「はあ・・・はあ・・・・はあ・・・・。」
何だ・・・?これは・・・。
「急げ!ウィンダ!崩壊はもうここまで・・・。」
この声・・・僕にそっくりだ・・・。
でも、僕の意思で言っているわけではない・・・。
誰かを背負っている・・・。
それに、後ろから黒い光が迫ってきている。
「あれは創星神の裁きの光!あれに飲み込まれたら終わりだ・・・!!」
創星神・・・何を言っているんだ?
「もういいよ・・・私を置いて逃げて・・・。」
背負っているのは女の子か・・・?
前ばかり見ているから、姿は見えないけれど・・・。
やがて、神殿のようなところにたどり着く。
そこには、カードのような形をした巨大な石版があった。
だけど、裁きの光はあと少しでここまで来る。
「よし・・・ここなら・・・。」
女の子を背から降ろした。
その女の子は緑色の髪で、白いシャツ、茶色い上着、黒いホットパンツのようなものを身に着けている。
誰なんだ・・・?この子は・・・。
僕は石版の前で変な呪文を唱えた。
すると、石版が扉のように開き、虹色の空間とつながった。
開いた瞬間、僕は疲れ切ってしまった。
「さあ!この中に入るんだ!そうすれば生き残ることができる!」
「で・・・でも!今使った魔力では入れるのは一人だけだよ!あなたはどうするの!?」
「僕にはまだ魔力が残ってるよ・・・。あとから追いつくから・・・・さあ、早く!」
僕は彼女の背中を押し、強引にあの空間の中に入れようとした。
「嘘よ!!だって、創星神との戦いのときにたくさん魔力を使って・・・・!」
彼女がそう言った瞬間、僕は黙り込んだ。
どうやら、図星みたいだ。
「はは・・・。君には嘘をつけないな・・・。だけど、君には生きていてほしいんだ・・・。それが、今の僕のたった一つの願いなんだ。」
「そんなの・・・・そんなのないよ・・・。」
彼女は大粒の涙を流しながら僕を見た。
でも、裁きの光は容赦なく神殿をも飲み込み始めた。
「時間がない!!早くこの中へ!!」
「嫌だ!!嫌だよ!!」
僕は泣きじゃくる彼女を石版の中に突き飛ばした。
そして、石版が一人入ったことを確認し、閉まり始めた。
「ユウーーーー!!」
彼女の声は、閉まりきるのと同時に聞こえなくなった。
ユウ・・・??
たしかに小さいころはユウと呼ばれたことがあるが違う。
僕の名前は剣崎侑斗だ。
でも、なんでだろう・・・?
ここではなぜか自分の本名がユウだと思えてしまう。
「さよなら・・・ウィンダ・・・。」
僕は涙を一粒流し、それだけ言うと、裁きの光に飲み込まれた。
すると、なぜかここで初めて自分の姿を見ることができた。
緑色の短髪で、黒い瞳、著色いマントと黒い服、そして腰には剣をさしていた。
だんだん自分の血が、肉が、骨が消えていく・・・。
だけど、不思議な達成感があり、痛みも熱さも感じなかった。
「はっ・・・!!」
光で何も見えなくなった瞬間、侑斗は目覚めた。
「また・・・この夢か・・・。」
彼は最近このような夢を何度も見るようになり、それに悩まされていた。
「まったく・・・これで何度目だろう?」
パジャマから学生服に着替え、鏡の前に立った。
彼の容姿の違いは髪の色だけだ。
夢の中の彼が緑に対し、彼は黒だ。
「おーい!侑斗!早く学校行こうぜ!!」
外から大きな声が聞こえた。
この茶色くて少し長い髪で青い瞳、色黒の肌の少年は加賀美蓮。
侑斗のクラスメートで、小さいころからの友人で隣人だ。
「蓮!ちょっと待ってて。」
侑斗はかばんを持ち、おにぎりを2つ食べると、家から出た。
彼は数年前に交通事故で親を失っていて、現在は一人暮らしだ。
だが、蓮と彼の両親がまるで本当の自分の子供、兄弟のように接してくれたおかげで、荒れることなく今も幸せに生活できている。
侑斗はこの暮らしがずっと続くものだと思っていた。
「(今日から3年生か・・・。中学生活最後の年だ!)」
しかし、この日を境にこの日常が変化しようとしていることを彼は気づいていなかった。
今回はデュエルがなく、主人公の紹介のような形になりました!
勘のいい人は主人公のデッキは何なのかすぐにわかりますね?
やっぱりデュエルがないと、文字数が短くなってしまいますね・・・。
感想待ってます!