「おら、勝負するぞ翔子」
「…いきなり来てそれ?」
「あぁ、てか話しといたよな」
「…それは、そうだけど」
昨日の今日で昼休みに宣戦布告に来た僕ら。正直迷惑だって事はよく分かる。なのに雄二のバカがそんなのお構い無しに突撃しやがった。全く、これでAの僕らに対する印象が最悪になってしまった。霧島さんに至ってはもはや呆れてるじゃないか。
そ、そんな目で見ないで!助けて!僕はまともです!止めようとしたんです!
「で?アンタは良いわけ?」
「ん?」
里紗に声をかけられる。何が?
「アンタはまた戦う…それで良いの?」
「そりゃ、ねぇ?」
「ふーん…じゃ今度は私も相手になろうかな」
「は?」
「だってアンタ止められるの私くらいしか居ないでしょ」
「あ?なんと言った今」
雄二も疑ってるらしい。
「だって私だけだよ?唯一明久の点数を減らしたことあるの」
「…まじ?」
「うん、減らされたよ?勝ったけど」
「…こいつに攻撃を当てる奴がいたとはな…」
「明久の考えはわかるからね〜」
「お前も堕ちたな」
「五月蝿いなぁ」
里紗は本当に強い。勉強面でも見た目の割には頑張ってるし。
「…何か考えなかった?」
「い、いや?」
なんでどいつもこいつも読心術を得てるんだか。世知辛い世の中だ。
「とにかく、放課後に戦闘を行う。お前も皆に伝えといてくれよ」
「…分かった…でも勝ったら、なんでも言うことを1つ聞く」
「良いだろう」
…霧島さんの願いなんて1つだろう。僕らには無害なはずだ。
「さて、帰るぞ」
それから教室に戻り、授業を受ける。テストも受けたが、特に問題は無い。いつも通りに戦える。
そしてやってきた放課後。Fクラスの皆が集合を果たしていた。
「…よし、今回は少し特殊だ。まずは相手を屋上まで追い詰めるぞ」
「どうやってさ?」
「逃げ回れ」
「は?」
何を言い出すんだこいつは?
「言っただろ?頭だけが全てじゃねぇんだよ。…良いから逃げ回れ。走り回るのはお前らの十八番だろ?」
「それは良いんだが…意図を教えてくれよ」
「あぁ、それはな…」
一部始終を聞いた後、納得してしまった。凄い、理に適っている。その上で全員活躍出来る場がある。
「坂本も考えてるんだなぁ」
「お前に賭けるよ!」
「俺もお前達の力を借りる為お前らの命をくれ。…勝つぞ!」
「「「「応ッ!!」」」」
凄い気迫だ。前までの気だるそうな雰囲気はどこにも無い。
「明久、お前は屋上へ行け」
「どうして?」
「さっきの話聞いてなかったのか?」
「…聞いてたけど…雄二は?」
「俺か?俺はお前と共に行っていつものところで寝転がるが?」
「…雄二がそれでいいなら、僕はやるよ」
「あ、あぁ。そうか」
「…先に行って待ってる」
歩き出して屋上まで向かう途中。
「あら、こんな所で奇遇ね」
「御門先生…」
「君が屋上へ行く理由は大方予想出来るけど…良いの?苦しむのは君だけど」
「…」
「まぁ、来れば薬は用意してあげるわ」
「ありがとう…ございます」
「でも、自分の身体を使うのも程々にね」
そう言って階段を下って行く先生を見送ったあとに屋上に着いた。下を見下ろすと、下校中の生徒達が見える。皆楽しそうだったり憂鬱そうな顔だったり。
「…こんな事終わらせて、さっさと帰ろう」
ただ静かに呟く。さっさと終わらせて、僕は気堕落で怠惰な生活ができる休みを満喫するんだ。
――――――
「…今回は吉井…如月を徹底マークする」
「1人徹底マークでいいの?」
「…その気になればAクラス全員を倒すこともできる要注意人物…だから如月を見つけたら極力戦わずに。戦力削られて終わってしまう」
