IS ダークライダークロニクル   作:金宮 来人

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これにより戦いも最終章となります。
今回は二話連続投稿です。

では、一話目をどうぞ。


21 真の終焉 最終章 最期の闘い

壁から離れて置き上がった織斑千冬は完全に体が回復しているらしい。

関節を確かめるようにして動かし確認している。

「これなら良い!さぁ、さっきの分をし返してやろう!!」

そう言って剣を振うが、俺は変身せずにそのままで織斑千冬に対して体を斜めに構えるだけ。

「死ねぇ!!」

そう叫んで攻撃して来たが、俺はソレをかわす。何度も振りかぶり、すれすれを通るその攻撃を避ける。

「な、何故!?何故、貴様程度が私の攻撃を避けれる!?私は世界最強の域に居るのだぞ!?」

「それは過去の事。さぁ、お前を超えた力を見せてやろう。ラウラ、スタンバイ・レディ?」

『あぁ・・ようやく出来たし、体にもなじんだよ。』

「そうか、・・ならその力を使って見せてみな。・・お前の可能性を。」

そう言って下がるとさっきまで居たそこへ影が現れる。

≪ドガァーン≫と音がしてそこへラウラが落ちて来る。

「ラウラ・・貴様ぁ、退け!そこの男を切り刻まないと気が済まないんだ!邪魔立てするというなら、貴様でも・・」

「私は・・私は貴女に憧れていた。強く凛々しくと・・。」

「そうか、分かっているなら・・」

「だが、ソレは間違いであった・・。力とは所詮力。思い無き力は争いを呼ぶだけ。」

「何を言っている!力は全てだ!それで私は世界に立ったのだから!!」

「・・貴女は哀れな人だ。あなたを愛する人など・・もう誰も居ないというのに・・。」

「愛だと!?そんな物、何の意味が有るというのだ!?」

「愛が無ければ・・ならば、逆に問いましょう。それで生きているのは何故ですか?愛を求めていないというのに生きる意味とは何でしょうか?」

「なんだと!?どう言う意味だ!?」

「『今』の私は愛する人たちに囲まれています。それが幸せだから生きています。生きていたいと思います。しかし、それが無い貴女は何を求めて、何を目的に生きるというのでしょうか?それが私にはわからない。昔は確かに強さを求めました。しかし、ソレは認めてもらいたいがため。謂わば、愛してほしいからです。しかし、今のあなたが求めるのはそうじゃない。ならば何を求めどこへ行こうとしているのでしょうか?元教官として、ソレを教えていただきたいと思います。」

「うぅぅぅ、うるさい!!うるさいうるさい、うるさぁあああい!!貴様なんかに私の何が分かるというのだ!この人からも生まれていない化物め!」

「・・そう、ですか。残念です。」

『まぁ、今のそいつに聞いても分かるわけは無いと思ったよ。』

そこへ別の声が入る。巨大スクリーンに映ったのは白衣姿の篠ノ之束。

『らうちゃん、それじゃぁ・・実験を始めようか・・。私達の力の結晶の最終実験を・・。』

「了解です。・・それでは、始めます。私と博士の力。合わせた努力の結晶・・クロノスに鍛えてもらい、心を強く持つようにして・・人同士と繋がった今の私の、恐怖への引き金・・。」

