バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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 ヤミがダークネスを発動させ、事件が終わった翌日。

 

「明久さん、ご飯ですよ…なぁ!?」

「…おはようございます、プリンセス・モモ」

 

 モモの声が聞こえてきたと思ったら、僕の隣からヤミの声がする。目を開くと、ヤミがパジャマのまま抱きついていた。

 

「…おはよう、ヤミ。モモ」

「おはようございます、明久」

「…自分の部屋は?」

「ルナのAIを切ってからここに来ました。やっぱり落ち着きますね」

「それなら良いんだけど…モモも来る?」

「お、お言葉に甘えても良いですか…?」

「ドーンと来な…ん?」

 

 ヤミとは反対側がモゾモゾする。中に居たのは…

 

「んぅ…」

「…前に戻ったみたいだ」

 

 ララだった。彼女も寝惚けたまま抱きついている。

 

「お、お姉様…」

「プリンセス・ララですね。私よりも先に部屋に来てました」

「ん?おはよう〜」

 

 こうして朝、皆で揃ってご飯を食べる。ヤミはララの発明で家の空いてるスペースになんとルナティーク号をそのまま部屋として使えるようにしてしまったのだ。

 

 こうしてヤミも朝から一緒にご飯を食べるようになった。美柑も姉さんも許可しているし、皆も受け入れている。

 

「さて、ヤミ…今日は皆に謝りに行こうね」

「はい、そのつもりです」

「皆気にしてないから良いのにー」

「私がそうしたいので。…そうじゃないと、私は前に進めない」

 

 ヤミが積極的になり、なんでもチャレンジしようとしている。僕も頑張らないと。

 

「さて、今日のテストを終えたら休みだから頑張ろうね」

「うん!じゃあ行こ!」

「僕ら早いから行くよ。…皆も遅れないようにね」

 

 そう言って皆に見送られながら外へ。

 

(…回復速度が早いな?)

(まぁね。元気なのが取り柄だから)

 

 ネメシスもあれから丸くなった気がする。ラッキースケベをしてしまったらその先のことまでし始めるのは頂けないが。

 

「そうだ!冬休みお母さん呼んでいいー?」

「ララのお母さん?良いけれど」

「やったー!お母さんが明久がどんな子か見たいって!」

「うぅ、そうだ…ララの家族には僕の顔が知られてるんだ…」

「大丈夫!お父さんは明久の事を一発で見抜いてたから来ないよ!!」

 

 …一回見ただけでどんな人間か分かったってことかな?

 

「なんて言ってた?」

「バカそうだけど、友達思いだろって」

「…友達思いなのかな」

 

 …よく雄二達を嵌めてる僕が?…バカなのを見抜かれるって…僕の顔、相当馬鹿っぽい…?

 

「結婚する時に顔を見せろだってさ!」

「…はぁ…」

 

 いつもの様に通学路を歩く。学校に着くと、ティアーユ先生が立っていた。

 

「ララちゃん、明久君おはよう」

「「おはようございます」」

「…イヴのこと、ありがとう。凄く変わったの。…元々私が接してた時のように、明るくなった」

「大した事はしてません」

「誰よりも強さも弱さも知ってる明久君だから、イヴの心を救うことが出来た。…ちゃんとお礼を言わせて。ありがとう」

「…僕は…やっぱり、生きていたら良い事はあるから。それを皆に教えて貰った。だから僕はヤミにも教えたかった。それだけですよ」

「そうだよ!辛い事も苦しい事もあるけど、それ以上に楽しい事はあるもん!」

「ふふ、また今度出掛けましょうね」

 

 そう言うと他の生徒にも挨拶し始めた。その後、肩を叩かれる。振り返ると、いつものFクラスメンツ。

 

「げぇっ!なんだお前達は!?」

「吉井YO、さっきの『また出掛けよう』とのお誘い…どういうことか吐いてもらうぞ」

「クソ!今は無理出来ないのに!」

(安心しろ、走ることができるくらいは回復しているぞ)

「マジか!ララごめん!荷物頼んだ!」

「はーい」

「「「貴様のようなブサイクが何故モテる!」」」

「心がイケメンだからだよバーカ!」

「「「お前よりバカな奴がいてたまるかー!」」」

(それに関しては私も同意だな)

 

 

 

 

 

 失礼な。

 

 

 

 

 

 

 ―――

 

 ヤミの謝る手伝いをし終えた後、ヤミと別れて教室に来た時にはもう既に雄二達も待っていた。

 

「よう、明久」

「…おはよう」

「…どうした?いつもと様子が違うぞ?」

「そうかな」

「…目の輝きが違う」

「もう、迷いはなくなった…そう見えるのう」

「…それはきっと、皆が居てくれたからだよ。…ありがとう」

 

 そう礼を言うと、明らかに3人は驚いていた。

 

