注意を受けたので訂正。
オルコットと決闘することが決まって1週間経った。この1週間正直暇で暇で⋯。
刀奈を弄る(意味深)くらいしかやる事が無かったぜ☆。
が、それも今日で終わりだ。
現在俺はIS学園のアリーナのピットに先生方や冬二達と待機している。アリーナ内を見れば既にオルコットは蒼い機体────第三世代IS『ブルー・ティアーズ』を身にまとって待機していた。その右手には大型のスナイパーライフルが握られている。武装から見てミシェルと同じタイプらしい。色も同じだし。
ちなみに今日の試合は総当たり戦となっていて、オルコットVS冬二、オルコットVS俺、冬二VS俺の順番になっている。本来なら冬二がとっくにアリーナに出ていなければならない時間帯なのだが⋯⋯、
「冬二。お前ISは?」
「⋯⋯⋯まだ届いてない」
「マジかよ⋯⋯⋯」
現在時刻は試合開始5分前。本来ならとっくに届いているはずの時間帯だ。それがまだ来てないとか⋯⋯⋯どんだけ時間にルーズなんだよ倉持技研。
「で、なんで箒がここに?」
そう、何故か関係者以外立ち入り禁止のピットにこいつがいるのだ。
「わ、私は幼馴染なのだから十分に関係者だろう!?」
「⋯⋯⋯そうでっか」
だいぶ無茶苦茶な理論だがスルーする。いやまぁこいつはいいんだよ?問題は⋯、
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「ね、ねぇ簪ちゃん?なんで貴女がここにいるのかお姉ちゃん教えて欲しいなーって」
「貴女と話すことなんて無い」
「そ、そんな事言わずに⋯」
俺の護衛で着いてきたかた⋯⋯楯無と俺の応援に来てくれたらしい簪がかち合ってしまったのだ。わかっていた事だがものすんごく仲が悪い。というか簪が楯無を一方的に嫌ってる感じだ。
あまりの空気の悪さに先生方や冬二達も何か言いたそうにしているくらいだ。ぶっちゃけ俺も話しかけるの躊躇われるんだが⋯⋯⋯、
「あーー簪?そういや専用機の方はどうなった?ウチのアドバイザーに言ってたんだが」
「あ、うん。おかげで武装面はほぼ完成。『山嵐』も出来てるし後は出力系統の調整だけ」
「ほぉ、そりゃすごいな。完成間近か」
一応正体は隠してるけど何とか普通に接せたみたいだ。コミュ障束は伊達じゃないからな。パニック起こさないか心配だったんだよ。
「うん。イチカが紹介してくれたおかげ⋯⋯⋯ありがとう」
「気にすんな」
「ねぇ⋯⋯⋯」
簪と話しているとあら不思議。反対側から不機嫌そうな声が聞こえてくるじゃありませんか。顔を向ければこちらを睨みつけている楯無さんが。
「な、なんだ?」
妙な威圧感を感じ思わず後ずさる。楯無は対照的にグイッと近づいてきた。
「いつからそんなに簪ちゃんと仲良くなったの?」
「い、いや⋯⋯ちょっと専用機の関係でだな⋯」
「ふーん⋯⋯⋯。まさかとは思うけど⋯⋯⋯」
ガシッと方を掴まれる。って!?
「あだだだだだだだだだっ!?肩!肩に食いこんでるって!?」
「手ぇ出したら⋯⋯切り落とすから」
「何を!?」
なんでハイライト消えてんだよ!?てか切り落とすって何!?ナニを切り落とすんですか!?
