バカとToLOVEる!   作:抹茶スイーツはお好きですか?

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R18の方も更新しないといけないのにかけないジレンマ……


Reverse

 

「さぶい……」

 

 季節は秋を通り越して冬へ。もうすっかり寒くなってしまった今日この頃。学園から帰ってきた僕とハーレムメンツ。もうこのメンバーでいる事に抵抗感を覚えなくなってしまった自分が怖い。

 

 少し前までは『ハーレムってどうなのよ』とか『世間の目がー』なんて思っていたけど、もう気にするのを辞めた。皆にも申し訳ないし、何よりそんな事を気にして疲れる方がよっぽど嫌なのだ。そんな事気にして頭を悩ませるより皆納得したんだから一緒に笑ってる方が良いのではともう頭の中で納得した。……諦めたって言い方の方が正しいけど。

 

「てか家に帰りなさい、親御さん心配してんじゃないの?」

「好きにしなさいって言った挙句夫婦でイチャつき始めちゃってね」

「同じく」

 

 皆の家族はどうなってるんだ。……それでいいなら良いんだけどさ……

 

「今日のご飯は?」

「人数居るし寒くなってきたから鍋でも作ろうかなって」

「鍋?」

 

 ララ達やヤミ達はこっちに来てまだ冬になってなかったから知らないか。画像を見せると美味しそうと目を輝かせる。

 

「食材に問題はない。美柑、炬燵どこあったっけ」

「部屋出て階段の物置のとこだよ」

「出すか……そろそろ寒いし」

「手伝おうか?」

「良いよ、一人で出来る」

 

 そう言って出した炬燵。やはり五人とかそれくらいしか入れない。ハーレムは10人以上いる。やはり入れない子も出てくるのは……やはり可哀想だ。

 

「ふふふ、そこで私の発明品の出番だね!」

 

 ララの発明品……大丈夫なのか。不安でしかないが、ここは試させることに。なんでも試行錯誤を何度も兼ねて作り上げた至高の作品だと言う

 。

 

 そう言って取りだしたのはライトだった。……何だ?何をする気なんだ?

 

「このライトはね!照らしたものを大きくするんだよ!」

「パクリじゃねぇか!」

 

 いかん。このパクリを許容してしまったら色々と出てきそう。知ってる土地に一瞬でワープしたりとか物を小さくするライトとか。

 

 実際に照らしてみると、あらビックリ。実験は大成功と言わんばかりに徐々に大きくなっていく。10数人が一斉に入れる位にまで大きくしたら照射を辞める。大きくなった炬燵に入り、思い思いに寝転がったりアニメ見たり。

 

「あら?こんなうちの炬燵って大きかったかしら」

 

 母さんがやってくる。それに対してララがライトを見せて説明してくれた。後で戻しておいてねと言われてから母さんは仕事に行ってしまう。何でも父さんが忙しく、手伝いに行くとのことだ。

 

「じゃあ私達は鍋食べよう?」

「あぁ……あれ、それ最近やってるアニメじゃん」

 

 今やってるアニメは忍びの男の子が女の子にされて、幼馴染の女の子を守る為に奮闘するというアニメ。TSってアニメだけだと思ってたけど、リアルで起きちゃうんだもんな……

 

「なんで自分のおっぱい揉んでるの?」

「……女になれるって夢みたいだなってそのアニメ見て思ってさ。男から女になるってやっぱり結構大変なもんで……」

 

 女の子の心に近づいてしまうからだ。長い間女の子でいると、男に戻った時に女の子の感覚で色々やってしまうのでよろしくない。

 

「このアニメの主人公みたいに長い間女の子でいると女の子として当たり前になっちゃうんだよ。男として生きてきてる年月は長いけど、やはり女の子として最近は生きてるからな……」

「どっちも愛せる自信あるからどっちでもいーよ」

「軽いな……」

 

 なんて愚痴りながら水炊きを炬燵の上へ。全く、僕だって大変なんだぞ?

 

「て言うか明久の家系はどうなってんの?皆巨乳じゃん」

「美柑ちゃんもこの前18歳の姿を見た時ボンッキュッボンだったからね……明久君のお母さんの血だよやっぱ」

「どうするの?男の子で行くの?女の子で行くの?」

「……それに関しては未だに悩んでる。女の子の生活もありっちゃありだなって思っちゃって……うぎゃぁぁぁぁ!!女の子として生活し過ぎたぁーッ!」

 

 とりあえず食えと促す。こればかりは本当にどうしよう。男でも女でもどっちでもいいんだ、僕は。ただ、皆と居られるのならいいってだけで……

 

 あとは下着が勿体無い。せっかく買ったのにどうしようかってなってしまう。……あれ?僕女の子のままでいいと思ってね?

