バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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Invasion

 

 ゆっくり温泉に浸かってぽかぽか陽気な気分でロビーに戻った時である。夜ご飯楽しみだなぁとのんびり歩いていると、目の前に見知った顔があった。その人はこちらを見て目をハートにしてこちらにやってくる。

 

「あら!明久君じゃない!本当に居るなんて……」

 

 セフィさんが数人とスーツを着て話をしていたのを見てしまった。何とかスルーしようかと思ったけどこちらから見付かってしまった。知らない人達とスーツでいるのを見る限り、仕事で来ていたのだろう……という予測通り本当の偶然だった。

 

 取り巻きのお姉さん方もこちらに来るなり興味津々と言った顔で僕のことを見てくる。

 

「あら、こちらの子は?」

「新しい旦那様」

 

 なんて事を言い出すんだこの人は。周りの人も目を丸くしてるし。

 

「……遂にデビルーク王と離婚されたのですね……」

「もう我慢の限界よ」

「にしてもこちらの子、普通の子ですが……どこに惹かれたので?」

「チャーム効かない、家事炊事完璧、底なしに優しい、甘やかしてくれる」

「宇宙にこんなハイスペックな子もいるんですねぇ」

 

 これでスペック高いと思われるのか。宇宙人チョロくね?そんなんじゃマッスルで優しい男に皆靡くんじゃないの?僕なんかより完璧な人いっぱいいるぞ?

 

「お仕事中に失礼しました」

 

 そう言って部屋に戻ろうとするとセフィさんに後ろから抱きつかれる。やばい、風呂上がりに女の身体を押し付けられるのは色々と不味い……!

 

「……歳の差凄そうね」

「……この人娘と同じ年齢の男を好きになってるんですよ」

 

 周りの女の人達も『うわぁっ』って顔で見ている。良かった、宇宙人から価値観が180°逆なんじゃないかと思ったけれど、僕の価値観は宇宙でも共通で、間違ってないらしい。

 

「し、仕方ないじゃない!貴方が男として完璧過ぎるのがいけないのよ!」

「えぇ……」

 

 なんだそのトンデモ理論。他の人も引いてるから。もうそこら辺にしなさい。

 

「この子ハーレムだけど前と違って全員ちゃんと愛してるから!しかもちゃんとその子の事を思いやるし!一人の女の子の為に命だって投げ出すくらいなのよ!?」

「……確か明久君だったわよね、頑張って」

「……もう諦めてるようなものですよ……」

 

 そこに電話が鳴る。相手は……ララ?何の用だ?

 

「すみません……もしもし?」

『明久!ママと会った!?』

 

 結構緊迫してる様子だ。何かあったのかと警戒してた方が良いか?

 

「あぁ、今話してたとこ」

『やっぱり……!今から話す事をよく聞いて!そっちに変な宇宙人が出没してるの!その宇宙人、狙いは私なんだけど……!もしかしたらママと私を間違える可能性があって、それで明久襲われるかもしれないの!』

 

 うん、本当に言ってる事がよく分からない。上手く纏めようとしたんだけど何一つ理解できない。おまえは何を言っているんだ?ってなってるぞ?

 

「……ごめん、何一つ分からない。なんだって?」

『だーかーら!見るに堪えないおぞましい姿の宇宙人が明久の事を襲うかもしれないから!』

「……それはララ目当てで?」

『そう!だけどそっちに居るのママでしょ!?明久は忘れてるかもしれないけどママにはチャームあるから暴走しかねない!それで私とママを間違えたら……!』

「百歩譲って襲ってくるのはわかるけど……流石にララとセフィさん間違えるのなんて有り得ないだろ!どう見ても別人だから!」

『間違えるのー!そいつバカだから!とにかくそっち向かってるからなんかあったら逃げるかやっつけといて!』

 

 宇宙人を倒しとけって無茶振りが過ぎるだろ。てかマジか……皆来るのか。……まぁ静寂にも飽きてしまったから良いんだけど……

 

「わかった、なんとかするから……あっ」

 

 ふと外を見ると、見るからにおぞましい姿の宇宙人(?)がジャージを着てこちらを見ていた。

 

『どしたの!?』

「……もしかして君の言う宇宙人って肌緑色の爬虫類みたいなやつ?」

『な、なんで分かったの!?』

「見つかった!……一旦切る!」

 

 通話を終わらせてセフィさんの手を取った。

 

「セフィさん、仕事は!?」

「えっ、終わったけど……」

「じゃあ失礼!」

 

 お姫様抱っこを人妻にするなんて思わなかった。セフィさんを抱き抱えて周りの人達に伝える。

 

「……悪いけど付き合ってください!」

 

 そう言って走り出す。取り巻き(?)がキャーキャー言ってるけど今そんな余裕無いんだぞ?