右手にはビルドドライバー。ドライバーは腰に当てるとベルトが固定される。そして、左手にはメーターとボタンの付いた赤い物を持つ。

「『ハザードトリガー』・・『VTシステム』すら超える恐怖の引き金。・・それすら克服した今の私達の力を・・行きます!」

≪マックスハザード・オン!≫

ラウラはハザードトリガーを挿し、トリガーを押す。黒いスティック状の物を取り出す。その真ん中から金と銀色の筋が輝いていた。

≪ヒュンヒュン・・ヒュンヒュン・・ラビット!≫

ソレを振ると軽い音がする。その端を捻ると赤色の兎マークが現れる。そしてソレを半分で曲げる様に分けると、腰のビルドドライバーに差し込んだ。

『ラビット&ラビット!』

「これこそが、私(黒兎)と束博士(天才兎)の互いを想い、合わせた力!!」

『ビルドアップ!ドンテンカンドーンテンカン!』

「世界を守る為の私が得た力!愛を守ると誓った私の力!」

そう言ってベルト脇のハンドルを回す。

『ガタガタゴットンズッタンズタン!ガタガタゴットンズッタンズタン!アーユー・レディ?!』

「変身!!」

『オーバーフロー!紅のスピーディージャンパー!ラビット/ラビット!ヤベーイ!・・ハエーイ!』

ラウラは仮面ライダービルドの姿で真っ黒く変身したが、飛んできた兎のロボが分解し、高速で飛んで空中でその装甲を装着する。最後に着いた頭の部分の両目が兎の形をしていた。そして、それが半分に割れてラウラの顔が現れる。兎の眼の部分はイヤーマフの様になり耳の上でアンテナを立てている様な見た目だ。「これこそ、【ビルド・ラビットラビットフォーム】!私と博士の力の結晶だ!」

背中にたなびく兎の耳にも似たマントをはためかせて、地上に降りる。

「そ、そのような物を・・コイツの作ったまがい物の力ごときで良い気になって・・」

「これはクロノス兄さんの力ではない。そもそも『ビルドドライバー』こそが束博士の作った最新鋭装備。戦う力であり、戦争を起こす力ではない。何かを守るために戦わなくてはならないからこそ、己に降りかかる火の粉を払う力。愛が有る故に得る力だ!!」

「愛だ愛だとうるさいんだよ!!先ずは貴様をたたきのめしてその眼の前でお前の言う愛する奴を引き裂いて行ってくれる!!」

そう叫びながら白式で突撃して来た。瞬時加速ですぐさま目の前に現れて零落白夜を叩きこもうとするが、

「・・甘い。」

剣を振るその肩を押さえると剣が止まる。驚きの表情で織斑千冬も固まる。何せ、その押さえた腕は明らかにラウラの体よりも長く延びていたのだ。

「な!?」

「ふん!」

その伸ばした腕が体を引っ張る様にして加速して近付いたラウラは、顔を殴りつける。

「がぁああああ!?ぐはぁ!!」

一発で吹き飛んだ白式は壁に叩きつけられる。

「今のあなたに、私は・・倒せない。」

そう言って殴った拳を前に突き出して宣言する。

「そ・・そんなこと、認められるか!!」

そう言われた時、空中に手を伸ばすラウラ。空から剣が降ってきてソレを掴みとる。

その先にはシャルロットが浮かんでいた。

「さぁ、あなたの好きな剣での勝負です。行きましょうか。」

「な、・・なめるなぁ!クソガキがぁあああ!」

血管が浮いた鬼のような形相で剣を振って突っ込んで来たが、ラウラはソレを冷静に受け止める。

「クソガキ如きがぁあああああ!!」

叫びながらも剣を振うが、ラウラは冷静にソレを止めて逆に隙が有れば、

「はぁっ!」

「ぐはぁ!?」

反撃を喰らわせた。だが、また突っ込んできて剣を振り、鍔競合い状態になる。

「何故、何故だ!?そんな力を持って何故私を認めない!私は貴様を鍛えた教官だぞ!?」

「・・その言葉を聞いて分かりましたよ。あなたも所詮は人間。どうしても人に見てほしかった。それは欲です。人間である以上、何かしらの目的はあると思っていましたが・・結局は貴女も博士と一緒だ。強すぎて孤独だ。孤独であることを受け入れ過ぎてどうすればいいか分からなくなっている。子供よりもたちが悪い。」

