IS ダークライダークロニクル   作:金宮 来人

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今回はクロノス以外の戦闘回です。
さてどうなるでしょう。

本編へどうぞ。


12 愚者の増殖

俺はアレから1年3組に移動になった。表向きの理由が男子生徒同士の干渉が大きすぎると言う理由からだ。相手から喧嘩を売ってきたりするような事態は普通なら押さえなければいけないのを、教師が黙認した事もある。そこで3組の教師に『CIRS』からきた教師、有坂先生を副担任として配置し、問題が起きた際は学園長等に連絡をいち早くする事となった。因みに担当教科は一般教科ならどれでもなれるそうで、各教科の教師から引っ張りだこらしい。そして、放課後にアリーナで『CIRS』メンバー(レナとマキは本社に用事で戻っている)の訓練をしているとそこに二人の女子生徒がISを纏ってやってきた。一人は訓練機である打鉄で黒髪のポニーテール。もう一人は青い機体に金髪の髪の女子。あまり注目した事もないが確かイギリスの代表候補生、セシリア・オルコットだ。

「何か用か?こちらは政府の依頼で忙しいのだが?」

新規開発機のデータの為に各関節部位を改良した、篝火研究員考案『フレーム・アーマード・スタイル』。ソレの実験をしている。考案した篝火研究員の案から先ずは、近場から広げて行こうと日本政府とIS委員会会長に通信を繋いでソレを発表。ソレを認めた政府とIS委員会も新規の情報に提出を求めているから、急がなくてはならない。クロエがデータを精査して、俺が必要なデータを取れるよう動きを指示、シャルロットとマドカが機体を纏って動き、ラウラが回りに影響が無いか見てくれている。

「そんな事は関係ない!あの強い千冬さんが何故お前みたいなやつのしでかした責任を取らないといけないのか納得がいかない!!」

「そして神楽さんを傷つけた責任、此処で取ってもらいますわ。」

そう言いながら武器を向けられた。

「アレはあちらから喧嘩を売ってきた事だ。逃げられないように俺が転入生なのを利用して悪い噂を流すと言った脅しをつけてな。ソレを織斑教諭も知って黙認した。二人が責任を取るのは当然のことだ。それも分からない子供でもあるまい。分かったら・・」

『ピキューン』

「・・何の真似かな?」

俺の肩にかするように銃を撃たれた。俺は今回は教官役でISを纏っていない生身の状態なのに。制服の一部は焦げ肩の一部は皮膚が焼けてただれたようになっている。俺は撃たれた左肩を押さえて振り向く。

「御卓はいいですわ。やはり所詮は男、神楽さんと違って情けない・・がっふぅ!?」

俺は何もしていないが、どうやらラウラがレールガンを撃ったらしい。しかもしゃべっている顔に。

「貴様風情が・・クロノス兄様に怪我を負わせたなど・・万死に値する。」

「あ、貴女よくもやりましたわね!!!」

「貴様がISを展開していない人間への発砲をしたからだ。兄様でなくても同じように撃った。IS操縦者が一般人への発砲など、犯してはならない線を越えた。貴様は唯の犯罪者だ。ならば軍人として、見過ごす事は出来ない。」

そう言いながらワイヤーブレードとプラズマ手刀を展開する。

「良いですわ。わたくし、貴女の事が気に入りませんでしたの。野蛮な国家の狗風情が!!」

「いくらでも言え屑が!野蛮はどっちだ、没落貴族風情が!!無力化してイギリス本土へ送還してやる!!」

そう言って二人は空へと飛んで行った。ソレを見送ると同時に後ろから刀が降って来る。俺は肩を押さえつつ、体を反らし反転する。

「チッ・・。避けたか・・。」

「貴様もか・・。」

「うるさい!貴様なんぞ死ねばいい!!はああぁぁぁ・・」

「黙れ!屑女!!」

そう言いながらも思いっきり腹に拳を叩きこんだのはマドカだった。

「がっはぁ!?き、貴様邪魔をするな・・」

「・・す・・ろす・・コロスコロスコロォオオス!!」

そう言いながらマドカはテスト機を降りて、自機の『スナイパー』を展開し変化、フレームスタイルにする。マドカの機体のコレは腰に黄緑色のベルトが装備されている。

「『ライダーシステム』・・、【バンバンシューティング】。・・変身!!」

『レッツゲーム・メッチャゲーム・ムッチャゲーム・ワッツユアネーム?アイアムアカメンライダー・・。』

「ミッション開始。」

そう高官が鳴り変身した。それは『仮面ライダースナイプ』。手にガシャコンマグナムを掴み、地面を蹴った一足で打鉄に肉薄する。

「速い!?というかなんだその姿は!?私をなめているのか!?」

今マドカは『スナイプレベル1』で戦っている。2.5等身ぐらいの体の状態であまり力は強くはない形態、つまりは舐めプレイだ。それでも押しているのだから、相当に相手は弱い。