 

「あ、あの明久君……?」

「さっき外から見てた宇宙人が貴方をララと間違えて嫁にしようとしてるんですよ!そんなの嫌でしょ!?」

「そ、そうなの……?ララって結構あぁ言うのに好かれるのね……」

「ララは嫌がってましたけどね……!てか足早!?」

 

 やばい、追いつかれる……!と思ったけど、そいつは追い抜いて僕の行く先を足止めするかのように立ち止まった。僕の顔を見るなり聞いてくる。

 

「吉井明久だな」

 

 いきなりそんな事を聞かれる。てか宇宙人ってこんな身体能力凄いのか……?取り敢えず誤魔化さないと……

 

「ひ、人違いだ」

「いいや、嘘じゃない。なぜなら……ララを抱き抱えているじゃないか」

 

 ……本当に間違えてる。親子だからって流石に間違えないだろ。

 

「どう見ても彼女はララじゃないだろ!ララはここには居ないんだよ!」

「嘘をつくな。俺に取られたくない気持ちは分かるが……」

 

 ?????どうしてここまで言えるんだろう。僕がコイツの立場ならそんな事恥ずかしくてとてもじゃないが言えない。自分がイケメンだとでも思っているのか?いや、そもそもその話一番やっちゃいけないことしてるのは気付いてるのか?

 

「バカかお前!仮にも好きならララとララの母親を見間違えんな!」

「なに?ララの母親だと?バカも休み休み言え。地球に来るわけないだろ。何故ララの母親が来る必要がある?」

「ララが地球に来たからだろ!親が子を心配するのは当たり前だ!とにかく!その腐った目ん玉洗ってつけ直してよく見てみろ!360°どっからどう見てもララより大人だろう!」

 

 目の前の気持ち悪い奴も目を凝らしてよく見てみる。だが……

 

「ふむ、ララもようやく化粧して俺のものになると決めたか……美しさがいつもの数百倍になっている」

「こいつ本当に馬鹿だー!?」

 

 どうしよう。僕じゃどうしようもない。お手上げ状態、専門用語で言えば詰み……ではないな。まだ詰みではない。だけど相手してると僕のIQが下がりそう。

 

「セフィさん、なんとか言ってやって……」

「明久、逃げないの?」

 

 なんでララの真似をするんだ……ッ!馬鹿なの?ねぇ馬鹿なの!?

 

「ララ来たら言いつけてやるからな……!」

「それは流石に困るかしら。ねぇそこの貴方、私ララではないの。彼の言う通り、ララの母親なので諦めてくれないかしら?」

 

 御自分で何とか説得するも、それは嘘だと一点張りの目の前の男。

 

「騙されんぞ。いくら声変わりしたからと言ってその程度で見分けがつかない俺じゃない」

「ダメね、ララの事好き過ぎて色々おかしくなってるのかも」

 

 わかる。非常に良く分かる。これはもう心酔しきってる。ララの事をすきになるのが悪いとは言わないけど好きになった事で頭のネジが緩くなってるどころか飛んでいってる。

 

「わかった。ララが時期にここに来る。それまで待て」

「……どのくらいだ?」

「さぁ、来るとは言ってたけど時間までは聞いてない。どうせお前の頼みはララから手を引けだろ?」

 

 どうやら図星らしい。まぁそれならいくらでも手はある。

 

「お前、ニュースになってるらしいからな。あんまり他人に迷惑かけるとララへの心象良くないぞ」

 

 まぁもう最底辺だと思うけど。

 

「関係ないな。ララは俺のものにするからな」

 

 あー、ララが一番嫌いなタイプだこれ。とにかくどうしよう。まずはセフィさんとララが別人だと分かってくれたのは良いけど……

 

「ふむ、まぁララが来ると言うのならそこの女はララではない、ララの母親だとしよう。時に、どうしてララの母親と腕を組んだりそのような抱え方をしている?」

 

 そんな事を聞かれてたじろいでしまう。腕組む所から見られてたってマジ?どうしよう。なんて答えよう。

 

「エッ、あの、それは……」

「それは……むぐぅっ!?」

「口を閉じてて!誤解が生まれるから!」

 