そう言って剣を弾いて距離を置く。そして、ベルトのハンドルを回す。

「一度先ずは、頭を冷やしてください。」

『ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!レディ・・ゴー!!ハザードフィニッシュ!』

白式の目の前まで足が伸びてその足のばねの部分がきしむように震えると、

「先ずは一度目!!」

『ラビット/ラビット・フィニッシュ!!』

体の方が飛んで来てその加速で蹴りをブチ込んだ。

「ぐぁああああああ!?がぁっ!?ごはっ!?ぐぅぅうう・・」

飛んでいき二階地面でバウンドした後転がると止まった後でうめき声をあげる。

「そして、これこそが強固なる意志。」

『ドンドンドン・・タンク!!・・マックスハザード・オン!タンクアンドタンク!』

「強固な意志と、固い決意の装甲。軍人であった私が守るという意識を持った形。」

『ビルドアップ!ドンテンカンドーンテンカン!ドンテンカンドーンテンカン!ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!アーユー・レディ?!』

「ビルド・アップ!!」

『オーバーフロー!鋼鉄のブルーウォーリアー!タンク/タンク!ヤベーイ・・ツエーイ!』

「戦車と私。軍人であるからこそ、力の使い道は考えなければならない。弱気民を守る為、それが私が目指すべき軍人のあり方だ!だからこそ、今の世界を許容できない。女性だから、ISに乗れるから、そんなことで人が苦しむ世界は歪んでいる!」

「歪んだ世界の負の遺産である貴様が何をほざく!!」

「私だからこそ!だからこそ言える事が有る!!世界をこれ以上歪めたくない!クロエ姉さんや私の様なぞんざいはもうこれ以上生まれてはいけないんだ!だからこそその世界の歪みを壊す!ソレを初めに作った、白騎士の貴女も!責任を取るべきだ!博士だけが悪いんじゃない!博士はコレ以上の事が無い様に頭を働かせ人の為になる様に苦しんでいくことを決めた!」

「束がそんなことをできるような奴じゃない!」

「人を認めない貴方に何が分かる!?」

「アイツだって塵・芥、呼ばわりで人を見ていない!」

「それは過去だ!人は変われる!」

「詭弁だな!根本など変わらない!」

「・・ならば私は貴女を壊すしかない・・。」

「できる物ならやって見せろ!!」

おたがいに『はぁはぁ・・』と口で息をしている。今の応酬でどれだけ心の中から叫んだのかが見て取れた。

「ならば、・・行きます!」

「ほざけ!ラウラぁああああ!!」

先ほどの剣『フルボトルバスター』を変形させて銃のバスターモードにする。そして足元をキャタピラに代えて固定する。バスターの後ろからフルボトルを挿しこむ。

「眼を覚ましてほしかったのですが・・残念です。」

『ラビット!・・フルボトルブレイク!』

フルボトルバスターからエネルギーの弾丸が発射される。

「こんな物!!」

そう言って零落白夜で切ったが無効化されず、半分に分かれてそのまま体に当たり爆発を起こす。

「な!?何故!?」

『それは単なる成分エネルギーの凝縮。エネルギー武器自体ではないからね。切っても爆発を起こすのさ。』

モニターしていた束がそう言って実況する。

『ドラゴン!スマホ!・・ジャストマッチデース!・・ジャストマッチブレーィク!!』

「このぉ!?認められ・・ぐあぁぁああ!?」

立ちあがった所でさらに強力になったバスターの一撃を受ける。転がったうえ、SEが無くなったせいで強制回復で機体が戻る。

『海賊!電車!ロボット!ミラクルマッチデース!・・ミラクルマッチブレイク!』

また構えてソレを打つと、立ち上がり直後にふらついていた織斑千冬は、直撃を喰らったまま壁に貼り付けにされて地面に倒れる。そしてSEが一度でキレたのでまた強制回復される。