「⋯⋯⋯止めて」
「って、お?」
「ッ!?か、簪ちゃん!?」
今度は後ろに引っ張っられる。どうやら引っ張ったのは簪のようで⋯⋯って、
「あの〜簪さん?どうして腕を俺の腕に絡めてるんでしょうかね?」
「⋯⋯⋯なんとなく?」
「なぜに疑問形⋯⋯」
「ち、ちょっと貴方!簪ちゃんから離れなさい!!」
「いや離れようにもガッチリホールドされてんですが」
「ッ!切り落とすッ!!」
「なんでさっ!?」
「⋯⋯⋯⋯お前達、その辺にしておけ」
織斑教諭からストップがかかった。危ねぇ⋯助かった⋯⋯。あと箒、睨まないでくれ頼むから。もう俺キャパ限界だから。
どうやら俺達がじゃれあっている間に冬二の専用機は届き、既に装着済みらしい。ならさっさとオルコットとの試合に向かえばいいと思うんだが⋯⋯
「で、先に俺が試合をしろと?」
「あぁ。悪いが、頼めるか?」
⋯⋯⋯なんか妙に下手だな織斑教諭。昔を知ってるから余計不気味だ。
⋯⋯⋯まぁ、気にしていても仕方ないか。さて、と。
「行くぞ
言うと同時に俺の体が粒子状の光に包まれメサイアが装着される。白を基調としたボディに走る黒いライン。大型化した左腕に右腕にはガンポッド。共に戦場を渡り歩いてきた戦友が、そこにはいた。
「これがワイルダー君の専用機ですか⋯⋯」
「データ上で見ていてはいたが⋯⋯本当に
まぁ現代のISからすればコイツはかなり変わって見えるのだろう。全身装甲なんぞ第一世代ISが殆どだからな。
ちなみにパトロイド形態だ。こんなとこじゃ狭すぎてとてもファイター形態なんかになれないからな。
「さて、ワイルダー。カタパルトへ移動しろ」
「了解」
俺はアリーナへと続くカタパルトに進み、発射台に脚部をセットする。同時にブースターを起動し発信体勢にはいる。
「発進準備完了。いつでも行けます」
「チェック完了、システムオールグリーン!ワイルダー君、発進してください!」
「
背中のブースターを吹かし俺はアリーナ内へと躍り出る。⋯⋯⋯狭いな。ファイター形態の時は注意が必要か。俺はそのままの勢いでオルコットがいる所まで上がっていく。
「あら、漸く来ましたのね。待ちくたびれましたわよ?」
「悪いな。冬二は専用機の調整が終わってないんだ。代わりに俺が先に相手してやるよ」
「⋯⋯⋯貴方ですか、イチカ・ワイルダー⋯⋯」
どうやら全身装甲だったから中身が俺だと気づかなかったようだ。オルコットは苦々しげな表情でこちらに銃口を向ける。
『警告。ロックされています』
おいおい、気が早いな。まだ試合開始の合図は出てねぇぞ?
「最終通告ですわ」
「あ?」
オルコットが
「貴方が、今ここで、その機体から降りて私に誠心誠意謝罪するならば許してあげなくてもなくてよ?」
「⋯⋯⋯はっ」
飛んだ脳内御花畑だ。戦いの前にんなこと言うか普通?俺は
『嫌だねバーーーカwwwwww』
ついでにオルコットに中指を突き立ててやる。客席の女生徒達もポカンと間抜け面を晒して────訂正、本音の奴1人だけ大爆笑してやがる。俺の返答(笑)を受けたオルコットは顔を真っ赤にしている。
「なら────前言通り無様に地面に這いつくばらせて差し上げますわ!!」
ビーーッ!とブザーがなると同時に奴の銃口からレーザーが放たれる。それが、開戦の狼煙だった。
「おっと」
俺はレーザーを首を軽く捻る事で躱す。ふむ、狙いも甘いし構えもなってない。ミシェルには程遠いな。
「なっ!?くっ、これならどうですの!?」
オルコットが言うやいなやブルー・ティアーズからいくつかのパーツが分離し、浮遊する。今度はそれからレーザーが放たれた。
「っと、おいおいなんだよそりゃ?ファン○ルかよ?」
「我がイギリスが誇る第三世代兵装、BT兵器『ブルー・ティアーズ』ですわ!!」
機体名と同じかよややこしい。それにしてもBT兵器か⋯⋯⋯。こりゃゴースト並だとするとキツいぞ⋯⋯⋯。
「さぁ踊りなさい!私とティアーズが奏でる
その言葉の直後、全方位から俺をレーザーが襲った。
・冬二視点
「⋯⋯信じられない」
僕達は目の前でイチカ────兄さんが繰り広げる光景に圧倒されていた。思わず驚嘆の声を上げてしまう。それはほかの人たちも同様で、箒やさっき兄さんと話していた2人はポカンとしている。山田先生と織斑先生も驚愕しているようだ。
「す、凄いですねワイルダーくん」
「あぁ⋯⋯とても信じられん」
試合開始から約30分。兄さんはオルコットの攻撃を
しかも、目算だが
機体性能以前に、操縦者としての技量差が圧倒的すぎるために起きた光景だった。
僕はまるで踊る様にレーザーを躱す兄さんを見る。そこには、かつて落ちこぼれと蔑まれていた彼はいなかった。
「一夏⋯⋯⋯お前に何があったんだ⋯⋯⋯」
思わずと言ったふうに織斑先生────姉さんから零れ落ちた言葉は、まるで悲しんでいるかの様だったのが、心から離れない。
・セシリア視点
(どうして!?どうして当たりませんの!?)