 

「まさか男か女でこれ程悩むとは……」

「お姉様が性転換銃を無闇矢鱈に明久さんに使うから……」

「そうだぞ!アキがこんなに悩むまで……可哀想に……」

「ちょっとー!?私だけじゃないでしょー!」

「ヤミさんも何か言ってあげてください!」

 

 ヤミはこちらをちらちら見ながらバラ肉をもきゅもきゅと食べている。喉に通った後、口を拭きながら顔を赤く染める。

 

「……アキはアキですから……それに、女の子同士でも……アリなんじゃないかなと」

「……ヤミ、どこでそんなの覚えたの?」

「……言えません」

 

 顔を赤くして言うんじゃあない。ミニ霧島さんかよ。

 

「ヤミ……昔の君に戻ってくれない?」

「……どうしてそんな酷いこと言うんですか……?」

「いや、今の君も好きだけどね?たまにあのツンツンしてた頃のヤミが恋しくなるんだよ」

 

 そう言うとこちらをチラチラ見た後、咳払いをして……

 

「ち、近寄らないでください……」

「ッ!」

 

 心臓が止まりかけて後ろに倒れる。周りの女の子に介抱されながら起き上がるも、介抱してくれた女の子達からビンタされていた。

 

「サイテーだよ明久君!ヤミちゃんの心を弄んでぇ!」

「そんなつもりはない!僕はここにいる皆の心を弄ぶ事だけはしない」

「じゃあなんでよ!」

「単純に少し前のヤミを見たくなってだね……あの頃必死に家来ない?と誘っても「辞めてください殺しますよ」と言ってた頃のヤミが恋しいんだよ……」

「うわぁ……ドM……」

 

 断じて否だ。彼女達には分からんのだ。長らく接していたヤミが急に性格が変わって甘え出す。それはまだ良いのだ。ただあのクールさにも可愛さはあったのだ。クールの中に見え隠れするデレ。分からんか?

 

 熱弁してたらヤミの顔が林檎と同等の赤色に染る。

 

「大体この中に1人でもクールキャラいたか?居ないだろ、皆明るくて可愛い元気な子とかおっとりした子とか色々居たけどクールキャラは居なかった!彼女が足りない最後のピースだったんだ!見ろ!今じゃこんなに猫みたいに甘えてくる!元の彼女の原型が無くなってるんだぞ!ある意味尊厳破壊みたいなもんだろ!」

「何言ってるかわかんない」

「ヤミさんには甘いですねやっぱ……はっ!?もしかして……明久さんってヤミさん位の体型が1番好みなのでは?」

 

 この場が固まる。そんな中で巨乳組が「貧乳になるにはダイエットしかないの」など絶望していた。

 

「待て!僕は巨乳も貧乳も等しく愛する者だ!体型に関しては何も言わない!今まで言ってこなかっただろ!」

 

 そう言うと大人しくなる。代わりにモモがリンチにあっていた。集団擽りという名のリンチに。

 

「とにかく……今のヤミも充分いいけど、昔のヤミも良かったなって思っただけだ!他意はない!」

「……」

「ヤミちゃんも大変だね」

「いいえ、前の私を良かったと言ってくれる数少ない人なので」

 

 大変な事だ。全員の欲求を満たしつつ、全員の要望を満たさねばならない。それはとても大変な事だ。

 

「じゃあ私がクールキャラ気取るとか?」

「君には一番無理だろ泣き虫」

「なんでそんな事言うのよー!」

 

 なんてそんな話を続けながらご飯を食べ進めていく。やはり人数が多いと直ぐになくなるな。〆に持っていこうとした中で、とある小瓶を見つける。

 

 中に入っている綺麗な色の液体。これは……琥珀色か?なんであれちょっと惹かれてしまう。

 

「何この小瓶」

「あー、それ私の新作だよ」

 

 絶対ろくでもない奴だ。見なかったことにしよう。と思ったが、瓶に触れてしまった事で瓶が光り始めた。

 

「あ、それ中身を摂取しなくても瓶触ったら効果発動するから」

「なんでそんなもんここに置いとくんだよ!」

「てへ、忘れてた」

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 瓶が爆発し、僕の意識はそこで途絶えた。

 

 

 ◆

 

 

