世界観はテレビ版でYF-29が未だ開発段階という設定になってます。という訳でトルネードも未だ製造されてないので天災ウサギに作らせる予定になってます。
加筆修正しました。
※イチカはミシェルの影響もあり大分女慣れしています。そして誘惑してくる美少女相手に我慢出来るほど大人ではありません。
────早朝、IS学園の自室で楯無は目を覚ます。最早癖になってしまっているせいで寝る時は全裸な彼女。部屋に誰も居ないという安心感があってかその魅力的な裸体を惜しげも無く晒している。スラリとした肢体。形の良い乳房。街を歩けば10人が10人『美しい』と答えるほどの美少女の姿が、そこにはあった。
最も、
「ん⋯⋯⋯ふわぁ⋯⋯⋯」
可愛らしい欠伸をして寝ぼけ眼を擦る楯無。そして何気なく隣を見る。
────彼女と同じ様に全裸の少年が、そこには居た。
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「ん⋯⋯⋯⋯んん⋯⋯?」
違和感を感じたのか少年がゆっくりと身体を起こし、未だ覚醒していない意識を目覚めさせるために頭を振る。そして漸く意識がハッキリとしたようで、楯無を見る。
「ふぇっ⋯⋯⋯⋯⋯」
見られている────その事を意識した途端に楯無は羞恥に身を縮こまらせる。顔は真っ赤で、彼の方をまともに見れない。そんな楯無に気を良くしたのか、少年がゆっくりと近づいてくる。そっと手を彼女の頬に添え、その額に唇を落とす。
「あっ⋯⋯⋯⋯⋯」
「昨日は可愛かったぜ、
彼に自身の“本当の名前”を耳元で囁かれたその瞬間、彼女の脳内に昨夜の記憶が閃光の如く駆け巡る。
「っ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?」
その事で限界を迎えた楯無は、あまりの羞恥に気を失ってしまうのだった。
「信じられない⋯⋯!本当信じられない⋯⋯!!」
「だから悪かったって言ってるだろ?いい加減機嫌直せよ刀奈」
「今の私は楯無よ!本名で呼ばないで!」
「ハイハイ、わかったよ刀奈」
「だから⋯⋯っ、あぁもう!」
やぁ諸君おはよう。俺だ。イチカ・ワイルダーだ。さて、取り敢えずは今の状況について説明しようと思う。俺の目の前でプンスカと腹を立てているこいつは更識楯無という。此処、IS学園の生徒会長でロシア代表、名目上は俺の護衛という事で同室になった奴だ。
────そして昨日、俺を裸エプロン(下には水着を着ていた)で出迎えやがった例の痴女だ。
「ちょっと!?誰が痴女よ!」
お前だよ。つーか聞こえてたのかよ。
話を戻そう。俺は突如女子高にぶち込まれ、代表候補生(笑)に喧嘩を売られ、ガラにもない事を偉そうに語ったお陰で疲労困憊な挙句イライラしていた。漸く部屋で一息つけると思ったら部屋に痴女がいたんだぜ?そりゃキレもするさ。
更に俺はこちらの世界に帰ってきて数ヶ月間禁欲生活を送っていたんだよ。
考えて見ろよ?まさか束さんやクロエが近くにいる環境でそんな事をする訳にもいかず、なんやかんやでイライラが天元突破してしまった俺は晩飯も食わない代わりに目の前の少女をペロリと喰っちまった訳だ。だってしょうがねぇじゃん?据え膳食わぬは男の恥じゃん?いい加減限界だったんだ。誰も俺を責めないでくれ。
「人の初めて無理矢理奪っておいてその言い草はないでしょ⋯⋯⋯」
おっとまた聞こえていたらしい。でもなぁ⋯?
