バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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 身体に走る激痛で目が覚めた。どうやらソファーから落ちたらしい。

 

「……慣れない事はするべきじゃないけど」

 

 取り敢えず朝ご飯作らないと……

 

「下僕も情けない」

「ほっとけ……起きたの?」

「お前が起きたのと同時にな。……お前の身体に憑依しているから当然と言えば当然か?」

「じゃあ君も身体痛い?」

「全く、ベルトで固定くらいしたらどうだ」

「嫌だよ、きついだろ」

「下僕はMだと坂本から聞いたぞ」

「……コロス」

 

 復讐心を胸に込めて台所へと向かい、ご飯を作り始める。それをネメシスがじーっと見ていた。

 

「気になる?」

「……楽しそうに作るからな」

「作ってみるかい? 楽しいよ」

「……ふむ、なら教えるのだ」

「あいあいさ」

 

 ネメシスと一緒に卵を割ったり、ベーコンを焼いたり。彼女も楽しそうでなにより。

 

「……お前は、本当に凄いな」

「何が?」

「……私達のような元兵器を普通の暮らしに溶け込ませるのだからな」

「……でも君もこっちの方が楽しいでしょ? 誰かと戦って無益な血を流すより、こうやって何気ない事をやって笑ったりするのが楽しいよ」

「お前の言葉には説得力がある。……お前は本当に凄い奴だ」

「何さ? 急に褒め始めて」

「いいや、最近ののほほんとした感じに浸っているとそう思えてしまう」

「僕はただ、誰かが泣いてる所とか苦しい所が見たくないだけだから……偽善とかカッコつけとか呼ばれてもいい。……少し前の僕みたいな奴を増やさなければそれで良いから」

「そんな大儀である下僕にイイコトをしてやろう」

「マジ? 気になるんだけど」

 

 イイコトってなんだろう。胸がときめく。

 

「お前の好きな事……なんでも一つ私がしてやろう」

「本当に!? なんでもいいんだね!?」

「あぁ、良いとも。男子高校生とならば色んな事をして欲しい時期だろう?」

「じゃあ!」

 

 ご飯を作り終えた後、僕はネメシスをリビングに呼びつけマッサージをさせている。

 

「あぁ〜生き返る〜」

「……貴様、もっと性的な欲求はないのか」

「なんでそんなに残念がってるの〜? むしろ望んでたのはネメシスなんじゃない?」

「……」

 

 マッサージ……とは言えないくらい力が強い!? いや、なんか肩がもげるほど痛い!? 

 

 

「いだぁ!? 痛い痛い痛い! やめろ!」

「おはようございます……なぁ!? 何してるんですか!」

 

 モモが起きてきてムンクの叫びのような顔をしていた。寝ぼけた顔も一瞬でいつもの小悪魔フェイスに戻る。

 

「下僕のして欲しい事を一つ聞いてやろうと思ってマッサージ中だ」

「明久さん!?マッサージなら私がやりますから!」

「必死だなぁ? モモ姫よ」

「良いんだよモモ。ネメシスはSに振る舞いたいお年頃なんだよ……いでぇ!」

「口が軽い男だな」

「図星かな……そんなネメちゃんも可愛いでちゅね……ぎゃああああああ!!」

 

 マジで痛い。やめて欲しいんだけど??? 

 

「ネメシス……あなた照れてるの?」

「ふんっ、悪いか」

「……いえ、あなたにも普通の女の子みたいなのはあるのね」

「全てこいつのせいだ」

「いい事じゃないか……!あいだぁ!?」

「……ネメシス、明久を虐めないで」

 

 そこに現れたぬいぐるみを持って寝ぼけているヤミ。な、なんだその可愛さ!?破壊力が……!クソ!収まれ僕の腹の底から沸きあがる欲よ……! 

