型式番号 VF-FEX25
正式名称 VF-FEX25メサイアエボルブ
通称 メサイア改
世代【────世代】
『こんなオーバースペック過ぎる機体が現在のISの尺度で測れるわけないじゃん。あえて言うなら究極世代とかかな?』by篠ノ之束
武装一覧
・試作型マルチビームガンポッド✕1
・頭部12.7mmビーム機銃✕2
・近接用アサルトナイフ✕2
・マイクロミサイル(マルチロック式)
・マイクロミサイル(ブラストtype)
・左腕部強化型ピンポイントバリア
・左腕部内蔵式小型マイクロミサイル
・反応弾
・MDE弾
・スーパーパック(改良中)
・アーマードパック(改良中)
搭載システム
・LFS(ロング・フォールド・システム)
・改良型ISC(Inertia Store Converter/慣性蓄積コンバーター)
備考
・本作における織斑一夏こと、イチカ・ワイルダーの専用機。
・『単体であらゆる状況に対応出来る万能性』をコンセプトに開発された機体であり、YF-29開発の実験機としての側面を持つ。
機体全体に高純度のフォールド・クォーツを搭載した結果、とてつもない高火力・高機動を誇るモンスターと化した。
が、その分装甲が薄くなっており、それを補う為に高純度のフォールド・クォーツを搭載した強化型ピンポイントバリアを左腕部に装備している。更に内蔵された小型マイクロミサイルとの併用により簡易的なマクロスアタックの再現が可能。
更に機動力があまりにも暴力的で、旧来のISCではパイロットがミンチと化すレベル。それを緩和する為に改良型のISCが開発、搭載された。
そして単騎での長距離フォールドを可能とするシステムLFSが搭載されている。地球圏ならば瞬時に移動可能で、太陽系ならば日帰り旅行が可能な程。
あまりにも高コストな為、試作機を含め4機が製造されるに留まった。この4機は全てイチカ所属のS.M.Sサマー小隊に配備された。
イチカの機体は白と黒のカラーリングで、早乙女アルト准尉のVF-25と同タイプの機体である。
尚、あくまで実験機でもある為、データ蓄積用のユニットを積んでいる。
「〜〜〜〜〜〜〜♪」
『Let's go。突き抜けようぜ────♪』
あー、やっぱいいなぁFIRE BOMBERは。オズマ少佐が進めた理由がよーーくわかるぜ。
「───!─────!」
俺が今ヘッドホンで聞いているのは向こうの世界の超大物アーティストであるFIRE BOMBERの代表曲『突撃ラブハート』だ。
初めて聞かされた時は衝撃を受けたね。まさか異世界で某Bな人達に出会った当時の人達の気持ちが分かるとは思わなかった。
「────!────ん!」
ん?なんでFIRE BOMBERの曲なんか聴いてるんだって?そんなもん────
「わ、ワイルダーくん!あの⋯⋯⋯自己紹介を⋯⋯⋯」
────現実逃避に決まってんだろド畜生。ヘッドホンを外すと聞こえてくる半泣きの女性の声。
俺は辟易としながら
「民間軍事会社S.M.S所属の戦闘機パイロットのイチカ・ワイルダーだ。仕事先でたまたまISを動かしてしまってここに来た。趣味は料理と音楽鑑賞⋯⋯⋯まぁよろしく頼む」
────なんでこうなった?