「途中から俺に跨って思いっきり腰振りながら喘いでたのはどこの誰だったかな〜?」
「っ!?それは、その⋯⋯⋯」
顔を赤くして俯いてしまう刀奈。やっべかわいい。そして揶揄うのめっちゃ楽しい。
まぁ最初はこいつもイヤイヤだったみたいなんだけどな?途中からおっかなびっくりな感じで俺の【マクロスキャノン!!】を触ってきたと思ったらそこからはもうノリノリだったよ。こいつの本名の刀奈ってのも行為中にこいつがそう呼んでくれって言ったからだし。
あ、言い忘れてたけどこいつの実家は所謂暗部と言う奴らしく、俺の護衛も家業の一環らしい。楯無は代々その当主に受け継がれる名前なんだとか。
「さて、取り敢えずシャワーでも浴びるか」
「⋯⋯⋯先にいいかしら?」
「何だったら一緒でもいいぞ」
「馬鹿じゃないの?」
おっふ⋯冷たいなぁオイ。まぁ足腰ガクガクでまともに立てないみたいだから俺が連れてくしか無いんだが。
────当然、風呂場でも美味しく頂いた。なんだかんだであいつも楽しんでたみたいだしセーフだろう。
『いっくん?流石に我慢しろとは言わないけどさぁ⋯⋯⋯いくら何でも手を出すのが早過ぎない?』
「束さん覗いてたのかよ⋯⋯⋯」
『人聞きの悪いこと言わないでよ!?』
放課後、冬二と箒の追求をのらりくらりと躱し、賢姉殿の困惑した視線を受け、オルコットからの殺意を持った視線を知らんぷりでスルーし、布仏と共にクラス内にFIRE BOMBERを布教したりとしている内に気づけばこんな時間になっていた。
部屋に戻っても特にやる事も無いので、一応盗聴器等の確認をしてから定期連絡として束さんに連絡を取る。その時の第一声がこれだ。
『まあいっくんも男の子だし?そういう欲求があるのはわかるよ?でもさ、会ったばかりの子にいきなり手を出すのは⋯⋯⋯ねぇ?』
「⋯⋯⋯⋯こっちに帰ってきてから色々と溜まってたもんで」
『⋯⋯⋯どうせだったら私にヤればいいのに((ボソッ…』
「ん?なんか言いましたか?」
『な、なんでもないよ!?』
焦った様に声を上げる束さん。俺は頭に『?』を浮かべながら前々から頼んでいた事を聞く。
「それでどうですか?以前頼んでた事は⋯⋯」
『うん、大体調べはついてるよ。いっくんを攫った連中と
「はい」
1つ目の事はまぁ、俺個人で気になっていた事だ。今更連中をどうこうしようなんて思ってないが知らないのもモヤモヤするので知っておきたかった。
問題は2つ目だ。機体が何らかの理由によってIS化した事だ。これに関しては理由がつかないのだ。束さんが改造したわけでもあるまいし⋯⋯⋯もし何らかの異常によりこうなったのであれば破壊する事も視野に入れねばならない。理由がわかるとは思えないが一応この事も束さんに調査を依頼したのだ。
『それじゃあ1つ目だけど⋯⋯こいつらの名前は
「そりゃまた、随分と御長寿なこったな」
『元々は時の権力者達によって創設された治安維持部隊で、言わば
「随分と詳しいみたいだけど知り合いでも?」
『組織の方針に疑問を持ったらしい一部の幹部が束さんに接触してきてね。そこからの情報だよ』
「信用出来るのか?」
『裏取りは出来てるから大丈夫だと思うよ』
「そうか⋯⋯」
正直複雑な心境だが⋯⋯⋯俺を親父達に出会わせてくれたことだけは感謝してやってもいいかもしれない。もし会ったら脳天に鉛玉をプレゼントしてやるがな。
『それで2つ目の方なんだけど⋯⋯⋯大分仮説まみれになってるけど良い?』
「まぁそう簡単にわかるとは思ってませんよ」
『シンプルに言えば
「最適化?」
『いっくんの機体はこの世界にすれば完全な
「束さん⋯⋯⋯
そんな型月設定とSFが混じった様なこと堂々と言って恥ずかしくないんですか?」
『うん。束さんも言ってて思った』
「またガチャで爆死でもしたんですか?」
『はい。束様はF○Oに10万程課金して見事な爆死を遂げました』
『くーちゃん!?』
あ、やっぱしてたんだ。てかそこまで把握してんのかよクロエ。
『イチカ様からも言ってください。未練がましく未だにジャ○ク狙いで回し続けてるんですよ』
『だってジャ○クちゃん可愛いもん!可愛いは正義だもん!』
「もう廃課金者じゃないですか⋯⋯⋯」
『イチカ様も自重してください。そんなに性欲を満たしたいなら束様に手を出してください。このままでは束様が万年発情ド変態兎に霊基再臨してしまいます』
『くーちゃん!?それ罵倒以外の何者でもないからね!?』
相変わらずのキレッキレの毒舌だ。ホントブレねぇなぁクロエ。
⋯⋯⋯なんで束さんに手ェ出さなかったのかって?恩人相手に汚ぇ欲望ぶつけられる程開き直れねぇよ。
『いっくん⋯⋯⋯』
「まぁ耐えきれずにヤっちゃったんですけどね(笑)」
『台無しだよ⋯⋯』
『イチカ様は下半身に正直すぎです』
「うん、そろそろ止めよう?流石に心に刺さるから」
俺だってデリケートな心を持つ15歳なんだぜ?同年代の少女に罵倒されて傷つかないわけじゃねぇんだよ?