 

「……ふんっ、まぁいいだろう」

「ありがとう、ヤミ……助かった……えっ」

 

 正面から抱きついてきた。

 

「……おやすみなさい」

「ま、待って……そのまま寝られると困るんですけど」

「スピー」

「……」

「ヤミさんほんと変わりましたね」

「まぁ僕はこっちの方がいいな」

 

 可愛いし。

 

「おはよう、あれ?朝ご飯作ってくれたんだ」

 

 ララ達も起きてきてようやく朝ご飯にありつける。

 

「うん。作ったよ?ネメシスが」

 

 そう言うと皆固まってしまった。仕方ない。ネメシスはこういうことしそうにないし。

 

「え?ネメシスが?」

「そうだぞ。……まぁ下僕に手伝ってもらいながらな。例えば私の手を握って包丁を扱うとか」

「何その恋人みたいなのは!?許せない……!私だってまだ明久さんにして貰ったことないのに……!」

「ふむ、下僕はまだモモ姫には何もしてやってないと」

「モモはなんでも出来る印象だったからねぇ」

「おはよう明久ー!あ!ヤミちゃんが明久に抱きついてる!羨ましい!」

 

 ……羨ましいとまで言うか……

 

「とにかくご飯食べて。さて、今日はどうしようかしら」

「アキ、色々切れちゃうものがあるから買い物行こうよ」

 

 美柑に言われて気付いた。そうだ。洗剤に買い置きしといた2リットルペットボトルも底をつく。まぁ同居人が増えたし必要なものもあるか……

 

「よぉし、買い物行きます」

「わーい!」

「ヤミ、起きて? 動きづらいよ」

「……仕方ありませんね」

 

 ……この娘、起きていたのか。なんて策士だ。抜け目が無さすぎる……まぁ可愛いから許そう。

 

「わーい!私もー!」

「こら!離れんかぁッ!」

 

 そこからなんだかんだ言って朝ご飯も済ませて大きな倉庫店にやってきた。ここは良いところだ。

 

「さて、買い物するぞ〜」

「主婦モードのアキは怖いよ」

「デタラメ言うんじゃないよ……洗剤にシャンプーに……食材に……えぇと……後は目に付いたので良いかな。……そうだなぁ……ゴミ箱とか部屋が増えた分足りない……後は雑貨とか……よし、この際諸々買ってくか」

「明久、なにか手伝うこと……ありますか」

 

 皆がやる気満々だ……よし……

 

「この食材を皆で手分けして探してきてくれるかな」

「分かりました……!」

 

 僕も生活に必要なもの、皆が使うもの、僕が使う消耗品などを籠に入れていく。これこれ、ここ最近は楽しめてなかったけどショッピングってやっぱ楽しいねぇ。家事のうちに入るからなのか、はたまた自分で選んで買うという行為が楽しいのか。僕にはわからない。

 

「……ん?里紗からメールだ……なになに……?『暇だから構って』……はぁ、友達と遊んでろ……僕は買い物中だ……っと」

「里紗さんから?」

「アイツも僕に構い過ぎて友達いないのか心配だよ」

「……なんだかんだ言ってても、心配なんだね」

「……借りがたくさんあるだけだよ」

 

 直ぐにメールが帰ってきた。世の中のJKはメールやチャット、メッセージの返信が本当に早い。一分とかそんな甘っちょろい世界ではない。一秒という世界なのだ。

 

「えぇ……?『じゃあアンタの家でガン待ちしてます』だぁ……?はぁ……あと三十分で帰るからタイミング見計らって家の前で待ってろっと」

「明久、リサから?」

「うん、後で家に来るから……え? 未読メッセージ三件……ギェッ!沙姫ちゃんや姫路さん達まで!」

「下僕よ、全員集合という訳だな?」

「……皆して暇人なのね」

「むぅ、良くないと思うな!皮肉ってやつ!」

「そうですよ、お姉様の言う通りです」

「……はぁ……ごめん、今持ってきた食材同じのあと二つ持ってきて」

 

 このままだと料理が大人数分になる。仕方なく買う量を増やして精算してから荷物を持って帰り始める。沙姫ちゃんから里紗と同じメールが届いたので同じメッセージを返した。

 

「凄かったですね、品揃え」

「僕が根暗だった頃からの数少ない楽しみなんだ」

「お、やっぱここかぁ」

 

 そう言って現れた里紗。……なんでさ。メールで家の前で待ってろ言ったのに。

 