「お姉様!?なんですかあれ!?」

「んー、モドリスカンクの成分で子供に戻れる発明をしてたんだけど……」

「じゃあ……!アキ君が子供!?」

「ま、まだ実用段階ではないからわかんないけど……あれ?」

 

 煙が晴れた中では、明久が座っていた。

 

 服がぶかぶかの、小学5年生くらいの明久が。

 

「けほっ、けほっ……ここどこ……?」

「嘘!?明久君!?」

「成功だー!」

「ッ!?お姉ちゃん達、誰……?」

 

 その発言に誰もが凍りついた。誰も自分のことを覚えてもらっていないのだ。

 

「……アキ、大丈夫?」

「えっ、美柑……?嘘、なんで……このお姉ちゃん達知ってる?」

「アキのお嫁さんだよ、全員」

 

 明久が頭にクエスチョンマークを浮かべる。ジリジリと迫る高校生の女達。思春期にまだ差し掛かってない男の子からすれば何物でもない恐怖があるのは火を見るより明らかであった。

 

「怖くないよ?ギューってしてあげる!」

「あ、あの……うぅ……」

「私達なら知ってるんじゃないかな?春菜と瑞希だよ」

 

 そういうと面食らった顔をする。訳が分からないといった顔で辺りを見渡した。

 

「どうしよう……完全に怯えられちゃってる……」

「……アキ」

 

 ヤミが明久を抱きしめた。頭を撫でると顔を赤くして動かなくなる。

 

「こうすれば早かったか!」

「でも怖いよね、妹が同じ年齢になってて知ってる子は皆歳上になってるし」

「ある仮説が立てられるわね」

 

 後ろから聞こえてきたのは御門とティアーユだった。

 

「モドリスカンクで子供の明久君が今ここに居る。じゃあ私達の知ってる明久君は?」

「え、それは……」

「仮説だけど、明久君は過去に戻ってしまっている。……同じ人間が存在するわけにもいかないし、消えるわけにもいかない。その為にこの小さい明久君が飛ばされた時空からやって来た……つまり入れ替わりなのよ」

「嘘ぉ!?」

 

 明久は怯えながら部屋に行ってしまった。それを追いかけるが、明久は部屋の前で膝をついていた。

 

「僕の家なのに、僕の部屋のはずなのに……僕の部屋じゃない……」

「いいえ、明久君。ここはあなたの家で、今目の前があなたの家なの」

「……あれ、御門先生……」

「そうよ。少し話がしたいの。いい?」

 

 明久は頷いて御門の後ろを歩く。皆でリビングに戻ってきた。

 

「さっきまで何してたか、教えて貰っても?」

「……宿題を終わらせて、美柑の面倒を見てました」

「あの頃のアキの歳だと……私3歳かな」

「それで、目が覚めたらここにいたと」

「……急に目の前が光って……そしたらここに……」

 

 やっぱりと口ずさんだ後、よく聞いてと明久の肩を掴んだ。

 

「……信じられないかもしれないけれど、明久君は未来の世界に来たの。……私もあなたの知ってる私じゃないし、春菜ちゃんや瑞希ちゃんも、成長してたでしょう?」

 

 小さく頷く。少しの間、このままこの家で過ごす事になった明久ではあるが、怖い人じゃないと知った途端、明久は安心したのかくつろぐ様になった。

 

「ねぇ明久ー」

「ララ、さん」

「ララでいいよ!」

 

 ララは隣に座る。明久は少しモジモジした後、深呼吸してララの尻尾を指差して聞いた。

 

「ララのそれ……尻尾?」

「そだよ!」

「じゃあララは宇宙人?」

「うん」

「……未来の僕は凄いんだね、宇宙人と暮らしてるんだ……それに宇宙人に見えないや。ただの女の子だし」

「未来の明久は普通にただの女の子として接してくれるよ。それに明久のこと好きーって人いっぱい居るんだから」

「ほへ?」

 

 ララが明久の頭を持って皆がいる場所へ向ける。皆が手を振ってる中、明久はよく分からないって顔をする。

 

「皆明久大好きなんだよ?しかもここにいない人でまだ居るからね?」

「……どうしてララは僕を好きになったの?僕は……いい所なんもないよ?」

「違うよ、明久はいい所がいっぱいあるの。みーんなそれで好きになっちゃったんだから」

「……でも、女の子沢山なんて……イケないことじゃ……」

「それはな、この女が「ハーレムは悪くない」とお前を唆したからだな」

「なぁっ!?いつの間に!?」

 