『ハァ⋯⋯⋯全くもう。あ、それといっくんの機体でいくつか封印した方がいい武装リストアップしといたから送っとくよ』
「おお、そりゃ助かるな」
『それとスーパーパックとアーマードパックの改良にはもう少し時間が掛かりそうだから例のイギリス女との戦いはすっぴんになるけど良い?』
「モーマンタイだ。むしろ素手縛りでも良いくらいだぜ」
『ふふっ、凄い自信だね?それじゃあまたねいっくん。頑張って』
『イチカ様、失礼します』
「あぁ、二人ともまたな」
通信が途切れ、部屋は静寂に包まれる。時計を見れば夕食までにまだ時間があった。
「⋯⋯整備室で機体の確認でもしとくか」
そう思い立った俺は部屋を出て、ISを整備するための整備室に向かうのだった。
「お邪魔しまーす、と」
IS学園整備室。練習機の打鉄やラファール・リヴァイヴが整備の為に搬入される場所であり、代表候補生達が自分の機体の整備をする為に利用する場所でもある。女子校らしくない無骨な雰囲気のそこに俺は来ていた。
「取り敢えずはバルキリーを出してっと」
俺は空いていた格納ドックに量子変換していたバルキリーを出現させる。そして早速機体の確認と束さんに言われた武装にロックでもかけようと思ったのだが、
「────誰だ」
こちらを見ている視線に気づき、思わず殺気を向ける。数瞬、沈黙が場を支配する。やがて、青い顔をした、どこか見覚えのある少女が顔を出した。
「⋯⋯刀奈?」
反射的にそう言ってしまうがすぐに違うことに気づいた。
なんというか、刀奈と違ってこいつはどこか自信なさげなのだ。
後胸が小さい。昨晩散々愛でたモンを見間違える程耄碌しちゃいないつもりだ。
「⋯⋯今、物凄く失礼な事考えなかった?」
「気のせいだろ」
エスパーかよこいつ⋯⋯⋯⋯。
「貴方がわかりやすいだけだと思う」
「そんなにわかりやすいのかよ俺⋯⋯」
これでもポーカーフェイスが得意なつもりだったんだがなぁ⋯⋯。
「で、お前は?まさか俺の機体のデータを盗みに来たのか?」
「⋯違う。私は更識簪。日本の代表候補生」
「日本の代表候補生ねぇ⋯。ん?更識って事は⋯⋯」
「⋯⋯⋯ここの生徒会長の更識楯無の妹」
「あぁ、そういや妹がいるとか言ってたな」
ベッドの上でだが。完全に蕩けきってたからこっちの質問にポンポン答えてくれたからな。その時に家族構成を聞いたのだが妹がいると言っていた。おそらく彼女がそうなのだろう。
「んじゃ、俺も自己紹介だ。俺は────」
「────イチカ・ワイルダー。旧名織斑一夏。13歳の時にモンド・グロッソで誘拐されその後行方不明になる。3年後、織斑冬二発見の際に篠ノ之束博士の手により保護されていたことが判明。第2の男性IS操縦者として注目を浴びる。尚、本人は民間軍事会社S.M.S所属の戦闘機パイロットと言っているがそのような会社の存在は確認されておらず、篠ノ之束博士が造ったペーパーカンパニーの可能性が大」
「⋯⋯へぇ、随分と良く調べてるじゃねぇか」
「⋯この程度の情報は調べればすぐ出てくる」
それでも代表候補生ごときに集められる情報量じゃない。刀奈の妹とだけあってそっちの道に通じてるらしい。
「貴方は?」
「俺?」
「貴方はどうやってあの女の本名を聞き出したの?」
そういやあいつ表向きは『楯無』だったな。てかあの女って。仲悪いのかこいつら?
