荒神万事塞人ガ喰ウ   作:裕 紫翠

9 / 10
今回も前編後編分けていきます
まとまりきらなかったとも言う
この騒動でいっぱい書いてんじゃないの?
と思われるでしょうがそうでもないです。引き篭っているのは事実ですが映画ばっかみて全然書いてなかったです。
スランプとも言う
え?いつもの事だって?いや〜褒めないでくださいよ〜
褒めてもいないし前置きが長い?
それは失礼しました。
ではどぞ(っ´∀`)っ


使いと刀とお休みと(前編)

ピチャ────ピチャッ…………

滴り落ちている物は雨か涙か、それとも血か

薄れて掠れた灰色の記憶

見えているのは灰色の空。何か叫んでいた。

届かない悲鳴、伝わらない想い、止まらない憎悪

 

見渡せば辺り一面が赤く染まっている

手元には女性が一人眠っている

その顔は窶れやせ細ってはいたが幸せそうな顔をしていた

ただその身は夥しい程の血と中に収まっているべき物が飛び散り凄惨と言う他ない有様だった

他の赤い所もよく見ると多くの()()が倒れていた。不思議なまでに男性の遺体はなかった。まだ抱いている彼女は綺麗な方だ、身体が上下左右に分かたれてしまった人、一部分が亡くなった人、肉片しか残っていない人、それすら残らず血溜まりに伏す人

その状態に程度の差はあれど誰一人として生き延びている()はいなかった。

 

もう一度彼女をみた。か細く、力弱い。けれどうっすらと目が開いた、気を失っていただけらしい、いやこの状態であればこのまま死んだ方がずっと楽かもしれない。そう思っていたら弱々しく口を開いた

「───◆□▲■◁△▷◆」

ノイズがかかってなんと言っているのかは聞き取れなかった

ただ彼女のその満足そうな笑顔を見れば、言いたい事は言えたようだ

ただそれを俺は一体どう受け取ったのだろうか。愛する人が目の前で息を引き取り、復讐相手は逃げ延びた

俺は何をしていた?何のためにこの姿を選んだ?何のためにここまでやった?なんのために…………

 

 

 

その日、全てが嫌になった。

人として生きる事も神として生きる事も

世界と自分に価値を見いだせなくなった

自分に何かを求めるのを

他人に寄り添ってもらう事を

諦めた、諦めて

 

 

 

 

 

 

自分を─した

 

 

 

 

 

「やぁ劍華、随分暗い顔してるじゃん」

「ん?あぁリッカか。そんな顔してたか?」

「うん、凄く思い詰めてるって感じだった」

「そっか〜そう見えたかぁ。実はね?今日は良くない夢を見たからさちょっと不安になっちゃって」

「あぁうん。そうなんだ意外だね。キミでもそんな風には思うことあるんだ」

え?俺なんだと思われてんの?不安な事くらい1つや2つじゃないくらいあるけど

「心外だァ」

「あははっキミ心の声が思いっきり出ちゃってるよ」

「それよりもリッカ、何か用があって声を掛けたんじゃないの?」

「む、私としてはもうちょっとキミで遊んでいたかったんだけど残念本題に入ろうか」

「よろしく頼むよ」

人をおもちゃにしないでおくれリッカ、さっきのもそうだけど年上なのに時々容赦なく弄ってくるよね君おじさん硝子のハートが砕けちゃう

「実はねキミの刀出来上がったよ!っていう報告をしに来たんだ」

「マジで!?」

「そうだよ、ついさっき出来上がったばかりなんだけどね。やっぱり本人に一番に伝えたいからさ。この後博士も呼んで動作テストとかしたいんだけどいいかな?」

「勿論!俺今日明日非番だからさぜひ頼む!」

「あはは、OKそれじゃ訓練所でまた」

「了解」

 

刀、刀かぁ

いやぁ〜どんなの出来たのかなぁ。俺結局1度も完成品とか試作品とか見てないんだよなぁ、凡その形は出来たらしいしあとは俺の動作確認とリンク次第だと思うけど。

捕食機能とか着いてんのかなぁ?それより銃形態だよあれは付けられたのか?たぶんパーツ交換とかは出来ない類だからそのへんは俺のリンク技量次第ってことだよなぁ〜にしても刀、刀だ

