バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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Sadiste

『帰ったぞ雄二』

『おう。さて、明久に戻してくれ。明久状態でやってもらう事がある』

 

 僕を呼ぶ声。雄二が呼んでいるのか。多分僕に何かやって欲しいことがあるのだろう。

 

 一、二時間程度寝ていた。戦局はどうなった?というわけで意識が急浮上し、僕は現実世界に戻ってきた。

 

「何?」

「お、戻ったか。ティアーユ先生堕としてこい」

 

 いきなり何言ってんだこいつは。

 

「若しくは御門先生でも構わん」

「は?何言ってんのお前」

「お前ならあの二人に頼めば二人も来てくれるだろうと思ってな。御門先生は保健体育の講師でもあるらしいから康太で攻める時に使える」

 

 あくまで教師も道具……か。なんという軍師っぷり。だがあくまでも勝ちに拘るその姿勢は気に入った。

 

「……わかった。ティアーユ先生に話してくればいいのね」

「御門先生にもな。頼む」

「状況は?」

「ヤミとメアが兵を生かしつつ倒してくれたが……まぁ、その、なんだ。お前の噂が三年で流れてるらしい」

 

 ……噂?……嫌な予感がする。

 

「なんでも『吉井は多重人格だった』という事だが」

「まぁそれは仕方ない」

「他にも『笑いながら斬首のみを狙うサイコパス』と言う噂も流れているらしい」

「……メアちゃーん、お話があるんだけどー?」

『だってせんぱいの戦い方じゃん』

「ちがぁう!いや違わないのか!?……このままネメシスに任せたら大変な事になりそうだが……」

『失礼な奴だな』

「とにかく行け」

 

 半ば追い出される感じで僕はティアーユ先生の所へ向かい始める。何かあっても一人で対処は出来るし。それに、もう怖いから僕は意識は起きとく事にしよう。

 

 そうして教室を出て職員室に向かう道。

 

「あ!明久君!」

 

 おぉ、噂をすれば影とやら。こちらに来てくれた。

 

「丁度良かった。僕と来てください」

「えっ?どうしたの?」

「ティアーユ先生が必要なんです。……いや、違うな……必要だから無理矢理連れて行きますよ」

「えっ……えぇっ……!?そ、そんな……昼間からそんな事……」

 

 何やらブツブツ行っているけど取り敢えず手を引っ張って教室まで連れてきた。……なんてできるはずもなく。

 

「隠れて!」

「キャッ!」

 

 空き倉庫に連れ込んで三年生をやり過ごす。冷静になって状況確認を開始。……あれ、絵柄的にやばくない?今の僕は『先生を押し倒すいけない生徒』なのでは?

 

「そ、その……優しくして……」

「あ、あの違うんですこれは不可抗力ですごめんなさい……!」

『……明久、ティアの方がいいんですか?』

 

 よせ。やめろ。これに関して追及したらもう話さないぞ。そう心の中で脅しをかけるも……

 

『……明久、酷い……私とは遊びだったんですね』

『やはり胸か』

『せんぱい、小さい女の子でも好きと言ったのは嘘だったの……?』

 

 違うと言っている!!不可抗力だって言ってんだろ!

 

「……行ったか……ふぅ……大丈夫……です……か……」

「貴方達何してるの?こんなところで逢い引き?」

 

 ……御門先生!?何やってるんですか!なんでバッチリなタイミングで!

 

「……いや、あの……これにはマリアナ海溝より深い事情がありまして」

「なるほど、我慢できなくなったからティアを押し倒したと……いっちゃいなさい明久君、今ならティア全然抵抗しないから」

「してくれなきゃ困る!僕は三年生から隠れる為にこうするしかなくてですね!そうだ!御門先生も保健体育の授業受け持ったりしますよね!来てください!」

「あら、ティアだけじゃ足りない?」

「……凄い返答しづらい……!」

「分かってるわよ、試召戦争でしょう?いいわ、ついて行ってあげる」

 

 ……この人!僕を弄ったな!?最初から全部知ってたのかよ!