 ネメシスとモモが明久の前に座る。ネメシスは明久が入れ替わった際に追い出されたと言う。

 

「にしてもこれが7年前の明久か、可愛いな」

「……?」

「この子はネメシスだよー!」

「お姉ちゃん……厨二病……?」

 

 明久が言うとモモが後ろでゲラゲラと笑い始めた。それに腹が立ったネメシスもモモの尻尾を掴む。モモは悶えるのと笑うのを同時にしていた為、過呼吸になりながら攣ってしまったお腹を抑えて悶絶する。

 

「やれやれ、また立場を分からせないといけないらしい」

「え?」

「私はな、お前の主人なんだ。お前は下僕なんだぞ」

「しゅじん?げぼく?」

「……分からぬか……うーむ……私が偉い人で、お前は子分だ」

「どう見てもお姉ちゃんの方が子分でしょ」

 

 明久が言うと周りの皆が「よく分かったねぇ」と頭を撫で始めた。その対応に顔を真っ赤にするネメシス。流石にネメシスは明久の頭を掴み、自分の胸へと持っていった。

 

「悪い事を言うのはこの口か、ん?」

「むぐぅー!」

「……やめなさい、ネメシス」

 

 ネメシスを無理矢理引き剥がし、後ろから明久を優しく抱きしめた。

 

「……怖いお姉ちゃんはあっち行けしましょうね」

「……誰、あれ」

「ヤミお姉ちゃんが壊れちゃった……」

「……お前は誰だ、金色の闇はそんな母性溢れていない」

「私はできる女ですので。……怖くないですか?」

「あ、ありがとう……」

 

 小さな明久は喉乾いたと台所の冷蔵庫へ向かい、お茶を入れた。

 

「明久さんってしっかりしてますよね」

「そう?……お父さんもお母さんも仕事で忙しいから、僕が家の事やってるんだ」

「……嘘、アキってその頃から……?」

「美柑の世話も大変だけどね……お兄ちゃんだから……お父さんもお母さんも仕事で忙しいからたまにしか会えないけど……頑張ってるのは知ってるから」

「今より素直ね〜」

「明久君が7年も家事とかやってたらそりゃね……待って、じゃあいつも少し学校遅れてきてたのって……」

「あー、それ知ってるってことはやっぱり春菜ちゃんと瑞希ちゃんなんだ……美柑の送り迎えだよ。お父さんもお母さんもお仕事だしね。お姉ちゃんと一緒に」

 

 明久はお茶を飲んでから改めてハーレムメンバーを見渡す。

 

「……確かに、僕は未来に来ちゃったみたい。瑞希ちゃんも春菜ちゃんも……沙姫ちゃんも大人だもん」

「そ、そうかな……あは、あははは!!」

「そっちの二人は……ララの妹かな」

「……なんか仕方ないとはいえ本人に忘れられてるみたいで傷つくな……」

「仕方ないわよ、ナナ……そうですよ、私達はララお姉様の妹です」

「どっちがお姉さん?」

 

 やっぱ当てると明久は考え始めた。10秒後。

 

「こっちがお姉さん!」

 

 そう言ってナナを指差した。ナナは満面の笑みを見せつつ、当たりと言いながら明久を抱きしめる。

 

「よく正解したな!偉いぞ〜」

「凄いわ……女を見る目はピカイチ……!この頃からなのね……!」

 

 暫くしてから明久は自身の部屋へ走っていってしまった。自分の部屋がどうなってるか、ちゃんと見たいと言う。

 

 部屋までやってきた明久は隅々まで自分の部屋を観察する。部屋の中には自分の思い出である写真や、女の子達とのツーショット写真まで。あとはこれと言って趣味やゲームなどは置いてはいなかった。

 

「……未来の僕ってゲームとかしないんだ」

「私達をずっと構ってくれるからね」

「最近はこのお姉ちゃんが独占しててねぇ」

 

 ヤミがふんすと胸を張りながら明久を再度抱きしめた。今はこんなに優しいけどねとメアが続ける。

 

「ヤミお姉ちゃん、マスターの事殺そうとしてたんだよ?」

「……僕のこと?どうして?お姉ちゃんに何か悪いことしたの?」

「……私が悪いんです。……ごめんなさい」

「んーん、きっと僕がなにかしたんでしょう?嫌な事されてない?僕はそんな嫌な事する大人にはならないよ!」

 

 その言葉に誰もが目を背けた。明久のラキスケである。

 

