では、本編どうぞ。
マドカから奪った・・いや譲ってもらった・・だな。
【エボルドライバー】と【エボルコブラ】ボトル、【ライダーシステム】ボトルを手に持って観察する。
「さて・・フェーズ1となったは良いが、これからどうしたものか・・。」
おそらく次のフェーズに移行するには簪の力が必要なのだが、一体どうした物だか・・。
マドカみたいに騙すのはどうにもアイツにはこう・・心苦しいしなぁ・・。
そもそも、エボルドライバーを使用してないのだから、普通に頼んで因子採取すればいいのか?それでエボルと合わせれば・・行けるか・・上手く行かなかったらマドカと同じ方法で良いか。それしか方法が無いのだからな。
そう思っていると緊急連絡用の端末に連絡が入る。今さっき考えていた更識簪からだった。
「もしもし、どうした?」
『どうも最近クローズの性能がおかしい。出力が不安定。』
・・これはチャンスかもしれない。そう思いつく。
「・・そうだな・・どうおかしいのか分からないな。少し相手してやる。それでデータを取って精査してみよう。」
『うん、クロノスならそう言ってくれると思った。ただの技師に言ってもあまり信用してくれない。大体がこんな物だというの。ドラゴンちゃんがなんかおかしい気がして、更に私も力がなんか・・こう・・どう言ったらいいか分からないけど・・』
「落ちつけ。わかった。明日の朝一ですぐに行おう。学園のアリーナで・・第参アリーナを使おう。押さえておく。お前は朝の体調チェックをしてから来い。一応の健康状態も気になるからな。」
『わかった。それじゃお願い・・。相談出来てよかった。』
そう言って通話を終了する。
「・・俺からしたら鴨がネギしょって来ただけだがな。・・さぁて、そんじゃ始めるようにしておくか。・・やり方は・・アレを使うか。」
そう言って俺はベルトのバックルを取りだした。
「よう・・おはようだな。どうだ?気分は悪くないか?」
「うん、・・メディカルチェックも異常なし・・なんだけどどうしてもやっぱり精神的にも落ち着かない・・。何でだろう・・。」
「ふむ・・一応、そこらへんも含めてデータを取ろう。それじゃ、フレームスタイルから変身してくれ。」
「うん、・・すぅ・・はぁ・・、・・行く。」
そう言って機体をフレームスタイルで展開する。
そして、いつも通りに『ビルドドライバー』を手に取るが俺は即座に近付いて別のベルトのバックルを押し当てる。
「え!?な、何を・・!?」
「悪いな・・これも仕事なんでな。」
そう言って手にしたのは【ガシャット】。腰に装備したのは特注で開発した、【アナザータイプ・バグヴァイザー】だ。俺はガシャットのボタンを押す。
《デュアルソウル・XX(ダブルクロス)ガシャット!》
バグヴァイザーのスロットに、ボタンを押した後、手を離したガシャットは飛んで入りこむ。そして俺がボタンを押しこむ。
「な・・何これ!?」
『バグルアップ!ソウルメイト!ソウルメイク!デュアルソウル!デュアルソウル・XX!!』
そのガシャットが起動したと同時に簪にオレンジ色のモザイクが掛る様に全体を覆った。
「こ・・これ・・は・・、バグスター・ウィルス!?」
「・・そうだ。俺は半身をバグスターとした事で二つの意識を動かせられる。・・さぁ、その体の意識を一度俺によこせ。終わればお前は元に戻る。」
「う・・うぅ・・あ、あぁぁぁぁああ!?・・うっ・・。」
一瞬だけ『がくり』と身体が倒れかけるが、すぐさま足を踏み出して立ち直る。
「『・・ふむ・・やはり・・だな。・・エボル因子が移り込んでいたか・・。』」
そう言って顔をあげた簪の目は血の様な『紅』と『金色』に染まっていた。
◆
「『では・・実験を始めよう・・はぁぁぁああああああ!!』」
力を込めて、ハザードレベルをあげる。レベルは7相当まで上げる事が出来た。これは今の簪の限界値だ。
「『・・ドラゴン・・眼覚めろ!エボルの力よ!!』」
そう言って目の前に力を注ぐと『ソレ』は形を現した。
『エボルドラゴンボトル』
青いドラゴンの形をしたボトルが現れる。簪の体で『ソレ』を手に取り、本来の自分に放り投げる。
「よし・・。ふむ、・・御苦労。」
そう言って満足したようにつぶやく本体。
