IS ダークライダークロニクル   作:金宮 来人

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今回はゲス主(笑)の活躍(爆)回です。
まぁ、どんなふうに活躍するかは・・

呼んでからのお楽しみです♪『ニヤリッ』

ではどうぞ。


07 真の専用機・・真の姿、その名は・・

「俺と勝負しろ!模擬戦で良い!逃げたら弱虫だと言いふらす!」

「・・おい、アレは誰だ?」

「えっと、・・世界初の男性操縦者ですね。データバンクにあります。」

ラウラ、クロエと共にいるとそう宣言された。誰か知らないから二人に聞いたらそう返事が返って来る。

「おいぃ!!同じクラスなんだから覚えておく位しろよ!!」

「ふむ・・まぁ、いいか。クロエ、レナとマキそれからマドカに連絡を。ラウラ、シャルに連絡して本社から模擬戦の許可を取る様に。後は・・俺が許可を学園側に取ろう。今日の放課後で良いな?」

「へ?あ、あぁ・・。そうか、模擬戦するにも専用機だけじゃなくてアリーナの使用許可が居るのか。」

「それくらい、喧嘩を吹っかける前から準備をしておくようにな。さて、少し次の授業に遅れるかもしれんが、許可を取りに行ったと伝えておいてくれ。」

「分かった。」「分かりました、行ってらっしゃいませ。クロノス兄様。」

その声を背中に受けて教室から出る。階段を上がり、扉の前に立つ。ノックを四回。

『・・どうぞ。』

「失礼、このような時間ですが仕事をしていると思い参りました。世界で二番目の男性操縦者、クロノス・クロニクルと言います。以後お見知り置きを。」

「あら、丁寧なあいさつね。お姉さんから見ても好感持てるわ。中に入って座って。」

紅茶とコーヒーどっちが良い?と聞かれ紅茶でと答える。野上さんのコーヒーを飲んで少しトラウマ化しつつあるのかもしれない。なぜ、仙石さんは俺が入れる美味しいコーヒーよりも、野上さんの入れるクソ不味い方を選ぶのか。男の入れたコーヒーなんぞぬるいビール以下だと言っていたが・・まったく意味が分からないのだが俺は悪くないだろう。「私はこの学園の生徒会長、更識楯無。ちなみに二年生よ。こっちは私の従者で布仏虚。三年生で会計をしているわ。貴方のクラスの本音の姉よ。あの子は庶務。三人の生徒会だけどよろしくね。」

「えぇ、我が社、【CIRS】の者をこのような大勢まで編入させていただき、ありがとうございます。っと、社交辞令はここら辺で。あまり時間を取ると仕事が止まりますから。放課後、生徒会長権限で第五アリーナ、普段使われないアリーナを使用させていただきたい。同じクラスの男子から模擬戦と称して喧嘩を吹っかけられまして。逃げたら弱虫と言いふらすとまで小物感を出してくれましたので、お礼としてそれ相応に叩き潰して鼻っ柱を折ってやろうかと。」

「あらら。それはまた・・彼も困ったものね。条件付きで許可しても良いわ。」

「条件とは?試合を見る、または機体の情報を開示くらいなら問題ありませんが?」

「・・よく分かったわね。それにしても企業秘密じゃないの?新型でしょう?」

「機構は確かに新型です。普通よりも動きをシャープにする構造をしてますが・・それはどこも考えている事。外部装甲フレームよりも、人で言う骨、内部フレームに視点を向けそこに肉付けして周りを外部フレームで覆い守る。簡単に言えばそれが基本です。後はそれぞれの機体の乗り手に合わせてのチューン。その機体の大本になっているのが俺の機体ですが。シャープな装甲に腰に銃と刀をつけた機体。外部に装備をつけるのは生身でも慣れているから体に染みついた行動の方が良いので。それくらいですね。」

「・・へぇ、君はISの製造にも詳しいんだね。」

「えぇ、それは当然。機体は俺の発案です。そこからの開発、改良は会社の社員ですが。あと、まだこれからもっと改良する予定ですので、今見られてもあまり意味が有りませんし。他の機体と一緒に動かす事で見つかる問題点を探す為にこちらに入学させてもらったのが一番です。あぁ、言い忘れてましたがうちの会社の事で思い出しました。探るのはいいですし痛くない懐を探られるのも不快ではありますが、社員は女尊男卑の被害者が多いので下手に脅しとかで刺激すると会社からの報復が有りますので。多少のオイタはいいですが、下手にかぎまわり過ぎると・・痛い目見ますよ。それでは、先の約束。お願いいたしますね。これにて御機嫌よう。」