 

「ほら、三年生も来てないから行きましょ。ティア、いつまで発情してるわけ?」

「し、してないわよ!」

 

 目的の二人を連れてきたのは良いが……

 

「……なんで先生もお前も顔真っ赤なんだ?」

「あぁ、それはね?空き倉庫で明久君がティアを押し倒したからよ」

「……何やってんだお前……?」

 

 グッバイ僕の学園生活。もう二度と平穏な暮らしは帰ってこない。周りはざわつき、僕を見る目はゴミのよう。

 

「ちょっと!どういう意味?!」

「明久君は紳士だと思っていたのに……!」

「何!?アンタにも遂にそういうの来たわけ!?しかも最初は先生!?やはり胸か……!」

「黙れー!事故だったんだよ!」

「押し倒したのは認めるわけだ」

 

 ハッ!?誘導尋問!?卑怯なり坂本雄二!

 

「うるせぇ雄二!これでも喰らえ!」

 

 ララから性転換銃を奪い取って雄二に撃つ。見事命中。ざまぁないぜ!

 

「な、何しやがる!」

「霧島さん!今なら雄二と合法お風呂し放題だ!行ってきていいよ!」

「……やっぱり吉井はいい人。行こう、結姫ちゃん」

「明久テメェッ!帰ってきたらぶち殺してやる!」

「……女の子はそんな言葉は使わない」

「いやぁぁぁぁぁぁッ!」

 

 ……アイツの断末魔って女の子になるとなんであんなに可愛いのか。今はそれだけが気になって仕方がない。頑張れゆうひちゃん。負けるなゆうひちゃん。

 

 さてと。ここからが問題だ。

 

「吉井、どういうことか説明してくれよなぁ?」

「そうだねぇ、説明してね」

 

 カクカクシカジカシカクイムーブ。状況を洗いざらい吐くも、視線は変わらず。

 

「……信じられない」

「ならばここで死ねェッ!サモ……!」

「吉井隊長が錯乱した!吉井の嫁隊!隊長を止めてくれ!」

 

 皆を補習室送りにしてやろうとフィールドを展開すると里紗達に止められる。

 

「お前らが原因だろォッ!召喚獣を部位ごとにバラバラにしてやる!離せ!邪魔をするなっ!」

「こらぁ!そんな事言っちゃダメだよ!本当は明久は意気地無しって分かってるもん!」

「そうそう、明久にそんな事できないしね、度胸無いし」

 

 西連寺さんも姫路さんも頷いている。……え?僕そんなに度胸無いキャラなの?マジで?

 

「モモちぃやナナちぃ、沙姫ちゃん先輩や今居ないけどルンちゃんに聞いてもそうなると思うよ」

「……僕ってヘタレなんだ」

 

 節度を守ってる男だと思っていたのに。……てかこのメンツじゃあまり意味無くない?説得力というものに欠ける。

 

「美柑ちゃんも嘆いてましたよ、お兄ちゃんはヘタレだって」

「バカな……ッ!」

 

 身内に言われたんならもう仕方ない。悲しいが10年近く一緒に居るのだ。間違えようがない。

 

「まぁ皆には話があるから後で集合ってことで」

「そうだ。明久君。私達も暇じゃないのに貴方の頼みで連れてこられた。貸1よ?」

「……えっ」

「そ、そうね!私達も暇じゃないもの!貸1!ね!?」

『……ティア……他の生徒の前なのに見境ない……』

 

 前々から思っていたけどヤミって素直になった日からティアーユ先生を目の敵にしているような……そんないざこざ騒ぎも一人の報告で直ぐに消える。

 

「坂本!……あれ?何処?」

「雄二はちょっとね。僕が聞くよ」

「三年生の動きはないよ!今のうちに補給をと思ったの」

「僕はまだ平気だから必要な人は行ってきて。君もありがとう。休んでくれ」

「そう?お言葉に甘えて……先生達は何してるの?」

「……あまり気にしない方がいい。今どんな状況か簡単に教えてくれないかな」

「えーと、吉井君のお陰で結構戦力差開いてるよ。……今は普通っぽいね?」

「な、何が?」

「だってさっきはすごい寡黙だったし、帰ってくる前なんてわんぱくサイコパスだったじゃない」

 

