バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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時系列を整える為に前話の描写をいくつか変更しました。


celebration

 ご飯を食べた後、僕らは浴衣を皆で借りていた。まぁ男と女それぞれ決まったものしかなく、まぁ仕方ないと僕ら男組は浴衣を着こなしてロビーで待っていた。

 

「似合わねぇなお前ら、子どもっぽいし」

「黙れよゴリラ」

「……確かにゴリラに浴衣を着せるのは笑える」

「豚に真珠とかの様にゴリラに浴衣じゃな」

 

 3人で笑っていたその瞬間、ゴリラが襲いかかり、雄二VS僕、秀吉、康太の攻防が始まった。

 

「3人に勝てるわけないだろ!」

「馬鹿野郎お前俺は勝つぞお前!お前らなんかに負けるかぁー!」

「……大人しくしろ……!」

「なんとぉー!」

「何やってるのー?」

 

 女子達が戻って来たらしい。皆浴衣を着て僕らの前に立っていた。康太はいざこざを辞めカメラを取り出し写真を撮りまくっている。

 

「良かったね康太」

「……後で皆で並んで写真を撮りたい」

「そう言えば康太君は写真好きだったね」

「……それ以上に、こういうのはちゃんと写真で残したい」

「案外こういう所ちゃんとしてるのは康太らしいや」

「じゃあ行こうぜ」

 

 取っ組み合いをやめて皆で歩き出す。僕は女子達に囲まれて腕を引っ張られながら。雄二は霧島さんに腕に抱きつかれながら。秀吉は両手に花状態。康太は工藤さんと並んで歩いている。

 

「おーい明久ぁ、羨ましいなぁ?」

「霧島さん、雄二が霧島さんじゃ足らないって」

「おいバカ変な事を言うな! ぎゃああああ!」

「ふん、口は災いの元ってね」

「ダメだよ明久、優しくしなきゃ」

「そうですよ?翔子ちゃん、坂本君はそんな事思ってないので安心してください」

「……そう」

「……何故僕には優しくないんだ……」

 

 最近皆が冷たい気がする。僕に味方は居ないのか?

 

「……明久は坂本さんへの当たりが強いと思います」

「だよね、アキ君は優しくてなんぼだよ」

「しょうがないでしょ、そうさせるのは雄二だもん」

「まぁそれに対してムキになってる下僕も器が知れるな」

「……ネメちゃんに言われたらおしまいだ……いだだ!?」

「言うなと言ってるだろう」

 

 頬を抓られた。全く……何故僕にだけその呼び名を許さないのか。

 

「せんぱいはネメちゃんの乙女心をわかってないねぇ」

「ネメシスこそ器が知れるよ」

「……ほっとけ」

「アキ君? 女の子をからかうものじゃないわ」

「そうだぞ」

「先輩も沙姫ちゃんも敵に回るだと……」

 

 僕の頼れる先輩と幼馴染枠が……敵に回るなんて……

 

「私は明久の味方だぞー!」

「……こんな時ララのバカみたいな元気が僕には染みるよ」

「バカはおめーだろ」

「むきぃぃぃぃぃ!!」

 

 色々とあったけど無事お祭りに辿り着けた。前行った時はドタバタしてたから……ネメシスと初めて会った時か。超教がどーのこーの言ってたけど……とにかく! あの時はまともに楽しめなかったからな……

 

「さて、自由行動とします。10時にここに集合で」

 

 皆が散っていく。残った僕は1人で屋台を見て回ってから人気のない境内に歩いて来た。

 

「人混みはやはり慣れないな」

 

 向こうの人混みを見ながら僕は静かにベンチに座る。

 

 1人になると、寂しくなるのは半年前の僕じゃ考えられなかったな。

 

 そう考えながら静かに空を見上げる。

 

 綺麗な星空だ。都会じゃないから星も綺麗に見える。

 

「何してるのー?」

「ぎゃああああ!?」

 

 いきなりララの顔が飛び込んできてベンチから転げ落ちた。

 

「ララ! どうしたのさ?」

「明久の事を探してたんだよ」

「なんで?」

「明久居ないなーって思って1人だけレーダー使ったの」

 

