「トランプ大会だー!」
「「「「Yeahhhhhhh!」」」」
あの後、僕らはアイスを各自買ってから僕の部屋に集まっていた。
「明久!ルール説明をしろ!」
「OK雄二!まずは皆くじを引いてもらいます!くじで同じ番号の人はまずはスピードで競ってもらいます!次に勝った人達でババ抜きをして貰います!その上位4人が大富豪で勝利を決めます!敗者の方もご安心を!ビリ決定戦を行うので帰らないで待ってくれたらなと思います!」
「え?明久って…嘘!?あなた吉井君!?」
「あ、やべ」
「雄二ぃぃぃぃぃ!何やってんだァァァァァァ!!」
バレた。素で受け答えしちまったよコンチクショウ!
でも知らなかった組はまじまじと僕を見ている。
「で、でも凄いわね…女装じゃないの?」
「うん、本当に女の子…まぁ、その話は後でするから…アイスは冷蔵庫の中入れといて!さて!始めるとしようか!」
「ほれ、作っておいたぞい」
参加者は僕、雄二、秀吉、康太、ララ、西連寺さん、姫路さん、里紗、霧島さん、ルンさん、木下さん、古手川さんの12人。
くじを引いていくと、6組のペアが出来る。僕と霧島さん、雄二と古手川さん、秀吉とルンさん、康太とララ、西連寺さんと木下さん、姫路さんと里紗だ。
「さて、まずはスピードだね」
「吉井、悪いけど負けてもらう」
「悪いけどそれは僕も同じだからね…」
「じゃあ準備はいいか?」
皆が親指を立てる。それを見た雄二は声を張った。
「初め!」
スピードが開始される。1番驚いたのは霧島さんの速さが僕の3倍位あるということ。結果、負けました。
「な、なんでそんな早いのさ…」
「…女子は皆早い」
「ん?」
見ると男子は全滅していた。勝ったのは霧島さん、古手川さん、ルンさん、ララ、木下さんに里紗だ。
「じゃあババ抜きを始めよう。勝った組と負けた組に分かれてやるよ」
「ビリ決定戦と王者決定戦だな」
「まぁこのババ抜きでは2人脱落する予定だから…取り敢えず勝った組始めようか」
シャッフルしてカードを配る。そして配り終えると、6人はカードを捨て始めたが、ここで問題が起きる。
「あれ、あと1枚じゃん」
里紗の手札があと1枚しかないのだ。
「はぁぁ!?明久!ちゃんとシャッフルしたんだろうな!?」
「したよ!皆にもさせたろ!」
「…なんという豪運」
「籾岡の運も結構なものじゃな」
「悪いけど大富豪への片道切符は先に貰うとするね」
順番は時計回りで、尚且つ里紗はカードを取られる側だ。
「…里紗、イカサマはいけない」
「イカサマじゃないよ翔子、イカサマのしようがないし」
こうして上がった里紗はアイスを食べながら他の5人の勝負を眺めている。今多いのが霧島さんで10枚程度はありそうだ。次いでルンさんが8枚。逆にララがあと3枚。木下さんや古手川さんは5枚や6枚と言ったところ。
「さて、解説の里紗さん、この勝負はどう見ますか」
「そうですねぇ。翔子とルンちゃんが手札が多い分、捨てる確率が高く、逆に少ないララちぃがなんとか手札にあるカードを選べるかが勝負ですね。唯と優子も全然チャンスなので見どころが多い試合となりそうですね」
「解説どうもありがとうございます…何揉んでるんですか」
「えぇー?いいじゃない、バストアップのご利益あるから仕方ないね。私ワンランクアップしたし」
「要らない情報ありがとう」
「ふーん?そんな態度取っていいんだ?勝ったら明久のおっぱいを賞品にしてもいいんだぜ〜?」
「欲しい人居ないだろ」
「多分ここに居る人みんな欲しいんじゃないかな?」
なんて事を言うんだこの娘は。
「あ、ララが上がった」
「次の大富豪に行けただけでも良しとするよー!」
「さて、残ったのは古手川さんにルンさんに霧島さんに木下さんだね」
「姉上、もう勝ち目は無いのじゃ…降参した方が…」
「黙ってなさい秀吉!ここから逆転するんだから!」
「唯も諦めたら?」
「まだ諦めない!」
「翔子、諦めろ〜」
「…雄二、私の勝負強さを教えてあげる」
そして勝ち残ったのは…
「わーい!アキ君勝ったよー!」
「コラー!ルンちゃん抱きつくのはダメだよ!」
「…雄二、私は負けない」
「う、嘘だ…何故勝った…!?」
「くぅー!悔しい…!」
「あ、あと少しだったのに…!」
これで勝ったのは霧島さん、ルンさんにララだ。じゃあ次は…
「ビリ決定戦でもやるかー」
「お、面白そう」