「如月さんってさっき来ていた同い年とは思えない女の人?」
「うん。…吉井と同じくらい実力がある」
「…そうか、リベンジしたいけど…取り敢えず彼女をなんとかする必要があるのか」
「最終兵器に里紗…如月の足止めを」
「わかった、何とかしてみるよ」
「翔子ちゃん、私達は?」
「愛子と一緒に迎撃。…とにかく来た敵を倒すだけでいい」
翔子の指示によりAクラスも作戦を開始し始める。教室を出てみると、学園全体にフィールドが貼られていた。
「これは…?あっ、居た」
「やべっ!逃げるぞ!」
「待てー!」
横溝と須川が逃げ出す。それを複数名で追うが、雄二の読み通りという事なのか、追い付けていなかった。
「坂本も読み合いは強いな!」
「おら!おめーら勉強だけかよ!悔しかったら追いついてみろ!」
「くそー!お前らはあっちから!俺らはこっちから行く!」
「わかった!」
「ま、待って…!」
翔子の静止も諸共せず追いかけに行ってしまった。そこに秀吉も現れる。
「お、姉上や霧島。奇遇じゃのう」
「秀吉!」
「ま、ここは分が悪いので逃げるのじゃ。…じゃあの姉上。姉上に追いつけるかのう?」
「ふん、そんな安い挑発に乗らないっての」
「ほほう?じゃあ姉上がいつも家で読んでるこの本はどうしようかのう?」
「!?…秀吉、それを渡しなさい」
「断るのじゃ。音読されたくなかったら捕まえるんじゃな」
そう言って秀吉は逃げ出す。優子もこれには堪らず走り出した。
「霧島さん!悪いけど少し人数貰うわ!数人ついてきなさい!」
「あぁ!木下弟がいるということはそれなりに人数もいるはずだ!戦力を削る!」
走って行った姿を見た翔子は腕を組む。
「…やられた」
「どゆこと?」
「…雄二は私達が運動面に長けていないという所を突いてきた…そしてそれなりの条件を揃えた上で私達の全力もジワジワと削るつもり」
「…わかった、取り敢えず坂本を探すよ」
「…いや、下手に動けばそれこそ雄二の思う壷」
そこに校内放送が。
『あー、あー…試召戦争に参加しているAクラス諸君に告げる』
「雄二…?」
『降伏しろ。無用な戦死者は出したくないんでな』
「…放送室?」
「いいや、良く聞いて…機械音が混じってる…つまり電話か何かを通して誰かが放送室で流してるの」
「…この事実に何人気付けるか…」
「…あ」
「?どうしたの春菜?」
「…あきひ…明奈ちゃんがどこに居るかわかった」
「…春菜も?」
「うん、行きそうな所を推測してみたんだけど…あそこしかないなって」
「じゃあせーので言ってみようか。せーのっ」
「「屋上」」
2人の声が重なる。
「屋上?どうして?」
「女の勘ってやつ!でも当たると思うよ?」
「翔子ちゃん、どうしますか?坂本君は吉井君といると思われますけど」
「…今ある可能性としてはまさにそうだけど…行ってみないと始まらない…行ってみる」
「良し、行こう!」
階段を6人で駆け上がる。体力もそこそこある6人。だがそれなりに階段も多い為呼吸を整えてから扉に手をかける。
屋上は強い陽射しが床を照りつけている。6人の眼差しの先には一人の少女。髪が靡いており、下の様子を伺っていた。そしてその少女は翔子達の方に振り向かずに口を開く。
「良く来たね、えーと…その感じだと6人かな」
「…どうしてわかったの?」
「さぁね。ただの勘さ。…で?君達は何をしにここに来たの?」
「…如月…いや、吉井。あなたを倒しに来た」
「…君達が…僕を…ねぇ…でもいいのかな?僕を倒したところで終わるわけじゃない。…それに、雄二の読みは正しかったようだ」
