バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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 あれからすぐ寝てしまった。……若しかしたら悪い夢なのかもしれない。そう思った僕はいつも通りの朝を迎えて寝返りを打った。

 

「……ん?」

「すぅ……すぅ……」

「……」

 

 夢じゃなかった。それはまぁどうでもいい。問題なのは彼女の身体だ。……なんで……

 

「なんで裸なの?」

「んぅ……あっ、おはよう」

「おはよう。……ペケとやら、なんで彼女に服を着させない」

 

 コスチュームロボのペケに聞く。

 

『だっていつもコスチュームを纏ってる状態は疲れますし』

 

 ロボに疲れとかあるのか!?てか何そのやる気のなさそうな態度!クソムカつく!

 

「……服を着て!下着すらつけてないのはどう考えてもおかしい!」

「えぇ〜?だって私お風呂入る時とかいっつもお付の人いるから見られても恥ずかしくないよ?」

「それは女の人しかいないからだろう!?僕は男だよ!」

「他の男の人だったら恥ずかしいけど明久なら問題は無いなぁ」

「……僕に問題があるんだよ……ッ!」

 

 健全な……と言ったら嘘にあるけど女の子の身体に興味を持つ年頃の僕がそんないきなり裸体を見せられても鼻血出して死ぬよ?今だって鼻血出る寸前だから頭上に上げてるんだよ?

 

「……アキ、早くしないと遅刻する……よ……」

 

 oh……最悪だ。せっかく仲直りしたのに。美柑に見られるとは不覚……ッ!何たる不幸……!

 

「お、お邪魔しました」

 

 美柑が顔を赤くして出て行く。ほら!誤解してるじゃんかぁ!

 

「違うんだ!違うんだぁぁぁぁ!」

『いいえ、違わなくありません。昨日明久様は寝ている間に2度ララ様の胸の中に頭を埋めると言う事件が発生しました』

「……へ?」

「なぁんだ!明久も満更じゃないのね〜」

「……」

 

 取り敢えず縄を持ってきて天井に吊るし、そこに首をかける。だがそれはララによって止められた。

 

「な、何してるの!?」

「離して!僕はもう生きていける気がしない!」

「大丈夫!私が養ってあげるから!」

 

 ……悲しい。これ本来僕が言うセリフなのに。女の子に言われるとこんなに情けなくて自分が悲しい。

 

「うぅ、自分が情けない……」

「そんな明久も好きだよー?」

「……もうっ、とにかく僕も学校行くからね」

「学校ー?私も行きたーい」

「宇宙人が行けるわけ……待てよ……?」

 

 ふと、とある事が脳裏によぎる。とある作戦を建てた僕はララを連れて学校へ。

 

 

 ――――――

 

「許可しますぞー!」

 

 ……はい、速攻通った。この教頭、なんかもう可愛ければOKとか言い出すからなぁ……このキモ教頭……因みに学園長には滅多な事じゃないと会えない為、普段は教頭がこういう手続きはするとの事。教頭が変態で助かった……いや、変態で助かるのは変だけど……

 

「では振り分け試験を行いましょうか?」

 

 ここからはお役御免な教頭に代わって高橋先生が丁寧に対応してくれる。これならもう僕の出番はないだろう。そう確信して扉を開けて出ようとした瞬間だった。

 

「先生!私明久と同じクラスが良いです!」

「……吉井君、洗脳ですか?」

 

 なんでそんなゴミを見るような目をするんだ!

 

「先生まで妹と同じ事言わないでください!僕がそんな事をするように見えますか!?えぇ!?」

「……あ、いえ、すみません……貴方と同じクラスが良いとは天変地異の前触れだと思ったので……」

「……先生って僕が観察処分者だからって他の生徒と態度違いますよね」

「問題児ですから」

 

 自業自得なのはわかってるけど解せない。人権無視したような接し方ですよそれ?いくら問題児でも人権ありますからね??

 

「それでデビルークさん?何故吉井君と同じクラスが良いのですか?最底辺クラスですよ?」

「えっ?明久の妻だからです」

 

 その瞬間、僕の中では遅かったとしてもララの口を塞がねばならないという思いと決断力に溢れ、ララの口を抑えて弁明しようとする時には遅く、教員室では軽くどころかかなりの騒ぎになっていた。そしてまずやってきたのは……

 

「吉井君……流石にそれは……」

「……ただいま戻りました……む?吉井?何をしている?」

 げぇ!鉄人ッ!?ダメだ!奴にだけは絶対に教えてはダメだぁー!だがその思いも虚しく、他の先生が教えてしまったらしく、鉄人は2度見でこちらを見てくる。

「……デビルークとやら、本気か?」

「本気ですッ!」

 

 そして鉄人は僕に歩み寄り肩を優しく叩く。

 

「……吉井、貴様にも春がやってきたとはな」

「やめて!マジでその目は今の僕にダメージ特効3倍だから!痛い!ほんとその視線痛いんで!いた、痛い……やめろぉぉぉぉぉ!!」

 

 何とかララに制服を着せて、Fクラスへとやって来た。入った瞬間、僕は男子生徒に囲まれてしまう。

 

「よぉ、吉井……少し話そうや」

「な、何さ」

「……吉井よぉ、俺らは誓ったよな?Fクラスの血の掟に」

「……なんの事かさっぱり」

 

 いやマジで覚えてない。そんな事あった?