前世でも刀の収集が好きでよく集めてたなぁ、そういやあれどうなったんだろ無くなったとか?売り払われたとか?もしかしてアラガミに喰われたとか無いよなぁ?俺それだけは勘弁願いたいあんなに苦労して集めた妖刀、神刀のコレクションを俺だって数回程度しか触ってないのにそれを喰われるってショックだよショック。

ああ、ヤバい刀の事考えてたらにやけちまうなぁ〜

「ふふふっふふふふふふ」

「え”っ!ドン引きです」

しまったどん引きされてしまった

「こんにちはアリサちゃん今日もお仕事?」

「目の前でドン引きですってハッキリ言ったのになんであなたまだニヤニヤしてるんですかきもちわるいですよ。やっぱりドン引きです。あと今日は非番でお休みです、今健診が終わったのでトレーニングルームにでも行こうかと思ってたんです」

それはプレイヤーにはご褒美なんですアリサさん

「そうなんだ。いやぁ〜ちょっといい事あってね頬が緩んじゃって」

「なんです?そのいい事って」

「実は以前整備班のリッカから刀を作りたいから俺が持ってたアラガミの素材を譲って欲しいって言われたんだけど。その刀が出来上がったらしくってこれから見に行くところなんだ。トレーニングルーム行くんでしょ?ついでに一緒に見に行かない?」

「へぇ〜刀ですか。あの極東独自の作りで昔は海外でも凄く人気だったって言うやつですか資料では見たことありますけど実物はないので。そうですねそういう事なら一緒に行っても構いませんよ」

「ほんとに?やったじゃあ古いけど型とかあるから少しサービスしてみようか」

「なんですか?それ型?」

「そう型。流れに決まりのある斬り方って言えば分かりやすいかな?」

「なんとなく……なら」

「なんとなくで大丈夫。型って言われてこういうものだってハッキリ答えられるやつなんて極東でもかなり珍しいと思うから、要は必殺技みたいなものだと思ってくれればカッコイイかも」

「必殺技ですか、男の人とか好きそうですよね。そういうの、必殺ナントカ斬りとか叫んじゃうんですか?」

「あははっウチの流派は底までハッキリ言うやつじゃないかな。技名叫ぶとか態々この技しますよ〜って教えてるようなもんだから人に向けて放つのに無駄がすぎるからね。名は合っても言わないのがウチのやり方」

「へぇーそうなんですか。別にどうでもいいですけど、私は刀を見に行くだけです。あなたのその型とやらは別に興味がありません」

冷たいね〜まぁこっちに来てまだ数日こんなもんだろ、あんまり焦って距離を詰めるとドン引きどころか射殺されかねないからな〜

でも

「そうか〜興味無いか〜俺の身体の動かし方のベースになってるんだけどそっか〜残念じゃ他のやつ呼んで軽くレクチャーするかな〜」

「あなたのその身体能力は置いておくとしてその型というのがベースであの完璧な戦闘ができるのであればぜひ私にも見せてください。教えて下さらなくても結構です。でも一度見せてみてください」

あ、簡単に釣れたよ。アリサってこんなにチョロインだったっけ?

「勿論。っしついた着いた」

「やあ待ってたよって。あ!君は新しく来た新型の女の子でしょ!やった〜この仕事やってるとやっぱり女性の人数少ないなぁって思うんだけどさ同年代の女の子がいるって嬉しいよね!よろしく私は楠 リッカ」

「え、ええどうもアリサ・イリーニチナ・アミエーラですよろしくお願いします」

「アリサちゃん。リッカがさっき言ってた整備班の子。それでリッカ刀は?」

「勿論今下に降ろしたから触ってみて、ねえアリサは一緒にここで見てようよ博士もいるし」

「やあアリサくんに劍華くん、待っていたよあとから蓮華くんも来るから君の剣技ぜひ見せておくれ、ついでにデータもね」

「了解すぐ準備します」

「ああ」

 

よっしゃさっさと準備して剣を握るぞぉ!