切っ掛けは俺がこちらに戻ってきて数ヶ月後の事。俺はIS化した俺の愛機の性能を確かめるために束さんと共に彼女のラボに篭っていた。内容としてはシンプル、可変機構の確認や積まれている兵装の実験を行うものだった。で、機体の性能を見た束さんの一言が、
「えっ、なにこれこわい」
だった。束さん曰く、俺の機体の性能を例えるなら一年戦争時にウィングゼ〇カスタムをぶち込むようなものらしい。
しかもこれが量産機と知った時の束さんはショックでしばらく現実に帰って来れなくなった程だ。試しに束さんにこいつを量産出来るかと聞いたんだが⋯⋯⋯⋯流石の天災でも劣化コピーが限界らしい。コピー出来る時点で充分オーバースペックなんだが。
クロエの事も聞いた。なんでもドイツの非合法な実験施設で生み出された
最も、束さんに救出された後、生体同期型ISを移植されたお陰で短時間ならしっかりと目の機能を有す事が出来るようだ。
⋯⋯⋯時たま俺の事を『御父様』などと呼んでくるのには困りものだが。
まぁそんなこんなで戻ってきて数ヶ月後の1月、事件は起こった。
────『世界初の男性IS操縦者登場』
世界を激震させる報道が文字通り駆け巡った。動かしたのはブリュンヒルデこと織斑千冬の弟の織斑冬二。俺の双子の弟だった。束さんが姉貴に確認した所、何でも間違えてIS学園の受験会場に来てしまい、そこでISを触ったら動かせてしまったらしい。
⋯⋯⋯⋯相変わらず弟のうっかりは治っていないみたいだ。もう二代目遠〇凛を名乗ってもいいんじゃないかこれ?
男性にISは使えない。これは純然たる事実である。俺のバルキリーは厳密にはISではないので当てはまらない。が、冬二は違う。純正のISを動かしたのだ。束さんはパニックになり────そして滅多に見ない真剣な表情で俺に依頼してきたのだ。
「IS学園に行ってふーくんの護衛をお願い出来ない?」と。
⋯⋯⋯⋯まぁその時は「簡単な仕事だな」とか思ってたんだわ。束さんの頼みを断る理由もないし二つ返事で引き受けたよ。が、これはキツい。周りを見れば女しかおらず、ミシェルの奴に連れられて良く遊んでた俺でもここまでの男女差は体験した事が無かった。
自己紹介が終わり先生達が退室した後(姉はやや複雑そうな顔でこちらを見ていた)、教室には喧騒が戻ってくる。周りの女子達はこちらに話しかけるでもなくこちらを見ながらヒソヒソと話し合っている。手持ち無沙汰なのでもう一度音楽でも聞こうとしていた時だった。
「────少し、いいかい?」
賢弟こと織斑冬二が話しかけてきた。相変わらずの俺に良く似た顔立ち、そこに若干の自信のなさが混じっている。間違いなく、俺の弟
「⋯⋯⋯なんだ?」
淡白に聞き返す俺に若干顔を歪めながら冬二は言った。
「その、少し話したい事があるんだ⋯⋯⋯ダメかい?」
⋯⋯⋯流石に予想外だった。その内気づかれてコンタクトを取ってくるのは予想していた。まさか初日に来るとは思いもしなかったが。下手に断っても角が立つので了承する。
「あぁ、いいぞ」
「っ!本当かい?」
顔に出やすいなぁコイツ。さっきとは打って変わって一気に笑顔になる冬二。そんな俺達に話し掛けてくる奴がいた。
「すまない。その話、私もいいだろうか」
「⋯⋯⋯箒ちゃん?」
「⋯⋯⋯ちゃん付けを止めろ馬鹿者」
いや早いよお前ら。まさか束さんの妹で俺たちの幼なじみである篠ノ之箒まで接触してくるとか⋯⋯⋯⋯意外と昔と変わってる筈なんだがなぁ⋯⋯⋯⋯。
ちらりとこちらに視線を向けてくる冬二。俺は構わないと頷く。
「⋯⋯ここじゃ話しにくいことだし、屋上にでも行こう」
そういう冬二に、俺達はついて行った。
「────で、お前らが聞きたいのは俺が織斑一夏かどうか、ってところか?」
「「っ!」」
屋上に着いた後、俺はいきなり確信を突く。この2人の反応を見る限り図星なようだ。
「⋯⋯⋯そうだよ。君は、兄さんなのか? 」
「血族なのかと言われればその答えはYESだ」
そう答えた俺に奴らが向けたのは『安堵』だった。
「良かった⋯⋯⋯無事だったんだね」
「何だ、心配してたのか?」
「当たり前だ!お前がいなくなったと姉さんから聞かされた時私がどれ程⋯⋯⋯」
少しおちゃらけた風に言うと半ギレで箒が叫ぶ。まぁ自分で言うのもなんだがこいつは俺に惚れてた節があったから当然といえば当然なのか?