 元王妃の口を手で抑えるの普通にアウトだろ。僕は何をしているんだ?いやでも誤解されるよりマシか?分からん。何が真実で、何が正しいのか僕にはもう何も分からない。

 

「……お前、人妻好きなのか」

「いやいや、もう人妻じゃないから。離婚してるから」

「そうなのか。だがそんなの公になってないぞ?」

「それはそうだけども」

 

 そんな公にする事の程か?確かにデビルークって宇宙じゃ有名らしいけどそこまででもないだろ。

 

「悪いけれど母娘揃ってこの子に堕とされてしまったの。手を引いてくださる?」

「どうしてあなたは火に油を注ぐんですか」

 

 ほら、目の前の奴もキレてるし。……いや、キレてるかわからん。ただただ不気味なだけだ。あーあ、さっさと風呂入りたい。

 

「いいや、待つ必要は無いな。お前を人質にしてララを俺のものにするプランがまだ残っている」

「……仕方ない、やるしかないか」

「どうするの?」

「諦めるまでぶん殴る。もう僕にはそれしか分かりません」

「落ち着きなさい、暴力に訴えても仕方ないでしょう」

 

 凄いまともな事言ってる。だけどもう遅いんだ。僕は万策尽きているのだぞ?

 

「セフィさん、昔の偉い人は言いました。……力こそ正義だと」

「お待ちなさいってば。あなたがそんな事するのは見たくないのよ」

 

 すっげぇ夫婦っぽいやり取りしてるけどこれただ暴力しようとしてる子供を親が止めてる構図のようなものだ。

 

「俺と真正面からやり合うと?」

「ララとの話し合いまで待てないと言うなら。悪いが僕は宇宙一の殺し屋を倒した事もある男だ。お前なんて一瞬なんだぞ」

 

 脅しで引いてくれ頼むから。そう言うと鼻で笑われる。

 

「宇宙一の殺し屋だと?はっ、笑わせるな。何故普通の男が宇宙一の殺し屋と戦うことがある?」

「それは……そうなんだけど……」

 

 なんでコイツ馬鹿なのに時々鋭いんだ?……て言うかヤミがいてくれたら楽なんだけど……ネメシスも居ないし……

 

「ハッタリも休み休み言うんだな」

「ほんとだもーん!」

 

 いきなり聞いた事のある声が聞こえてくる。声のした方向。それは前でも後ろでも横でもない。なら下?有り得ない。聞こえて来たのは……と上を向いて見ると、目の前に黒い背伸びした下着と生足が見えた。……あれ、これやばくね?

 

「セフィさん、立ってもらって……ウゲェッ!」

 

 目の前からお尻が落ちてきて、何とか首の骨は守ろうとセフィさんを立たせてから前に傾けるといきなり落ちてきた。僕の身体はコンクリに叩きつけられる。

 

「ふいー!ワープ成功!……あれ?明久は?」

「……あなたが踏んでるんだけど?どうしてくれるのよ、私の明久君に」

「えぇ!?わぁぁぁぁ!ごめんね!?……て言うかどさくさに私のとか言わないでくれる!?正妻私なんだけど!?」

「頼むから落ちるところを考えてくれ……!それと踏みつけたまま言われても説得力ないぞ……!」

 

 現在うつ伏せで倒れている。ララに跨られながら。それを見た目の前の宇宙人もようやく来たかと鼻を鳴らした。

 

「やっと来たか、ララ」

「ほんっと執拗いよね、アンタなんか誰が好きになるもんですか」

「……知り合いなんだ……」

「ララ、あなた……」

「ちょっと黙ってて!それに私あんなのを婚約者候補に加えてた訳じゃないし!」

 

 まぁララでもあんなのを婚約者に選ぶ事はないだろ。流石に。

 

「酷いじゃないかララ」

「ギ・ブリー!私はもう婚約者見つけてるんだから!それにあなた子持ちでしょ!これでも喰らいなさい!」

 

 うわぁ……宇宙人って不倫好きなのか?僕には理解出来ない。……まぁあんなに女の子がいれば不倫する気も失せるけど。

 

 ララはポケットから何かのボタンを取り出した。それを目の前の宇宙人……ギ・ブリーに向けて躊躇いなく押す。するとギ・ブリーの身体が光り出す。

 

「ふっ、どうせいつものポンコツ発明だろう?いいかr……」

 

 そう言って消えた。え?どこ行った?警戒しても見当たらない。

 

「……あの人何処へやったの?」

「このバイバイワープくんで地球以外のどこかに飛ばしたよ」

 

 チートかよ。やっぱり僕必要ないじゃん。前もカッコつけて助けようとしてララ1人で何とかした事あったよね。僕いる意味ないよね?