「明久が買い物でどこ行くかなんて私にとってはお見通しなのさ」

「メール読みました?」

「読んだけどさ、できる女ってご主人様を迎えに行くのは必然だと思うんですよ」

「……今までありがとう、お世話になりました」

「なんで!?なんでよぉ!嫌だぁ!捨てないで!お願いだから捨てないでぇー!」

「ば、バカ!大きな声を出すんじゃない!」

「私が悪かったからぁ!もう(自主規制)してとか(自主規制)じゃないとやだなんて言わないからぁ!」

 

 周りの目が不審がってる。『最近の若い子って凄いわね』とか色々聞こえてくる。この五月蝿い奴をなんとか路地裏まで引っ張って来た。

 

「弁明は?」

「……明久に嫌われたくなかった」

「……はぁ……」

「……明久と手を繋いでお出かけしたかった」

「……」

 

 愛が重くないか?病んでない? 

 

「……明久とチューしたいしお風呂入りたいし……」

「あーもうわかった!嫌いになんてならないから!……でも大声であんな事言うのは感心しないね」

「ごめんなさい」

 

 反省してるみたいだし許してやらん事も無い。今日の僕は機嫌が良いのだ。

 

「ほら、帰るよ」

「……うん」

 

 里紗を連れて皆の所へ。……全く……と言いたいが借りも幾つもあるし、泣きそうな女の子を責め立てられるほど雄二の様に人間性を捨てたわけではない。

 

 家に帰ってくると、沙姫ちゃんが家の前で待っていた。

「暑かっただろう? ごめんね待たせて」

「良いのよ。お買い物?」

「うん。居候増えたしね」

「そうなんですよ、元は二人だったのに」

「毎日賑やかでいいんじゃない?」

「前よりはマシかな」

 皆がリビングで寛ぎ出したので買ったものをキッチンで広げる。

「せんぱい、なにか手伝おうかー?」

「いいよ、メアも休んでて」

「むぅぅ……せんぱいの役に立ちたいなーっていうこの乙女心がわからないかぁ」

「人の心なんてわかんないよ、わかるのは自分だけだし」

「そりゃそうだけどぉ、女の子の気持ちは尊重すべきだと思うよ?」

「……半数以上は必要ないみたいだけどねぇ」

 

 向こうを見ながら呟く。皆は服を脱いでお風呂へと走っていった。

 

「じゃあメア……監視頼めるかな」

「はぁい」

 

 小悪魔な笑みを浮かべ風呂場へと向かって行った。

 

「そんなに買ったの?」

 

 セフィさんが目を丸くしている。

 

「えぇ、よいしょっと……スポンジはこっち……食器用洗剤はこっち……シャンプーとリンスとボディーソープ……石鹸と……洗濯洗剤……柔軟剤……」

「凄いわね……私ですら洗濯とかは遣いの者に任せてるわ」

「えっ……じゃあセフィさんって……ポンコツ?」

 

 そう言うと顔を真っ赤にして僕に抱き着いてきた。

 

「違うわよ!そ、そりゃ私王妃ですし?する必要は無いから……」

「でも出来ないんですよね?……うわぁ……あのララですら洗濯できるのに……」

「はぁ!?」

「ナナやモモだってお手伝いで洗濯やお風呂掃除が出来たり草むしりとか出来たりお皿洗えるのに……セフィさんは何も……?」

「で、出来ます!私だって本気出せば出来ますから!」

「そうですか。じゃあ、やりましょ」

「えっ……」

 

 赤い顔が一気に真っ白に変わっていく。……これ以外に楽しいな。……人妻を弄るの……いや、エロビデオとかにあるようなやつじゃなくて。

 

「……素直になって一緒にやりましょうよ。母親がただ政治や仕事ばっかりしてたって子供はなんも嬉しくないですよ。たまには一緒に出来るようなのをやったら楽しいですよきっと」

 

 そう言うと溜息を吐いて頭を下げた。

 

「……教えて貰える?」

「喜んで」

 

 お皿の洗い方、洗濯の仕方、掃除の仕方。それぞれを叩き込んでいくとあら不思議。10分でなんでもこなすお母さんが出来上がった。

 

「ふふんっ、私昔から物覚えは早いのよ」

「さいですか」

 

 そんな時だ。全裸のララがエアコンのかかったこの部屋に走り込んでくる。

 

