調子悪くて寝込んで、前から決めてた事だから皆には行ってもらって自分はお留守番と言う事にしました。
一昨日、昨日はダウンしてましたが、今日は快調なのでアップします。
では、どうぞ。
それは夜。
星が輝く時間。
月が昇り、黒と紺色に染まる空。
その月明かりの下で一人の男が構えていた。
その時を。
「今宵こそ、終焉の時。」
『今から挙がるは新たな時代の幕開けの声。』
『世界を正しき道へと戻すための粛清の声。』
『新たに始まる世界の産声。』
『時代の変換、革命の時は来た・・』
『さぁ、始めましょう・・。』
「『今こそ、刻(とき)は・・極まれり』」
男女6人の声が通信機を通して重なる。
「行くか・・。」
路地裏で一人つぶやく。
『カシャカシャカシャ・・カシュ』
紫色と茶色のボトルに銀のコウモリが描かれたそれを振り、ふたを閉める。そして歪なハンドガンのような形状をした銃にそれを取り付ける。
『バット・・』
その後に待機音が鳴る。そしてその影は銃を構える。
「蒸血・・。」
『ミスト・マッチ!バット・・バ、バットォ・・ファイア!!』
銃から黒い霧がその人物を包み隠す。そしてその霧の中で人影の形は変わり火花と共に霧が晴れると、そこには蝙蝠の形を胸に付けた異形の戦士が立っていた。
その戦士は悪の戦士。目的は破壊と殲滅。
見る者はすべて生かしておくことは無い。
その戦士はパーティーの開かれているビルに入っていく。
「な!?何者だ!?」
「・・雑魚が・・消えろ。」
手にバルブのついた短剣を出したと思うと、反対の手で銃を撃つ。
「侵入者か!?応援を・・」
「遅い・・。」
『アイス・スチーム!』
剣から出る霧で体が凍りつく。
「こ、こん、な・・ISが・・SEが・・絶対防、ぎょ・・」
「黙って砕けろ。」
剣を銃に組み合わせる。
『ライフルモード!』
そして、狙いを付けて引き金を引く。
『スチームショット!バット!』
音声と共にエネルギーを充填し放った一撃をくらわすと、その凍ったISのSEはすぐに無くなり、そのまま、胴体を真っ二つに引き裂かれて操縦者は死亡した。そして転がった機体からコアを抜く。
それを繰り返してコアを集めつつ、目標がいる部屋に向けて歩き出した。
それと同時刻。
『ギアエンジン!』「潤動!」『ファンキー!!エンジン・ランニング・ギア!』
『ギアリモコン!』「潤動!」『ファンキー!!リモート・コントロール・ギア!』
『ドラゴンジェリー!』「変身!」『潰れる!流れる!溢れ出る!!ドラゴンインクローズチャージ!!ブルルルルルゥゥゥゥアアアッ!!』
『ロボットジェリー!』「変身。」『潰れる!流れる!溢れ出る!!ロボットイングリスゥ!!ブルルルルルゥゥゥゥアアアッ!!』
『コブラァ・・』「蒸、血!」『ミスト・マッチ!コココ・・コブラァ・・コ・・コブラァ・・ファイア!』
各地でも少女たちが一斉に行動を始めていた。
目的は同じように女尊男卑のメンバーの集まる会場やその主要メンバーの自宅。
それぞれの会場にはISを装備した訓練されたSPが居たが、全く歯が立たずにすべて死亡。
コアは抜き取られて無残な骸をさらしていただけだった。
目撃者、生存者、共にゼロ。その結果は世界を震え上がらせた。
△
そして、俺は美浜学園で朝からゆっくりとしていた。
ロビーで新聞を読み、ニュースを見て、端末でネットの情報を確認。
それをしてから朝食を取るために食堂に行く。
「おはようございます。そろそろ、IS学園に行くんですか?」
「あぁ、昨日で『更識簪くんの専用機』が完成したからな。これを持っていくことで篝火博士を正式に研究職者としての功績を認めて部屋を与える。それから、企業パイロットとして更識簪を正式登録。それに伴い、IS学園に篝火博士を赴任させて同時に篠ノ之博士を学園に押し付ける形で赴任。それを持って宇宙学科の開設をしてそこへ、今回の集めたコアを改造した男女兼用の宇宙スーツ用コア『コスモ』を発表。それからコスモの専用機体を造る事を急がせる。あぁ、急がしてくて目が回りそうだ。」
「さすがはクロノスさんですね。ソレでは、朝から少し豪華にしておきます。」
「あぁ、昼が食えないかもしれないから少し多めにな。」
「軽食を作って包んでおきますね。」
「あぁ、いつもすまない。クリスはいいお嫁さんに慣れるな。」
「ふふ、それはとっても嬉しいですね。」
「朝からラブコメってんじゃないわよ!!気色悪い!!」
「騒騒しいぞトーカ。もう少し落ち着け。他のメンバーは今回少し動いたからな。まだ寝させておきたいんだ。」
「私も居たわよ!観測メインだったけど!あんた達馬鹿じゃないの!?あの威力マジ化けもんじゃない!?」
「そりゃそうだ。既存の機体は追いつけるようなものは作る気などない。俺は天才の更にその上をいくのだから。」