 そう言って僕専用のレーダーなるものを見せてきた。聞けば、僕の髪の毛1本を解析してデータを読み取り、それと同じ情報を持つ僕がどこにいるかをわかるようにしたらしい。僕が地の果てに逃げても追ってきそうだ。

 

「隣、いい?」

「良いよ」

 

 ララも座って僕同様に空を見上げる。

 

「二人きりって久しぶりだねぇ」

「はは、そう感じるよ」

「あの頃は私だけが好きって言ってたのにねぇ」

「……照れるからやめて」

「そうだ、お母さん明明後日に来るって」

「明日帰るから片付けたりしないと……」

「……ねぇ、明久」

「何?」

 

 ララが急に立ち上がって僕の前に立ち、急に顔を近づけて来た。あの時と同じだ。これ……キスってやつでは……いや、知ってはいるのだが……突然過ぎて混乱してるって言うか……

 

「……えへへ、やっぱ明久とキスするのっていいね」

「……こっちは恥ずかしいよ」

「……明久が他の子といると……なんかモヤモヤするの。だから……ごめんね、キス……すれば治るかなって」

「……僕が優柔不断なのが悪いんだよ」

「うぅん、違うの。……私ハーレムは全然いいの。……皆が幸せになれるし。……ヤキモチじゃないんだけど……でも……私も皆と同じ様に明久に触れたいし、明久と色んな事したい……でも明久は皆のヒーローだから……」

 

 真剣にララが話していた。……僕のせいで……なら……

 

「明久……? んっ……」

 

 今度は僕からキスをした。死ぬ程恥ずかしいけど……結局僕はどうすればいいかわからないし、こうすればララが元気になるのかもわからないのに……

 

「……へ、へへ……えへへ……明久からして貰うのは私が多分初めてだよね」

「……そうだよ……君が初めて好きって言ってくれた事……本当は嬉しかったから」

「……へ?」

「……あの一言で……今まで意地を張れたんだ。君が居なかったら、僕はダメなままだったし。……結局どこまで行っても、僕にとっての君は特別なんだよ」

 

 そう言うとララはニヤケながら『そっかぁ……』と口ずさみ、僕の手を握る。

 

「行こっ、明久」

「あぁ、そうだね」

 

 ララと二人で見て回ってさっき食べたばっかなのにまた食べたり、射的や金魚すくいしたり。

 

「……ありがと、明久」

「……礼を言うのはこっちだって」

「ふんふーん♪」

 

 10時前に約束の場所へ行くと皆が待っていた。

 

「お前らが最後だぞ」

「皆堪能した?」

「したよ」

「お姉様と随分仲がよろしいみたいで?」

「そうだよ! 私と明久はとっても仲良いもん!」

 

 結局ララの煽りでいつもの様に僕の争奪戦が始まる。それを何枚か康太が写真を撮っていたから後で貰うことにしよう。

 

 てんやわんやしながら宿へと戻ってきた僕ら。そこで康太がカメラを取り出して言った。

 

「……さて、皆で写真を撮らせてくれ」

「そうね、撮りましょうか」

「おう、並べ」

「男子4人は後ろでいいんじゃないかしら」

 

 左から秀吉、僕、雄二、康太という順番に並び、秀吉の隣にティアーユ先生、康太の隣にセリーヌを抱いた御門先生が並ぶ。

 

「女子達並べ」

「良いの? 男子見えないかもよ?」

「うるせー! はよ並べ!」

 

 結局女子達はバラバラに並び、写真を何枚か撮る。

 

「……最後は適当に並んで欲しい」

「「「「「明久ぁー!」」」」」

「「アキ君!」」

 

 女子達に抱きつかれ、雄二達もそれぞれ酷い目に遭いながら写真を撮り終えた。

 

「康太、後で写真ちょーだい」

「……そのつもりだ」

「さて、風呂入って寝ますか! 明日帰りだから悔いなくね」

「じゃあ遊んでよ明久!」

「……僕途中で眠くなるけどそれでいいなら」

「やったぁー!」

「人気だな、お前も」

「……微笑ましいね」

「……俺も微笑ましいよ」

「何がだよ」

「……頑なに笑わなかったお前が笑うようになったのがだよ」

「……お前はほんと僕のお母さんか何かか」

 