 

〜sideout〜

 

 

「ほぼはじめましてと言っても過言ではないかな、念の為もう一度挨拶をしておこうか?」

「いえ、結構です。ペイラー博士」

「そうかい、ならいいのだけど。少し不躾なお願いをしてもいいかい?」

「なんですか?内容に寄ってはお断りしますが」

「彼を人で居させてあげて欲しいとは言わない。出来るだけ彼の傍にいてあげて欲しいと思ってね」

「どうしてです?あんなにも強くて優秀なのに」

「すまないね、来たばかりの君にこんな事。分からなくても構わないさ、でもこれは来たばかりでそしてその姿をした君だからこそお願いしたいんだ彼の()()は必ずどこかで限界を迎えるそれが何を発端に迎えるかはまだ分からない。だから君も中々に事情を抱えているのは分かっているそれでも彼に寄り添ってあげて欲しい」

「どうして底までして彼に肩入れするんです?」

「君は彼の今までの経歴、そしてアラガミの討伐数を知っているかい?」

「いえ、全く刀が好きでとても強くて優しい人くらいしか知らないです」

「……そうか、でもそれでいいさ、もし気になったならアーカイブを使って調べればいいからね。……そうだね、一つだけ教えておくとしようか、彼はこの極東にいる全てのゴッドイーターのアーカイブを読んで覚えているからね。どこまでも他人に向けられた瞳でね、初めて見た時は驚いた……いやゾッとしたと言う方が正しいか。自分を見ていないんだよ彼は。僕としてこのまま何処に進んで行くのかというのも気になるところだけど。それはあまりに危険だ。もし彼について新しく知った事とか教えてくれると助かるという事も伝えておくとしようか」

「それはどういう──」

「すみません遅れました」

「いや予測通りだ。間に合うよまだ調整の段階だからね、そろそろだと思うよ蓮華くん。それと君には特に彼と近い位置にいるからね。彼の技出来るだけ覚えてくれるとコチラもデータになるから助かるよ」

「勿論です」

『博士、二本の刀剣との接続完了しました。問題なさそうですいつもの神機と同じ感じです。それと俺を危険生物か何かの様に言わんで下さい。ゴッドイーター全体がそうなる可能性はあるんですから』

「それは失敬、それじゃ始めようか」

『了解』

あんたらどこまで気付いてんだよ

 

〜劍華side〜

「了解」

2本ともいい長さいい固さそして十分なしなやかさ。ベースは間違いなく俺の骨だ。作りは基本的に刀の鍛鉄方法と同じらしいから玉鋼よりいい活躍が期待出来る耐久的にはって話だけど。

切れ味はたぶん問題ないコイツら常に研ぎ澄まされた刃を用意してくれるリンクを使うとよく分かる。剣心一体ってやつかな?コイツらは俺だ。俺はコイツらだ。

見てくれは普通の刀。小烏造りの黒刀と同じ造りの白刀

どちらも重さ大きさは同じ、重心の寄り方が少し違うけど大した問題じゃないどうせすぐ揃う。

鞘も作ってもらって良かったベルトから左の腰に2本ぶら下げている

のがいい重みだこれもアラガミの材料を使ってるからこれで殴ってもアラガミ倒せるとかいう優れものだ。

 

偏食因子の再投与はしなかったから負荷的にはそれほど重くはないと思っていたけどこれは多分博士の計算違い。俺かシオでなければ恐らく刀に喰われてる。このじゃじゃ馬め……自分で自分にじゃじゃ馬めって言うのちょっと恥ずかしくないか?

それはさておき捕食の方法は3つどれもこの刀剣形態でないと出来ない一つ目、柄部分を押し込む

二つ目、2本の刀の刃を向かい合わせて構える

三つ目、鞘に一度戻しそこから押し込んで抜刀

三つ目だけやたらカッコよく仕上げたのはあの二人の欲だな

次に斬波形態

これは斬撃を飛ばす以上

と言っても2人の言い分だと刀なのに態々銃にする必要無くない?

じゃあ斬撃飛ばせるようにすれば問題無くない?