 

「……て言うか他の皆は?来るんでしょ?」

「私だけワープして先に来たの!……ていうか何?なんでママはお姫様抱っこされてたの?」

「ララがあんなのに狙われなければ私あんな目に遭わずに済んだのよ?そもそも明久君を踏んづけておいてちゃんと謝らないのはどうかと思うわ。私はそんな子に育ててないわよ」

「分かってるよ……ごめんね明久」

 

 母親にあまりそんな態度は取らない方がよろしいかと思いますけど。

 

「今に始まったことじゃないから良いけど……アイツは誰なの?君の知り合い?」

「ギ・ブリーって言うバルケ星人。妻子居る癖に前々から執拗に追っかけられるの。嫌なっちゃう」

「モテモテじゃん」

「あんなのばっかにモテるのは嫌だよ……それにもう好きな人もいるんだから」

 

 顔が熱くなってくる。こういう事を平然と言うのは変わらんなほんと。てかなんでセフィさんは娘に嫉妬してるんだ?

 

「あ!いたー!」

 

 声のした方を向くと、里紗を先頭に春菜に瑞希、ヤミが来た。

 

「あれ、やっつけたの?」

「ワープさせたらしいよ……取り敢えず騒動は終わりだろ……」

 

 足早に去ろうとすると、待ちなさいと声が掛かる。振り返らずにただ少しずつ前へ進む。

 

「どこへ行く気?」

「あ、汗かいたから風呂入り直そうかなーって……失礼っ!」

「「「「待てぇぇぇぇー!」」」」

 

 女の子達から逃げる男の図。なんと情けないことか。いいや、逃げるは恥だが役に立つ。三十六計逃げるに如かず。ララには追いつかれるかもしれないけど他のメンツには追いつかれる筈もない。

 

 そう思っていたのだが……

 

「明久、もう逃げられないからね」

 

 縄で縛られていた。どうしてこんな事をするのだろうか。聞けば僕が皆に黙って一人で出掛けたからだと言うこと。おかしくない?それの何がいけないのだ?

 

「離せ!僕は悪くない!」

「五月蝿いよ!そんなに私達が嫌いかぁ!」

「嫌いとか言ってねぇだろ!」

 

 どうしよう。こうなったらプライドかなぐり捨てるしかない。

 

「ヤミ、お願いがあるんだ」

「ダメだよヤミちぃ!聞いたらアウトだから!」

「助けてくれ。助けてくれたら今日君とこの部屋で寝る約束をしよう」

 

 肉を切らせて骨を断つ。なんと髪の毛をトランスさせて刃物に変え、縄だけをバッサリ切り捨ててしまった。

 

「……約束は守ってくださいね」

「あぁ、守ろう」

「何それズルくない!?ヤミちぃに贔屓し過ぎ!」

「落ち着けよ。……元々君達が来る時点でこの提案をしようとした。主に君が話聞かずに行動を起こしたからこうなったんだ」

「……嘘つき……」

「嘘じゃない。でも僕を縄で縛った罰は受けてもらう。だからベッドの割り振りは君達3人と僕とヤミの振り分けだ」

 

 ブーイングが起こる中、少し前のヤミなら絶対にありえない顔をしながら腕に抱きついていた。なんですかその顔は?お父さんそんな顔をするヤミなんて想像出来ないよ?どう見たって今やっちゃいけない様な雌の顔してるよ?

 

「ヤミちゃんそんな顔する子でしたっけ」

「……明久に教えてもらいました」

「嘘をつくんじゃない!お父さん嘘をつく子は嫌いだぞ!」

「……ティアに教えてもらいました」

 

 なんて娘だ。ティアーユ先生を売りやがった。……て言うかあながち間違ってないよねと皆から声がかかる。屈服させたでしょとか、元のヤミちゃん壊れるまで抱きまくったでしょとか色々言われてしまう。

 

「……でも私もこれで普通の女の子になれましたから。良い事しかないです」

「ほらぁ、ヤミちぃもこう言ってる事だし」

「ぐぅ……ッ!」

「今日は寝かせないよっ!」

 

 こうして僕の平穏な一人旅は複数の女の子との混浴パーティによって崩れ去ったのだった。




正直そろそろ完結させても良いかもと思い始めてます(ネタが切れてきた)
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