 たまに雄二母さんになるのやめろ! 気持ち悪くて……オェッ、吐きそう……

 

「さて、風呂行くか」

「お前はアイツらと入らなくていいのか」

「やめろ、お前は僕を殺す気か」

「……とにかく入る」

「汗もかいたしのう」

 

 男4人で風呂へと向かう。結局女子達も風呂に来たみたいで。

 

『明久ー! 石鹸取ってー!』

「取ってやれよ」

「はぁ……投げるよー」

 

 適当に石鹸を投げてからまた湯船に戻る。

 

「お前もあっち行ってこいよ」

「……得策」

「滅多にないぞこんな機会、お主なら許してくれるじゃろ」

「なんでお前達は僕が女湯に行く事を望んでるんだよ」

 

 結局早く出て風呂場の隣の娯楽室にあったマッサージ機に座って『あ゙〜』とか情けない声を出していた。

 

 皆が出てきた後、初日のように僕は女子達に拉致られていた。

 

「……デジャヴなんですがそれは」

「良いじゃん良いじゃん! 今夜は寝かせないぜ?」

「それ普通男の台詞でしょ」

「だってアンタ吐きそうにないじゃん」

「うるせぇ!」

「ほんとこんな感じに距離縮めたいなぁ」

 

 ……辞めてくれ、僕と里紗にそんな羨望の眼差しを送るんじゃない! 

 

「え? 罵声浴びせられるよ? 私Mだから良いけど」

「……君Mなの? 引くわ」

「いやぁぁぁぁん引かないでぇぇぇぇ!」

「あーもー! くっつくなぁ!」

 

 里紗の場合普通にスタイル良いから……! あ、当たる……! 

 

「やめなよ里紗、明久君嫌がってるよ」

「いやー露骨に嫌がられるのは傷つくね」

「いや? これ嫌がってないよ? 里紗スタイル良いから当たって恥ずかしいって」

 

 心を読むなぁー!! そ、そんな事言ったら……! あ、あれ……? 

 

「里紗ちゃん顔真っ赤ー!」

「な、や、やめろ! 君がそんな反応したらどんな対応すりゃいいかわからない!」

「いや……私もまさかそんな男の子の反応されると思ってなかったから……」

「はぁ!? 僕は男だよ!」

 

 そういうと里紗は顔を真っ赤にして布団に篭もってしまう。ダメだ、里紗らしくない。

 

「それだけせんぱいがカッコイイんですよ! ねー、里紗せんぱい」

 

 メアが言うと『いやんいやん』とかいって悶えている。……ほんとどうにかしてくれ……

 

「アキ君、皆。トランプしない? 勝てたらアキ君と寝れる権利を貰える。アキ君が勝てば帰って寝れる。どう?」

 

 沙姫ちゃんの提案によりトランプをした結果、僕の圧勝となった。

 

「ごめんね、眠いから寝るよ」

「BOOOOOOOO!」

「明日帰るから荷物とかちゃんと纏めておくんだよ」

「アンタは私達のお父さんかぁー!」

「アキ君は私達を馬鹿にしてる!」

「してないよ、確認しただけじゃないか」

「せんぱいのいけず! どーして一緒に寝てくれないんですか!」

「やめときな、僕の寝相の悪さで君達の身体の隅々を触りかねない」

 

 これで脅しをかけておこう。そうする事により僕に対してドン引きしてこの話はお流れに……

 

「「「「構いません!!」」」」

 

 お流れに……? 

 

「へ、変態だぁー!」

「あ、明久君がそれを言うんですか!?」

 

 尤もなツッコミありがとう。

 

「全く、そんなに寝たかったなら夜這いでも仕掛ければいいじゃないか」

「な、なぁ!? 良いの!?」

「ま、待ってくださいお姉様! 明久さんがこんな事を言うなんて……! 罠です!」

「別に、罠なんてそんな事しないよ……僕寝るだけだし」

 

 そう言うと皆頬に手を当てたり腕を組んだりして審議中になる。そこを抜け出して僕は部屋に戻ってくる。

 