 ……酷い言われようだ。

 

「大丈夫大丈夫!とにかく、これ雄二に渡しといて」

「わかった!」

 

 そして、戻った所を男子生徒達に抑えられる。

 

「な、何さ」

「吉井よぉ……流石にハーレム建設するのはどうかと思うんだが……?」

「先輩に同級生に先生に妹……挙句の果てには人妻までと聞いたが」

「待て!人妻なんて誰が!」

「須川がデビルークさんの母親と手を組んでいたと報告が」

「「「はぁ!?」」」

 

 誤解が深まっていく。嗚呼、さらば平穏……

 

「あれは誤解だ!僕が望んでした訳じゃない!掴んできたんだ!」

「どちらにせよ嫁達では飽き足らず教師や人妻に手を出している事に我々は憤慨しているのだ!元々お前そんなキャラじゃねぇだろ!」

「うぐっ……!確かにそうだけど……!」

「それとも何か!貴様、女性を惹きつける何か特殊な体質とでも!?」

「違うよ!明久はただラッキースケベを起こしやすいだけ!」

「……まさか……!吉井にラキスケされた者は魅了される……!?」

 

 なんて事言ってるんだ。……あれ?なんでララ達は『そうかもしれない』とか言ってるんだ?

 

「ママにラキスケしたの?」

「してない!強盗に襲われたから助けただけだ!」

「へぇ、やるじゃない。で?人妻はどうなの?」

「何もしてないって言ってるでしょ!」

「辞めなさいよミカド、明久君困ってるでしょう?」

「まぁね……でも意地悪したくなるのよ」

 

 小悪魔的な表情を浮かべて僕を見る御門先生。いやマジでやめて頂けると助かるのですが……そろそろやめてくれ。僕を見る目が辛い。

 

「吉井……」

「待て!僕は悪くねぇ!な、なんでそんなゴミみたいな目で見るんだ!やめろ!」

『確か後輩の女の子を数人侍らせていたような』

『あぁ、確かデビルークさんの妹さんといつも行動していたような?』

『何故か今アイドルで話題のルンちゃんも吉井君にご執心だった気が』

『いやいや、三年生の天条院先輩とは下の名前で呼び合うくらい親しいとの噂が』

 

 ……ダメだ……僕がハーレム築いているという噂が後を絶たない……!

 

「とにかく!今は試召戦争中なんだぞ!」

『話題を逸らすな』

『今はお前がハーレムの理由を探っている。なんて言ったってハーレムから一番離れていた男だしな』

「そ、それは……」

「で?嫁一号の籾岡さん、彼がハーレムを建設しているようですが良いのですか?」

「えぇ、彼も男ですし。……それに彼の性格上、誰か一人を選ぶ事をするとは思えません。ならば皆で合意の上でハーレムにしようという案が……」

「なるほど……ですが嫁候補が増えていくのはどう思います?」

「不思議で仕方がありません。元々あまり女子と接するのが少なかった彼がララちぃと出会ってから急激的に明るくなって女の子達が寄っていくんです」

 

 ……そうか。本当にそれくらいからハーレムなんて……

 

「いやぁ、物好きな女って私くらいだと思ってました。世界って広いですね」

「嫁第一号からのコメントでした。吉井、弁明は?」

「……もう何言っても無駄だろ……殺るなら早く殺れ」

「え、お前殺ったらこの試召戦争勝てねぇじゃんか。別に俺はこうやってお前を弄るのが楽しいからやってるだけだしな」

 

 そう言って近藤君は肩を組んでくる。

 

「その変わり俺らを勝たせてくれよ。最後の切り札としてな」

「……近藤君……」

「そうだぜ吉井!俺らはお前から大切なものを学んだからな」

「サポートは任せろって。俺らはあのホモをぶち殺すまで止まれねぇだろ」

「……そうだな……ご期待に応えるとしますか!力を貸してくれ!」

 

 そんなこんなで騒いでいると、雄二が霧島さんを連れて帰ってきた。ここまででなんと三時間も経っている。そろそろ終わらせるか、戦闘終了したいのだが……どうするつもりだろう?

