では早速どうぞ。
俺は【SIRS】の緊急連絡回線で会議室に主要メンバーを集めた。
学園側には俺達生徒と教師陣、会社側には幹部メンバーが揃ってタナトスの回線を使ってお互いにリアルタイムの会議をする。
「集まったな。・・緊急事項だ。アメリカがライダーのベルトの中でも危険性の高い物を作りやがった。しかもそれを発表した。製作方法は発表して無いが情報漏えいは時間の問題だろう。発表したのは【戦極ドライバー】・・このドライバーには欠点が有る。その欠点とは端的に言うと世界の危機だ。」
俺はモニターの端に情報を提示する。
[鎧武]の世界の情報を映像化した物を作った。
そこにはヘルヘイムの森とインベスの侵攻、そして、悪意無き害悪が世界の狭間[クラック]を超えてこちら側に侵食する可能性を示唆したデータだ。
それを表示したと同時に生徒会長、更識楯無が立ち上がる。
「こちらもタナトスさんを通して情報を得たので、ソレとは別の独自の情報網で調べました。こちらの情報です。」
そしてモニターに出たのは数人の行方不明者のリスト。
「いくらかの行方不明者のリストをタナトスさんに提示。それから情報を元にこの数名が【クラック】を通って[ヘルヘイムの森]に迷い込んだ可能性が高い事を突きとめてます。」
「・・俺の方も異世界との歪みが次第に大きくなっている事を確認した。このままでは世界の危機だ。・・現在でもアメリカの危機でもあるというのに、こちらの情報をもみ消そうとして国内には知らせていないのが現状だ。世界情勢を考えて発表したからには、世界のトップに立とうと躍起のようだ。まったくもって面倒な事だ。」
そう言っていると会議室にオレンジのモザイクが現れた。
「アナザーか?」
そう言うとそのモザイクは人の形を取る。アナザーイチカだ。
「あぁ、ちょっくらイギリスとフランス、ドイツそれからロシアに行って来た。何処も今回の情報を伝えると【反『アメリカ政府公認ライダーシステム』同盟】を組むらしい。今連携して対策用に非公式会見を始めた所だ。しかし、IS委員会のトップに居るのはアメリカ出身の人間。どうやらこっちは俺達と敵対する様だ。委員会のメンバーも各国から来ている分で、組織内がバラバラになっている状態だな。」
こっちに端末を投げて渡す。IS委員会の誰がアメリカと繋がっているかを現したデータだ。
「まぁ、そいつらは今回の件で委員から下ろされるだろう。」
アナザーは肩をすくめると部屋を出て行った。
「どこへ行く?一応会議中なのだが?」
「どうせやることは決まってるだろ?この件はぶっ潰す。なら力を見せる為にそれ用の準備をしておく。俺の機体とライダーシステムの調整だ。」
そう言って片手をあげて振りながら部屋を出て行った。
「・・まぁ、話し合いで決着をつける事が出来ないのは分かっている。仙石、野上・・社の連中と連携してこの量産型ベルトシステムを作れ。クリス、ムラサキは情報収集に努めろ。レナ・マキ・マドカは機体の準備。簪はもう一度確認のための検診をするから、その準備をしておけ。それからクロエ・ラウラ・・お前らには束とあのシステム・・『ジーニアス』を作り上げてもらう。ソレのデータ取りとソレとは別の最強の力、その為の実験に付き合ってもらう。」
「わかった。」「分かりました。」「了解です。」「・・うん、分かったよ。」「了解だよ。マスター!」「おっし!いっちょ暴れる準備だ!」「マキは多少手加減をしろ。・・こちらは少し新しいシステムになれる必要が有る。」
マドカまでは納得してくれたようだが、
「すいません、ジーニアスには明らかにデータが足りていません。まだ時間がかかります。」
「ジーニアスのデータもだが、私の身体も付いて行かない。システムの力の方が強すぎるんだ。」
そう言って申し訳なさそうな顔をする。
「ラウラ・・今からお前を鍛えつつ、俺の力を上げる方法を取る。かなりきついが・・やれるか?」
そう言うとじっと俺の眼を見て頷いた。
「今は強くならなければいけない。何も守れないのは嫌だ。」
そう言って手をぐっと握った。
「・・そうか。ならば・・本気で来い。マドカ、レナ、マキ、ムラサキ、簪、お前等も纏めて相手してやる。」
そう言って俺は【エボルドライバー】を見せる。
「あれ?それって、マドカとラウラのじゃ・・」
シャルロットがソレを見てそう呟く。
「・・私のドライバーだったが、今はクロノスの物だ。私には過ぎた代物だったよ。」
そう言って手を振るマドカ。
「それとシャルロット、お前には新たな機体が渡される。俺と共にアリーナの格納庫へ来い。今回の件、お前にも働いてもらう・・新たなライダーとして。」
「!!・・うん、わかったよ。」
そう顔を輝かせて頷くシャルロット。そう話した後で、モニターの向こう、会社に居る、難しい顔の束に声をかける。
