IS ダークライダークロニクル   作:金宮 来人

4 / 40
今回はかなりキャラクターの性格変更が有ります。
注意してください。


02 復讐の幕開け

「復讐依頼指定番号37564・・篠ノ之束。依頼理由、ISを作った為に現在の女尊男卑社会が出来た。それによって男性の尊厳の低下、並びに無実の罪での冤罪で捕まるもの多発の社会をつくる原因。さらに、白騎士事件で多数の死者が出た原因としての遺族からの強い復讐心。・・以上が貴様の罪状だ。」

そう言いながらダークライダー・・いえ『クロノス』は彼女に指を指す。

「何か言いたい事は?」

「・・・全ての元凶は私にあるのは認める。でも、・・白騎士事件の際に人を攻撃する気なんかなかった!私にとって有象無象だから居ても居なくても一緒だと思っていた!!でも!あの女が!!織斑千冬は私が止めたにもかかわらず戦闘機をヘリを船を沈めた!!大勢の命を奪って笑っていた!!そんな事を私は望んじゃいなかった!!私じゃない!!私は唯、ただ!!ISの性能を認めてもらいたかっただけだった!!」

「・・なるほど・・。言い分は分かった。」

そう言って彼は拳を構える。

「・・しかし、依頼は依頼だ。覚悟してもらおう。」

「束様をやらせません!!」

クロエと呼ばれた少女が博士の前に出る。そして、眼を開き何か力を使ったようだ。

それに対し彼はベルトに手をかけて二つのボタンを同時に押した。

『ポーズ・・』

『リスタート・・』

「きゃあぁぁああ!?」

そう声が聞こえるとともに博士の悲鳴と吹き飛ぶ音がした。

「束様!?一体何が!?」

よく見るとさっきまで少女の前に居た彼は束博士が立っていた位置の横に立ち、横蹴りに構えをした状態から足を戻していた。

「・・まさか・・時を止めたの!?」

一瞬で起きたことから見えない速さで動いたと考えたが、それならソニックブームみたいな衝撃波が起きるはずだ。そして、『ポーズ』という音声と『リスタート』と聞こえたことから、停止と再生が有ったことを意味したと考えた。つまりクロノスは時を止めて、束博士を蹴り、また時を戻したという事だ。恐ろしい・・どう対処すればいいというのだ。そんな事をされてはどうやっても勝てるはずがない。

「・・いたたた・・。」

「束様!?大丈夫ですか?」

「う、うん。痛いだけだよ、くーちゃん。・・でも、どうしたの?クロノス君。復讐対象なら依頼通り私を殺すんじゃないの?」「・・その通りに復讐と言ったはずだが。処分対象と言った覚えはない。」

そう言うとベルトから緑色の物を引き抜く。『ガッチューン』と音声がした後変身を解き博士の前に歩いて言って膝をつき手を伸ばす。

「・・だが、俺の事を心配してくれていた事、それだけは嬉しかった。ありがとう。」

そう言って手を引いて立ち上がらせる。

「・・ご、ごめんね・・ごめんなさい・・私がISなんて作らなければ・・いっくんがあんな事になる事なんて・・」

「しょうがない・・運命だ。受け入れるしかない・・。」

そう言いながらも彼は博士の頭をなでた。我慢していたのだろう涙がこぼれその場に崩れひざまずいた。そして大声で泣き始めた。

「・・貴方は束様を害する気はないのですね?」

「あぁ・・これで終わりだ。・・義妹よ。」

「・・いも・うと?どう言うことです?」

「・・お前が生まれたのは俺よりも後だ。そして、オレもドイツでこれを使った。」

そう言って見せたのは眼帯の下の金色の目。初めに見た時は緑だったはず・・。

「・・アドヴァンスドが受けた、境界の瞳『ヴォーダン・オージュ』・・」

「自身で行ったから成功例として挙げられてないが・・くくくっ、なかなかに使い勝手のいいものだ。更に俺はその上の段階へ移ったがな・・。」

「し、しかし、それを使用するには大きな負荷が・・」

「ダークライダーになった時、普通の体では耐えられないからか血液から皮膚組織、脳細胞さえも造りが変わった。いや、耐えられるように作り変えられたと云うべきだな。すでに、織斑一夏の血は流れておらず、この体は化物だ。・・そのような存在に義理とはいえ妹と言われるのは不服か?」

「・・いえ、でき損ないの私は・・失敗作と言われた私は元の生まれから言えば化物。この眼でさえも普通ではない、化物に見えるでしょう。・・貴方を兄と呼んでも良いのですか?」

「・・ふっ、先に言い出したのは俺の方だ。好きにして言い。」

「分かりました・・では、クロノス兄様。」

「あぁ、クロエ。」

二人は握手をしてお互いの眼を見あった。

 

「さて、ファントムタスクの諸君、改めて初めまして。旧交を温める事は終わった故に、改めた挨拶をばしようと思う。我が名は『クロノス・クロニクル』。仮面ライダーの悪の力を集めたダークライダーにして悪の意識を高めた極悪人。地獄からの使者と言っても良いだろう。そんな俺と手を組む気はあるのかな?」