そうしよう!との事らしい

まぁなんと驚くことに他にも幾つか形態があるんだけど今回は要らねぇなメインウェポンにするつもり無いし。

 

さてさてここまでの動作確認は問題なしということで

「博士そろそろダミーお願いします」

『分かった直ぐに送ろう』

『オウガテイル7体送ったよ。じゃあテスト始めるね』

「OK殲滅する」

 

前方三体、左右に一体ずつ、残りは背後。余裕だな

納刀し足を少し広めに構えて刀に手を添える

ゆっくりと呼吸を整える、まだ向こうは動かない。

心音が広がり呼吸は静かに、波のない静かな水面の様に

後ろと横は既に間合いにあとは前だけ、1……2……今

抜刀術・零ノ型『(まどか)

 

チンッ

 

発した音はそれだけ、少し腕が落ちたな

音もさせないで斬るのが一流の斬り方だと思っていたから

まぁ今はいいやデモンストレーションにはなっただろ

 

ドサドサと全てのオウガテイルが首と胴が離れた状態で崩れ落ちた

「ふぅ」

『…………………………』

あれ?ノーコメントなの?

『すまない劍華くん君今なにをしたんだい?』

ああ、見えなかったのか速すぎて

「斬りました。間合いに入ったんで」

『どうやって?』

「抜刀術と言って刀を鞘に納めた状態から刀を抜き放って相手を斬る方法です。その中でもうちの流派の抜刀術・零ノ型『円』という自分を中心に円形に斬る方法を用いて斬りました。以上」

『劍華、私からもいいかな』

「なに?」

『その型全部見せてくれる?』

「見えるかどうかは知らないぞ?」

『待ってて!雨宮三佐呼んでくる』

「OKじゃあちょっと休憩だ」

『劍華!俺にもその技教えてくれ!』

「じゃあまず刀作って貰え、神機じゃ重すぎて無理だ。データは俺が集めるから次からはもっと安全に作れるだろ」

『分かった、俺頑張って大型倒せるようになるよ』

「おう、やったれやったれ」

『あの、神喰さんちょっといいですか?』

「なにかな?」

『もう少しスピードを落として放つことってできますか?いくらなんでも残像すら見えないとか速すぎて訳が分からないくらいですから』

「そっかそっか、それじゃ見せる意味無くなっちゃうからね、OK調節してみるよ。頑張って見てくれよ」

『劍華連れてきたよ!』

『なんなんだ一体』

『劍華の剣速もしかしたら雨宮三佐なら見えるかもって思って何してるのか見て欲しいんです』

『ほぉう面白そうだ、劍華つまらぬものを見せるなよ?』

「了解、ド肝抜いてやりますよ」

抜刀術・壱ノ型『(おき)

ただの横薙ぎの居合い。敵は オウガテイル一体

これに捕食を乗せれば

 

ズダァァァァァアアアン!

 

どう聞いても刀が出すような音ではない音を響かせオウガテイルが消滅した。

 

「どうすか?見えましたか?」

『あぁ、しかしまぁ本当に何者なんだ貴様』

『私も少しだけ、ただ音が異常でした。先程みたいな静かで綺麗な斬り方じゃないんじゃないですか?』

『俺も少しだけ、捕食形態上乗せして叩ききったんだな?』

『なるほど、そういう事か音が違うという点では合点がいった。でもそれじゃどうやって斬っているのかが分からない』

『私も見えなかった、流石神機使い達だね』

「ははっ凄いなぁ雨宮三佐。これ見えるのかよ」

『劍華貴様まだ本気じゃないだろう?』

「さて?どうでしょう、如何せん刀を握るのは久々なもんで腕が落ちてますね」

実際全く本気じゃないですけどねぇ、なんで分かるの?この人怖いよ

『そうか、さっさと他の型とやらを見せて見ろ私は非番じゃないんでな』

「あ、はい」

目が笑ってないよォ、怖ぇよ

 

 

その後どこから話が広まったのかは知らないけど、極東支部の殆どの人が集まって型を見に来ていた。

当然その中に支部長もいたし、()()もいた。

 

 

 

〜数時間後〜

 

 

おかしい、非番の筈なのにアラガミ狩ってるときより疲れてやがる

「はぁ、疲れた」

 

「凄かったな!早くて全然見えなかったけど!ダミーがあんなバラバラ〜ってな!」

「あぁ!普段訓練してくれる時に使ってる技に似てるところも沢山あったし、ベースが分かって勉強になった」

「お前、普段あれを神機でやってたんだろ?一体どんな身体能力してんだ」

「お疲れさん、ひとつ聞いていいか?お前さんあのレベルに達するまでどんだけ鍛錬してきたんだって事が聞きたいんだが。アレ並大抵の事じゃ出来ねぇだろ」

「なぁ劍華俺にもあの技教えてくれないか!」

「もし良ければ俺にも何かできる技があれば教えてくれるとありがたい」

そして何故今こんなにも野郎に囲まれているんだ!?