「はっ!俺もまだ捨てたもんじゃねぇな!」
「…え?ま、まさか…!」
声が後ろから聞こえた翔子が後ろを振り向くと、雄二が扉の向こう側へ向かって行ってしまうのを見た。ガチャリという音が響く。鍵を閉められ、完全に閉鎖されてしまった。
「…やられた…誘われてた…」
「さて。僕は戦いたくないんだ。…降伏してくれないかな」
「アンタも笑わせてくれるわよね、この人数…幾らアンタでも無理でしょ?」
「…吉井君…苦しむのは吉井君なんです…やめてください」
「…そうか、あくまでも戦うつもりで来たんだね」
「君が女の子になっているのは今は聞かないでおくが…吉井君、君はまたあんな風になってしまう。それは君だって危険なんじゃないのかい?」
「だから何?別にね、僕は構わないんだ。…君達を倒せればそれで」
「…ふざけてるんだったら、本気で私はアンタを倒しにかかるよ」
「ふざけてないさ。…皆は知らないんだよ。…努力をしても何も報われない。だから君達も諦めなよ。僕もそうしたんだし。…君達はどう足掻いても僕には勝てない」
「…そんなの、やってみないと分からない」
「…そうか。あくまでも足掻く事を選ぶんだね…やっぱり分からないな。…勝てないという相手に向かっていく人の気持ちが…」
明久はただ静かに翔子達に振り向く。その目は赤く光っていた。
「えっ…」
「もう逃げられない。…君達はやられるんだ。…此処で、僕みたいな…ゴミや、クズや、劣等しかいないFクラスにね」
「…来る…!サモン…!」
「サモン!」
「「「「サモン!」」」」
総合
Aクラス
霧島翔子=6085点
姫路瑞希=5847点
籾岡里紗=5868点
西連寺春菜=5838点
久保利光=5041点
工藤愛子=4952点
「…さすがにこの点数6人相手は吉井でも無理なはず」
「…ねぇ、一つだけ聞かせて欲しいんだ。戦う前に」
「?…何?」
「…どうしようもないクズでも、変われると思う?」
「えっ?」
「皆が皆…善人になろうと思えばなれる?」
「それは…」
「…やっぱり、答えられないか。いいや、変われるわけがない…そう思っていながらも答えるのを控えているのか…まぁいい。サモン」
Fクラス
如月明奈=7786点
「…嘘…」
「た、高すぎる…!?」
「…誰かを傷付けるのも、戦うのももう辞めにしたかったんだ。…でも、無理だって気づいた時にはもう遅かった…だって…」
赤い光を目から靡かせながら明久の召喚獣は敵の召喚獣を見据える。
「…君達がどうしても戦いたいんだろ?」
次の瞬間、愛子の召喚獣の後ろに回り込み、身体の3倍の大きさもあるバスターソードを召喚獣に突き刺していた。無論、点数はごっそり持っていかれ、既に3桁を切っていた。
「は、早い…!?」
「そろそろ向こうもお出ましのようだ」
数秒後に、屋上の扉が開かれ、AクラスとFクラスの戦闘が繰り広げられる。逃げてきたFクラスと消耗したAクラスの戦闘は、ごちゃ混ぜになり戦況を混乱させる。
「…不味い…雄二は…!?」
「おーい!翔子!」
高台から声が掛かり、そちらを翔子が振り向くと仁王立ちで下を見下ろしている雄二が居た。
「お前も明久の力はわかったろ!降参するなら今だぞ!」
「…降参はしない。皆戦ってる…今ここで辞めたらそれも無駄になる」
「殊勝な心がけだな…明久ぁ!」
「…そういう訳だから…まぁ使えるかな」
愛子の召喚獣をバスターソードから引き抜くと、点数が2桁になり、まともに動けない。その首根っこを掴み、そのまま突撃する。
「さぁ、かかって来なよ。仲間を倒す覚悟があるならね」
