バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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master

 メアとナナが仲直りした翌日。

 

 お祭りが開かれ、僕らはそれに参加していた。

 

「よぉ明久、姉妹を手篭めにして良い身分だな」

「霧島さん、雄二が羨ましいって目で見てるんだけど」

「…雄二、お仕置き」

「謀ったな明久ァァァァッ!!」

 

 折檻されている雄二は放っておこう。

 

「さて、ワシも姉上や古手川を待たせておるのでの。またの」

「…すまない、俺も工藤を待たせている」

「いってらっしゃい」

「じゃ、私もメア待たせてるから!明久!モモと二人きりだからって変な事すんなよな!」

「しないよ!!」

 

 あんなに人数が居たのに、もう二人きりになってしまった。こうなってしまうと寂しい気もする。

 

「じゃ、見て回ろっか」

「はい、そうですね」

 

 色んな人が祭りを楽しんでいる。大人から子供まで、男も女も皆等しく祭りの屋台を見て回ったり、金魚すくいをしたり。

 

 屋台を見て回っていて、何を買おうか聞こうとしたら、モモが止まってどこかを見ていた。

 

「モモ?どうかしたー?」

「い、いえ!なんでもないです!」

 

 焦ってるようだがこれ以上深追いしてもお互いの為にはならない。そんなことを思っていると。

 

『ママ!僕も取れたよ!』

『偉いわね〜でもお世話できる?』

『出来るよ!』

 

 そう言えば聞きたいことがあった。

 

「モモやララ、ナナのお父さんとお母さんってどんな感じ?」

「そうですね…お父様は強くて怖いんですけど私達には優しいです。…後は明久さん並に女たらしなところがありますね」

「待つんだ!僕は女たらしではない!」

「お母様は素晴らしい方ですよ。デビルークの女王として政治の苦手なお父様に代わり積極的にリーダーシップを発揮して各星々との外交に勤しんでおられます。お母様がいるからこそお父様の統一した銀河の平和が保たれていると言っても過言ではありません。私達姉妹が最も尊敬する方です」

 

僕の弁明と言うか否定を聞かずにそう言った。

 

「そうなんだ…その、寂しいとか、ない?お父さんとお母さんと会えないのは辛くない?」

「いえ。過密スケジュールの中時々連絡をくださいますし、邪魔をするわけにはいきません」

「…強いんだね」

「それに、ナナやお姉様も居ます。…それに、明久さんもいますからちっとも寂しくないんですよ」

 

 姉妹が居るから寂しくないのはわかるけど僕も居るから寂しくないのか…でも、本当は強がってるんだろうな…そう思っているといつの間にか祭りから外れた所に出ていた。僕は手を広げた。

 

「ほら、寂しかったら飛び込んできてもいいよ?」

 

 そう言って様子を見よう。まぁ?モモはしっかり者だし芯が太いから僕の所になんか…そう思っていたら、僕に抱きついてきていた。

 

「寂しいんだね、よしよし」

「…明久さんが抱き締めてくれると思ったらこうするしかないです」

「僕のどこがいいのかね…皆して頭がやられてるんだよ」

「その言い方は酷すぎませんか?」

「別に。差し支えないと思うね」

 

 話しながら歩くと通りに出た。

 

「アキ!大変だよ!」

「美柑?」

 

 後ろから美柑に声をかけられたその時だった。曲がり角で人とぶつかってしまう。その時何かに躓いて転んでしまう。

 

「いたっ!痛た…あれ?なんだこれ」

「あ、明久さん…ヤミさん…」

「え?ヤミ…えっ…」

「てか相変わらず、器用に転けますね…吉井明久」

「ち、違うんだ…!べ、弁明をぉぉぉー!」

 

 トランスによる攻撃を紙一重で躱していく。

 

「いいですか。あなたが私のターゲットである事実は変わっていない。私の気まぐれで生かされていることを忘れないように」

「…はい」

 

 ぐうの音も出ない。そりゃそうだ。これでヤミの股に頭埋めたの何回目だろう。…あれ?てかなんで数えられないくらい頭埋めてるんだ?普通有り得なくない?

 

「ごめんねヤミさん。私がアキをけしかけちゃったから。でも変なの。まだ明久のことターゲットだと思ってるんだ…ならなんで殺さないの?そんなにこの街の生活が大事?それとも、大事なのはそこの吉井明久かな?」

 

 美柑の肌が変色していく。…いや、美柑じゃない…!