そう言って俺は生徒会室から出て、廊下を歩く。すでに授業が終わりに差し掛かっている時間だった。

 

放課後となり、用意された第五アリーナに向かう。

「あら、思ったよりもお早い到着ね。」

【関心】と書かれた扇子を広げている。

「こちらがお願いしたので、お礼を言っておこうかと。勝負より前に挨拶しておくのが礼儀という物でしょう。忙しい時に押し掛けてその上こちらのお願いを聞いて頂きありがとうございます。機体の情報は開示情報と試合で見せる分には問題ないので、どうぞお持ち帰りください。傘下の企業に渡すのはよろしいですが、言いふらすのはやめていただきたいですがね。」

「そこは安心しなさい。私も国家代表。情報の重要性は分かっているわ。」

「それなら安心だ。では、こちらも準備が有るのでこれで。」

そう言って俺は生徒会長の前から去る。

用意されたBピットに行き、戦闘用の服に着替える。と言っても、いつも制服の下に着ているのだが。制服を脱ぎハンガーにかけて、ズボンは畳んで横に置く。いつも訓練中は修行の一環として着替えも無しで制服かジャージを着た状態で機体を展開している。が、今回は勝負と行く為、一応専用装備で行く。と言っても、長いタイプの自転車用ライダーパンツとライダーシャツ。それに指抜きのグローブだけだ。まぁ、専用のアイウェアも付けるが。ほぼ競技用自転車に乗るような格好だ。

「さって・・と、行くかね。」

俺はストレイドを起動してアリーナに飛び出す。そして、待っているとしばらくしてようやく相手が来た。

「遅いんじゃないか?自分から勝負を挑んできて遅れるとは・・宮本武蔵・・だったか?その真似かね?なら確かに意味はあった。俺をイラつかせるということには成功した様だな。」

「へ、へん。調子乗って居られるのも今のうちだぜ。俺のこの機体、赤色『せきしょく』の前で立っていられるものか!代表候補も倒して来た俺だからな。許しを請うなら今だぞ?」

「そうか。それで?こちらもドイツ代表候補で軍人でもあるラウラに真剣勝負の模擬戦で勝っているが?此方の情報も開示してお互い同じ状態でこちらの勝ちだ。それは公式の場での勝負なのでちゃんと成績として残っている。うちの会社とドイツ政府とドイツ軍合同の試合だったからな。これにより、ドイツとの協力を経たのだ。優秀な社員はいるがパイロットは少ないのでな。優秀なパイロットと機体が必要だったのだ。」

そう言いつつ、俺はゆっくりと歩く。

「そもそもだ、自分で急に喧嘩を吹っかけておいて偉そうに・・。初対面の相手に命令口調に挑発とは彼我の力量が分かってないな。機体が強かろうと操縦者の力量の差が有る事、そして心構えの違い。どちらが上か、教える必要があるかあるな。」

俺はストレイドを一度格納する。そして、【違う装甲を展開する】。

「な!?お前、ISを二つも所持しているのか!?」

「拡張領域を別の装甲を格納するためにしているのだ。つまりは装甲の変更で戦闘スタイルが変わるわけだ。」

俺は『蜃気狼(しんきろう)』を展開する。腰の両脇に刀が差してあり、肩に中型のガトリングが装備されている。シャープなデザインで刀を振るのに適した機体だ。高速移動とばら撒きで動きをけん制、そして切る事をメインとした機体だ。