「ジーニアス用のデータはすぐに送る様にする。出来る限り、早く作るのを頼んだ。俺以外に頼めるのはお前しか居ない。」
「・・うん、分かった。頑張ってみる。」
「タナトスさん!お前も束のサポートをしてくれ。」
『最近遠慮が無いわね。良いわ、任されてあげましょう。』
各々がするべき事が分かって顔つきが変わった。
「さぁ、始めようじゃないか。要らん騒ぎを起こした奴等を懲らしめる為の、聖戦【ジハド】だ。世界を守る、運命の掛った対戦になるかもしれない。・・出来る事なら平和的交渉を行おうと思う。せめて代表を決めて戦うとか、そう言う形に持っていければ御の字だ。各自、指示通りに動け。」
そう言って俺達はそれぞれ行動を始める。
そして俺はまずはラウラとの特訓に入る。
「おらおら!さっさとやらなきゃ、間に合わなくなっちまうぞ!?」
そう言って、ラウラを吹き飛ばす。
その装備はフレームスタイルのままだ。ライダーシステムを起動していない状態でビルドのラウラを殴り飛ばす。
「ぐぅ・・がはぁっ!?・・・こ、こんなに強いなんておかしい・・」
「何かうめいている時間なんかない!それよりもアメリカの野望をつぶすことを考えろ!」
「そ、そうか・・。しかし私が・・」
「・・しょうがないな・・お前がだめなら・・」
俺はベルトを装備する。それはエボルドライバー。そしてボトルを取り出す。
「それはマドカが使っていた・・」
ラウラが驚いたようだ。だが、すでに『コレ』は俺のものだ。
「・・俺がヤルしかないか・・。」
『コブラ!』『ライダーシステム!』『エボリューション!!』
ベルトに二本のボトルを指してハンドルを回すと圧力を周りに振りまく。
『・・アーユーレディ?』「・・変身・・!」
両手を目の前で交差させた後、まっすぐに肩の高さで伸ばす。
『コブラ!コブラ!エボルコブラ!!』『フッハッハッハッハッハ!!』
「フェーズ1・・」
呟きながらも歩いてラウラに近づくとラウラが慌ててベルトからボトルを引き抜く。そして、すぐさま変身を変えた。『ラビットラビットフォーム』ですぐさま対応しようとする。
高速で移動し、死角に入ったら腕を伸ばしながらパンチを繰り出す。
「その程度で!・・ふん!」
だが俺はそれを見ずによけて一瞬で近づいて逆に殴る。ラウラは吹き飛んで転がり、そのままの勢いを使って体勢を立て直した。
「ぐはぁ!?なんで・・マドカよりも強い!?」
「・・当たり前だ。その理由は簡単だが・・教えるのはもう少し後のお楽しみにしてやる。」
そう言って俺は青いボトルを取り出す。
「・・!?そのボトルは何だ!?私は知らない・・」
「それはそうだ。お前の知らないところでできた新たなボトルだ。」
俺はそのボトルを差し込む。
『ドラゴン!』『ライダーシステム!』『エボリューション!!』
またハンドルを回し次のボトルでの変身を始める。先ほどと同じように手をクロスさせて、肩の高さで伸ばす。
『・・アーユーレディ?』「変・・身!」
青い装甲へと変わり、さらにオーラが青い炎に変わる。
『ドラゴン!ドラゴン!エボルドラゴン!!フッハッハッハッハッハ!!』
「フェーズ2、完了・・」
そうつぶやくだけで辺りにさらに強い圧力がまき散らされて、土や砂が巻き上がる。
「・・っくぅ!?・・なんだ?この力は・・」
目が青く光り前に一歩進む。その迫力で驚いて三歩、ラウラが後ろに下がった。
「・・勝てない・・このままでは無理か・・。こうなれば・・」
新しくベルトを取り出して、腰に装備する。それは『エボルドライバー』。
『ラビット!ライダーシステム!エボリューション!』
ボトルを挿してハンドルを回す・・その手を俺はつかんだ。
「何!?」
ハンドルを持っていた手に『グリップだけ』をつかませる。
そしてパープルメタリックの物体を取り出す。それは『バグヴァイザー』それに取り出したガシャットのボタンを押して、ソレを差し込む。
《デュアルソウル・XX(ダブルクロス)ガシャット!》
ガシャットが差し込まれたバグヴァイザーを手に持ったグリップに差し込んだ。
『インフェクション!レッツゲーム!バッドゲーム!デッドゲーム!ワッツユアネーム?!・・ザ・バグスター・・!』
その音声とともにラウラの体にオレンジのモザイクがかかる。
「ぐぁあああああ!?」
『ラウラ!?・・クロノス兄さま!?これはいったい何を!?』
今まで様子を見ていてどうもおかしいとやっと気が付いたクロエが声をかけてくる。
「・・見ていればわかる。」
「その通り・・。」
目の前にいるラウラの目が赤と緑に光る。それは『仮面ライダークロノス』の力を使うときの俺と一緒だった。
『「さぁ・・実験を開始しよう・・。」』
その顔はラウラの笑いではなかった。
何が起きたのか・・それはまた次回です。