「イヤッホー!……あ、あれ!?ま、ママが……!ママが!!掃除してる!?」

「失礼ね!私だって出来るのよ!」

「う、嘘です!これは何かの間違いです!お母様がお掃除を!」

「あぁ……!掃除はめんどくさい、したくないという母上がいつも手下にやらせていたのに……!なんて風の吹き回し!?」

「失礼な娘達ね!てか服を着なさい!」

「いつもママだって服着ない癖に!」

「ここは明久君のお家でしょう!」

「ふふーんだ!明久と初めて出会ったのもお風呂の中だし!問題ないもんねー!べーっ!」

「こら、そんな事言わないの。服を着な。それにお母さんにそんな態度しちゃいけないでしょ」

 

 僕が優しく諭すように言うと、今までの威勢が嘘のように大人しく服を着た。

 

「凄い……あのワガママなララを……」

「偉いよララ。ほら、お母さんにごめんなさいは?」

「うぅ……ごめんなさい」

「え、えぇ……」

「ほら、後で部屋行くから先待ってて」

「うん!待ってるねー」

 

 とてとてと歩いて行ってしまう。我が家ではいざこざは許しません。

 

「凄いのね……手懐けてると言うか……懐柔してるって言うか」

「同じじゃないですか。……まぁ、ララとは半年一緒に居るし、接し方もわかってきたから」

「……私の娘の知らない事をあなたは知ってるのね」

「え?」

「……母親失格だなって……思ったの」

 

 窓の外を眺めるセフィさん。その顔は哀愁に満ちていた。

 

「……それは、違うんじゃないかな」

「えっ?」

「あなたは娘達の為、辛い仕事をこなしてきた。……母親としての時間をも返上して……それをララ達は誇りに思ってる。それは誰がなんと言おうと曲げようのない事実ですよ」

「……ありがとう、元気が出たわ」

「じゃ、僕はララ達の所に向かうので」

「えぇ」

 

 自分の部屋に行くと、風呂上がりの女子達が。

 

「……皆してそんな格好はやめなさい」

「えぇ〜? 明久こういうの好きって雄二から聞いたよ?」

「……殺さなきゃ」

「……ダメです、明久が喜ぶ事ならなんでもしますから」

 ……ほんとこの子僕をダメにする子だ。

「アキ君、それは私達だって同じなのよ」

「そ、そういうのは我が家では許しません!ほら!」

「ちぇー!」

 

 皆に服を着せた後、夜ご飯の調理をする為にリビングに戻る。

 

「ママ、そう言えばパパは?」

「あぁ、パパはね……普段やらない事をしてるのよ」

「それってお仕事ー?」

「そうね。私のしている事をやらせているの」

「……お父様ってお仕事に関する知識ありましたっけ」

「大丈夫、お付きの人が居るから。……あの人まーた側室にニヤニヤして……」

 

 ……だからハーレム嫌いなんだ。……少し、わかる気がする。

 

「私も不倫しようかしら」

 

 ……前言撤回。不倫しようと言ってこちらを見てくる人妻の考える事なんて全くわからない。舌なめずりまでしてるだと…!?

 

「なんで僕を見るんですか」

「なんでかしらね?」

「……こういう所はモモそっくりなんだなぁ」

「失敬な!?私不倫しようなんて言いませんし!?」

「……」

「な、なんでそんな疑いの目を向けるんですかぁ!?」

 

 信用出来ない。調理を進めながらイヤホンを耳につけ、お気に入りの曲を流す。少し前まではずっと愛用していたが、最近になってからはこういう時にしか使わない。

 

「明久まーた音楽聴いてさぁ」

「え?それが何かあるんです?」

「明久がイヤホン付けた時って誰とも話したくないという意思表示なのよ」

 

 ……なんか風評被害を受けている気がする。

 

「ちげーよ、何言ってんだこのスカタン」

「だってぇ!言ったのアンタ自身じゃない!腐ってた時の!」

「……帰る?」

「やだぁぁぁぁぁ!なんでいじめるのぉぉぉぉ!」

「五月蝿い!喧しい!近所迷惑だろ!」

「……ほ、本当なの明久君?」

「……昔まではだよ。……今はただこういう時にしか聞かないから。……朝は周りに話し相手いるし帰る時も……これをつけてる時間がこういう時にしかないんだ」

「里紗ちゃんは一言多いからアキ君も怒ると思うの」

 