 

「お帰り」

 

 茶化そうと思ったのに雄二は一瞥した後に資料に目を通し始めた。

 

「テメェをブチ殺すのは後だ。状況が変わったからな」

「何かやって欲しい事があるならやるけど?」

「……ほう?良いのか?今の俺はお前に対して無茶難題を出すが?」

「別に構わん。どれだけ傷ついてもお前の命令を完遂する為に僕は止まらないから。……で?何を命令する気?」

「……これから三年生が攻めてくる。お前はそれを一人で止めろ」

「……わかった。……行ってくる」

「……敵は100人程度だ。……出来るのか?」

「……勝たせてくれるんだろ?……やるよ。……君が必要としてくれるなら……僕は戦う。……ティアーユ先生、来てください」

「う、うん!」

「私は?」

「御門先生は康太と保健体育の戦闘を仕掛ける時に一緒に出向いていただきたい」

「分かったわ」

『坂本、俺らは?』

「お前達は全員点数の補充だ。……明久が戦線を支える。補充が要らない者はAクラスに残りここで防衛!いいな!」

 

 雄二の作戦に対して僕を見る皆。……やるしかない。コイツが仲間を見捨てるような戦いはしない。……僕は奴を信頼しているし、信頼されている。それだけの事だ。

 

「……明久、頼む」

「はいよ。じゃ、行ってくる」

 

 僕は教室を出て、三年生が二年生を責める際に使う階段に陣取る。

 

「ごめんなさいねティアーユ先生。……僕なんかがこんな連れ回して」

「……気にしなくていいのよ。それに貸し1だもの。その分私が連れ回すわ」

「それでいいなら」

『……ティアは明久が好きだからいいんです』

「ヤミも変な事言うね?だってラキスケされて好きになるなんて……え?」

 

 どうかしていると言おうとしてティアーユ先生の方を向くと、顔を赤くしている。……え?嘘でしょ?

 

『逆に嫌われていると思ったのですか?本当にバカ呼ばわりしたくないのでやめてください』

 

 ……凄いメンタルにグサグサ来る。にしても……

 

「……いつから?」

「……明久君とお出かけしてるうちに……それに明久君、ここに来て間もない私を自分の事のように考えてくれたし……」

 

 御門先生が僕と似ていると言うから……ドジだって知った時も同じ境遇の人と会えた事が嬉しかったし。

 

『……本当にラキスケされた女の人はせんぱいの事を好きになっちゃうのかな……?』

『ヤミもそれで堕ちたからな』

『明久のラキスケはパワーがある……だから他の女の人にしたら……考えるのも恐ろしい』

 

 僕だって考えたくないよ。にしても……照れる所もヤミそっくりだなぁ……仕草もほぼ同じだし……

 

『それはヤミがティアーユの遺伝子を使って産まれたからな。そりゃ似通うところもある』

『……そうです、だからティアと姿が似ている……明久、私の事を胸のないティアと思いましたね』

 

 ……思ってねぇよ。流石にそこまで失礼な事は考えるか。

 

『ティアーユも下僕のハーレムに加わればいいでは無いか』

「……わ、私なんかが入っていいのかなって……」

『明久は拒んだりしません。優しいですし』

 

 ……半分諦めのようなもんだけど。

 

「居たぞ!二年生だ!」

「しかも吉井だぞ!」

 

 階段の上から声がする。だが、もう既にこちらは物理のフィールドを貼っている。

 

「じゃあネメシス……頼むよ」

『任せろ。調教するに足らない奴はバラバラにしてやる』

「……ティアーユ先生、お願いします」

「えぇ!任せて」

 

 ネメシスに変わって僕は戦いを見る事にした。だが僕はこの後死ぬほど後悔する事になるのを僕はまだ知らない。

 

 

 ◆

 

 