「じゃあ最初に負けた姫路、西連寺に明久に俺らだな」
負け組である僕らも輪になって待機。
「ふふふ、ビリになったらどうするの?」
「そうだなぁ…男子4人は何でも言う事聞くのはどう?」
「…姫路さん、西連寺さん…ごめんね、負けてもらうよ」
「あぁ、何か嫌な予感がするからな」
「…寒気がするのじゃ」
「…必ず勝つ」
「私達もそれは同じです!」
そして始まったシャッフル。公平に勝った組の人達が数回に分けてそれぞれシャッフルしていく。
「明久、震えてるが大丈夫か?」
「な、何さ!何でも言う事を聞くのが…ん?」
手札を見てみる。すると、残り4枚。これはなかなかの滑り出し。
「よぉし!皆になんか負けないんだから!」
―5分後―
「あわわわわ…」
「なんだよさっきのアレ」
「もう負けそうじゃないか…」
「明久弱いのう…」
「…これには私もビックリだよ」
「流石にそこまで弱いとは情けないなぁ」
「ぅぅぅっ…!」
手札の数は7。残ってるのは僕と秀吉、康太だけだ。姫路さんが1位、雄二が2位、西連寺さんが3位。ここは何としても勝っておきたい…!
(どうする…?秀吉が4枚、康太が3枚…そして僕の手元にはジョーカーはない…これならまだ勝機はあるが…)
カードを引いて同じのであったため捨てていく。幸い秀吉と康太のお互いの間では欲しいカードは引けてないらしい。ならそこが勝負だ!
「くっ、また合わぬ…」
「…まだ油断はできない…」
秀吉と康太のカードの枚数を下回った。これで後は同じカードを引ければ勝ちだ。
「頼む…!それでも…!僕は…!」
秀吉のカードを掴んで取る。
「罰ゲームは嫌だぁぁぁぁッ!」
結果は…通った!
「僕の勝ちだな」
「あ、明久に負けるじゃと…!?」
「…生涯で屈辱の極み」
「HAHAHA!まだまだ小童だねぇ!」
結局この試合、4位が僕、5位が康太。6位が秀吉と言うあれな結果になっている。
因みに秀吉は何でも言う事を聞くとの事で鉄人の真似をしながら周りにちょっかいを出すと言う何ともまぁ陰湿かつバレたら相当やばい事を命じた。
「じゃあ、決勝戦だね!」
「ここまで勝ち抜いた女子達よ…存分にその実力を奮うがいい!」
「勝ち残ったのは霧島さん!ルンさん!ララに里紗だよ!」
「じゃあシャッフルしていくからね」
雄二と僕でシャッフルして皆に配る。
「…吉井、かなりすごい下着つけてる」
「ほ、本当だー!アキ君こんなの付けるの!?」
「…!(パシャパシャ)」
すごい勢いでシャッターを切る音が聞こえるんだけど…
「あぁ、姉さんが着て入らなかったのを着ろってさ」
「…お前は姉貴の下着をつける変態だったか」
「違う!じゃあいつも通り男物の下着でいいのかい!?」
「男物の下着つける女子も珍しいな」
「あーもう!その話は良いよ!取り敢えず始めよう!えぇと、ルールは八切りにイレブンバックに5飛び9リバーススペ3はありで他は無し!後は縛りもなし!ややこしくなるからね。では準備はいいかな?」
「いつでも!」
「いーよー!」
「…どうぞ」
「うん!やれるよ!」
「では順番を決めて!」
ジャンケンを行わせて順番を決める。決まった順番はルンさんから時計回りだ。因みに順番はルンさん→里紗→霧島さん→ララだ。
「じゃあ行くよ」
最初はハートの3。そこから皆堅実に出していき、大きな数を出していく。
変化があったのは3巡目だ。
「お?里紗が何やら悩んでるよ?」
「…決めた!勝負に出るよ!」
里紗が出したのはキング3枚。これはデカイな…
「そ、そんなの持ってないよー!」
「里紗手札運強くない?」
「へっへへ〜そうでしょ?」
「…だがそれだけでは覆らない」
そう言って霧島さんがなんとエースを3枚出した。
「翔子の野郎も手札が強いのか…?なかなか果敢に攻め…いや、違うな…今ので翔子は自分の流れに持っていこうとしているな」
「なるほどねぇ…木下さん」
「名前でいいわよ、秀吉もいるし」
「じゃあ、優子さん。霧島さんって優子さんから見たらどんな人?」
「うーん…冷静沈着…だと思うけど…なんか今回は焦って見えるわ」
「古手川さんから見たら?」
「私もそう思うわ…何かを恐れてる…そんな感じがする」
なるほど。霧島さんは博打に出たのか。つまりこの霧島さんにとっての博打は…
「「「ない」」」
通ったか?次に霧島さんが出したのは11。わかった!