 

「貴様ァ!男は愛を捨て哀に生きる者と誓っただろう!」

「つまりは彼女作らないという掟だ!」

「それが貴様!入ってまだ一週間なのにもう婚約者とか連れ歩いてんのかよぉ!」

「違ぁう!ララは婚約者じゃないよ!」

「そうだよ!間違えないでよね!」

 

 ララ!ナイスサポート!助かったよ……

 

「明久は夫なの!もう婚約者の話は終わり!」

 

 全然助かってねぇー!クソ!クラスメイトのヘイトがどんどん僕に!

 

「生かして返さねェ!」

「お前は非モテ野郎の敵だぁー!」

「貴様には姫路と西連寺という者がありながら!」

「ストップ!なんでそこでその2人が出てくるのさ!?」

「問答無用!」

 

 やばい!殺られるっ!逃げるしかないッ!

 

「くそぉ!死んでたまるかぁー!」

「逃げるだと!待てやオルァ!」

「お前にはここで死んでもらうんだよ!」

 

 こうして僕が戻ってこれたのは授業が始まって5分経った後だった。

 

 ――――――

 

 放課後、ララの手を掴み僕は学校から走って逃げる。1週間でクラスメイトに殺されかけるとか王様ゲーム……よりかはマシか。でも流石にきつい。取り敢えずは大丈夫そうなところまで来たらララに飲み物を買って一休み。

 

「ありがと」

「どういたしまして」

「……はぁ、どうするかなぁ」

「何がー?」

「……君の事だよ。父さんと母さん、姉さんにも話さなきゃいけない」

「明久のパパとママとお姉ちゃんってどんな人?」

「そうだな……父さんは普通。僕と似てるかな。母さんと姉さんがねぇ……特殊って言うか暴力的って言うか」

「へぇ……じゃあママの方が強いってこと?」

「そうなるね、僕の家では女の人の方が強いんだ」

 

 あれをやれ、これをやれ。やらなければ死あるのみ。女尊男卑。……あれ?どっかのラノベで読んだことあるな。

 

「でもパパとママいなかったよ?」

「あぁ、海外行ってるんだ。仕事でね。姉さんは大学っていう今僕らが通ってるのより上の学校に行ってるんだ」

「ふむふむ」

「で?ララの家族は?」

「私?私はねー」

 

 そこに大きな足音を立てて僕らの前に立つ男の人が。しかしその格好はあまりにも不自然だった。まるで騎士のような鎧を着ているのだ。

 

「ララ様!見つけましたぞ!」

「ザスティン……!」

「……ザスティン……?この人も昨日みたいな?」

「貴様か、ララ様を誑かす不届き者と言うのは」

「はぁ!?何言ってんだ!?んなわけあるか!」

 

 そりゃ胸触ったり頭埋めたり(自分は知らない)しましたけど!誑かしてる訳では無い!

 

「では何故ララ様にくっついているのだ」

「アンタ達が必要以上にララを追いかけ回すからだろ!子供だからって何でもかんでも親の言うことを聞けばいいと思うな!」

 

 よし!日頃の恨みを解消させた!次男だからって、なんでもしていいと思ってんじゃねぇぞゴルァ!

 

「そーだそーだ!パパに伝えてよね!私は結婚するなら明久だけ!それ以外は火で焼いて食べちゃうってね!」

「くっ、ですがララ様……いいや、まずはそこのお前を倒す!」

「な、なんでそうなる!」

 

 話し合っていられるほどの相手じゃない。何としても逃げないと。だがどうする?僕に武器はない。考えろ、知恵を振り絞れ!

 

「さぁ!ララ様を渡せ!」

「……あぁっ!あそこにララの乗ってきたUFOが!」

「何!?」

 

 うわぁ、僕よりバカだ。マヌケだ。アホだ。この隙にララの手を引いて逃げる。

 

「しまった!騙された!待て!」

「うるせー!待てと言われて待つバカはいねーんだよ!……ララ、ごめん!」

「えっ!?ひゃっ!?」

 

 ララをお姫様抱っこして逃げる。危ない危ない。いつも秀吉をお姫様抱っこしながら逃げてる体力は伊達じゃない。

 

「は、恥ずかしいよ明久……」

「裸見せても恥ずかしくないのにこういうのはダメなの!?基準おかしいからね!?」

「待てと言っている!」

「五月蝿い!大体なんでララを追うんだ!それもララの父親の命令か!」

「そうなるな、だがララ様には帰ってもらわねばならない!」

「帰るわけにはいかないの!この明久が私の運命の人だから!」

「な、なんて恥ずかしいことを言うんだ!」

 

 外で走っているのに、こんな事を大声で叫ばれたら僕もう表歩けなくなる!