『オレ』はその力をガシャットへと戻しつつ、ウィルスの感染を解く。
《ガッシューン・・》
ガシャットを抜いてベルトを外すと『オレ』の意識は本体へと戻った。
◆
手に入れた『エボルドラゴンボトル』を手に俺は簪の意識が戻るのを待つ。
ISのフレームスタイルはベルトを外すと共に解けて、今はISスーツ姿の簪をアリーナの控室のベンチに寝かせている。
少し悪い事をしたという事も自覚はあるので、詫びになるかは知らないが膝枕をした状態だ。おそらく、レナやムラサキなら奇声をあげて喜ぶだろう。・・煩そうだからやらないが。
という事で、エボルの因子を抜き取ったので元の体調に戻るだろう。コレがもう少し遅かったら遺伝子レベルから作りかえられて、別な生命体になっていたかもしれない。
早い段階で気が付いたおかげでちゃんとした普通の人間でいられたのは行幸だ。
「ぅ・・ぅう・・ん。」
「ふむ・・気が付いたか?」
「あれ・・?私は・・」
「お前の遺伝子内に異物が有った。騙し打ちの様で悪いが、こうするしかなかった。下手に意識すると因子が有る事を自覚して、その因子が遺伝子に結び付く可能性が有ったから、言わない状態でいきなりやるしかなかったんだ。」
俺はボトルの調整の為に端末に専用のソケットを接続して、キーボードを打ちながらそう話す。
「・・私の為・・だったんだね?」
「まぁ・・仕方なかった状態だったんだ・・と言うしかないな。」
そう言いながらも俺は端末から顔をあげない。
「・・なら、分かった。クロノスのする事に間違いはないと思う。」
「・・そうか・・。」
データの検出とボトルの成分を安定させた。それから端末にコードを繋いでその先に手首に巻く為のバンドが付いた物を簪に渡す。
「問題ないか一応再検査しておく。・・手首に巻け。」
そう言って渡したバンドを頷いて簪はすぐに手首に巻いた。
それから流れて来るデータの数値を確認する。
「・・うむ。問題ない。おそらくはエボルの因子のせいで精神の不安定が有ったんだろう。因子も完全にボトルに閉じ込めて摘出したから問題はない。いたって健康な状態だ。」
端末に表示された異常なしの文字を見せると、はっきりと不安そうな顔が安心に変わった。
「早めに俺に相談して良かったな。俺以外には手の施しようが無かっただろうな。」
顛末を片付けながらそう言うと、簪が後ろから片付け途中の手を握ってきた。
「ありがとう、クロノス。・・私、信じてもらえてうれしかった。」
「・・あぁ。ソレは当然だ。俺は、仲間を裏切らない。・・・あんな力だけの思想に狂った様な女とは違うんだ。」
過去に決別した存在を思い浮かべて、そう告げた。おそらく俺は少し顔が歪んでいる事だろう。自覚している。同じ血が流れていた事が有る。すでにいろんな物が違うし、血もナノマシンで作り変えたりした以上、血縁でも何でもないが・・それでも、呪われている気がしてならない。
「・・大丈夫。クロノスは、クロノスだから。貴方は貴方らしく、生きていると思う。」
「・・そう言ってもらえると救われるな。」
握った手をゆっくりと放す。そして、端末も全て片付けてアリーナを後にしようとドアに向かう。すると一人の人影が飛び込んで来た。
「く、クロノスくん!大変です!」
「・・どうしました、山田先生?」
飛び込んで来たのは山田先生だった。血相を変えて、明らかな異常事態なのを告げようとしているが・・、
「大変なんですよ!?私もどうすればいいか・・あぁ、本当にどうしたらいいんですか!?」
「・・駄目だコレ。」
携帯端末から会長に連絡をする。
「もしもし、山田先生がパニクっているんだが、何か知っているか?」
『あぁ、ソレね!こっちもパニックを起こしそうよ!?』
「・・何があった?」
『アメリカが【我々は新規で独自の『ライダーシステム』の開発に成功した。】と世界中に宣言したの!』
「・・なんだと?」
シンフォギアの影響か、アメリカを悪くしている点がありますが、作者には反米意思は全くない事を宣言しておきます。
まぁ、嫌いな国がないとはいいがたいですがねぇ・・。
とりあえず言えることは、水道水が飲める日本最高!
【作者は学生時代に、国外旅行中に水で体調を壊したクラスに居ました。作者自体は影響なかったですが、食事が口に合わず大変苦い思い出です。】