「貴様程度にはこれでも十分すぎるが・・徹底的に痛めつけられるのが好みなら・・お答えしようじゃないか!第二戦術。」

『レベルアップ!バンババン・バンババン・バンバンシューティング!!』

そう言いながらベルトのハンドルを開く。すると体についていたアーマーが外れ各部に付き、人間の大きさを少し超えたぐらいのISとなる。

「期待に答えて貴様の言う通りにしてやったぞ?どうだ嬉しいだろう。蹂躙してやるよ。」

そう言いながら周りに回っていたガシャコンマグナムをまた手に持ち蹴り、銃で殴り、ま近くで密着させて撃ったりしていく。

俺はシャルに手当てされていた。『マークスマン』の拡張領域に入れている緊急用の傷薬や包帯等で怪我を保護してもらう。まぁ、俺自体はそこまでひどいけがとは思ってはいないが、シャルは顔を青くさせていた。クロエは戦闘の前から訓練風景を参考資料にする為に映像を記録していた。

そして、空中で戦闘に変化が起きていた。

「はははは、弱い、弱すぎるぞ!!」

「ど、どう言うことですの!?まるで当たりませんわ!」

「クロノス兄様と鍛えたこの私に挑むには、百年は速かったようだな!ふん!!」

「きゃあぁああ!?」

ワイヤーで足を掴まれ地面に落とされる金髪。そこにレールガンを打ち込む。一発ではなく何発もだ。それで青い機体、・・確かブルーティアーズだったか?それはSEが切れて操縦者は気絶していた。

「こちらも終わるか・・。」

後ろの少し離れた所で行われていたマドカの戦闘も終わりのようだ。

「くそ・・ぐはぁ?」

「貴様程度が兄様を攻撃するとは・・死を持ってその愚行を教えてやろうか?」

「マドカ、殺すな。一応すでに学園には連絡した。有坂先生からこちらに捕縛部隊が来る事は聞いたからせめて、抵抗できない程度にしてあまり怪我はさせるな。」

「了解。」

『ニヤァ』とあくどい笑いになったマドカ。拳で打鉄を一度浮かせるほどのパンチを腹に入れて、崩れ落ちた所で肩を踏みつける。

「がっふぅ・・あぐっ・・な、何を・・」

「除装しろ。しなければ・・」

「うるさい!!貴様なんぞの言う事は聞かん!!私はあの篠ノ之束の妹だぞ!!」

「あっそう。なら良いや。」

そう言って頭部、顔にめがけてマグナムを連射する。

「ぎゃぁ、ぐあぁ、がふぁ・やめ・・あぐ・・やぁめろぉ、ぎゃぁ!?」

「・・・・。」

無言でマグナムを連発しまくる。絶対防御のおかげで傷はないが、衝撃と痛みは酷いはずだ。踏んでいた肩を放し数歩下がると、打鉄はぎりぎりながらもまだ残っているようで、おそらくSEは一ケタ台くらいかもしれない。刀を杖がわりによろよろと立ちあがる打鉄の女。ソレを見た、マドカはベルトのガッシャットを抜いて横のキメワザホルダーに差し込む。

「はぁ・・。」

『ガッシューン・・ガシャット!キメワザ!バンバンクリティカルストライク!』

「はああぁぁあああ!」

そして、回し蹴りの要領で加速をつけたハイキックを打鉄の側頭部にブチ込んだ。

「がっふぅぅぅ・・!?」

転がり止まった打鉄からは煙が上がりSEが0になった事を示していた。やり過ぎたのか機体にはショートしたようなスパークが見える。

「皆さん大丈夫ですか!?・・あぁ・・やっぱり。」

状況を見た有坂先生は頭を抱えた。教師陣はISをつけるのに手間取り、駆けつけるのが遅れたと言う。肩を押さえて立っている俺の姿を見た教師は顔色を青くしている。

「すいませんが、護衛の正当防衛です。無抵抗でISをつけていない俺が撃たれました。アリーナのカメラを見れば証明されます。クロエも撮影していた映像が有ります。クロエ、提出しろ。」

「分かりました。・・こちらです。追って会社から連絡と抗議が有りますので、覚悟するように上層部にお伝えください。1年1組の生徒とは今後一切の接触を禁じる事も含め検討しています。また、今回の事は連絡がつき次第、篠ノ之束博士、及びイギリス政府、IS委員会を含めての会合を予定しますので。との、社からの連絡です。」

「はいぃ・・野上さんから『私が動けないだろうから貴様を送ったのに、早速問題を起こさせるとはどういう事だ。』との連絡をいただきました。でもでも、私じゃ他の教師に応援を求めるくらいしかできませんよう。」

「ならば中から懐柔し、仲間を増やして反織斑派をつくれば学園は平和になるでしょう。それくらい考えてくださいませんか?」

「はいぃぃ・・。」

有坂先生は頭を抱えていた。

 

 




マドカとラウラ無双でした。
ラウラは空中戦も鍛えられましたので、セシリア恐れるに足らず。
元々圧倒できますしね。
マドカは元から強いので、よく考えると勝ち確定の勝負です。

それでは、また次回。
シーユーネクストステージ。

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