バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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Ignition

 

学園祭1日目。学校に来てから僕らはもう既に忙しかった。

 

「お前ら!裏方作業は任せたぞ!」

『任せろや!お前らもしっかり接客しろよ!』

「誰に物言ってるんだ!」

「そうじゃ!ワシらが1位取った暁には全員土下座じゃぞ!」

 

そしてチャイムが鳴り響いた。学園祭である、『清涼祭』の幕開け。

 

「明久!康太!キッチンへ行け!」

「あぁ!」

「心得た」

「秀吉!ララ!接客は任せる!」

「任された!」

「あいあいさー!」

「お前ら、手を止めるなよ…!俺達の行動に全てがかかってるんだ!」

『『『『『『『おう!』』』』』』』

「客に失礼のないようにな!だが!クレーマーは殺せ!灰燼と化すまで消せ!いいな!」

『『『『『『『了解!』』』』』』』

 

…そこは了解していいの??

 

「では行け!」

 

雄二の一言で皆持ち場につく。

 

「ところで明久。頭どうしたんだ?」

「あぁ、ちょっとね」

「また打ったんかの?もう辞めて欲しいのじゃ」

「…これ以上明久がアホになったら迷惑するのは俺ら」

「ふざけるな!僕はアホじゃない!」

「無駄口を叩くな。来るぞ!」

 

お客さんがやってきた。…来るのは生徒にOLさんとかかな?1番僕が近かったので接客をしてから調理に行くことに。

 

「いらっしゃいませ、お好きな席へどうぞ」

「は、はい!」

 

女の人が僕の事を顔真っ赤にして見る。なんだろう。そんなに怒ってるのかな?僕の接客に不満があるとか…?

 

「お客様、こちらメニューとなります。ご注文がお決まり次第お呼びください」

「あ、あの!おすすめってなんですか!」

「ほえ?」

 

お、おすすめだと!?き、決めてなかった…!不覚…!

 

「えぇと、小籠包でしゅ!あっ…」

「じゃ、じゃあその小籠包で…」

 

ああああああああぁぁぁ!?やっちまったああああああ!?

 

「ひゃ、ひゃい…小籠包…でしゅね…そ、そちらのお方は…」

「わ、私もそれで…」

「か、かしこまりました…!」

 

走って厨房に逃げ込む。ダメ。接客怖いよぉ。女の人2人絶対怒ってたよぉ…!

 

 

――――――

 

あれからアキちゃんが接客した客は、顔を真っ赤にして話し合っていた。

 

「見た!?あの子すっごい可愛かった!」

「お人形さんみたいだったね!凛々しい感じしたけどさっきの噛んだ後から物凄いって!」

「同僚の子に送ったわ!あの子接客初めてなのかしら?泣きそうになってて可愛いのなんのって…」

「お待たせしました!小籠包でございます」

 

秀吉が置いた小籠包。それにミルクティーを添えた。

 

「申し訳ございません。先程注文を承った者が粗相をしたようで…こちらはサービスとなります。申し訳ございません」

「い、いえ!全く無問題です!」

「私達的にはありだと思います!はい!」

「そう言っていただけると励みになります。もし宜しければこちらのアンケートにもご協力頂けると助かります」

 

秀吉がアンケート用紙とペンを渡す。

 

「それでは長くなりましたがごゆっくりどうぞ」

「ここって可愛い女の子ばかりなのねー」

「えーとなになにー?2年F組中華喫茶ヨーロピアンについてご感想をお聞かせ下さい…だって」

「店員さんが可愛かったとか?」

「バカ!そんなに直球なのは私達が危ないでしょ!」

「とにかく味見を…っ!?美味しい!何これ!?」

「えぇ?…うわっ!美味!?何この本格的な小籠包!?」

 

お姉さん二人は早速ペンを持ち紙に書く。

 

「美味しかったね」

「友達に知らせなきゃ」

「ありがとうございました〜」

 

お姉さんが去った後、明久は項垂れる。

 

「噛んじゃったぁ…」

「接客不得意じゃな?」

「人前でこういうことするの初めてなんだよぉ」

「しょうがない、お主は戻っておれ」

「ありがとう、秀吉ちゃん」

「ちゃん付けはよさんか」

「いらっしゃいませー!あ!サキだー!」

「こら!すみません」

 

これには僕も出ざるを得ない。相手は沙姫ちゃんだからだ。

 

「問題ないですわ。オススメいただける?」

「では直ぐにお持ち致します」

「ふむ、Fクラスと聞いていたがなかなか綺麗ですね」

「えぇ、皆が手伝ってくれた結果です」

「さて、私はオススメ作りますのでこれで。少々お待ちを」

 

料理をしていると、呼び出しが入る。なんでも僕の知り合いらしい。

 