「お帰りなさい、あなた」

「辞めてください、誤解を生むでしょう」

「つれないわね、ティアならやったかしら」

「真面目な先生はそんな事言いません」

「あら、言いづらくなったわねティア」

「い、言わないわよ!」

 

 直ぐに布団に潜る。

 

「あら? もういいの?」

「疲れたんですよ……色々あって……」

「じゃあお姉さんが添い寝してあげるわ」

「……ノーコメントで」

「それはお姉さんに対して?」

「添い寝に対してです」

 

 そう言うと二人は寝る準備出来てたのか明かりを消してくれた。横から柔らかな肌の感触が……

 

「ふふ、ティアも嫉妬するのね」

「……うるさい」

 

 寝たフリをしないと……まぁすぐに眠りにつけたから良かったんだけど……僕はまだこの時、夜が終わってない事を知らなかった。

 

 

 ―――

 

「……ん……」

 

 目が覚めた。今の現状は、汗をかきながらお姉さん2人に抱きつかれている。取り敢えず汗を流しに行こう……

 

 起こさないように拘束を解き、タオルを持って風呂場へ。

 

「あら? アキ君……」

 

 なんとそこには沙姫ちゃんが居た。時計を確認すると、夜中の2時を回っている。

 

「こんな時間にどうしたの?」

「こっちのセリフよ? もう2時よ?」

「……汗かいちゃってさ。お風呂はいってサッパリしようかなって」

「奇遇ね、同じ考えだったんだけど……見て」

 

 風呂場は一つしかなかった。この時間は……ぎぇっ!? 混浴!? 

 

「……僕後でいいよ」

「ダメよ、汗を流さないと風邪をひくわ。……わ、私とで良ければ……一緒に入りませんこと……?」

「……なんでそんなお嬢様風な……まぁお嬢様なんだけど……だってスキャンダルだよ? 学園で指折りの美少女が学園一の問題児と風呂に入ったなんて」

「良いの! 行くわよ!」

「け、結局そっちが引っ張るんじゃんか!」

 

 僕が先に脱いでさっさと浴場へ向かった。もう片方は入った事が無かったから来れてよかったかな。

 

「あ、アキ君……」

 

 沙姫ちゃんがタオルを巻いて入ってくる。……やばい、のぼせて死にそうだ。抑えろ鼻血! 

 

「ふふ、昔はこうやって2人でお風呂入ったのにね……それもアキ君が入ろって腕を引っ張るんだから」

「うっ……君だって……」

「……でも、こうしてお互い大きくなったら……こういう事も難しいのよね」

「……」

 

 黙って星を見ながら話を聞いていた。昔は二人で色んな事をした。時には危険な場所に連れてって怒られたりもした。

 

「……ねぇ、脇腹見せて」

「へ?」

「……やっぱり、まだ残ってる」

 

 昔、小学五年生頃。狼が出たことがある。なんでこんな人が多いところに現れたのか結局解明されなかったけれど、僕は沙姫ちゃんと遊んでて、沙姫ちゃんを守る為に腹を食いちぎられたのだ。……思えばよく死ななかったな僕……

 

「……まだちゃんと、謝れてなかったわね……」

「時効だから良いよ、それに嫁入り前の娘が傷ついたらアウトだよ」

「……だからって……」

「……だってそれ、近づくなって言われてた場所に僕が連れてったせいじゃないか。僕は自業自得だよ。……寧ろ怖い思いをさせちゃったから」

「……そんな……こと……」

 

 さて、汗は流せたかな……

 

「じゃ、僕は出るよ。汗も流せたし」

「……ま、待って……一つだけお願いがあるの」

「なに?」

「……アキ君と……キスしたい」

「えっ……」

 

 後ろから抱きつかれた。や、やばい……感触が……

 

「……私、決めたの……アキ君は皆に愛されてて……諦めようと思った……でも、モモちゃんからの話を聞いて……私、一番じゃなくても良いからアキ君と居たいって……」

 

 ……僕はどうすればいいんだろう。ハーレムを容認する? 10人程度の女子と添い遂げろと? ……ハーレムなんて昔では考えもしなかったし、女の子に好かれるなんて思いもしなかった。

 