「いやなに、ベッドの上でな」
「⋯⋯⋯⋯っ!?」
おーおー顔真っ赤にしちゃって。こういうとこは姉妹なんだな。仲悪いみたいだけど。
「で?何のようだったんだ?」
「⋯⋯男性操縦者の専用機に興味があった。唯、それだけ」
「んじゃあ見るか?」
「え⋯⋯、いいの?」
「別に詳細なスペックデータを見せるわけじゃないからな。機体ぐらいは見せてやるさ」
やましい事なんざないからな。別に機体の見た目や多少の武装を見られたとこで痛くも痒くもない。簪は俺に連れられて俺の機体の元へ行く。その表情は鉄仮面のような無表情だった。
「こいつが俺の相棒のVF-FEX25メサイアエボルヴだ」
「
「装備は⋯⋯⋯まぁあまり言えないが取り敢えずはビームガンポッドと頭部のビーム機銃。あとはマルチロックオン式のミサイルランチャーってとこ「待って」ん?どした?」
「どした?じゃない。この機体はビーム兵器を積んでるの?」
「おう」
「⋯⋯イギリスがレーザー兵器を開発したばかりなのに⋯⋯⋯」
「一応、篠ノ之束謹製のものだからな」
「マルチロックオンシステムも?」
「もち。そういやお前の機体は?代表候補生ってくらいなんだ。専用機ぐらいあるんだろ?」
「⋯⋯ZMT-S29」
「ザン○ックかよ」
こいつ大気圏上部からどこの都市を狙うつもりだよ。
「冗談⋯。正式名称は『打鉄弐式』。マルチロックオンシステムを搭載した唯一の機体⋯⋯だった」
そりゃ災難なこったな。俺が出てきたせいで機体のアドバンテージを潰されちまった訳か。
「なんか、悪いな」
「別に良い。それに完成すらしていないから」
⋯⋯⋯⋯⋯⋯。
は?
「どういう事だ?」
「開発元の倉持技研が男性操縦者の専用機開発の為にこの子の開発を投げ出したの⋯⋯。そのまま凍結される前に私が引き取って作ってる」
「システムから何から何まで?」
コクりと頷く簪。⋯⋯⋯んな無茶苦茶な。仮にも国家を背負うかもしれない代表候補生の専用機開発を投げ出すとかアホなのか?
「いや、アホなんだろうな」
思わず思っていた事が口に出る。
もし仮に簪が国家代表までのし上がった場合間違いなく倉持技研は大打撃を受けるだろう。国中からの叩き上げに合い、衰退の一歩をたどるのが目に見えている。
⋯⋯⋯目先の欲望に囚われた結果がこれだよ。つくづく馬鹿にはなりたくないもんだ。
(⋯⋯⋯一時の欲望に流されて刀奈に手ェ出した俺が言えた義理じゃねーな)
「⋯⋯何が?」
おっと、聞こえていたらしい。
「いや、なんでもない」
さて、どうするかね?放っておいてもいいんだが彼女の専用機が完成していないのは
「なぁ、具体的には何が完成してないんだ?」
「⋯⋯⋯機体出力の調整とマルチロックオンのプログラムが、まだ」
「よし、マルチロックオンのプログラムに関してはこっちで提供しよう。機体出力に関してはウチの会社のアドバイザーを紹介してやるよ」
「⋯⋯⋯いいの?」
驚いたように目を見開く簪。この事は俺に関してメリットが何にもないからそれを不思議に思っているのだろう。
「ここで知り合ったのも何かの縁だ。多少は協力してやるさ。それに────」
「それに?」
「困ってる女の子がいたら助けるのが礼儀だってダチに教わったからな」
「⋯⋯⋯ふふっ。何それ⋯」
クスリと笑う簪。先程の鉄仮面よりも余程いい顔だった。それにしても、なんだ。
「笑った方が可愛いぜ、簪」
「⋯⋯もしかして、口説いてる?」
「さぁ?どうだろうな?」
「⋯⋯本当、変なの」
「よく言われるよ」
そのまま、俺達はしばらくの間談笑するのだった。
────さて、アドバイザー役として束さんを説得せねば。
あのコミュ障をいい加減何とかしねぇとな⋯⋯⋯⋯。
あれれ〜?おかしいな〜?(コナン感)
⋯⋯⋯⋯三角関係になる予定だったんだけどなんか早くも破綻してるような⋯⋯⋯。