私────セシリア・オルコットは焦っていた。父の事もあり今まで蔑んできた男にこうも、こうも────!
(一方的に遊ばれるなんて!?)
当たらない。そう、当たらないのです。彼は自身を中心とするさ半径約5m以内で、私の攻撃を躱し続けています。それこそまるで
(くぅっ⋯⋯⋯!こうなったら⋯⋯っ!?)
「もういい。わかった」
気付けば彼は右腕の大型の銃でBTを1つ撃ち抜いていました。その目にも止まらぬ早業に私は動揺してしまいました。
「な、何故!どうやってティアーズを!?」
「お前、
「っ!?」
そう、それは今の私が抱える最大の弱点。
BT兵器の並行運用が出来ないと言う部分を見抜かれた────!?
「そして
「そんな簡単に⋯⋯!?」
通常、人間は死角からの攻撃に弱い。ですが、その弱点を克服したプロクラスの人間は決して少なくないのですわ。
それはつまり、目の前の男が最低でも国家代表候補生クラスということを示していました。
「そんな⋯⋯⋯男なんかに⋯⋯男なんかに!!?」
「男だからとこっちを見下し続けたのがお前の第1の敗因。そして────」
彼が言い切る前に彼の機体に異変が起きる。その姿を一言で表すならば────
「せ、戦闘機!?」
「────俺がプロだったのが第2の敗因だ」
────消失。
「え⋯⋯⋯は?」
次の瞬間には彼の姿は私の視界から消えていました。ハイパーセンサーにも反応はありません。
「な⋯⋯に、がっ!?」
真上から飛来した弾丸に背中を撃ち抜かれる。咄嗟に目を向けるもそこには、ただ青空が広がっているだけでした。
「いったいどうなっ、て!?」
今度は左。が、何も無い。そこからは、もう思い出したくもありませんでしたわ。全方位から飛んでくる弾丸が私を撃ち抜き、気付けばティアーズも温存していたミサイルビットも破壊されていました。
「うっ⋯⋯つぅ⋯⋯⋯はぁ⋯⋯はぁ⋯⋯」
「まだやるか?」
思わず声の方向にバッと目を向ける。彼の機体は、戦闘機から脚が生えているという珍妙な姿をしておりその場でホバリングしていました。
「わた⋯⋯くしは、⋯まだ⋯⋯!」
「そうか、なら────」
再び人型になる機体。彼の機体の各部が開きそこに小型のミサイルがぎっしり詰まっているのが見える。頭部の二本の角の様な部位もこちらを向き、彼自身銃口をこちらに向けていた。
「────手向けだ。全弾持ってけ」
一斉射撃。そこからの記憶は私には残っていません。気付けば私の意識はブラックアウトしていました。
・イチカ視点
「っと、ナイスキャッチ俺」
気絶し、ボロボロのまま地面に落ちていくオルコットを抱え、相手側のピットに連れていく。急いで担架が来てオルコットは運ばれて行った。俺自身もそれを確認してからピットに戻る。
「お疲れ様」
「おう、サンキュ」
ピットに戻ると簪が労ってくれた。俺としてはまぁ楽なミッションだったよ。素人の小娘1人相手にしただけなんだから。
「んじゃ、俺は少し休ませてもら────「待ちなさい、イチカ・ワイルダー!!!」⋯⋯⋯⋯なんだよ?」
高圧的な声と共に現れた1人の女。それに着いてくる黒服連中。彼女らを見て楯無が驚きの声をあげる。
「貴女は⋯⋯なんでここに?」
「知っているのか雷電!」
「⋯⋯⋯⋯彼女はIS委員会の幹部のマリア・グレンダン委員よ。他の人たちは彼女の護衛。彼女がなぜここに⋯⋯?」
おう、スルーすんなよ。簪に笑われてんじゃねーか。
「で、そのマルタ・グレンラガンさんがなんの御用で?」
「マリア・グレンダンよ!!人の名前も覚えられないのかしら!?これだから男って⋯⋯⋯」
うわ面倒くさっ!よりにもよってガチガチの女尊男卑主義者かよ⋯⋯。
「で、なんの用?」
「貴女の機体をこっちに渡してもらうわ。ほら、さっさとよこしなさい」
⋯⋯⋯⋯⋯こいつ頭湧いとんのとちゃうか?びっくりしすぎて関西弁になっちまったじゃねーか。
「いやなんで?」
「貴女の機体、聞けばあの篠ノ之束が直接手掛けた機体らしいじゃない?そんな機体を男に使わせるなんて耐えられるわけないじゃない」
あー⋯⋯⋯要するに、だ。
あの男篠ノ之束製のISもってるらしいぜ→何!?そんな凄い機体を男なんかに使わせるなんて耐えられない!→じゃ取り上げちまえばいいんじゃね?→どうやって?→IS学園行って直接取ってこようぜ!→それだ!