 自分のラキスケばっかの体質を呪って女の子と話す機会も減っていた。皆が幸せになるか、皆が平等に不幸になるか。それだったら皆が幸せになる方が僕としても嬉しい。だが本当にハーレムが正しい事なのか? 正しい事なんて何も無いとかつて僕は聞いた事がある。確かにそうだ。何が正しくて何が間違ってるかなんてそんなの人の勝手だし人個人の考えがあるから僕らがどーのこーの言える世界じゃない。

 

 ハーレムを個人が容認したとしてもその家族は? 彼女達の親御さんが良い顔をしないだろう。自分の子には温かな家庭を持って幸せに暮らして欲しいと言うのが親の願いだ。

 

 だから僕は迷う。何が正しい行為なのか。……結局の所、僕は……

 

「……アキ君……」

 

 沙姫ちゃんのトロンと蕩けた目を覗き込む。僕は……

 

「……後悔、しないの」

「何に……?」

「……こんな……どうしようもないロクでなしを好きになって……優柔不断で自分一人じゃ何も出来ない、決められない臆病者に……好きになって……」

「……しない。だって、アキ君以外の人なんかもう全部同じに見えるもの。……私と対等に見てくれるあなたじゃないと嫌。……ハーレムだっていいわよ、男の子なんだもの」

「……」

 

 何かが変わって欲しい。高校一年生の時から願っていた。

 

 だけど……僕は……

 

「……わかった、君が喜ぶなら……僕は」

 

 静かに顔を近づけて唇を奪った。

 

「……ありがとう、アキ君」

 

 そういう彼女の顔は幸せそうに笑っていた。

 

「……出ようか、暑いや」

「うんっ」

 

 着替える時に目を逸らしていたが、二人で同時に着替えたので正直顔から火が出るほど恥ずかしい。

 

「……本当にありがとう。旅行に誘ってくれた事も、私の想いを受け止めてくれた事も」

 

 そう言う彼女の頭を撫でる。

 

「……明日も早いからもうお休み」

「えぇ、お休み」

 

 彼女と別れて部屋に戻ってくる。二人の間に入って再度静かに目を瞑った。

 

 

 ―――

 

 翌日、あれから5時間寝て、朝食を済ませた僕らはロビーに集まっていた。

 

「皆揃ったな」

「うん。忘れ物はない?」

「無いよ!」

 

 荷物を纏めてチェックアウトして外へと出る。乗ってきた車にメンツを変えて車に乗り込む。ティアーユ先生と僕は何故か確定しており、雄二、ララ、西連寺さん、姫路さん、ヤミ、メア、里紗。御門先生の方は康太、秀吉、沙姫ちゃん、霧島さん、工藤さん、優子さん、古手川さん、美柑、モモ、ナナ、九条先輩だ。まぁネメシスは僕の身体の中に居るから……

 

「クソ、明久のハーレム組か」

「まぁまぁそう言わず。楽しく行きましょうよ」

「じゃあ先生、お願いします」

「えぇ!」

 

 車が発進してから僕は雄二と二人で座って話をしていた。

 

「で? お前今後の予定は?」

「うーん、ララのお母さんが来ることになってるからそれをもてなさなきゃ」

「休み明けに試召戦争を仕掛けたい」

「懲りねぇなぁ」

「坂本はなんでそんなに翔子に勝ちたいわけ?」

「あ? アイツに勝ちたいわけではないが……まぁそうさな……頭だけが全てじゃないという証明をしたかった」

 

 初めの頃そんな事も言ってたな。

 

「質問いいですか」

 

 ヤミが手を挙げた。

 

「なんだ?」

「……明久と坂本さんは物凄い仲良いですけど、きっかけはなんですか」

「あ? 俺とこいつの馴れ初めを聞きたいのか?」

「えぇ」

「……あのクロスカウンターだよね」

「あぁ、クロスカウンターだな」

「嘘でしょ!? クロスカウンターから始まる友情!?」

 

 里紗が驚いてるけどこれ本当なんだよなぁ……

 

「俺がコイツと喧嘩してお互い奥歯1本持っていった後に喧嘩が鉄人にバレて協力して逃げたんだよな」

「ほんっとなんであそこから仲良くなれたのか僕にもわからないや」

「まぁあそこに秀吉も康太も居たからな。そこからだよ、バカやって学園で有名になっちまった」

「僕に雄二はもう学園で有名だよね。秀吉は演技して誤魔化して康太はお得意のステルスで逃げてるし」

 

