インフィニット・マクロスF   作:日本人

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性懲りも無く書いた。すんません。


終結後、夏は舞い戻る

『────さん!!一夏さん!?聞こえますか!?』

「⋯⋯⋯あぁ、聞こえてるよリーナ」

アラート音が鳴り響くコクピット内で俺は目を覚ます。中は異常発生を表す赤い光に覆われている。最悪の目覚めだクソッタレ。

「⋯⋯何で俺は寝てたんだ?」

『⋯一夏さんは大型バジュラと交戦中に被弾。同時にバジュラも撃破。その際の爆発で吹き飛び、現在はこちらから少し離れた小惑星に不時着しています』

「⋯⋯そうか、わかった。それとリーナ。今は作戦行動中だ。俺の事はサマー1と呼称しろ」

『⋯⋯了解しました』

相変わらず作戦中に俺を名前で呼ぶ癖は直ってない様だ。

「それで⋯⋯状況はどうなってる?」

『現在スカル4がアンタレス1と共にバジュラ・クイーンと交戦中。他の皆さんもバジュラ達と交戦しています』

「クォーターは?」

『幾つか兵装を喪失しましたが健在です』

「了解した。サマー1。これより作戦に復帰する」

『ッ!?そんな無茶です!!もう貴方の機体はボロボロなんですよ!?』

「なぁに、まだ機体は動く。充分戦えるさ」

『それでも────ブツッ』

クォーターからの通信を切る。悪いなリーナ。俺だってさっさと帰投したい所なんだが────

「⋯⋯⋯このザマじゃあな」

下に目を向けると壊れたコクピット内の破片が深々と腹に突き刺さっているのが見える。コクピット内に浮いている血泡の量からして恐らく肝臓辺りがやられてるだろう。どう考えても致命傷だなこれは。

「せめて死ぬ前にカッコつけさせてくれよ⋯⋯⋯!」

俺はもう殆ど動かない体に力を込め機体を動かす。そしてそのままスカル4────この世界での最高の親友の下へと飛ぶ。

「スカル4。聞こえるか?」

『ッ!一夏か!?お前大丈夫なのか!?』

「⋯⋯残念ながら腹に穴開けちまったよ。多分、もう助からねぇ」

『ッ!速くクォーターに戻れ!今ならまだ────』

『早乙女アルト!来るぞ!』

突如アンタレス1────紫のVF-27ルシファーから通信が入る。見ればバジュラ・クイーンが大量のミサイルを放っているのが見えた。

「チィ⋯!クソッタレめ!」

俺達はメサイアの機動にものを言わせそれを全て振り切り、ガンポッドで撃ち落とす。お返しとばかりにこちらもマイクロミサイルを放つが着弾寸前で見えない壁のような物に阻まれる。

「オイオイ⋯⋯何だよそりゃ」

『ちくしょう⋯⋯!あれさえ無けりゃいつでも撃てるのに⋯⋯!』

アルトのメサイアには本来ある筈の無い特殊なガンポッド────以前の戦いで命を落とした戦友の形見でもあるスナイパーライフルが握られている。

「⋯⋯アルト。()()は何処だ?」

『⋯⋯グレイスか?奴ならクイーンの額部分だ。そこに巣食ってやがる』

言われた場所を拡大して見てみる。

────確かにそこにヤツはいた。一連の戦いの元凶であるクソアマ────グレイス・オコナーが。ヤツは醜悪な姿でこちらをニヤニヤと見ている。酷く不快だ。

それにしても⋯⋯⋯、

「なぁアルト」

『?どうした?』

「あのバリアが無けりゃヤツを撃てるんだな?」

『⋯⋯あぁ』

『何か策でもあるのか?』

「あぁ、ある」

『ッ!本当か!?』

勿論だとも。あるぜとっておきが。

「ヤツのバリアにMDEを叩き込む」

『MDEを⋯⋯?』

「あぁ。どんなにバリアが強固だろうとあれなら削れる」

MDE────マイクロ・ディメンション・イーターと呼ばれるそれは着弾と同時に擬似ブラックホールを生み出すというトンデモ兵器である。これを正面から防ぐ手立ては未だどの世界にも存在しないだろう。

『だがそれ程のものを使っても着弾する前に迎撃されるのがオチだ』

アンタレス1が最大の懸念を口にする。それも当然だろう。だが俺がそれを考えていないと思ったか?

「安心しろ確実に当たるさ」

『確実に⋯⋯?何を言って────!まさか!!』

『お、おい!?どういうことだよ!?』

『まさか貴様────()()()()()気か!?』

「正解だ」

これこそ第二次世界大戦中アメリカ兵を恐怖のドン底に叩き込んだ日本軍のイカレ野郎共が考えた最凶の戦法────()()()()だ。

『ッ!おい待てよ一夏!?お前死ぬ気か!?』

「さっき言ったろ?俺はもう助からねぇよ。だったらせめて死に方ぐらい選ばせてくれ」

『ふざけんなよっ!!お前⋯⋯アイツは⋯⋯リーナの事はどうすんだよ!?』

「⋯⋯さあな」

『やめろ!一夏!』

「お前が動くんじゃねえよバカアルト。お前はヤツを狙ってろ」

『ッ⋯⋯!お前⋯⋯』

「あばよ親友。────未来への水先案内人は、この俺が引き受けた、ってなぁ!!」

言うやいなや俺はクイーンに向けて最大出力で飛ぶ。ヤツもこちらの狙いがわかったのか先程以上の弾幕が俺の目の前に展開されるが────、

「当たらねぇよクソアマが!!」

全て躱す。僅かな隙間を通り、それでも当たりそうなものはガンポッドで迎撃、それでも被弾する。

「それが⋯っ!どうしたァァァァァァアア!!!」

回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避回避。

カメラ越しにヤツの顔が驚愕に染まっているのが見える。ざまぁみろクソッタレめ。人間を────

「────男を舐めんな」

遂に弾幕を突破しヤツを目と鼻の先に捕捉する。

(これで終わりか⋯⋯)