「このようなこと・・認められるか・・認めんぞ・・」

そう言って呻いているが、ラウラは静かな顔で武器にボトルを込める。

『ロケット!タンク!ガトリング!ジェット!アルティメットマッチデース!・・アルティメットブレイク!!』

狙いをつけて構え、ソレを倒れたままの織斑千冬に向ける。

「・・立て。織斑千冬。私達の勝負はついていない。」

「小娘が偉そうに・・・」

そう言って剣をついて立った所にまたエネルギーを撃ちこむ。

「がぁぁあああああ!?」

また吹き飛ばされて壁にぶち当たり、

『フルフルマッチデース!フルフルマッチブレイク!!』

すぐさま入れ替えたバスターで地面に倒れる前に撃ちこんで更にダメージを与える。絶対防御によってかろうじて生きているぐらいだろう。

「あ・・あがぁ・・」

しかし機体は強制的に回復される。そして、時間がたつと時間的には最終ぐらいの回復が行われて、ナノマシンの効果が切れる位だ。体も一応治っているが、そもそも体力や気力は残っていないだろう。しかし、プライドだけで、織斑千冬は立ち上がった。

「貴様らごときに・・はぁはぁ・・この私が負けるわけが・・」

「これで私からは最後にします・・さようなら、織斑『教官』。」

そう言ってベルトにフルフルタンクボトルを戻し、ハンドルを回す。

『ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!ガタガタゴトゴトトズッタンズタン!レディ・・ゴー!!ハザードフィニッシュ!タンクタンクフィニッシュ!!』

青い装甲は変形し、肩などに有る砲身が全て前を向く。フルボトルバスターが胸部に装着されてエネルギーを凝縮し、肩の砲台と共に一斉発射された。

「ぎゃぁあああああああ!?」

幾重にもの攻撃を受けて空中をぐるぐると回り地面に落ちる。

腕につけていた回復装置も装甲も壊れて、ISのコアがそこら辺に転がっていた。

ラウラは変身を解いて、後ろへ下がる。

「コレが、ラウラと束の力だ。二人はお互いを認め合い、力を合わせた事で世界最強と言われたお前さえ超えた。ソレは、孤独なお前には一生分からないだろうがな・・。」

そう言って俺はコアを拾い、土を払ってポケットに入れる。

「そ・・そんな・・私が負けるなんて・・だが、世界は・・」

そう言っている織斑千冬の顔を見るが、全く後悔などしていない。ただ悔しそうな顔だけだった。

「大量の人が死んだ・・それについて何も思わなかったのか?」

白騎士事件について聞いてみる。

「力の前では・・何もが、無力だと・・知っているからだ。」

「・・そうか・・。ならばその力を抱いて溺死するが良い・・。」

俺はバグヴァイザーツヴァイを出して腰に装着する。

一度眼を閉じて、眼帯を外して眼を見開くと、赤と緑のオッドアイが光る。

Aボタンを押して待機音が流れ、仮面ライダークロニクルガシャットを挿しこむ。トリガーを押し込む。

「変・・身!」

『ガッチャーン・・ガシャット!・・バグルアップ!天を掴めライダー!刻めクロニクル!今こそ刻は極まれり!!』

仮面ライダークロノスに変身する。ISではなく、ダークライダーの方だ。

「IS・・ではないだと!?」

『ファントムトリガー・・ターゲットナンバー00001。織斑千冬。・・依頼者、織斑一夏。・・依頼内容・・復讐。改心するようならそれまで・・。しかし、その可能性が無いと感じたなら・・その時は・・』

そう言って織斑千冬の元まで行く。そして足で蹴り転がしてあおむけにする。

「うぐぅ・・きさ・・ま・・」

『・・お前は・・この時代に・・生まれるべきではなかった・・。時代こそ違えば、真の英雄だったが、今の時代では世界をゆがめてしまった・・。ソレは罪だ。ソレを捌くべきは俺しか居ない・・だから、・・全てを終わらせる・・。』

そう言って上を向いて、

『さようならだ・・千冬姉・・。白騎士、そして織斑千冬・・貴様は・・絶版だ!』

腰に手を当ててボタンを同時に押す。

『ポーズ!・・』

全ての時が止まり、俺だけが動けるこの世界で、俺は織斑千冬を担ぎ、その場を後にした。

 

そして、全てが動きだした時には織斑千冬も、クロノスもそこには居なかった。

 




戦いは終わりです。
この後はアフターを投稿します。
では、また後に。
シーユーネクストステージ。
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