「…誰だろう…あっ」

「…ここならば美味しいものが食べられると聞きました。それに、あなたしかまともに話せる人がいないので…何か出して下さい」

「ごめんなさいね、ここならイヴも楽しいって思えると思ったから…」

「先生、これ食べたらヤミと遊んできたらいかがですか?」

「えぇ?私仕事あるし、その…」

「いいですよちょっとくらい。ね?」

「…とにかく食べるんです」

 

そう言ってヤミはツンツンして言ってしまう。

 

「…あの子に嫌われてるわね」

「僕って嫌われてると思うと悲しいですね」

「いや、私」

「え?ヤミが先生を?はははは!それは無いですから。ほら、入らないと後ろの人に…あっ!」

「きゃあ!」

 

同時にコケてしまった。何かに躓いた…?と、とにかく動かなきゃ…

 

「や、やめっ…動いちゃだめ…!」

「へ?…な、なぁっ!?」

 

見事なピンクのレース。oh、これは不味い。

 

「…またあなたは…ティアにも器用なコケ方をするんですね」

「ふ、不可抗力だ!」

 

そう言ってご飯を作りに行く。作り終わったのは秀吉に渡して手を休めずにおすすめ料理やオーダーをこなしていく。

 

「明久!そろそろ時間だ!1回戦来るぞ!」

「あぁ!ララ!秀吉!頼む!」

「うん!わかった!1回戦頑張ってきて!」

「ごめんねヤミ!僕行かなくちゃ!料理は運んでくれるから待っててね!雄二!」

「遅れんなよバカ久!」

「それやめろ!」

 

そしてその後、僕は色々問題として残る事になる。何故なら、この会話が沙姫ちゃんに聞かれていたから…

 

 

――――――

 

「…今、バカ久って…」

「…どうかしたのですか?」

「…いえ…」

「お待たせしました。当店おすすめの小籠包です」

「あ、あなた!少し宜しいかしら?」

 

秀吉は沙姫に呼び止められる。

 

「はい、如何なさいましたか?」

「あの二人、私の聞き間違いでなければバカ久って聞こえたのですが…それは吉井の事ですの?」

「…この事は他言無用でお願いします」

「な、何故?どういう事なのです?」

「…ララの発明で女の子になってるのです。実は私達も元は男で」

「…木下君でしたよね…そんなに変わらないですし」

「まぁ、そうです。あとは康太、雄二…そして明久ですね」

「彼は何処に?」

「召喚獣のトーナメントに。…見に行かれますか?今移動しながらでも食べれるようにしますが」

「お願いします」

 

秀吉は容器を移し変えて沙姫に渡す。

 

「ではこちらを」

「ありがとう…凛、綾…行きますよ」

「…聞きたいことが」

「なんでしょうか」

「…その、明久となにか関係が?」

「えぇ。幼馴染ですわ」

「幼馴染…えぇっ!?」

 

秀吉らしくもなく驚いている。康太も驚いていた。

 

「…先輩と幼馴染だったとは…」

「…昔色々ありましてね…おっと、遅れてはダメですね。では」

 

お金を払って沙姫達は出て行く。向かうのは召喚獣のトーナメントだ。

 

 

――――――

 

 

「さて、雄二…飛ばして行くよ」

「…やけにやる気だな?」

「…そりゃ、こういう事には全力で取り組みたいと思ったからさ」

「…そうだな!1回戦の相手は…?」

 

上がってきた人物を見て呆れてしまう。

 

「なぁんだ、根本君かぁ」

「つまんねぇなぁ」

「お、お前!覚えてるぞ!女子の癖におっかない奴だ!」

「女子がおっかなくて何が悪い!そうやって女子を軽視する奴は許さない!」

「あ?あの…お名前は?」

 

隣の…確かCクラス代表かな?小山さんだっけ。名前を問われる。

 

「如月明奈だよ」

「そちらの人は?」

「俺?あー…立花結姫だ」

 

ゆうひちゃんかぁ、なかなかセンスあるなぁ…

 

「君は確かCクラスの小山さんだよね?どうしてそんなナスと組んでるの?」

「えぇっとね、組んでくれって頼まれてね」

「アンタも大変だな」

「と、とにかく!あの二人はFクラス!倒しちまうぞ!」

「確か君達カップルだよね、小山さん…これあげるからリタイアしてくれないかな?」

 

根本君の女装写真を取り出して見せた。

 

「そ、それは!?処分してなかったのか!?」

「仕方ないよ、弱味握るためにはしょうがないよね」

「…恭二」

「誤解だ友香!」

「…別れましょ」

「友香ァァァァー!」

「ごめんなさいね、明奈さん、結姫さん。よければこれから仲良くしてくれないかしら?私で良ければ色々手助けするわ」

「本当?」

「えぇ。コイツの変態性癖をいち早く知ることも出来たし感謝してるの」

 

…やっておいてなんだけど可哀想になってきたなぁ…あれ?僕らって人の人生を壊したのでは?…うーん…難しいのとはわかんないや!!

