バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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courage

あれから朝になって、ご飯中に『盗撮犯がいる可能性があるので注意しろ』と言われて教師側の注意は終わった。何もかもが終わった中、僕はのんびりとご飯を食べていた。

 

「おっす」

「やぁ、おはよう」

「ワシらを助けてくれてありがとうなのじゃ」

「…僕はただ出来ることをしただけで…お礼を言われるような…」

「…俺達が言いたいんだ」

「…そうかい」

 

4人でご飯を食べてる中、女子達が大勢乱入してきて大世帯になってしまう。…最近、こんな騒がしさに慣れてきた気がする。…なんというか、悪くないと思える自分がいるのだ。

 

「じゃあ今日は明久が頑張ったからトランプ大会でもやるか」

「…へ?」

 

何故そうなる!?

 

「いいよー!部屋に招待しようー!」

「…僕寝ちゃうかもしれないけどいいの?」

「寝かせるか、ずっと起きとけ」

「ダメ、8時半にはもう眠いんだから」

「でも寝てる時の明久可愛いよね」

「う、うん…」

 

何故か西園寺さんが顔を赤くしている。

 

「ん?何かあったの?」

「いやぁ?何も?」

「そ、そう!何も無いよ!」

「そ、それならいいんだ」

「じゃあ肝試しの後に明久の部屋集合な」

「了解ー」

「…わかった」

 

えぇと…雄二に秀吉に康太に霧島さんに…いつものメンバーに…うわ、かなり多いな…

 

「あ、見つけた…秀吉…何この大世帯」

 

そこに秀吉のお姉さんがやってくる。うわ、やっぱり似てるなぁ…

 

「そうだ、木下さんも部屋くる?トランプ大会するんだけど」

「トランプ大会?何やるの?」

「うーん…ババ抜きとか大富豪とか」

「へぇ、面白そうじゃない。お邪魔していいの?」

「どうせなら人多い方が良いかなって」

「じゃあお邪魔するわ…あ、唯〜トランプ大会来るー?」

 

そこに古手川さんも来る。…ダメだ、男子の数に対して女子が多過ぎる。

 

「ん?トランプ大会?」

「そう、如月さんがやるんだって」

「ふーん…」

「どうかな、古手川さん」

「…後で返事する…それじゃダメかしら?」

「いいよ、いい返事を期待してるよ」

 

そう言うと古手川さんと木下さんは向こうに行ってしまう。

 

「はて?姉上は何を伝えようとしたのじゃ?」

「まぁいいだろ。じゃあ何か賞品を作らないとな」

「…アキちゃんの寝顔写真」

「「「絶対勝つよ!」」」

 

1部から声が上がった。…なんで?

 

「…なにこれ」

「お前人気すげぇなぁ」

「…なんでか全くわからない」

「…副賞に図書カード」

「絶対2位狙ってやるからな!」

 

それを聞いて僕はガチで2位を狙う事にした。え?トップをねらえ?馬鹿な事言うな!自分の寝顔写真なんかもらってどうする!2位じゃダメなんですか!?

 

「…さて、予選は4人になるまでババ抜きで4人になったら大富豪かな」

「まぁ待て、これだけの人数…一次予選はスピードでどうだ」

「…そうするか」

 

大まかな予定も決め、さっさと部屋に戻って勉強する。

 

「ねぇ、明久」

「何ー?」

「明久って本当に根暗?」

「…どゆこと?」

「だって最初会った時は自分は根暗みたいな事言ってたけど今じゃ誰とでも仲良くしてる…」

「まぁ、僕も普通に笑いたくなったし…君のお陰だよ」

「え?私?」

「…君が励ましてくれたからさ。感謝してるよ」

「は、ははは!なんかむず痒いね」

「だろ?」

 

そのまま勉強を続けたりテストを受けたりして、やってきた肝試しの時間。この後にご飯と風呂がある予定。まずはAとFからとの事だ。

 

「ではくじを引け」

「…お、7番」

「康太7番の秀吉18番…俺が22番…さぁ明久…じゃなかった、明奈か?引けよ」

「分かってるよ…」

 

言われるがままに引いたくじは…

 

「…30番」

「まぁ、このクラスには居なさそうだな」

「うぅ〜!15番…!」

 

ララはなんとかこのクラスのメンバーとは当たらなかったようだ。…てかこのメンツ全員Aクラスとってまじ?