上からコウタ、レンカ、ソーマ、リンドウ、タツミ、ブレンダンだ

さっきからずーっとこの調子だ。あまりにも男子面子そしてトップランカーといえる近接主体の人が集まったもんだから女の子が近寄り難いという現状。遠巻きに見てくる女の子はいるよ。いるんだよ?

ただ本当に人が寄り付かない!!

 

「わ、分かりました分かりましたから離れて下さい。コウタ今日お前の実家行くんだろ?早く行こう」

「ああ、そうだった早く行ってお土産沢山持って行かなきゃ」

「劍華も行くのか、俺も一度ねえさ………イロハの所に帰ろうと思ってるからちょうど良かった二人もついでに寄って行かないか?劍華は特にあの時の俺もしたいし」

まだ言い慣れてなかったんだなぁ思いっきり姉さんって言いかけたよコイツ可愛いな

「おぉ行く行く、コウタ先に蓮華ん家寄ってもいいか?コイツの嫁さんとも知り合いでさ」

「よ、嫁!?蓮華結婚してたのか!?」

「あ、いや「左手の薬指見てみろよエンゲージリング着いてるだろ?」おい!劍華!?」

「ホントだ!?」

「蓮華お前さん中々隅に置けないやつだな、どこで知り合った?やっぱ外か?」

「フン、興味無いな………俺は仕事に戻る。リンドウお前も手伝え」

「えっ!?なんでだよいいじゃねえか恋バナさせろよ〜」

「家族に会いにいくんだろ?なら邪魔者は失せるのが礼儀だ。ほら行くぞ」

えっ?ソーマいつからそんなに空気読めるようになったん?

なぜリンドウまで巻き込んだんだ?すごくありがたいけど。ありがとうソーマ!

「そんな馬鹿な!?俺より年下で後輩に嫁さんがいるだと!?こんなとこでだべってる場合じゃなかった。ヒバリちゃーん!!」

ブレないよなぁ〜あの人。一途でいい人なんだけどなぁ?

「劍華機会があればぜひ稽古を頼む」

「了解です、ちなみに明日コイツらと軽めのやるんでよろしければ雨宮三佐に声かけてみてください。全員モックアップ使ってやるんで怪我はしないかと。そっちの君たちも興味あったら是非!」

「「「「はい!」」」」

あっちの子達もどうせ刀か型目当てだろうし声かけといてそんはないでしょ。大体全員男子なんてむさ苦しい状態に雨宮三佐を投げ込む訳にわいかねぇしなぁ。あの人なら気にしなさそうだけど……

「分かった雨宮三佐にだな……他の連中にも声をかけてもいいだろうか?」

「勿論です。来ていただければそれぞにあった型をお教えします。ただ正直先輩方はあまり型に凝らない方がいいかもしれないですね」

何年もアラガミを殺すために戦って来た人だっている。それをこの方によって無駄なキメや動きが出てしまっては元も子もない。ソーマやリンドウがいい例だ。

アリサや蓮華はまだ新人だから矯正すればちゃんとした形になる。だがそれ以外の人が無駄な知識をつければ余計な重りになりかねない。まぁ技を型を出すのに固執するバカはいないと思うけど

「ん?どうしてだ?」

「皆さんは既に戦うための考えや経験を持っています。俺の型はいない相手を目の前にイメージして行うものそれも人に向けてです。今のところ人型のアラガミは確認されていませんがもしそういったものが現れた時に役立ちはすると思いますが。やる事は変わりません俺たちはアラガミ殺すだけですそうですよね?だから経験では俺よりも上の先輩方は型に凝らない方が良いかと思っただけです。勿論経験として趣味としてであればぜひ嗜んで行って下さい」