「でも本当に良かった。これでまた3人で「悪いがそりゃ無理だ」────えっ?」
「生憎と今の俺の家族は親父達だけだ。もう織斑に戻るつもりは無いさ」
「な、何故だ一夏!?お前はあれ程家族を大切にしていたじゃないか!!」
焦ったように声を上げる箒。冬二は絶句している。
その問に答えようとした所で次の授業の開始を知らせるチャイムがなる。
「おっと、悪いが今日はここまでだ。さっさと戻るぞ」
「ま、待て一夏!」
「生憎と織斑教諭の授業に遅れるなんて自殺行為は御免だぜ」
俺はその場に2人を残して教室に戻る。
旧家族との決別はこの世界に戻ってきた時に決めたことだった。俺の家族はこの世界にいない親父達だけだ。俺は織斑ではない、イチカ・ワイルダーなのだから。
────尚、間に合わなかった2人は織斑教諭による出席簿アタックで沈んでいた。合掌。
「そう言えばクラス代表を決めなければな」
切っ掛けは、授業中に放たれた織斑教諭の一言だった。クラス代表とはまぁ早い話が学級委員だ。が、IS学園のそれは通常とは違った大きな意味を持つ。学年ごとに行われるクラス代表戦含め、優先的にISに触れる機会を得られる他、クラスの看板的な意味合いを持つのだ。まぁ、このクラスはイギリスの代表候補生であるセシ⋯⋯何だったかな。さっき冬二に絡んでたんだあの子。まぁその子が選ばれると思ったんだが、
「私は織斑くんを推薦します!」
「あ、私も!」
「私はワイルダーくん!」
「私もワイルダーくんで!」
「わぁお」
クラスの過半数が俺と冬二を推薦しやがったよ。前の席で冬二は「あの辞退し「推薦されたものに拒否権など無い」⋯⋯はい」と辞退を拒否され轟沈していた。まぁ理由も男子をマスコットとして使いたいみたいな理由だから拒否したくなるのもわかるが。
俺?職業軍人がこんな子供の戦いに交じるのもなんだから拒否するつもりだ。俺が断ろうと声を上げたところで、
「────納得行きませんわっ!!」
バンッ!と大きな音を立てて机を叩きながら立ち上がる金髪縦ロールの少女。あ、さっき冬二に絡んでた⋯⋯⋯
「いくら何でも程度が低すぎやしませんこと!?私、イギリス代表候補生のセシリア・オルコットは見世物を見る為にここに来たのではないのでしてよ!?」
そうそうセシリア・オルコットだ、うん覚えた。てか言葉の端々に男に対する棘があるんだが⋯⋯女尊男卑主義者か?ならめんどいけど潰しておくか?この先邪魔になりそうだし。
オルコットはそのままご高説(笑)を長々と語ってくれた。その内容がまぁ日本を貶す貶す。クラス中の日本人達の顔がどんどん険しくなる。
「これだから嫌だったのですわ、こんな後進的な猿の国に来るなんて⋯⋯⋯⋯」
ブチン、と音が聞こえた気がする。多分箒だろう。今にも立ち上がって掴みかかりそうな雰囲気だ。流石に不味いと思ったのか織斑教諭が止めようと────
「⋯⋯⋯⋯イギリスだって食べ物に関しては後進的だろ(((ボソ」
冬二の小さな呟きがクラスに響き渡る。シン⋯と静まり返った教室内にオルコットの叫びが轟く。
「あ、貴方!我がイギリスを侮辱しますの!?」
「先に日本を侮辱したのはそっちだろ。第一、ISを開発したのもISで頂点に立ったのも日本人だ。そんな日本人を猿なんて言ったんだ、あんたらイギリス人は猿以下なんだな」
「ぬわぁんですってぇ!!?」