 

「…7番…土屋?」

「…すまないな、雄二じゃなくて」

「…構わない、個人的な話とお願いがあった」

「…聞こう」

「待て!この2人組ませちゃいけないやつだ!」

 

雄二は…姫路さんか。秀吉は古手川さん。ララは西連寺さん。さて、僕は誰だろう?

 

「明久なんばーん?」

 

そこに里紗がやって来る。

 

「30」

「お、じゃあ私とだねぇ」

 

そう言って30の札を見せつけてきた。里紗か…

 

「…里紗とだったら怖くなるなるなぁ」

「お?なんで?」

「里紗がおばけより怖いから」

「はっはっは〜面白い事言うね?後でどうなるか覚えときなよ?」

「ほら怖い」

 

そして1番からスタートしていく。どんどん僕らの番が迫ってくる。

 

30番が呼ばれ、僕らは真っ暗闇の中進み始める。

 

「…な、なんか怖いね…」

「えぇ?生きてる人間の方が怖いよ、何しでかすかわからないもん」

「…アンタ雰囲気ぶち壊すのは得意だよね」

「まぁそういう人間ですから」

「でも明久の方が怖いからいっか」

「うん?僕が怖いとか大丈夫?」

「さっきそっちは私のこと怖いとか言った癖に?」

「覚えてないなぁ」

「はぁ…」

 

呆れられた?まじ?

 

「…まぁでも、ほんと夜の山の中歩かせるとか教師達もどうかしてるよ」

「私は楽しいよ?」

「嘘つけ、絶対僕以外の人だったら引き返すだろ」

「あはは、バレてるか」

 

少し進むと、何やら光が見え始めた。だがそれは近づく度に光ではあるものの、それは不気味かつ近寄ってはいけない光だとわかってくる。

 

「あ、あれ人魂だよね…?」

「人魂も元は生きてた人間だ!怖がるな!」

「無茶言わないでよ!」

 

そこに白い服を着た顔を隠した女の人が立っていた。

 

「キャー!」

「何を怖がってるの?女の人だったら里紗の得意分野じゃないか」

「ど、どゆこと!?」

「行け里紗!胸を揉んでくるんだ!」

「ど、どういう神経してんだし!?」

「いつも周りの子の胸揉んでるだろ!それと同じようにやればいいんだよ!」

「出来るわけないから!ユーレイだから!」

「焦れったい!僕がやってやる!」

 

そう言うと幽霊に擬態した誰かがビクッとしてそこからいなくなってしまった。やがて人魂みたいなものも消え、暗くなってくる。

 

「サイテー」

「えぇ最低野郎です。女の子なら誰でも胸を揉みたがる最低野郎ですとも」

「…その割には皆にしないよね」

「ウッ…さ、先に行くよ!」

 

里紗の手を取って歩き始めた。…昔、こんな事もあった気がする。確かあれは…

 

そうだ。里紗が修学旅行中に迷ったんだっけ。

 

「…あれ、なんか明かりから離れてない?」

「…ほんとだ、道間違えたか?…いや、普通にあるはずの道標とかも無かったし…」

「う、嘘…迷ったの?」

「だ、大丈夫!今来た道を引き返せば…」

「あ、明かり2つあるんだけど…」

「…へ?」

 

本当だ。同じような大きさの光が2つ。だがそれらは反対側の位置にあった。

 

「ど、どっちだっけ…」

「う、嘘でしょ?」

「いやマジで…考え事してたんだ…」

「…とにかく今北反対の道に…」

「いや、どっちから来たか分かる…?」

 

山の中とかパニクっている時は正常な考えと方向感覚を失うというのは本当らしい。

 

「あっ…じゃあこれ…遭難?」

「そうなんです…」

「は?」

「狙ったわけじゃないよ!?…まぁ、こうなったら一か八かだ…」

「う、嘘だよね?」

「行くしかないでしょ!雄二達との約束もある!大丈夫!僕を信じるんだ!」

「…わかった、信じてみる」

 

そこから僕らは来た道と思しき方向の光を目指し歩き始めた。そこから5分だろうか。里紗と共に歩いてそこに辿り着く。

 

だがそこにあったのは旅館ではなかった。

 