 でも、こいつが居なかったら僕は本当にドン底だったかもしれないから。……照れ臭くて言えないけど、感謝はしている。

 

「そう言えば明久とララはどうやって出会ったんだ? マジで気になってたんだが」

 

 やめろ。ララとの出会いって確か……

 

「私が追われてる時にワープしたら明久がお風呂入ってた時だったの! お互い裸で!」

「だぁぁぁぁぁぁ!」

「……本気で言ってるのか……?」

「ら、ララちゃん嘘でしょ……?」

「ホントだよ、ね? ペケ」

『ほんっと、その頃の明久さんは誰の目で見ても明らかなくらい性根の腐れきった根暗男って感じがしましたね』

「ほんっと口の減らないロボット壊してやろうかい」

『私が壊れればララ様の着る服は無くなり全て消えますよ〜? 良いんですか〜?』

 

 ……ララが風呂入ってる時にでも壊してやろう。

 

「ヤミお姉ちゃんはせんぱいとどうやって出会ったの?」

「……私は……明久を殺してくれって依頼を受けて……」

「あー、ラコスポだっけ」

「凄いよね、結局明久がぶん殴って終わらせちゃうんだもの」

「それまでずっとヤミと街を追いかけっこだよ」

「うぅ……」

 

 アカン、ヤミが顔を真っ赤にして涙目になってる! 

 

「し、仕方ないよ……ね? ……それに、僕が死にたくないって言った時ちゃんと留まってくれたから」

「そーだよ! その時ヤミちゃん明久から貰ったたい焼きが好物になっちゃったもんね」

「〜っ!」

 

 ヤミがオーバーヒートしてしまった。

 

「あーあ、お姉ちゃん結構ラブコメしてるんだね」

「それに明久から貰ったコートなんてつい最近まで着てたんだよ」

「……もう辞めたげて、ヤミが泣いちゃうから」

「ほんっとヤミちぃにだけは甘いね」

「皆でヤミを虐めるからだよ、虐め良くない」

 

 ほら、僕の膝に座って顔を見せまいと僕に抱きついて離れないじゃないか。

 

「てかほんとこうして見ると明久のハーレム要員美少女ばかりだな……よくもまぁこんな奴に」

「妬いてんの?」

「そうじゃねぇ、根暗でスケベで何考えてるかわからない奴をよくもまぁ好きになったなって」

「そう言うけどとっても優しいんだよ!」

「そうです! それに人気者だったんです!」

「確かに、老若男女問わず人気者だったわよね」

「ほんとラキスケ無ければ引き篭る事も無かったのにね」

「五月蝿いんじゃい」

 

 その話を出すな! 

 

「あぁ、その話は聞いたよ。こいつ自身ラキスケ以外は何も悪い事してないのにな」

「あぁ、勘違いしてた女の子はパンツ捲られた後勘違いだった事がバレてから虐められてたんだよ」

「な、なんでそんな事に……」

 

 初耳だった……なんでそんな事になってるんだ……? 

 

「心優しい人を追い詰めて楽しいかとか結構言われて精神病んじゃってね……」

「お前らの居た中学やべぇだろ」

「明久もほとんど友達との距離を離していった中私しか話す人居なくなったもんね」

「事ある事に突っかかってくるの間違いだろ……それにしてもその子が虐められてたのはたまげたなぁ、完全に被害者なのに」

「明久の言う通り、民衆は自分の見たものじゃなくて周りの情報を信じちゃってるから」

「それもそっか」

「で? ララの母親はいつ来るんだ?」

 

 雄二が機転を利かして話題を変えてくれた。いいぞーこれ。

 

「明後日」

「今日帰って荷物崩した後に片付けるのはダルそうだな」

「まぁなんとかするさ。君はなにかないの?」

「なんもねぇよ。帰省するくらいしか」

「じゃお土産頼むわ」

「へいへい、現金なヤツだ」

 

 こうして家に着くまで惚気話をしたり恥ずかしい話を暴露したりし合っていたのだった……

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