 

「審判、私達は降参します」

「小山さん、ありがとう」

「友香でいいわ、これからよろしくね」

「あぁ、頼りにしてるぞ」

 

手を振って別れた。根本君は摘み出されてしまう。根本君、これから君は大変だろうけど、頑張ってまだまだ長い人生を歩むんだぞ!

 

「さて、1回戦は終わったね」

「まぁな。ゲスい手ではあったがな」

「とにかく、店に戻ろうよ」

 

店に戻る前に沙姫ちゃんに出会った。

 

「明奈さん…いえ、アキ君」

「「「あ、アキ君!?」」」

 

雄二、取り巻きの2人も驚いてる中、僕は静かに呟いた。

 

「…いつからバレてたの?」

「あなた達の会話でね。…なんで女の子になってるの?」

「…り、理由があるんだ…召喚獣使う時は男の時は目や鼻から血が出るから…」

「そうなの…」

「おい、どういうことだ…2人は知り合いだったとは聞いたが…」

「沙姫様…?」

「幼馴染よ」

「「「!?」」」

 

なんでそんなに…まぁそうか。1番接しそうになかったコンビだから…まぁ、沙姫ちゃんがお嬢様だと知ったのは後の方だったけど…

 

「そちらの赤毛は…坂本君でしたわね」

「…なるほど、話を誰かから聞いた…さては秀吉か?」

「話が早くて助かります。…さて、私もなにかお手伝いしましょうか?」

 

沙姫ちゃんが提案をした。雄二も呆気に取られている。

 

「なんだって?いいんですか?」

「えぇ、2人は自由行動で。…私実は暇で…」

「良いんじゃないかな」

「じゃあ厨房任せても?」

「分かりました。でもアキ君に作り方を教えてもらいながらやりますわ」

「因みに明久は先輩のことなんて呼んでるんだ?」

「沙姫ちゃん」

「…ファンが聞いたら殺されそうだな」

「確かに、ファンいっぱい居るよね」

「ファンは2人が殲滅してるから…」

「明久と話す時は変わるんですね」

「…まぁ、このメンツならいいでしょう…そう。アキ君は初めての友達だから気兼ねなく話せるの」

 

そう話しながら教室に戻ると、秀吉がやって来た。

 

「ん?どうかしたか?」

「大変なのじゃ、客がクレームをつけてのう」

「なんだと?…げっ、常夏コンビじゃねぇか」

 

説明しよう!常夏コンビとは常村勇作と夏川俊平のコンビでモヒカンとハゲコンビ!ろくでなしの3年生である!

 

「あの二人…はぁ、またやってるのね」

「そっちでも有名なのか?」

 

雄二がタメでいいと言われたためそう話すと、凛先輩が教えてくれた。

 

「騒ぎや問題を起こす時の中心とも言える」

「…沙姫ちゃんや凛先輩、綾先輩…ここで見た事、誰にも言わないって誓えます?」

「誓えるけど…どうするの?」

「康太!」

「…やるか」

 

そう言って取り出したのは吹き矢。

 

「な、何を!?」

「寝てもらうのさ」

 

吹き矢を見事騒いでいる常夏コンビにヒット。矢には麻酔が塗ってあり、気絶してもらう。

 

「さて、デルタチーム!」

『『『『『おう!』』』』』

 

ローブを被ったクラスメイトがやってくる。それを見た沙姫ちゃんが怯えてしまう。

 

「大丈夫だよ…ねぇ、あのクズ二人クレーマーでここにいる天条院先輩を怯えさせてるんだけどどうすればいいか分かってるよね?」

『『『『『死あるのみ、慈悲はない』』』』』

「前後の記憶飛ばしといて。後はロープでぐるぐる巻きにしたあとはそれぞれ別の場所に放置しておいてくれる?そうしたらあとは遊んできていいから」

『『『『『御意』』』』』

 

デルタチームにより、悪は消えた。そこにポカーンとしている客に雄二が対応する。

 

「この度は誠にお見苦しい所をお見せしてしまい誠に申し訳ございません。今お客様が頂いてるものの料金は取りませんので是非お気が許すまでごゆるりとなさって下さいませ」

「手馴れてるね」

「まぁな…さて、どうするよ」

「どうもこうもない。…とにかく頑張るしかない…沙姫ちゃん、力を貸して」

「分かったわ。アキ君、作り方を教えてくれる?」

「うん、わかった」

 

沙姫ちゃんに教えながらまだまだ終わらない学園祭を過ごしていく。だが常夏コンビの来襲は、まだ迫り来る悪の序章に過ぎなかった…

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