「こ、小屋…?」

「良かった、泊めて貰おうよ」

「バカ言うな!こんな所で泊まったら僕ら明日骨になってるぞ!」

「それは言い過ぎだろうけど…じゃあ道くらい聞こうよ、ここら辺の事詳しそうだし」

「…それもそうか」

 

まともな思考ができないからか、僕らは戸を叩いてみた。

 

「ご、ごめんください!誰かいませんか?」

「…う、嘘?明かりついてるのに?」

「…か、鍵が空いてる」

 

固唾を飲みながらその扉をそっと開いてみる。

 

中には誰も居ない。ただ明かりがついており、テレビの画面が砂嵐で、ただ奥へと続く扉があった。

 

「…引き返そう、何か嫌な予感がする」

「そ、そうね…えっ」

「どうかした…の…」

 

振り返ると、髪が長い白い服を着た女の人が立っていた。ば、馬鹿な…さっきまで気配すら感じなかったのに?てかあれ…やばい奴じゃ…

 

「里紗…すぐ逃げるよ」

「う、うん」

「御二方、どうかなさいましたか?」

 

その女の人は顔が見えぬままこちらに問いてくる。

 

「な、何でもないんです。ごめんなさい」

「おやおや、こんな夜中に女の子二人…何も無いわけないじゃないですか」

「な、何でもない…ですよ…」

 

ダメだ、そろそろ里紗も限界だ…!

 

「す、すみません…僕らはこれで!」

「逃がしません…」

 

お、追い掛けてきた!?

 

「里紗!も、もう無理…!疲れた…!走れないよ…!明久、置いてって…!」

「馬鹿な事言うな!くそぉ!」

 

そう言って里紗を引っ張り、お姫様抱っこしながら走り続ける。

 

「きゃあ!?」

「こんな所で捕まってたまるか!いつもあんな地獄のようなランニングを乗り越えたこの健脚には付いてこれまい!」

 

いつの間にか宿の後ろまで来ていた。後ろを見れば、もう幽霊らしきものはいない。

 

「…てか本気出しすぎでしょ教師も…」

「如月に籾岡?こんなところで何をしている?」

 

鉄人が現れた。…僕は鉄人に抗議する。

 

「酷いじゃないですか!あんな小屋まで用意して!あの白い女の人も怖かったですよ!」

「…は?何を言っている?俺達はそんなの用意した覚えはないぞ」

「「…えっ?」」

「…とにかく戻れ、もうお前達で最後だからな…どこまで行っていた?」

「この反対側の所に小屋があったんです!そしたら髪の長い顔の見えない女の人に追いかけられたんですよ!」

「…だが皆すぐ帰ってきたぞ?」

「な、なんで…!?」

「まぁ、とにかく坂本達が探していたと言っておこう」

 

僕らは恐怖の中、エントランスに戻る。

 

「…あ、居たぞ」

「何してたんだよ居なくなるなんてさ」

「駆け落ちー?」

「んなわけあるか!…ねぇ雄二、1ついい?」

「なんだ?」

「…髪の長い女の人…見なかった?」

「あ?…頭でも打ったか?」

「…ねぇ、里紗…僕らの見たあれ…なんだったの?」

「…わからない…でもあれは絶対に夢じゃなかった…」

「…あなた達が見たのはきっとこの地に伝わる古い言い伝えの亡霊かと」

 

そこに現れたのはお婆さんだった。

 

「お婆さん、どういう意味です?」

「この近くではね、昔猟奇的な殺人事件があった。…小屋の中で殺された女の人は怨念を持たず、ただ静かに漂う亡霊と化して、今もあそこにいるらしいわ…貴方達はそれを見たのね」

「う、うぅ…」

「な、なんでこんな目に…」

「…でも、許してあげて。彼女は一人ぼっちだったから」

「…そう、なんですか」

 

里紗がそう言うとお婆さんは言ってしまう。

 

「…明日、帰る前に僕らが見た所に案内するよ」

「頼む…だがその前に俺らにはまだイベントが残ってるぜ!」

「あ、そっか!よぉし!気を取り直してトランプ大会だー!」

「「「「おぉー!」」」」

 

こうして僕らは先程のことを強制的に頭から抜き、部屋に向かった。




次回トランプ大会など閑話を書いて合宿編は終了。夏休み編書いていきたいと思います(その前にいくつか書きますが)
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