「良かったの坂本君?明久君とティアだけで行かせて」

「えぇ。アイツは集団行動向いてませんし」

「だからって100人相手にさせるの?」

「なんだ?お前らは明久を信じてやることすら出来ねぇのか?」

「いや、召喚獣を使わせたら明久は危ないのをアンタでもわかるでしょ!」

「やれやれ、アイツのコンディションも分かんねぇのか……」

「な、何!?アンタはわかるの?」

 

 対抗するように里紗も言うが、性転換銃を借りて自らに撃ち、男に戻りながら雄二は呟いた。

 

「あぁ分かるとも。アイツは今三人身体の中に憑依させている。その上あいつの目元にはクマがない。その上誰かを呼ぶ時の声音が一段階上がってるのに気付いたか?」

「えっ、そんなの分かるなんて……アンタ明久のこと……」

「気持ち悪い事を言うな」

「だよね、アンタは翔子一筋だもんね」

「うるせぇ。明久は分かりやすいんだよ。それすらも分からなかったお前らはどうすんだよ、嫁一号」

「うっさいなぁ……てか本格的にハーレムと言うかアイツに皆が惹かれていったのララちぃがやって来てからだから」

「皆私に羨ましくなったんだよねー」

「……吉井はとっても優しい……雄二との思い出がなければ靡くレベル」

「ならお前明久のハーレム行ってこいや」

「……私は雄二一筋」

 

 雄二が溜息を吐いた後、ララに頼みを投げる。

 

「ばいばいメモリーくん貸してくれ」

「クズ過ぎない?翔子を幸せにしなよ」

「まぁ冗談だ。コイツの面倒見てやれるのは俺くらいだからな」

「……雄二」

「うーわ、ホットチョコ位甘くてもうキツいよ」

「明久が優柔不断じゃなかったら良かったのにな」

「いいや?皆幸せにするって目標を掲げてる明久だからこそ良いんだよ」

「そうです!あんなに優しくてかっこいい人は他にはいません!」

 

 明久の良い所を掲げている中、教室の扉が開いた。そこには顔を真っ赤にしたティアーユと林檎を持ち、妖しく笑う明久が。

 

「おう、お疲れさん。どうだった?」

「調教のしがいが無かった。全く、何奴も此奴も骨のない」

「……お前、ネメシスか?」

「明久に身体を借りた。流石私の下僕だと思ったよ。それに女子に対してサディストに振る舞うのが気持ち良くてな」

「……明久君の身体で凄い事言って……本人が言いそうにない事を言ってたわ」

「例えば?」

 

 ティアーユがララ達に耳打ちすると、全員が一気に顔を赤くし始める。

 

「そ、そんな事言ってたんですか!?」

「な、なんて事を……!」

「なんだ?明久はなんて言ってたんだ?」

「……ここにある」

 

 康太が現れ、ボイスレコーダーを置いていく。雄二はそれを聴き始めた。それを聞いた雄二も頭を抱え始めた。

 

「……明久はこんな事言わねぇよ……」

「……?そんなに?」

「三年相手に『お前達のようなヴァージンすら捨ててない小娘共』……だとか『良い声で喘いでくれ』だとか……下手したらエロ本にあるような展開だぞ」

「……びっくり」

「しかも本当に女子にしかやってないみたいで……」

「……吉井、何やってんだよ……」

 

 男子生徒数名がやってくる。明久に憑依しているネメシスはそのまま男子達に質問を投げた。

 

「全く、お前達は分かってないな?軟弱な女を落として面白いか?」

「そ、そりゃ……うーん?」

「お前達も男ならもう少しワイルドさを見せろ。……やれやれ、バージンとかで顔を赤くする有象無象には興味無いのでな」

「……あ、明久はそんな事言わないよ!」

「なんだリサ、下僕がこんな風にSに振る舞っているのは嫌か?」

「嫌じゃないけど!」

「否定しろアホ」

「とにかく。もっと他に調教しがいのある女子はおらんのか」

「……明久に一旦戻ってくれ」

「辞めておけ、今は私が下僕を出てこれなくしてあるから穏やかなままだが下僕が戻ったらご乱心で使い物にならなくなる」

 

 そう言われた雄二は明久との対話を諦め、代表が集まり、作戦を練り始めるのだった。


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