「代表!倒して!お願い!」
「わかった…!」
「なんだ、案外諦めるの早いね…じゃあ返すよ」
召喚獣を投げつけ、バスターソードを振り下ろすが、2本のレイピアに阻まれる。
「…明久、アンタの言う事は正しいよ。…でもただ正しいだけの正論に負けるわけにはいかない!」
「威勢はいいけど…僕は結果なんだ。…どうしようもないんだよ」
「アンタがどんなに苦しんでたかも私にはわかってるつもりだった。…だけど!それでも私は!」
「…里紗が囮に西連寺さんと姫路さんの死角からの攻撃…そんなとこだろ?」
「くっ!」
だがもう瑞希や春菜の召喚獣と明久の召喚獣の距離は目と鼻の先。2人で剣を振り翳した。だがその剣は空を薙ぎ、手から振り下ろされた鎖に捕らえられ、明久が真正面に持ってくるように振ることにより、召喚獣同士をぶつけ、行動を制御する。
「今なら丸腰だ!狙う!」
久保が鎌を構え突撃する。だが…
「…それがどうした」
なんと鎌を握って止めていたのだ。流石の翔子を含めた全員、驚くしかなかった。
「と、止めた…!?じゃなくて!フィードバックは!?」
「この期に及んで僕の心配をするとはね…優しいのは嬉しいけど、言っただろ?勝てれば僕の身体なんてどうだっていいって」
そういう明久の手は傷付いていた。フィードバックによるものである。
「狂ってる…!」
「だから前にも言ったでしょ?君達じゃ足らないんだ。…絶望した回数も、誰よりも戦い抜いてみせるっていう思いも」
そのまま地面に殴りつけ、這いずり回した後に蹴り飛ばし、バスターソードを突き刺した。未だに消耗していないのは翔子と里紗のみ。
「代表!援護します!」
「させるかよ!明久!使え!アウェイクン!」
雄二の黒金の腕輪の援護により、完全に明久達と援軍が遮断される。
「なっ!?なんて事を!」
「よそ見とは…感心しないね」
春菜と瑞希の召喚獣もすぐに体力がなくなってしまう。だがここでフィールドに乱れが起きる。
「な、何…!?」
それを見た明久はインカムで通信を入れた。
「雄二、フィールドに乱れが」
『悪い、腕輪の調子がおかしいんだ』
「は?…待て、雄二…今回のテスト…何点?」
『あ?総合で6000行くか行かないかだが』
「バカヤロー!それバカにしか使えないやつじゃんか!雄二が勉強したから壊れたんだ!」
『んな事言われても知らねぇよ!クソ!不味い!鐘が落ちる!』
「クソ!皆!避難して!早くッ!」
「そんな事言ってももう遅い!」
事情を知らない久保がまだ攻撃を仕掛ける。
「くっ!こんな事してる場合じゃないのに!」
その瞬間だった。鐘が落ちてきて、床に亀裂が走る。その亀裂は大きくなり、穴となった。翔子を含めたメンバーは無事だったが、里紗と明久が落ちそうになっている。
「う、嘘…!?」
「里紗…!大丈夫…?」
「な、何してんの!早く手を離しなよ!」
「…出来ないよ…そんな事、僕には出来ない…だから、ごめんね」
明久はポケットの中に入れて置いた真・ぴょんぴょんワープくんを使う。
「な、何を!?」
「…君だけでも、なんとか無事で…」
目の前から里紗が消えるのを確認した明久は落ちて行く。
「…あ、やべ…ちゃんと、朝ご飯…食べれば良かったなぁ…」
明久の身体は瓦礫に呑まれてしまう。
――――――
鐘が誰もいない校庭に落ちたのを雄二達は呆然と見ていた。
「お、おい…嘘だろ…?」
「雄二!」
「翔子!無事か!」
「雄二!明久は!?」
「いや、まだわからんが…ん?」
いきなり目の前に里紗が現れた。手に持っているのを見て、ララは気付いた。