て感じらしい。アホかこいつら。
「グレンダン委員。それは委員会が許可したことなのか?」
流石に見咎めたのか織斑教諭が口を挟む。が、この女は、
「あらブリュンヒルデ。もちろんですわ。神聖なISを男なんかが使っているだけでも腹立たしいのにそれが篠ノ之束製となれば尚更。今回の件は委員会の会議で満場一致で可決された事です。いくら貴女でも覆せませんわよ?」
「そうか⋯⋯⋯」
苦々しげな顔の織斑教諭。山田先生も不安そうにしている。てか満場一致て。終わってんなIS委員会。
「さて、それじゃあさっさと機体を────」
「嫌に決まってんだろ一昨日来やがれ。てか来んな」
「────なんですって?」
たりめぇだろうがクソアマが。
「コイツは俺の相棒だ。てめぇら如きにゃ上等すぎる」
「そう⋯⋯、なら力づくよ!!この男を捕らえなさい!!」
女の号令に従い、黒服共がISを展開する。
ほう、ヤル気ってワケだ。そっちがその気なら⋯⋯⋯、
「っきゃあ!?」
「こっちにもそれなりの考えがあるぜ?」
「は、離しなさい!?離して!!」
「やなこった」
ドヤ顔をしていたアホ女ことグレンダンを捕まえ、頭を軽く握る。
「さて、この状態で力を込めたらどうなるでしょう?」
「「「「「っ!?」」」」」
黒服連中の動きが一斉に止まる。そりゃそうだ。幹部が人質に取られてんだから。
「や、やめなさいよっ!?わ、私に何かしたら委員会が黙ってないわよ!?」
おーーテンプレ。まさか現実でそんなセリフ聞くとは思わなかったよ。
当然幹部を始末してしまえば厄介な事になる。が、何も策が無いわけじゃない。
「知ってるか?ここは
「そ、それが何よ!?」
おいおい気付けよ。バカか?
「ここは法律の対象外なんだよ。ハッキリいえば俺がお前をどうしようが咎めることは出来ない。さらに言えばここは外部からのあらゆる干渉を受け付けない方針なんでな。お前らを始末して死体は魚の餌、俺は悠々自適な学園生活を遅れるって寸法だ」
グレンダンは口をパクパクを動かすばかりで何も言えないようだ。ちとやり過ぎか?
「⋯⋯⋯そこまでにしておけワイルダー。グレンダン委員。そういう事ですからお引き取りを」
「へいへーい」
言われた通りグレンダンを解放する。
「くっ!?お、覚えてなさいよっ!?」
わぁお、テンプレ。狙ってんじゃねーのかお前。
「聞き流しとくよ。あ、それとアンタ」
「何よっ!?」
「いいケツしてるな。次はホテルで会おうぜ」
最後に煽っておくのも忘れない。
「〜〜〜〜〜〜〜!!!!死ねっ!!!!!」
その言葉を最後にグレンダンは黒服連中を連れてピットから出ていった。いやーそれにしても、
「面白いくらいにテンプレ通りの小物だったな」
「イチカ」
「ん?どうしたかんざ⋯⋯⋯⋯し?」
おい待て。なんで簪のハイライト消えてんだ。
「OHANASHI⋯⋯しよ?」
「アッハイ」
あ、やばいやつだこれ。
「ちょっと待ちなさい簪ちゃん」
「⋯⋯何?」
「お、おぉたてな⋯⋯⋯し」
ウッソだろお前。なんでお前もハイライト消えてんだよ。
「私もそのOHANASHIに参加させてもらうわ⋯⋯⋯良いわよね?」
「アッハイ」
当然拒否権などあるはずも無く⋯⋯。
2人に連行された俺はOHANASHI(物理)を受けるのだった⋯⋯⋯。
「⋯⋯⋯⋯試合は?」
「私今回全く話してないんだが⋯⋯」
「全くどうなってるんだアイツらは⋯⋯⋯」
「はわわ〜!ど、どうしましょう!?」
⋯⋯⋯どうしよ(作者の本音)
⋯⋯⋯どうしよ(本音)。
わかりにくかったと思うので追記。
イチカがやったのはファイター形態でセッシーの周囲を高速で飛び回ってガンポッドで撃ちまくっただけ。