 沙姫ちゃんが僕の言いたかった事を言ってくれた。

 

「そうだよ、大人しくしてれば普通の女の子になるのに」

「……アンタもなかなか酷い事言うよね」

「そう言えば明久ってどんな人が好きなの?」

 

 ララに言われてもう片方のイヤホンを外す。聞けば、聞いてもいつもはぐらかされるからとの事。ウォークマンの電源を切って答えた。

 

「……包容力のある人?」

「おっぱい大きい人だー!」

「ちがぁう!」

 

 全力否定。……だが、心の中では違わないと言うのは死んでも黙っておこう。一部の人に殺される。本気で命が危ない。

 

「え?違うの?おっぱい大きな女の子にギューってされたいんじゃないの?」

「そんな事したら僕の中の血液が鼻血となって出ていくだろ」

「……うわぁ、相変わらずムッツリスケベだなー」

「五月蝿い黙れっ!……はぁ……包容力のある人って言うのは……そう……なんでも出来て……甘やかしてくれるような……そんな人なんだよ」

「じゃあ明久は私が癒してあげまちゅよ〜?」

 

 ……ダメだ……!こいつの今の提案に乗っかったら……!僕は一生マウント取られまくりだ……! 

 

「……鏡見てこい」

「酷!?じゃあ瑞希とか?」

「確かに柔らかそうだよね」

「わ、私ですか!?」

「じゃあ明久による女の子の採点ターイム!ここにいる女の子にコメントつけていってよ」

「馬鹿な企画してる暇があるなら配膳手伝えよ」

「……私も聞きたいです」

 

 ……なん……だと……!?ヤミが……!? 

 

「ほれほれ、愛するヤミちぃの為だぞー?」

「一生口閉じてろ」

「やだねぇ!ほら!言いなさい!まずララちぃから!」

「えー?私ー?」

 

 仕方ない。付き合ってやろう。女の子を褒めるのとか朝飯前だ。

 

「元気あって頭良くて運動神経良い、そして皇女様属性最高だと思う。たまーに役に立ってくれる、しかしながらポンコツ要素もあるので二重丸。スタイルいいのもGood、一途なのもGood。そして何よりも

時折見せる優しさが物凄いGood」

「へ、えへへ……なんか照れるなぁ……」

「次ぃ!ナナちぃ!」

「生粋のツンデレちゃんで唯一の良識人で僕の心の癒しとなってて、たまーに見せるデレが良いんだなぁ、これが」

「な、なんてこと言ってんだこの変態ー!」

「そう、ここ!ちゃんと変態には変態と言える……この良識人っぷりが高得点。モモによく胸で比較されたりしてるけど僕は小さいのも好きだから気にしないでね」

「ば、馬鹿な事言うなぁ……!」

「はいぃ!モモちぃ!」

「ファンクラブ出来る程の容姿の美しさとは裏腹に小悪魔属性がある事によって魅力が引き立つ。極稀に見せるポンコツっぷりも良いと思うよ。三姉妹の中で真ん中のようにも見えるスタイルだが一番バランスの良い整った身体をしている。ブラボー」

「な、なんだか恥ずかしいですね……!」

 

 三姉妹は終わった。次は誰だ。このまま辛口コメントを言い続けてやる。

 

「春菜!」

「成績優秀で料理美味しくて理想の奥さんと我らがFクラスにて有名だ。スタイルも良く、たまーにぼーっとしてる所とかは結構ポイント高い。照れた顔も良い。運動部に所属してるのもあって汗をかく姿と時折チラッと見える腹筋が僕は感動した」

「な、なんて事言うの!恥ずかしいよ!」

「この通り普通の女の子としても代表的なものであります。Good」

「次ぃ!瑞希っ!」

「多分この中で一番大きい凶悪なメロンとそのおっとりとした優しい性格から僕は精神的に癒してもらいたい…男子はもとより女子にも可愛いと呼ばれており、ドジっ子属性もあるのにたまーに見せる大胆さ……良いと思います。柔らかそうな身体も良いと思う」