 

「なるほど……ではその男がララ様に相応しいかどうかを確かめさせてもらう!」

「なんでそうなるのさッ!」

 

 ララを置いて走る。ザスティンと言った男は剣を持ち、こちらに振り回してくる。

 

「危なっ!?何振ってるんだ!人がいたらどうする!」

「貴様が止まって戦えば良いだけのこと!」

「戦えばどうにでもなると思ってるのかアンタの頭の中は!」

 

 ダメだ、逃げ切れない……!スタミナがもたない……!

 

「これで終わりだ!地球人……ぐふっ!」

 

 止まって後ろを見ると、ララが足払いでザスティンを転ばせていた。

 

「な、何をなさるのですララ様!」

「卑怯だよ。いくら明久でもザスティンには勝てないよ」

「ですがララ様!ララ様と結婚するという事はデビルークの頂点に立つことなのです!軟弱なものに務まるわけがない!だから宇宙の中からよりすぐりの有志達を……!」

 

 ……ダメだ、我慢の限界だ……!

 

「それが嫌だと言ってるの!どうせパパは私より後継者の方が大切なんだよ!」

「いーえ!そんな事はありません!」

「うるせぇぇぇぇッ!いい加減にしろーッ!」

「明久……」

「地球人……」

「僕は!デビルークの後継者とかなんてどうでもいいんだ!別に後継人が現れても現れなくても僕にとって何のマイナスにもならない!結婚するなんてまだ早いし、そんなの本人が決めることだろう!?」

「……それは……」

「おかしいんだよ!大体自分の子供を使って後継者とかさぁ!自分でなんとかしろって話だよ!その為に自分の子供を使って……挙句の果てに関係ない人まで巻き込んで……!」

 

 そりゃ僕だって結婚願望はある。それは大人の話。……それに、ララが嫌いなわけじゃない。むしろこんな可愛い子が僕に話しかけてくれる。好きでいてくれる。こんなのこちらが夢じゃないのかと思うくらいだ。だけど、僕はありったけ叫んだ。今までの鬱憤を晴らす為に。

 

「自由にさせてよ!普通の暮らしに戻してよ!……もうこれ以上好きでもない人との結婚なんか……!たくさんなんだ!だからもう帰ってくれ!」

「明久……」

 

 動悸が激しい。……きつく言い過ぎた?……知るか!これ以上大変にならない為にも……

 

「嬉しい……」

 

 ならない、為にも……?

 

「……はい?」

「明久、私の気持ち理解してくれてたんだ」

「……理解?」

「私は自由に生きたい。まだまだ好きな事もたくさんしたい。自分で結婚相手も選びたかった」

 

 ……それ、僕の思ってることで……あれ?

 

「私ね、明久と結婚するというのは連れ戻されない為の口実としてたの。でもね……」

 

 ララは目を潤ませて僕の目を覗き込んでくる。……へ?何この展開?僕の望んでた結果と違うよ?僕は僕自身を悪者に仕立て上げることで自身の平和を勝ち取るって寸断だったんだよ?

 

「私、今なら本当に明久と結婚してもいい……いや!明久と結婚したい!明久と一緒にたくさんの事をして、明久とたくさん子供作って一緒に楽しい思いをしたい!」

 

 おかしい!なんでそんな涙目でそんな……!

 

「あ、そうだ!アンタも何か言ってやってよ!」

「……負けたよ、地球人」

 

 …………HE???????????

 

「私はデビルーク王の命に従うだけで、ララ様の気持ちを知りながらも考えないようにしてきた……それどころか地球人、貴様はララ様を第一に考えて行動をした。……完全に私の負けだよ」

「……あ、あの……」

「そうだ。貴様の言葉が何よりも正しかった。ララ様の自由を奪ってでもデビルークの後継者を探すのは間違いだと……でもそれはデビルーク王の命なのだ……!逆らえんのだ……!!」

「……て、手違いが……」

 

 おかしい!今のところで泣く要素ある!?

 

「数多くいる許嫁候補が納得するかはわからないがデビルーク王には私から伝えておこう。……ララ様が選んだ地球人なら安心して任せられると!」

「は、はぁ!?ま、待ってよ!」

「ララ様の真の気持ちを……正しい事をなそうと言う誰にも負けない決意を持つお前なら……!」

 

 なんで涙を流しながら去るのさ!?やめて!僕はそんなつもりじゃない!

 

「明久〜♡」

「……ど、どうしましょ……」

 

 墓穴を掘りまくった僕。さてこれからどうしよう。苦悩の毎日が、始まろうとしていた。




原作と似て非なる展開です。

色々と省いたり追加したりもあります。
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