「…お前、本気で明久か?」

「絶対違うじゃろ」

「…いいや、今なら本気でそう思えるんだ」

「そうか、お前も変わったな」

「最初の頃はクソ陰キャ根暗じゃからのう」

「…人の成長はすごい」

「…まぁね。僕もいつまでも殻に閉じこもっては居られない」

「そうだ、また遊びに行こうぜ!旅行とか」

 

 雄二が話題を切り替えてくれた。…いつもこういう所は助かっている。

 

「良いね、どこ行く?」

「…調べておこう、結構大世帯になりそうだし」

「そんな多いの?」

「おめーのハーレムが原因だろーが」

「…数えただけでも10は確定している」

「お主が1番そういうのに興味無さそうだったのにのう」

「僕もそう思うけどねぇ」

「明久は女の子に対して優しいからねー」

 

 ララが荷物を持ってきてくれた。聞けばAクラスでお話していたらしい。

 

「とにかく、テストが始まるよ」

「さっさと終わらせて遊びに行くか…お前の家まで」

「…最近女の子の出入り増え過ぎてねぇ、男の出入りが欲しかったんだ」

「お前なぁ…」

「えーと、ララにモモにナナにヤミにメアにネメシスに里紗に姫路さん、西連寺さん、ルンさん、沙姫ちゃんに…最近は九条先輩も入り浸るようになってるね」

「お前、ティアーユ先生と御門先生を忘れてるぞ」

 

 …先生もたまーに出入りしているなぁ。

 

「お主は年上キラーか」

「…そこまで行くと羨ましいとは思えない」

「…もはや天性のなにかだな」

 

 ハーレムに関しては、もう本気でなんとかしようと思う。こうなったらハーレムにしてもいいのか。…でも、その結末を皆がOKしないと。僕はもう、その結末でもいいと思い始めている。皆、変わってきているから。

 

 

 ―――

 

 

 テストを終えた僕らは、仰向けに倒れる。他の学校とは違って、試験校という事もあり、期末試験のやり方は他とは違う。

 

 現代国語、古典、数学、物理、化学、生物、地学、地理、日本史、世界史、現代社会、英語、保健体育の13科目を午前中の4時間と午後の4時間で出来るだけ解くと言うのがこの学校のやり方。

 

 何はともあれ地獄のようなテストを終え、僕らは学校を出て行った。

 

「終わったねぇ」

「あぁ、夏休み突入だよ」

「明久の家に向かうとしよう」

「だね…ん?」

 

 携帯を見ると連絡が来ていた。誰からだ…沙姫ちゃんから?

 

「どうした?」

「沙姫ちゃんから…後で家に行ってもいいか…いいよって返信しとこ」

「まぁ否定する理由もないしな」

 

 家に帰ると、先にモモやナナも帰ってきていた。

 

「おっ、明久お帰り!ユージ達も来たのか?」

「おう、邪魔するぜ」

「お主ら早いのう?」

「まぁな!すぐ終わったから、メアとケーキ買ってきたんだ!」

「せんぱい達も食べましょう?」

「幾ら?」

 

 財布を出すと止められた。

 

「良いですよぅ、せんぱいと私の仲じゃないですかっ」

「で、でも…」

「じゃあこうしましょう、私のお願いごとをいくつか聞いてください」

「わかった」

「まうー!」

 

 そこに今寝てると思ってた1番出てきて欲しくないセリーヌが。セリーヌは雄二の膝の上に乗っかる。それを見た雄二は僕の方へ向かってきて妙に優しく肩を叩いた。

 

「…可愛い子じゃないか」

「違うッ!断じて僕の子ではない!」

「…明久とララの子供かと思った」

「ララが誕生日プレゼントにとある星の花をくれたんだ。…それを女の子にしたんだ。…名前はセリーヌだよ」

「…ほーん…なぁ!?俺のコーラ飲むな!?」

 

 雄二が持ってきたコーラをいつの間にかセリーヌは飲んでいた。

 

「ケプッ」

「へ?」

 

 顔を赤くしてしゃっくりをしているセリーヌ。ま、まさか…

 

「…酔っ払ってんのか?」

「わからんけど…コーラで酔っ払う…?」

「ケプッ、まうー…ケプゥッ」

「…酔っ払っておるのう」

 

 セリーヌを部屋で寝かせた後、ご飯を作り始める。

 

「雄二達も食べてくの?」

「お前がいいなら食わせてくれ。…旅行の件もあるしな」

「オーケー」

「旅行…とは?」

 

 モモが雄二に聞く。

 

「あぁ、俺らどこかへ行って遊ぼうかと考えていたんだ。その予定も考えてる」

「ほう、楽しそうですね」

「お前らも来るか?」

「良いんですか!?」

「あぁ、明久もそれを望んでるだろうしな」

「ありがとうございます!」

 

 雄二って僕ら以外には優しい気がするなぁ…なんだ?許せないな…

 

「さて…おい、そこに隠れてないで出て来いよ」

 

 そう雄二が言うと、ヤミが出てきた。あら、皆に隠れて出て来れなかったのね。おどおどとした顔でこちらを見て助けを求めている。

 