余計な事言ってんじゃねーよ冬二ィ!明らかに拗れたぞオイ。ズケズケと正論で相手を論破するのはいいがもう少し言い方を考えろよ!?そこからはもう罵詈雑言の嵐。オルコットがキレて冬二が言い返す。先生方も介入するタイミングを失い、織斑教諭は額を抑え、自己紹介時涙目だった山田真耶先生はオロオロとしている。
「────そこまでにしとけお前ら」
仕方ないので俺が止める事にする。オルコットはこちらをキッと睨みつける。
「なんですの?まさか貴方も我がイギリスを」
「違うわアホ。そろそろ止めとけって言ってんだよ。国際問題になるぞ?」
「何を言って────」
そこまで言ってオルコットがハッとなる。やっと気づいたか。
「お前はイギリスの代表候補生なんだろ?今の言葉は下手したらイギリス政府の言葉として受け取られるぞ。そうなれば後は⋯⋯⋯わかるな?」
真っ青になるオルコット。一歩間違えたら自分が第三次世界大戦の引き金なっていたかもしれないのだから当然なのだが。
「お前もだ織斑」
「え⋯⋯僕も?」
「当たり前だろうが。お前はブリュンヒルデの弟だぞ?お前の言葉をブリュンヒルデの言葉と曲解して受け止める馬鹿がいないわけじゃないんだ。その事を理解して言葉を使え。後、イギリスにも上手い料理はあるぞ?ハギスとか」
「⋯⋯⋯ハギス?」
「犬の糞みたいな見た目のイギリス番ソーセージ」
「決闘ですわっ!!」
俺のイギリス料理のレビューが気に食わないのか顔を真っ赤にして叫ぶオルコット。だって事実なんだからしょうがねぇじゃん。
「────そこまでだ」
織斑教諭の一言で教室内が静まり返る。流石世界最強、と言ったところか。
「一週間後、アリーナの方でクラス代表決定戦を行う。これで満足かオルコット?」
「は、はい⋯」
「それと織斑。お前には政府より専用機が与えられる事になっている」
織斑教諭の言葉にクラス中がざわめく。
「専用機!?」
「1年のこの時期になんて⋯」
「いいな〜。私も専用機欲しいな〜」
「静かにしろ!!⋯⋯それで、ワイルダーの方だが」
「あ、俺は会社から貸し与えられてるのがあるので」
「⋯⋯そうか」
一応、表向きは俺の素性と機体は、『モンド・グロッゾ後、篠ノ之束に保護され、彼女の知り合いの民間軍事会社の人間に預けられた元織斑一夏。機体は篠ノ之束のオーダーメイド品』という事になっている。この事を知っているのは学園の上層部や教師達のみで、一般クラスの人間には伝えられていない。目の前の織斑教諭も俺の事を知っている筈だ。
俺達に専用機がある事を知ったオルコットは尚余裕の表情だ。
「あら、専用機があるなら多少はマシそうですわね」
「ふん、その高慢ちきな鼻をへし折ってやる⋯⋯」
あ、冬二キレてんな。口調が若干変わってら。
「まぁこのセシリア・オルコットは寛容でしてよ?貴方達が望むのならハンデ位は付けて差し上げても宜しくてよ?」
「⋯⋯⋯いるかそんなもん」
「あ、じゃあ俺はいくつか兵装封印して相手してやるよ」
ピシリ、と空気が固まる。あ、やべ。イラついて無意識に言っちまった────!
「ほ、ほう?私を相手に随分と余裕ですわねぇ⋯⋯?」
額に青筋を浮かべ、声を震わせながらこちらを見るオルコット。いや、だってなぁ?
「素人相手に職業軍人が本気だす訳にも行かないだろ?」
「────無様に地に這いつくばらせて差し上げますわ」
あ、もしかしてやっちまった?