「・・確認させてほしい事が有るわ。」

「何かな?モノクローム・アバター代表スコール・ミューゼル。」

「!?そこまでばれているとはね・・。まぁ、いいわ。私達が手を組んでのメリットは?」

「ISを潰して兵器を売ろうと考えているファントムタスクにとって、俺という存在は願ったりかなったりだろう。いざとなればISの隊群相手にしても勝てるほどの過剰戦力。逆に手にして居なければ相手になった時の脅威度は計り知れない。ソレを防ぐ為にも、束博士と手を組み、更に作戦時にIS以上の脅威を排除しておく必要がある。手元に居れば逆に頼みを聞く事もあるだろう。撤退戦時に一人で殿を受け持ち、無事に無傷で帰って来るほどの力が手に入る。狂犬だが、上手く使えば邪魔者をかみ殺す力とはなるだろうな。」

「・・その狂犬に噛み付かれる可能性はあるのかしら?」

「俺の気分を悪くする事がなければな。」

そう言って、オータムを見る。その後、Mに視線を送る。

「・・オータムは私の言う事を聞くから良いわ。Mには組織を裏切らないよう、ナノマシンが入って・・「それは・・気に入らんな。」・・そうは言われても・・。」

「M・・このカプセルを飲め。言う事を聞かなければ・・処分する。」

「!?・・くっ、・・わかった。」

クロノスから発されたあまりの覇気、黒い悪意、殺気に私達は全員鳥肌を立てる。そして、受け取ったMはカプセルをのみ込んだ。

「ぐぅ・・がぁ・・あぁぁぁあああ!?」

「な、何を飲ませたの!?」

「ナノマシンの作用を書き変える物だ。後五秒もしたら終わる・・そこまで精神が保たれればな。耐えれなければ・・廃人になるほどの痛みが全身を駆け巡っているだろうな。」

「そ・・そんな・・。」

「かはぁ・・はぁはぁ・・ぐうぅう・・。」

地面に手をついて汗を流しながらもクロノスを睨むM。

「・・おめでとう、コレでお前の首輪は外れた。ナノマシンはお前の体の修復機能の向上機能に働く。・・・副作用として後一年もしたらおそらく巨乳と言えるほど胸がでかくなるだろうがな。二十歳ぐらいまでは育つが・・其処ぐらいで成長も止まり、老化も遅くなる。不老まではいかんが、美を保つ期間は長くなるし、寿命も長くなるだろう。さっき言った通りナノマシンの機能は書き換えられたから、怪我した際の治りは早く、ガンなどの病気にかかる可能性は極めて低い。脳内の血管などに異常が有れば修復するから脳溢血などの心配もほとんどない。頭を弾き飛ばされたり心臓を抉り取られたりしない限りは、自己修復機能で死にづらい体になった。」

「ありがとう。素晴らしい、貴方を兄と呼ばせてもらいたい。」

急に態度を変えて、立ち上がり握手をしだすM。・・そう言えば、彼女胸が小さな事を悩んでいたわね・・。

「ちゃんと生活習慣はしっかり過ごせよ?好き嫌いもあまりしない事だ。早寝早起きと適度な運動、無理なダイエットはしない事だ。っと言っても、余分なカロリーはナノマシンが分解するから太る可能性は極めて低いがな。成長ホルモンの分泌はそこそこで設定してあるから、クローンである以上は非常識な生活をしない限りは、全盛期の織斑千冬波のプロポーションになるはずだ・・憎い女に近づくというのは嫌かもしれんが、遺伝子上どうしても・・」

「ますます素晴らしい!!理想の出るとこは出てひっこむ所は引っ込む体と言うわけな上、その体は年を取りづらく美貌を保ちやすいという訳か!!素晴らしいじゃないか!!私の事はマドカと呼んでくれないか!クロノス兄さん!」

「あ、あぁ・・。分かった、マドカ。」

あのMが鼻歌を歌いながら踊り始めた。・・あのMが・・。

「おい、スコール。あのM気持ちが悪い。」

「正直言って私もよ。でも、コレで彼とのつなぎは強固になった。Mは織斑千冬に対して怒りを持っている。それはクロノスも一緒。更に、一番の難敵であったはずの篠ノ之博士は絶交したと言っていたわ。つまりは、邪魔者はまったくいない。その上、クロノスと博士はこちらと手を組む気はあると来た。・・この状況、どうやっても彼を高条件ででも、最悪私達の体を使ってでも良いわ。彼を引き入れるわよ。」

「男相手ってのはあまり気がのらねぇが・・あの覇気が有るならまぁ・・軟弱な屑の雄と違ってるってのは分かるな。」

にやりと笑っていたオータム。あら?意外と乗り気なのかしら。少し嫉妬しちゃうわね。

 

そして、・・結果としてはファントムタスクは解体された。理由は単純で、クロノスを入れることで幹部が反乱を起こしたからだ。

攻撃を受けた狂犬はすぐさま牙をむいた。首輪などは付いていないに等しかったクロノスは反撃をしてそれによって、金だけが取り柄だった無能な幹部は全て排除された。

そして、ファントムタスクとして機能しなくなった組織を解体し、新しい企業を立てる事に。それによって、私達は新たな居場所を得る事となった。

 




はい、明らかにマドカの性格がおかしい事になりました。
まぁ、しょうがないですね。
そして、ファントムタスクはこうして解体されたのでした(まる
それではまた次回。かなりの改変が起きます。

シーユーネクストステージ!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。