(はあ~)
羽沢つぐみは昨日の出来事について悩んでいた。
(昨日助けてくれたのにちゃんとしたお礼ができなかったな。向こうはあまり気にしてなかったみたいだけど、やっぱりお礼はちゃんとしたいな・・)
根が真面目な彼女としては昨日助けてくれた人物に対してきちんとお礼をしたかったのだが、広くない町とはいえ手がかりなしに特定の人物を探しだすのは難しい。
(うーんどうしよ~)
朝から考えては落ち込みを繰り返す彼女を友人達は心配そうに見ていた。
「つぐどうしたんだろ?」
「確かに朝から変だな、モカ何か知らないか?昨日つぐと会ってたんだろ?」
「ん~そうだな~」
モカと呼ばれた女の子は何やら考え
「あれかな~つぐが男の子の上に座ってた事かな~」
昨日の出来事を簡潔に纏めて二人に言った。
「「はぁ!?」」
モカが言った一言に二人は驚きを隠せなかった。それもそのはずだ、何故その様な出来事が起こったのか二人は分かっていないからだ。
その後は二人はつぐみの所にいき詳しいことを聞く事になった。
一方そんな彼女の悩みの原因となっていた恭介はというと
「へっくし!」
呑気にくしゃみをしていた。
「巽~くしゃみをする時はもう少し小さくな~」
「すいません。」
授業中だったので教師から注意されクラスから笑いが漏れた。
(風邪じゃねえよな。でも誰かに噂されるような事もしてないし、まあいいか。)
あんまり考えすぎても仕方ないので授業を聞く事に集中することにした。
「さて、そろそろ見つけないとな。」
授業が終わり放課後となり商店街近くのコンビニに来ていた。俺が見つけたいものはバイトだ。一人暮らしをしているのでさすがにバイトを始めたいと思い探しているのだがなかなかいいのが見つからない。一度キグルミのバイトを見つけて応募しようと電話をしたら既に希望者がいてたからダメだった事がある。
(やっぱり無難にコンビニがいいのかな・・叔父さんは無理にしなくてもいいって言ってくれたけど一人暮らしさせてもらってるんだし自分の事はできる限り自分でしたい。)
バイト情報誌を買いコンビニから出ると商店街の方から良い臭いがしてきた。
「そろそろ夕飯の時間か、何か買って帰ろうかな。」
自炊してもよかったがやる気にはなれず商店街で夕飯を買うことに決め商店街に向かう。
「いらっしゃいー!」
精肉店から女の子の元気な声が聞こえてきた。
「お兄さんうちのコロッケ買っていかない?今なら出来立てで凄く美味しいよ!」
出来立てという言葉に心ひかれてコロッケとメンチカツを買っていくことにした。
「ありがとうございました~早めに食べてね~」
晩飯を確保したし、そろそろ帰ろうと思い商店街の入り口に戻ろうとしたら
「あの、すいません!」
女の子に声をかけられた。女の子に声をかけれらるような事をした覚えはないのだが・・でもどこかで見たことがあるような気がする。
「昨日公園で助けてもらったんですけど覚えてますか?」
「昨日、公園・・あっ猫を助けてた」
「はい、昨日はお礼をちゃんとできなくてすいませんでした。」
そう言って女の子は頭を下げてきた。
「別に気にしてないからいいよ。」
「でも、助けてもらったのにあんな事しちゃったし・・・」
ものすごく申し訳なさそうにしているな、多分このまま断ったらこの子はずっと気にしてしまうかもしれないな。ここは気遣いを受けよう。
「えっと、お礼って何を?」
「私そこの羽沢珈琲店って喫茶店の子供でケーキと飲み物をご馳走させてもらおうと・・でも今日はもう閉店の時間・・」
女の子は時間を気にしており少し落ち込んだ様子になっている。
「都合がいい時でいいよ。」
「それじゃ、今度の土曜日時間ありますか?」
「特に用事もないし大丈夫だよ。」
「朝の10時にお店に来てもらってもいいですか?開店直ぐならお客さんもいないから。」
「土曜の10時だね、分かった。」
約束もしたしそろそろ帰るか、買ったものが冷めきってしまう。
その前に名前教えといた方がいいのか?
「俺巽恭介、高校1年。」
「あっ、同い年だったんだ。年上だと思ってました。私羽沢つぐみです、高校1年。」
「それじゃ、羽沢さん。また土曜日に。」
「うん、それじゃあね。巽君。」
お互いの名前が分かった所で別れて俺は家に帰った。ちなみに買ったコロッケとメンチカツはとても旨かった、金に余裕がある時は買おうかな。
つぐみ本格的に登場です、今回は丁寧口調だったけど次回から普通にしていきます。
次はつぐみ以外にもバンドリキャラが登場します、誰になるか。
それではまた次回~