「さて・・懺悔の用意はできているかね?」

「な、なめるなぁ!!俺は、クラス代表で強いんだ!てめぇなんかに負けるわけはないんだよ!!」

『舌戦は終わり?では、両者位置に付いて。』

お互いに規定の位置に付く。すると試合開始のブザーが鳴る。

『ビー』

『オープンコンバット』

「先手必勝!」

そう言って剣を構えて突っ込んで来た。だが・・

「まったく、必勝というなら当てたまえ。」

体をまわして避けてそのまま刀を抜く要領で居合切りを切り下ろす。

「はぁっ!」

『ギャリン』と音がして生身の状態の所に切りをくらわす。すると一気にSEを減らす。

「な!?なんで唯の切りがそんなに強いんだ!?インチキか!」

「はぁ・・授業で習わなかったかね?ならば補講と行こう。ISにはSEという怪我をしない為の機構が有る。それは銃で撃たれたり剣で切られても怪我をしない為だ。高速で空を飛ぶ際の体を守る役目もあるが、ソレには絶対防御という物が関係してくる。装甲を壊すほどの攻撃をくらっても自身を守る為の安全装置だ。しかし、生身の部分が有る機体はそこも多くのSEで守らなければならない。絶対防御が発動すればより多くのSEを消費する。つまりは、フルメイル『全身装甲』の機体の方がよいという事だ。今でこそ体が出ている部分が多いがむしろそちらの方が理にかなっていると言っていいだろう。そこに目をつけたのがわが社の機体で、基本的に頭以外は守っているしハードポイント『心臓などの致命傷になりやすい部分』を守る構造になっているので普通の機体よりも絶対防御は発生しずらい。そう言う事だ。分かったかね?ならばこれで補講は終わりだ。」

言いながらもばら撒きで動きをけん制、怯んだ所に刀で切りこみ、時には下から、上から背後からと切り回る。相手は動きに翻弄されまったく攻撃できず、防御してもソレをかわす様に攻撃するので意味を成さない。

「く・・そぉ!?教師気取りか!?」

「一緒に転入して来た彼女達に初歩を教えたのは俺だがね。さぁ、コレで模擬戦も終わりだ。」

そう言って俺は居合を構えて距離を取る、加速をつけて更に途中で瞬時加速、そして機体のブースターを吹かして加速して切り抜いて行きすぎる。

「秘儀、示現流、雲耀の太刀。」

あまりの俺の機体と切りの速さで驚いたのか自分が負けた事に気がつかず、俺を探していた。俺は加速のまま地面に降りて勢いを殺す様にその場で回りつつ足でブレーキをかける。

『ギャギャギャ‥ガリガリガリ、ザザー』とものすごい音がしたがまぁ、各部関節に負荷がかかった程度だろう。

『ブー』

『勝者、クロノス・クロニクル。』

「・・は?」

「まったく・・まだ分からんかね?すでに勝負は終わりだ。まったく、無駄な時間を過ごしてしまったよ。」

そう言って俺は機体を格納してピットに向かって歩きだす。

「お、俺が負けるわけがない・・そうだ、俺が負けるわけがないんだ!!ならばこれは出来レース!会場を準備したお前と生徒会長の間に何らかの取引をして俺をはめたんだ!!そうにきまっている!卑劣な奴め!!恥を知れ!!」

「・・恥を知るのは君なのでは?まったく嘆かわしいな。ISに乗るならそれなりの心構えと覚悟をしたまえ。」

そう言って俺はまた振り向いてつまらないものを見る様に吐き捨てる。

「あぁ!?どうせてめえの仕組んだ事だろうが!?」

「・・コレ以上は言っても無駄か。本当に無駄な時間だ。」

そう言ってまた歩き出すとそこにアイツはISを展開したまま突っ込んで来た。

模擬戦なので試合が終わってもピットに戻る為動けるように設定してある。ソレを利用してアイツは試合が終わっても攻撃して来たのだ。

「俺を馬鹿にするなあぁぁあ!!」

『危ない!やめなさい!!』

そう言って会長が叫ぶが・・俺は即座に機体を展開して、剣を受け止めた。

「・・どう言うつもりだ・・生身に攻撃すれば死にかねない事くらいは分かっているだろう?それなのに攻撃してくるとは・・どう言う事か分かっているのだろうな!?」

そして、剣を弾きそのまま蹴りをくらわせて距離を取らせる。

展開したのは本当の専用機の元の姿、黒い機体でほとんど人に近い大きさ。そして、装甲のあちこちに色々と付ける所がついた機体、本来のバススロットはコレの必要品に使っているのだ。で、余った容量にストレイドや蜃気狼を入れている。

 

「行くぞ・・『ダーク・アームズ』・・。」

 

『【ダークアームズ】起動シークエンス確認・・機体構成システム変更、・・換装完了・・戦闘システム・・起動・・。』

 

『ダーク・アムーズ・・起動します・・』

 




はい、君の機体の名は・・と言う感じですね。
【ダーク・アームズ】・・一体どんなシステムで、どんな機体なのか・・。
それはまた次回。

感想、評価ありがとうございます。
誤字報告してくれた方もありがとうございました。
これからもゆるゆる行きますね。

では、また次回。
シーユーネクストステージ!

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