「あ!真・ぴょんぴょんワープくん!」
「ワープ出来るのか!?…おい!明久は!?」
「…まだ、向こう側」
「はぁ!?助けねぇと!」
『ガキ共、聞こえるかい?』
いきなり放送が聞こえてきた。学園長ことババァ長である。
「ババァ長!?」
『クソジャリの捜索はアタシらでするさね。お前達は決着をつけな』
「な、何を馬鹿な!」
『元はと言えばアンタが鐘を利用したのが悪いんだろう?』
「そっちの調整不足でもあるじゃねぇか!」
『それも加味してさね。…とにかく決着を付けな…いや、付けないと吉井が危ないさね』
「ど、どういう意味だよ?」
放送が切れた瞬間、フィールドが貼り直される。
「…決着を付けないと明久が危ない…?」
「とにかく、言われた通りにしないと」
「あ、あぁ…そうだな…」
召喚獣を出して、全員でまた戦闘を開始し始めるのであった。
――――――
────暗い。
────僕、死んだのかな。
────でも、里紗1人助けられたなら良かったかもしれない。
────元々僕は消えたかったんだし。
────いや、でも違う。僕はこの場所を知っている。
────僕が居るべき場所。僕のような人間が来る闇の中。
────僕はどうしてまだ生きているのか。
────誰かから愛されるためでもなく、誰かから望まれるわけでもない。僕はただ…
『お前、なんで生きてるの?』
『顔も見るのも嫌だから二度と来るなよ』
『お前みたいな根暗は嫌いだ』
違う。僕は…ただ皆の役に立ちたくて…
『こっち寄るな、障害』
違う。僕は…ただ…
『こいつは居ない感じでいいだろ?だってキモイからな!』
…あぁ、そうか。皆…僕の事…嫌いなんだ。…だから…
そうだ。もう自分の命を大切になんか思ってない。そして、もう何人も傷つけた。…だからこれから何人傷つけようが関係ない。何人傷つこうが僕に付けられた傷に比べたら軽いものだ。…あぁ、どんどん自分が離れていく。
そうだ、僕なんかいなくなればいい。…ずっとそう思っていたじゃないか。皆の為に良かれと思って善をなそうとして嫌われるなら。
そうだ。戦い抜いて、誰よりも他人に傷を負わせてやればいい。そうすれば、戦って、勝つ事で存在意義が証明される僕を見てもらえる。
初めて傷を負わせたその日から、もう分かっていたんだ。
自分は、人を傷つける事しか出来ないどうしようもないクズなのだと────
だから、もう何人傷付けても…別に心に響くことはないのだと────
――――――
突如、床が揺れる。圧倒的な『敵意』が崖となった部分から湧き上がる。
「な、なんだ…?」
突如、バスターソードが天に投げられる。下からは、ドス黒い炎を纏った何かがバスターソードを掴み、雄二達を見つめていた。
「な、なんだよ…あれ…」
「あの剣…まさか…吉井…?」
「う、嘘でしょ!?あれが明久!?」
そこにまたもや放送が入る。
『クソジャリ共!聞こえるね!今すぐそいつを止めな!』
「な、どういう事だよ!」
『そいつは吉井の負の感情が爆発した召喚獣さね!全てのリミッターが強制的に外されている…!傷は負ってしまうが止めないと吉井の命に関わるさね!こちらはなんとかフィードバックの調整を行う!こうなってしまった以上!お前達はあの化け物を止めるさね!』
放送が消えた後、炎の塊は中から召喚獣が出てくる。目はただ赤く、肌の色も黒くなっている。所々には傷も見える。
「…あれが明久だってのか…!?」
「…話はあと!取り敢えず明久を止めなきゃ…!」
暴走した明久の召喚獣は、殺意の衝動を纏わせながらただ獣のように突っ込んでいく────