 

「君は…!」

「なるほど、ようやくお出ましですか。マスター・ネメシス」

 

 現れたのはヤミと同じくらいの背の肌が褐色の子。この子が…メアのマスターの…ネメシス…

 

「君が…?こんな小さな子が…あっ」

「早速ですか明久さん!?」

 

 転んでしまった。なんでこんな所に石がいくつもあるんだ…!て、てかヤミとメアのマスター…どんな子かわからないし…!こ、殺される…!?てかなんで履いてないの!?ねぇ!アウトですよ!…てかそれに顔を埋めてる僕もアウトなんだけど。

 

「ご、ごめ…」

「やるではないか!虚を衝かれたぞ!」

 

 ほっぺたを触り賞賛してくるネメシス。…あれ?なんで褒められてるんだ?

 

「しかし愚かでもある。お前には今しがた見せてやっただろう。トランス能力の前では外見など何の意味もないということを…良いか?必要に応じて姿を変える。それがトランス兵器の真骨頂だぞ」

 

 胸が大きくなり、身長も伸びた。

 

「なんて便利な…」

 

 そこ!呑気に羨ましそうに見ない!てか何そのヤミの目!僕をゴミのように見るのやめて!?

 

「私の身体…味わいたかったのだろう?」

「…い、いや…初対面の子の身体を…てか!女の子がはしたない!ちゃんと服を着なさい!」

「むぅ、何故私が説教されなければならんのか…まぁいいだろう」

 

 あれ?素直に言う事を聞いてる…

 

「そうだ、知っているか?破壊には2種類ある。物理的な破壊と心理的な破壊だ。私はどちらも大好きだが特に好きなのが後者でなぁ」

 

 なんて事を言い出すんだ。そう言うと僕の胸の部分に足を乗せてこう言った。

 

「お前を調教してやろうか?」

「へ?調教…?」

「そうだ。お前にありとあらゆる苦痛と快楽を与え私に踏みつけられるだけで絶頂に達する下僕に仕立て上げるのだ…おぉ、想像するだけで興奮してきたではないか」

 

 なんて事を言うんだこの子は。

 

「ち、ちょっとあなた。明久さんに何を…ひゃうっ」

 

 一瞬で背後に回ったネメシスはモモの尻尾を触っている。い、いつの間に…!?

 

「いい声だなモモ姫よ。お前も攻め甲斐がありそうだ」

「な、何故尻尾の事を…!」

「私はメアの主だぞ?データは届いている」

「待ってネメシス、話がしたいんだ」

「ほう?何かな?」

 

僕が言うと手を止めたネメシス。

 

「…メアに兵器であることを自覚させたのは何故?」

「決まっている、自分の役割を忘れかけていたからだ」

「…彼女は兵器かもしれない…でも、そうじゃない道を選べるんだ。…彼女が望む限り」

「…つまり何か?お前は兵器に対して情をかけるのか?」

「いけない?…何もしなければ普通の女の子だ。…髪が変わる?そんなのも少し変わっただけの女の子。…だから…」

「そうだな。確かに前までは兵器としてお前を殺そうとした」

「…あれ?前まで?」

「でも気が変わってな…おっと」

 

 モモの尻尾からビームが放たれた。それを躱したネメシスは上から見下ろすように見ている。

 

「やめるんだモモ、敵意を剥き出しにしてても分かり合えないよ」

「でも!」

「なかなか話のわかる奴だ。決めたぞ、私は何がなんでもお前を下僕にする」

 

 …僕はついにハーレムを建築して下僕にされちゃうのか。

 

「それにな。私は別に喧嘩をするために来たんじゃない。挨拶に来たんだよ。仲良くしたいと思ってね。金色の闇とそれを取り巻く者達と」

「ふざけないで!誰があなたのようなドSを…!むぐっ!?」

 

 ヤミが口を抑えた。

 

「今まで姿を隠しておいて何故このような?」

「大した理由じゃない。お前の現状を探るためにメアの方が適任だっただけだよ。私はこんな性格だろ?トラブルを起こさず人と付き合う自信がなくてね…だから勇気を持って一歩踏み出してみたのさ」

「納得できません。あなたはメアも差し向けて私を兵器の道に戻そうとしたのではないのですか?…最も、この男のせいでそれもままなってないですが」

 

僕のせいってなんだよ!僕のお陰って言えよ!なぁ!

