうしよう!となっております

それではまた次回にてお会いしましょう
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