「ハァアアー。これがアホじゃなくてマジで言っているのがたちが悪いわね。それができるのだから。」
「それが俺だ。」
「うるさいわね!噛みつくわよ!?」
「色んな意味で、すでに噛みついていますけどね?」
「あぁ!?クリス!?何か言ったかしら!?」
「いいえ、別に何もありませんよ。」
そんな、いつもの賑やかな朝に飲むコーヒーは格別苦くてうまい。
「さて、面倒な事が無いうちに学園に行くか。他のメンバーは明日の博士の護衛でIS学園に来いと伝えておいてくれ。今日は休みだ。ゆっくりと寝かせて置こう?そうそう、今日から野上教諭と千石教諭が教師として。篝火博士と篠ノ之博士を明日から非常勤講師としてIS学園に赴任する。今回は野上、千石と共に移動するから『SORD』の三人は学園までの護衛・・いや、ここに居る二人でいいや。ムラサキは起こすのが面倒くさい。明日に回す。」
「それは賛成ね。私が起こそうとしても起きないし・・。」
「それじゃ起きたらさっそく食べて来るようにと書き置きと朝食を置いておきますね。クロノスさんは御二方に声をかけて準備が良いか聞いてください。よければ荷物を車に積み込むよう回します。」
「車を回すのは連絡しながら俺がしておこう。後でIS学園荷物搬入口まで運転してくれ。」
「分かりました。では朝食を作っておきますので準備ができたらお呼びください。」
「あ、私は一緒に行くわ。一応、護衛任務としてもっさんに武器を用意してもらって置いたから。」
「・・ちゃんと呼ばないと、怒られるぞ?」
「知らないところで言ってても怒られないわよ。」
俺が立ちあがり、横にトーカが並ぶ。
廊下の途中で階段があり、そこで別れた。そのまま俺は電話をかける。
「あぁ、野上せんせー。今日からの準備よろしいですか?」
『あぁ、ちゃんと支度は済ませているし、搬入口まで荷物は運ばせてある。』
「相変わらず準備の良い方でこちらも嬉しい限りです。」
『そうか、それは気持ち悪いな。』
「では、千石教諭の方を手伝う事にします。」
『そちらも問題は無い。すでに荷物は搬入口だ。本人がだらし無かったのでシャワーぐらい浴びてください。と言ったから今準備中だ。着替えが済み次第、搬入口に向かうからこちらの事は気にしなくていい。それよりも護衛のメンバーはSORDで構わないのだな?』
「トーカとクリスで十分です。ムラサキはまだ寝てるようなので放っておきます。他のメンバーが護衛を求めれば共に遅れて来てもらいます。まぁ、その必要がない主要戦闘メンバーですがねぇ・・。」
『一番の最強戦力の貴様が言うと緊張感がかけらもないな。【みーんちゃーん?あのスーツどこだったっけー?】・・あのスーツはそこのクローゼットにかかっているでしょう!?もっと探して聞いてください。・・こほん。さて、そろそろ準備が整いそうなので搬入口に車を頼む。』
「分かりました。運転はクリス。護衛は俺とトーカ。実弾兵装使用兵はトーカのみで、ISなどの緊急時にのみ俺の機体の専用兵装許可。場合によっては【ダークアームズ】の使用許可で確認はいいな?」
『ソレで許可書も出した。車で渡す。』
「確認も完了。なら車の準備してくる。湯冷めしないように千石教諭に伝えておいてくれ。では、また後で。」
『あぁ。それも承った。』
連絡を終えて俺は目的地を変えて歩き出す。車庫の中から担当に今日の車の鍵を受け取り、使用目的の確認を行った後、車に乗り込み荷物搬入口に回す。今回は荷物と人だけなので大型のワンボックスカーだ。明日、大型の物を持ち込む予定なのでトラックなどが数台準備されて、そちらへ大型の荷物は回してある。つまり今日は気楽な任務でもあるのだ。
そして搬入口につくと手伝いの搬入要員の男が一斉に荷物を運び、車にきれいに収まっていく。そこへケースを持ったトーカと朝食などの順簿を終えて軽食を持ったクリスが来た。
「クリスに運転は任せる。俺とトーカは警護。教諭二人が対象だ。帰りは気を付けろよ?」
「言われなくても安全運転しますから平気です。クロノスさんこそ、今日はみんなが居ないんですからあまり無茶はしないように。」
「相手がそうしてくれないからなぁ・・。まぁ、今日はIS学園に着いたら教諭の警護だけだ。それが終われば部屋に戻る。問題は明日だ。明日は特に気を張れ。いいな?」
「分かってるわ。」「分かりました。」
そう言っているうちに荷物は載せ終えて教諭二人も車に乗り込む用意ができた。
「では行きましょうか?IS学園『戦場』へ・・。」
そうして俺たちはIS学園に向かう。問題無くついて学園長に挨拶して終わる。
明日が問題だ。
一波乱ありそうな気がする。
そう俺は思っていた。
今回も暗躍・・いや、ド派手にしましたね。
これから、加速度的に物語は進みます。
では、また次回。
シーユーネクストステージ。