 

「確かにそう考えた。だからメアもこの街と関わる事を継続させている…そしてお前の本心が見えてきた。お前は自分がここにいる存在ではないことを自覚している。いつかは出ていくことになると理解している。無意識に自分の底に眠っている本当の自分に…人とは決して相容れることのない本質…ダークネスに」

「ダークネス…?」

 

 ヤミが顔に出して驚くなんて驚いた。いつもはそんな素振りなかったから…

 

「まぁ、それまでは気長に待つさ。新しいおもちゃも見つけたしな」

 

 僕の事を見て言うネメシス。それに対して口を開いた。

 

「じゃあ約束して。…誰も傷つけないと。…メアとヤミも兵器として使わず、普通の女の子として接する事。それだったら…僕でよかったら、遊び相手にはなるよ」

「明久さん!」

「面白い。…実に面白い人間だ。…メアを通して人間を何人か見てきたが、私をこんなに期待させるのはお前が初めてだよ。明久」

 

 降りてきたネメシスは手を差し伸べる。僕もその手を取った。

 

「約束しよう。誰も傷つけないと。…その代わり、たった今からお前は私の下僕になるんだぞ」

「うん、良いよ」

「ふふ、楽しくなりそうだ」

 

 そう言って消えるネメシス。そこにララを初めとした女性陣が。そこには本物の美柑もいた。

 

「あれ、明久じゃん。わーお、なかなか渋い格好してるね」

「アキ君?何かあったの?」

「大丈夫だよ。…皆浴衣似合ってるよ」

「そお?ハルナが選んでくれたんだよ!」

 

 皆が顔を赤くしてる中、笑顔でララが見せつけてくる。

 

「そっか、西連寺さんありがとう」

「いや、別に大した事じゃないよ」

「でも明久もハーレムですなぁ?メアちゃんにナナちぃにモモちぃララちぃ、天条院先輩にルンちゃんに春菜に瑞希に私にヤミちゃんに加えて先生も居るしねぇ」

「待て待て、誤解を産む発言はやめなさい…そうだ、里紗。たこ焼き買ってきてよ」

「えぇー?乙女をパシリにする気?」

「いいだろ、ダッシュ」

「ちぇー。春菜、瑞希にララちぃ着いてきて!」

 

 そう言ってお供を従えた里紗は歩いて行った。

 

「沙姫様、そろそろ」

「もうタイムリミット?仕方ないわね…アキ君、またね」

「うん。夜道には気をつけなよ…って九条先輩もいるから安心か」

「うむ。責任をもって家まで送る」

 

 そう言って帰っていく。僕はメアと話をする事に。

 

「へぇ、マスターと会ってたんだ?」

「うん。…なんだか不思議な子だったよ。…僕を下僕にしたいとか…まぁされたんだけど」

「へぇ、堕ちちゃったの?」

「条件付きでね。…ヤミとメア、それに取り巻く人達や他の人達を傷つけない事を条件に僕が下僕になったんだ」

「…せんぱいは本当に優しいね、素敵っ」

「…それしか、取り柄がないから」

「きっと自分も試してみたくなったんだろうね、人と接する事がどんな事かって。…私もヤミお姉ちゃんもそれが大切な事って学んだから」

「そうだね。きっと、沢山の人と接していけば…考えも変わるでしょ」

「ふふ、せんぱぁい♪ほっぺにわたあめついちゃったっ、ペロペロして〜?」

「ふふふ…僕がペロペロしたら君は僕無しでは生きていけなくなるよ?」

「本当!?」

 

 なんで目がキラキラしてるんだろう。脅されてるのに…まさかM!?

 

「やめなさい、男の人は怖いんだよ?」

「だいじょーぶ、せんぱいにしかやらないよ」

「僕にするのか…」

 

 他の皆も戻ってくる。

 

「せんぱいは私達を救ってくれた。…だからどんなことがあっても大丈夫って信じてる」

「…やめてよね、好きなのかって勘違いするから」

「え?せんぱいの事は好きだよ?」

「…嘘だっ」

「あっ!待ってよ!」

 

 恥ずかしくなって颯爽と皆の元へ走って行った。ネメシスの件はあるけれど、何とかしてみせる。きっと方法はあるはずだから。

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