「すまない、これ程考えているとは思わなかった。しかし経験として、いい刺激になるだろうからぜひお願いするとしよう」

このくらいの考えなら全然教えても問題ない。むしろ今より強くなれるだろ。ブレンダンなら硬くなり過ぎなければ上手いこと扱える型もあるいい機会だ。実験させてもらおうか

「はい、それではまた明日。時間はデータベースに記載しておくのでよろしくお願いしますね」

「こちらこそよろしく頼む、じゃあな」

にしてもまぁ明日大変だなぁこれ非番じゃねぇぜコレ

「劍華、話し終わった?」

リンドウ達が退散して速攻で部屋に戻った二人はもう出かける準備を済ませたみたいだ

「おう待たせて悪かったなコウタ、レンカ」

「いや、大して待ってはいない。何か持っていったりするものがあれば手伝うぞ?」

「残念ながら俺には渡す人がいないぞ……って言いたいところだけど。コウタの御家族と蓮華の嫁さんに土産持ってかねぇと行けないからな」

あんま下手なこと言ってコイツらのテンション下げるのも悪いからなあくまでも明るく元気に行こう

「おっいいね俺も手伝うよ」

「じゃあ荷物整理するから持ち運び頼むわ、俺コイツの所持申請出してから行くから」

「あ、その刀常時装備する感じになったんだ」

「ああ、腕輪と同じような機構を鍔に備えようとしたらしいんだけどあれをこのサイズからさらに小型化させるって言うのはさすがに無理があったらしくて結局腕輪に直接接続させる形になったからベースは普通の神機と同じだけど扱いがはるかに難しいって感じ。鞘が捕食作用を抑える働きがあるから収めてる間はただの刀みたいなもんだからそんなに危険はないかな」

「なるほど、わっかんねーや」

「俺は少しだけ理解出来た要は鞘に入ってさえいれば危険じゃないってことだな」

「そゆこと、じゃコレをコウタが。こっちを蓮華持ってって置いてくれホールのエレベーター集合な申請すぐ出して来るから」

「了解早くしてよ〜」

「うちへの土産多くないか?サイズ比がおかしいぞ」

「生存祝いに結婚祝い、他にも色々入ってるからな。ま、それはまた行きながらでいいだろじゃよろしくなー」

2人に荷物を預けて直ぐに神機保管庫に向かった

 

「刀剣型神機2本の常時帯刀の許可申請。これくらい新型ってことで認めてね。っと。OKおしまいだ。さっさと行かねーと………アァ?」

「おやおや、コレは新型の神喰 劍華くんだったかなァ?初めましてだねェ私は大車ダイゴ。アリサの主治医だ。よろしくね」

短髪のオールバック、白髪混じりの濃い茶髪、アロハシャツの様なものを纏っていてその下に覗ける鍛え抜かれた肉体とその身に纏う謎のオーラ。そして何より原作よりも明らかに若い20代後半に見える。大車ダイゴであってコイツはそうでは無いと言えるだろう。何より───

 

「あぁ、ハジメマシテ、オオグルマ先生。こちらこそよろしくお願いしますね」

「ところでキミ。シオって知ってる?」

「塩ですか?塩なら食堂か配給で貰えるんじゃないですか?」

「そう、じゃあジャンケンしないかい?」

「ジャンケン?」

「そう、最初は『グー』ジャンケン」

腰だめで構えて、オーラを手に集めているコレは

 

………やっぱり

「ジャンケン『グー』!!」

守の型・壱『風車』

 

馬鹿みたいな威力のただのパンチ

それに対してこっちは刀を高速で回転させて一枚の盾の様に使っているだけ。

明らかに人間同士が放っとは思えない爆発音と衝撃をアナグラに響き渡らせた

 

「へぇ、これ防ぐんだいい刀だねェ。さていきなりすまなかったね、強い子を見ると試しに強めの挨拶をするのが癖でねェ」

「いえ、そちらもいいパンチでしたよよく鍛錬なさってる様で」

「そうでもないけどねェ、それじゃあね非番楽しんで。うヒヒヒ」

「そちらもごゆっくり」

 

 

 

 

 

──────コロス

 

 

 

 

 

 

 

 

 




この続きはまた後でという事で
すんません全然書いてなかったもんで
相も変わらずナメクジ更新ですが久々に見ていただけれ幸いです

続きですがまだ書き出していないのでまた時間がかかりますが次回も見ていただければ嬉しいです
それではまた

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