「ねぇねぇ、ワイリ〜」
授業後、隣ののほほんとした感じの女子が話しかけてきた(オルコットはさっさとどっかいってしまった)。というか⋯、
「そのワイリーって俺の事か?」
「うんそうだよ〜。ワイルダーだからかワイリー。あ、私は布仏本音だよ〜」
「世界征服でも企んでそうな渾名だな」
「そして最後には『許してくれっ!』って土下座するんだよね〜」
良くこのネタわかったなこの子⋯⋯⋯。今どき知ってるやつなんているのか?
「なんでワイリーあんなこと言ったの?」
⋯⋯⋯恐らく昼間、俺がオルコットに言った台詞の事だろう。
⋯あまりいい喩えじゃないんだがな⋯。
「少し、血なまぐさい話になるがいいか?」
「うん、いいよ〜」
「んじゃぁ布仏。お前、人を殺した事があるか?」
「⋯⋯⋯⋯⋯へ?」
ポカンとする布仏。当然だろう。こんな事を聞かれるなんて予想外な筈だ。
「な、ないけど⋯⋯⋯」
「そうか。俺はあるぞ」
目の前の布仏含め、周囲の聞き耳を立てていた少女達が皆顔を顰める。怪訝そうに布仏が、問いかける。
「なんでそんな事言うの⋯⋯?」
「ん、まぁ単純に本物の戦場をあいつは知らないんだよ」
「本物の⋯⋯⋯?」
「ああ。殺し、殺される戦場の空気。それをあいつは知らない。
はっきり言って生ぬるいんだよ。少なくとも、戦う以上俺はあいつを殺す気でやるつもりだ」
「殺すって⋯⋯⋯でもISには絶対防御が」
絶対防御────ISに積まれている操縦者保護システムの一つ。これが女尊男卑主義者の勘違いを加速させている一因でもある。
「あるからって少なくとも絶対じゃない。世の女尊男卑主義者共はISが、と言うより絶対防御があるから男には自分達は傷つけられないと思ってるみたいだがな⋯⋯」
そこで一旦言葉を区切る。これは布仏だけじゃない。クラス中に向けた言葉だ。
「いいか、ISは兵器だ。少なくとも俺はそう思っている。そして兵器である以上これは人を殺せるんだ。その事を理解しておけ」
「じゃあ⋯⋯⋯兵装の制限って⋯⋯⋯」
「下手をすれば絶対防御をぶち抜いちまうかもしれないからな。その為の制限さ。あとはそうだな⋯⋯⋯まぁ男を舐め腐ってるあいつを教育してやるだけさ」
⋯⋯⋯⋯話終わった後の教室には陰気な空気が漂っている。恐らく考えた事も無かったのだろう。布仏はその様子が顕著だ。顔を背けて今にも泣き出しそうだ。
「⋯⋯⋯悪かったな辛気臭い話して。ほら、これでも聴いて元気出せよ」
愛用のヘッドホンを布仏にかけさせ、『突撃ラブハート』を聞かせる。次の瞬間、布仏はカッ!と目を見開き、続いてこちらにぐりんっと顔を向ける。
「ワイリー」
「なんだ?」
「最高」
「同士よ」
ガシッと握手を交わす俺と布仏。なんか知らんけどFIRE BOMBER信者が1人増えた。やったぜ。
で、だ。放課後、山田先生に寮の部屋の鍵を渡されて部屋に行った。そこまではいいんだ。
「おかえりなさい!ご飯にする?お風呂にする?それとも⋯⋯わ・た・し?」
部屋に裸エプロンの女が居た。俺は無言で扉を閉める。部屋の番号の渡された鍵の番号を確認する。間違いなく同じだった。⋯⋯⋯嫌なんだがここで突っ立ってても始まらないのでドアを開ける。
「おかえりなさい!私にする?私にする?それともわ・た・し?」
「fuckin'sit!!!」
見間違いでも夢でもなかった。思わず全力で罵り声を上げた俺は悪くないと思う。マジで呪われてんのかな俺。
今度どっかでお祓いしてもらおう。そう思いながら目の前の痴女の対応に困る俺だった。
鈍感じゃないイチカ。
「自分の家族は親父達だけ」という認識のイチカ。
フルボッコが決定したセッシー。哀れ。