「霧島さんは多分…」
「あぁ、奴は多分後は手札に小さい数しかない」
「翔子ちゃんはじゃあ流れを自分に持ち込んで小さな数を消費しようと…?」
「ううん、多分あれは他の人の11待ちでもあるよ」
そして皆手札が5枚程度になってきた。1位はやっぱり超人的な強さを持つ里紗か。
「里紗強いなー」
「なんなんだあの豪運は」
「中学の時からの天賦の才だと思うよ…あの運はマジで欲しいって思ったし」
「だからと言って手札4枚だぜ?」
「…きっと、あの中に入ってるのはほぼ強い手だ。里紗はそういうやつだからね」
そう思っていた時だった。
「はい、八切りね」
カードを出して、2を出す。
「ジョーカーはさっきララちぃと翔子が使ったよね。はい、私の勝ち〜」
そう言って最後にクイーンを出して里紗の勝ち。つ、強い…!
「はい、じゃあ明久は借りていくね」
「な、何〜!?」
「あぁ、商品はそれでいいなら」
「それ言うなし!」
そして里紗に手を引かれて僕は歩き始めた。外へと出て、山を少しずつ下っていく。
「実は来る時にいい所見つけたんだ」
「いい所?」
手を引っ張られ山を下ること5分。とある広い場所に出た。
「ほら、星が綺麗に見えるでしょ?」
「本当だ、綺麗だねぇ」
「明久と見たかったんだ〜」
「…友達と見てきなさいよ…」
「嫌だよ、私明久一筋だもん」
「はぁ…」
溜息をつきながら空を見上げる。そうすると里紗から口を開いた。
「…ねぇ、明久」
「ん?何?」
次の瞬間、里紗の顔が近付いてきた。そして口の当たりになにか柔らかいものが触れる。
「ふふ、ファーストキスあげちゃったねぇ」
「えっ、えぇっ…!?」
「なんでアンタがそんな女の子みたいな反応してんの…」
「…僕も初めてだったから」
「えっ…その、ごめんね?私なんかで」
「…嫌じゃなかった」
「っ…アンタもなかなかズルいよね」
「知るか…じゃあ教えてよ、何で僕の事を好きになったのか…」
「前話さなかったっけ?」
「覚えてないわ」
「…アンタがあの時手を差し伸べてくれたのが始まりで、アンタと一緒に居ると楽しいし、もっと一緒に居たいっていつの間にか思うようになってたんだ」
…里紗の真面目な顔。彼女の顔を見る度に心が締め付けられる様な気がした。
「…アンタが私の灰色の世界を変えたんだから、責任取って?」
「そんな無茶苦茶な。…ほっとけないだろ。そんな人を…それがたまたま里紗なだけ」
「わかってる。私も最初は好きでもなんでもないただのクラスメイトだったし。…私がこんなに明るくなれたのもアンタのお陰。…だから私はアンタが好き。アンタが無茶したら心配するよ」
「…そうかい」
「嫌なら嫌って言ってくれないと辛いんだけど?」
「嫌ってわけじゃないよ。…皆が僕の事を好きなんて言わなければこんな悩む必要も無いんだ」
「人のせいにするなー?」
「五月蝿いよ」
結局星を見てすぐに帰ってきた。順位もララ、霧島さん、ルンさんだったらしく、皆帰って寝る事にしたらしい。
「じゃあお休み、明久」
「うん、お休み」
部屋に戻ると、綺麗になった部屋にララが待っていた。
「お帰りー」
「ただいま」
「明久、私2位だったんだよ〜」
「良くやったね、えらいえらい」
「えへへ、商品は無かったけどね…」
「楽しかった?」
「うん!今までの暮らしだったらこんな事出来なかったよ!」
「…そっか。…明日も早いし寝ようか」
「うん!おやすみ!」
「お休み」
こうして僕らのトランプ大会は幕を閉じたのであった―――
如何でしたか?
次回帰ります