「明久さん、明久さんは学校でよく転んだりしますか?」

「んーん?転ばないよ」

「た、確かに……ラキスケされた覚えは無い気もするけど……」

「でもお姉ちゃんが悪い人には見えないから。本当に悪い人かどうか、僕わかるんだよ!……だからお姉ちゃんはきっと、心が優しい人なんだよ」

 

 ヤミはその一言で明久を抱きしめる力を強め、そして、

 

「今日一日明久の世話は私がします」

 

 と言い出した。誰もがその提案に対し抗議し始める。

 

「アンタ最近ほんっと明久独占しててずるいんだから!譲りなさい!」

「私の明久への気持ちは誰にも負けません……ッ!」

「私達だって同じだよ!」

 

 ギャーギャー騒いでるうちに美柑が明久を連れ出した。リビングまで連れてきた美柑は明久の隣に座る。

 

「ありがと美柑……お兄ちゃんなのに情けないね」

「……うぅん、アキはすっごくかっこいいよ……そっか、アキと同い年になったんだ……」

「美柑、僕は……迷惑かけてない?」

「……少し前まで、私アキとも話せなかった。……アキが問題を起こしちゃって。……こんなかっこ悪いアキ見たくはないって……でも、私……アキの事それでも今は好きだから。大丈夫、どんなに迷惑をかけても……私はアキのこと嫌いにならないよ、もっと頼って欲しいとも思ってる」

「……ごめんね……完璧なお兄ちゃんじゃなくて」

 

 悲しい顔をしながら美柑の頭を撫でる。だけど、美柑は明久の身体を抱きしめた。

 

「……もっと頼って、暗くなる前に」

「……うん、そうするよ」

「でも、完璧なお兄ちゃんだよ。皆を笑顔にしたり……兵器だって言われた人達を普通の女の子として暮らす事だって出来るし」

「……そうなの?」

「さっきアキを抱っこしてたヤミさんも、ネメシスも……赤い髪のメアさんも……皆兵器って言われて……でも、未来の明久は女の子として生活できるようにしたの。……明久が底なしに優しいからチョロい人達はみーんな今家にいるんだよ」

「「「ちょろくない!!」」」

 

 全員がリビングに戻ってくる。だけど美柑はふふっと笑って明久に振り向いた。

 

「ほら、アキが頑張ったからこんなにアキの事好きな人いるんだよ?」

「……そっか、今のまま頑張れば、僕はこんな環境にいれるんだ」

「ほほう?お前は女ばかりの環境がいいと?」

 

 ネメシスが言うと明久も首を横に振った。そのまま静かに語る。

 

「一人は辛いもの」

「……なんだと?お前は人気者じゃないのか?友達が多いとか……」

「居ないよ。春菜ちゃんや瑞希ちゃんは話しかけてくれるけれど……他は誰も。僕は友達いないもの」

 

 家に帰っては美柑の世話だったり、家事だったり。それらを全てこなさないといけなかったと言う。

 

「だから明久君はお母さんとギクシャクしてたんだ……」

「美柑のせいでもお父さんとお母さんのせいでもないんだ。……友達は少なかったけれど、こんな僕でも二人は話し掛けてくれたから。……それだけで僕は良かったから」

「……小学校や中学校は一人だったとは……」

「未来の僕はどんな人?」

 

 そう言われて色々と出てきた。女の子侍らせるとか、女の子の気持ちを鷲掴みにするのが得意だとか、女の子の扱いに長けてるとか。

 

「……僕ってそんな女の子に手を出す人間なの?」

「まぁ手を出してるのは女性陣からですけどね」

「明久こんなに可愛い彼女沢山いても手を出さないからね」

「それだけ大切に思ってくれてるんでしょうけど……足りませんね」

 

 誰もが明久はもう少しグイグイ行くべきなど言う中、ララがそれでもと口ずさむ。

 

「でもね、一緒に居るとすっごく楽しいし嬉しくなるんだよ!」

「……私達三人も、あなたに助けて貰ったんですよ」

「皆明久に助けられたり、心を温かくしてもらってるの」

「……良かった、僕がそんなに頑張っているのなら……未来がとっても良いものなら……僕はそれでいいよ」

「……所でさ、こっちの明久って今何してるんだろ」

 

 誰もが里紗の言葉に反応し、現在の明久がどうなってるのか、考え始めた。

 

 

 ◆

 

 

 ララの発明でどこかに飛ばされた僕。その先は……

 

「えっ……」

「あ、あなた誰……!?」

 

 僕は今、不審者にされそうだった。

 

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