「あ、ありがとうございま……す……?」

 

……今僕凄い最低な事を言ったが気にしないでおこう。

 

「沙姫先輩!」

「優しいし精神的に甘やかしてくるお姉さん属性良いと思う。何より恥ずかしがる顔とかもう可愛いのなんのって……沙姫ちゃん、僕は良い先輩を持ったと思う……ありがとう!フラーッシュ!」

「ど、どういたしまして?……それにしてもアキ君何か変よ?」

 

 ……僕だってそう思う。女の子達が皆顔真っ赤にしている。だが、もう僕は止まれない。

 

「ここにはいない人達のコメントも貰いますか! ルンちゃん!」

「アイドルになったと聞いた。公演の時などはよく見に行っているが、笑顔も素敵でアイドル属性としてのシンボル性十分!そして何よりララとは似て非なる元気っ子……声も綺麗で聞いてて安らぐんだ。CD買って聞け」

「じゃあネメちゃん!」

「クールでSっ気強いけど僕は知っている……照れる所が可愛いと。褐色肌も珍しいが僕は好きだ。僕の居ない時に僕の話ばっかなのも可愛いね。ネメちゃんと僕が呼んだ時にだけ照れるのも最高だってそれ一番言われてるから」

「……夜覚えておけよ下僕……」

 

 ……すんごい怖い。いや、照れながら怒るのも可愛くない? 最高かよ。

 

「メアちゃん!」

「悪戯っ子で可愛い。よく思わせぶりな事を言ったり誘惑してくるけど押したら照れて逃げる所可愛いのなんのって。良い後輩を持った。僕は幸せだ」

「ふふ、せんぱいに褒められたぁっ」

「ヤミちぃ!」

「クールだったのに今じゃクールさはどこ行ったって位素直になってお父さん嬉しいよ。たまーに昔のような態度を取るのすっごい可愛いからいつもやってくれ。成長過程なのも良いと思う。僕のあげるものは全部壊れる迄使ってくれるのほんと嬉しい」

「え、えへへ……明久に褒められました」

 

 な、なんだ今の!?うっ……可愛過ぎてどいつもこいつも破壊力がデカすぎる。

 

「そして私ィ!」

「変態、以上」

「はぁ!?なんかもっと無いの!?」

 

 ……流石に可哀想だ。……仕方ないなぁ……

 

「中々家庭的な女の子というのは知ってる。皆からは意外がられるけど炊事洗濯は完璧にこなすし笑顔可愛いし小悪魔的な所も良いしスタイルいいし面倒見良いし思いやりあるしパーフェクトだと思うよ。……接しやすいから友達多くて羨ましいし成績も悪くないし負けず嫌いな所もあるけどたまに辛くなったのか知らんけど甘えてくる所とか最高だと……」

「わ、わかった!もう良いから!恥ずかしい!」

「この通りたまーに押すと照れる所がギャップあって可愛い。以上」

「……言い切ったの凄いよ……褒めるの上手いね!」

 

 ……褒めてたのだろうか?途中から結構酷かった感じがする。

 

「ティアーユ先生は?どう?」

「……僕と同じだから親近感湧くんだよね……ドジっ子教師って……良いと思うんだ……」

「……何故日曜の牧師のような清々しい顔をしてるの」

「……そしてたまーに大胆になるの……えへ、えへへ」

「うわっ、キモッ」

 

 ……誠に遺憾である。訴訟も辞さない。

 

「じゃあママは?」

「えっ!?」

「ララのお母さんか……子供思いの良い親だと思うよ。仕事完璧のキャリアウーマンって感じがする。たまーに母親としてアウトな台詞を言う事あるけど美人で素敵な人だとは思うよねぇ」

「そ、そうかしら……」

「……ママ、なんで明久にドキドキしてるの」

 

 ララのジト目。娘に追い詰められる母親というのも見てて珍しいな。

 

「い、いや……そんなつもりは……!」

「明久、なんか手伝う?」

「いいよ、もうすぐ出来るし」

 

 ここにいる人達にコメントを言い終えたら僕は再度ウォークマンを起動し、イヤホンを耳に付けて音楽を聴き始め、調理を再開するのであった。

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