「お前も行こうぜ?きっと楽しいぞ」

「…私が、一緒に行っても良いのですか?」

「勿論だ。明久もそれを望んでるだろうよ」

「…ありがとう、ございます。私も、連れてってください」

「良かったな明久、ヤミ…だったか?来てくれるってよ」

 

 僕に話題を振る雄二。ヤミが恐る恐るこっちを見る。…全く、雄二のバカめ…

 

「ありがとう、ヤミ」

 

 安堵したのか表情を緩めた。ヤミも色んな人と接するようになり、明るくなった。いい事ですよほんとに。

 

「旅行ですか…私仕事忙しいので車用意出来れば良いのですが…すみませんね」

「いえ、流石にそこまでして頂くのは烏滸がましい」

「じゃあアテに連絡しますか」

「あるのかよ」

 

 調理の手を辞め、目的の人に連絡を行う。

 

「もしもしー」

『もしもし?明久君?』

「今お忙しいですか?」

『うぅん、何も無いけれど…何か用?』

 

 ティアーユ先生だ。確か運転免許を持ってたはず。住む所探してる時、契約した時に免許証を見せていたから。

 

「実は、旅行に行くことになってて。車を運転できる人を探しているんです」

『私は出来るけど…何人で行くの?』

「18…位ですかね」

『うーん多いわね…分かった、ミカドにも連絡してみる。彼女も運転免許持ってるから』

「ありがとうございます」

『イヴも来るの?』

「えぇ、快諾してます」

『そう、良かった!じゃあまた詳しい事がわかったら教えてね!』

「はーい、失礼します」

 

 電話を切って、調理を再開。

 

「いけるかもしれない」

「誰に聞いたんだ?」

「先生」

「うっわ、こいつ手篭めにしてるからって」

「…生徒と教師、いけないとわかっていてもお前は手を出すんだろ?」

「…出すと思うかい?」

「出すと思うから言ってるのじゃ」

「うるせぇ!…お?はーい」

 

 インターホンが鳴ったので、扉を開けた。そこには沙姫ちゃんだった。

 

「大丈夫!?アキ君死んじゃったって…」

「僕が死ぬわけないだろ?あの時もそうだったじゃん」

「それは…そうだけど…」

「て言うか一人で来たの?大丈夫?」

「もうっ、アキ君は本当に私を箱入り娘か何かと考えてるでしょ!」

「はは、ごめんね。もうそろそろご飯なんだけど食べてく?」

「えぇ、是非頂きたいわ」

 

 沙姫ちゃんにも旅行の話をしてみた。返答は快諾。来てくれるらしい。

 

「ザスティンはー?」

「私は玲様のサポートに」

「ふふ、ありがとうございます。ザスティンさん」

「いえ、常日頃からお世話になっておりますので」

「おいザスティン、アキラに手を出すなよー」

「なっ!?私はそんな…!」

「はは、こんな駄目な姉で良いなら貰っていって」

「あ、明久殿まで!」

 

 ご飯が出来上がって皆で食べ始める。…ほんと、最初の頃はこんな事有り得ないと思ってたのに。殺されかけてた子に好きと言われるし。もう何が何だか。

 

「やっぱうめぇなぁ」

「うむ、こやつの作る飯は本当に美味い」

「…ララ達、羨ましい」

「へへ、私達も手伝うんだよ?」

「明久は良いオカンになる」

「さて、ごちそうさま。俺はもう帰るよ」

「ワシも帰らねばならんのう。皆、今日は楽しかったのじゃ」

「…感謝」

 

 雄二達を含めた遊びに来た組は帰ってしまう。残ったのは僕ら家のメンツとメアとネメシス。

 

「さーてネメちゃん、私達も帰る?」

 

 ネメちゃんって…良いなぁッ!?

 

「むぅ、そうだな。では明久、また来る」

「うん。…ありがとう、身体を治してくれて。まだちゃんと、お礼を言ってなかった」

「…別に、お前みたいな珍しい奴を死なせるには惜しいと思っただけだ」

「ネメちゃんはツンデレだからねー!じゃあせんぱい!またお願い事は後々にメールするんでよろしくですよ!」

「うん、じゃあね」

 

 そして僕らが残った。洗い物を済ませてからお風呂へ。

 

「ふぅ、落ち着く〜」

 

 湯船の中に浸かっていると、脱衣所から物音が聞こえてくる。悪い予感がすると思っていると、それは唐突にやってきた。

 

「お風呂だー!明久ー!」

「お背中お流ししますよ!」

「…し、仕方なくだからな!」

「私も、背中を流しに来ました」

「…」

 

 なんでタオルを誰もつけてないのだろうか。サッと目を隠して口を開く。

 

「出て行きなさい、はしたないよ」

「いやー!明久と入るのー!」

「や、やめろ!せめてタオルをつけるんだ!」

「えー?わたしと明久の仲でしょー?」

「親しき仲にも礼儀ありッ!!」

 

 取り敢えずは彼女達にタオルを付けさせてから湯船の中で説教を始めたのであった。

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