思い返すのはこの世界に来てからの日々。

楽しかった。向こうでは決して出来ない事が出来た。俺を認めてくれた人がいた。俺を息子と言ってくれる人がいた。俺を友と呼んでくれる奴がいた。

そして────大切な人がいた。

(ありがとな、皆)

バルキリーの鼻先がバリアに触れる。

(ゴメンな、リーナ。お前の気持ちに答えられなくて)

瞬間────MDEの爆発に俺は飲み込まれ、意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

────この日、この世界からイチカ・ワイルダーという人間は消滅した。

 

 

 

 

 

 

マクロス・クォーター内に嗚咽の声が響き渡る。泣いている少女────リーナ・M・クロスローザ以外は皆、沈痛な面持ちで沈黙を保っていた。それは艦長のジェフリー・ワイルダーも同様である。

────戦いは彼らの勝利で終わった。クイーンは解放され、グレイス・オコナーの企みは全て打ち砕いた。

だが────その代償は、あまりにも大きかった。

(この⋯⋯馬鹿義息子が⋯⋯⋯!)

ジェフリーは思わず顔を覆う。歴戦の艦長の目尻には、小さく光る何かが見られた。

 

────イチカ・ワイルダー中尉 戦死。

彼は、この戦いにおける唯一の犠牲者だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20XX年 太平洋南部の島

 

「⋯⋯⋯⋯」

「嘘⋯⋯⋯」

私───篠ノ之束は驚愕した。私の足元に倒れている変わった服の血塗れの男。その顔に見覚えがあったからだ。

───数分前、私はこの島に突如生命反応が現れたとの報告を受けた。当然訝しげに思った。ここは太平洋の片隅にある絶海の孤島。半径数kmに侵入者があれば即座に迎撃してしまえる程の防衛力を持つ要塞とも言える島だ(当然私が改造したのだけれど)。その反応はそんな防衛網に引っかかる事無く、突如島のど真ん中に現れた。怪しく思わない方がどうかしている。が、だからこそ私はその存在に興味が湧いた。

自慢では無いが今この世界に私以上の技術力を保有する国家は存在しない。そんな私が作った防衛網をすり抜けてきた。そして私は────()を見つけた。

「⋯⋯⋯⋯いっくん?」

そう、それは3年前に死亡したはずの親友の弟────織斑一夏だった。

「⋯⋯⋯!いっくん!!」

思わず彼に飛びつく。彼は答えない。当然だろう、意識が無いのだから。だけど私はそんな事どうでも良かった。彼が生きていてくれた────その事がただたまらなく嬉しかった。

「いっくん⋯!いっくん⋯!」

涙が溢れでる。それを拭う事もせずに私は彼に必死に抱きついていた。二度と失わぬ様に。

「う⋯⋯ぐぉ⋯⋯」

「⋯!いっくん!?」

彼が唸り声を上げる。そこで私はようやく彼が血塗れでいることを再認識する。

「い、いっくんーー!?死なないでーーー!?」

彼を担いでラボへと戻る。

急いでラボ内に存在するナノマシン技術を応用した治癒カプセルに彼を裸にして入れてようやく一息つく。⋯⋯⋯⋯裸になった彼のとある部分に目を奪われていたのは内緒だ。それにしても⋯⋯、

「なんなんだろこの服?」

見慣れぬゴムスキンの様な服。気になったので早速解析してみることにした。

「これ⋯⋯宇宙服?防弾防刃耐熱対冷⋯⋯至れり尽くせりだね」

何でいっくんがこんなものを?直接触って色々と確かめていると胸元のポケットに何かが入っているのに気付く。

「ペンダント⋯⋯?」

手に取ってみるとそれはペンダントだった。それも中に写真などを収めることの出来るロケットペンダントと呼ばれるタイプのものだった。

「ちょっとくらい⋯⋯いいよね?」

悪いとは思ったが好奇心を抑えきれなかった。いっくんに心の中で謝罪しながらそれを開けてみる。中には年嵩の男性といっくんと同じ年頃の少女がいっくんと共に写っている写真が収められていた。彼は、()()()()()。それは、私が久しく見ることの出来なかったものだった。

(誰なんだろう⋯⋯この人)

不思議に思うと同時に────彼を笑顔にさせている事に僅かな嫉妬を感じる。私に嫉妬する資格など無い。彼を傷付けた原因は他ならぬ自分なのだから。いけない、とその思いを頭を降って振り払い、一応このペンダントも解析にかけてみる。瞬間────私はその解析結果を映した画面を信じられない思いで見つめていた。

「嘘⋯⋯これ⋯⋯I()S()⋯!?」

それは私が生み出した宇宙空間での活動を想定したマルチフォームスーツ────IS、正式名称インフィニット・ストラトスだった。しかし、

「こんな⋯⋯こんな子知らない⋯!生み出してない⋯!生み出せる筈が無い!!」

画面に映し出されていたこのISのスペックと兵装。それは現在世界中に存在するどのISよりも高く、凶悪な代物。そして私はこんなものを造った覚えは無いし()()()()()()()()()()

「一体誰がこんなものを⋯⋯?」

いっくんが起きたら聞いてみよう。そう私は思うのだった。




アルト「それ俺のネタじゃね?」
俺「言わせたかったんだよ言わせんな」




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