遊戯王ZEXAL 風の戦士たち   作:ナタタク

100 / 112
侑斗
No.00ガスタの魔剣士ユウ
CNo.00ガスタの魔剣士ユウ・暴風
WNo.00ガスタの魔剣士ユウ・清風
No.49秘鳥フォーチュンチュン
No.50ブラック・コーン号
No.64古狸三太夫
No.74マジカル・クラウン―ミッシング・ソード
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ
CNo.69紋章死神カオス・オブ・アームズ


No.7ラッキー・ストライプ
No.17リバイス・ドラゴン
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
No.55竜騎兵グレン
CNo.55灼熱竜騎兵グレン
CNo.55竜闘士グレン
No.57奮迅竜トレスラグーン
No.82ハートランドラコ
No.85クレイジー・ボックス
No.90ヒート・ガストラフェテス
No.91サンダー・スパーク・ドラゴン

竜司
No.10白騎士イルミネーター
No.11ビッグ・アイ
No.18ジェムナイト・アゲート
No.52ダイヤモンド・クラブ・キング

瑠那
No.16色の支配者ショック・ルーラー
No.20蟻岩土ブリリアント
No.23セイクリッド・ルナマリア
CNo.23セイクリッド・アーク
No.30破滅のアシッド・ゴーレム
No.87雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ


第89話 友との戦い 不死の騎士VS混沌の地獄人形

トーマスVS凌牙

 

トーマス

手札5

ライフ4000

 

凌牙

手札5

ライフ4000

 

「先攻は俺だ!ドロー!!」

 

トーマス

手札5→6

 

「俺は手札から《ギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティ》を召喚!」

 

ギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティ レベル4 攻撃100

 

「このカードの召喚・特殊召喚に成功した時、手札からギミック・パペットと名のつくモンスター1体を特殊召喚できる。俺は《ギミック・パペット―アントロード》を特殊召喚!!」

膨大な紫色の人型マネキン人形で構成された巨大なアリの人形が現れる。

 

ギミック・パペット―アントロード レベル4 攻撃0

 

「《アントロード》の効果発動!1ターンに1度、俺の場に存在するモンスターがギミック・パペットと名のつくモンスターのみの場合、俺の場に存在するすべてのモンスターのレベルウィエンドフェイズまで8にすることができる!」

《ギミック・パペット―アントロード》のすべてのマネキン人形が苦しげな声を上げると、《ギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティ》が高揚状態になった。

 

ギミック・パペット―アントロード レベル4→8 攻撃0

ギミック・パペット―ハンプティ・ダンプティ レベル4→8 攻撃100

 

ギミック・パペット―アントロード

レベル4 攻撃0 守備2100 効果 闇属性 機械族

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターが「ギミック・パペット」と名のつくモンスターの身の場合に発動できる。

自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターのレベルはエンドフェイズまで8になる。

「ギミック・パペット―アントロード」のこの効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

「来るか…!?トーマス!!」

一度、本気で彼と戦ったことがあるからこそ、凌牙にはわかっている。

ナンバーズを再び手にした彼がもはや手加減することがないことを。

それは、凌牙の望むことでもある。

「俺はレベル8の《アントロード》と《ハンプティ・ダンプティ》でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ、No.15!運命の糸を操る地獄からの使者、漆黒の闇の中より舞台の幕を開けろ!《ギミック・パペット-ジャイアントキラー》!」

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー ランク8 攻撃1500

 

(来たか、ナンバーズ…。だが、攻撃表示だと??)

《No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー》は高いランクにかかわらず、攻撃力がかなり低い。

普通では、そのようなモンスターを攻撃表示で召喚することはプレイングミスでしかない。

「そして、俺は手札から装備魔法《ギミック・シールド》を発動!こいつをギミック・パペットと名のつくエクシーズモンスターに装備された時、装備モンスターの攻撃力と守備力が入れ替わる!」

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー ランク8 攻撃1500→2500

 

「そして、1ターンに1度、装備モンスターのオーバーレイユニット1つにつき、300ポイントのダメージを与える!」

《No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー》の2つのオーバーレイユニットから電撃が発生し、凌牙に襲い掛かる。

「うう…ぐう!!」

 

凌牙

ライフ4000→3400

 

ギミック・シールド(アニメオリカ)

装備魔法カード

「ギミック・パペット」と名のつくエクシーズモンスターにのみ装備可能。

装備モンスターの攻撃力・守備力を入れ替える。

1ターンに1度、自分のターンのメインフェイズ時に装備モンスターのエクシーズ素材1つにつき300ポイントのダメージを与えることができる。

 

「どうだ!?ちったぁこたえただろう?俺はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

トーマス

手札6→3

ライフ4000

場 No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー(《ギミック・シールド》装備 オーバーレイユニット2) ランク8 攻撃2500

  伏せカード1

 

凌牙

手札5

ライフ3400

場 なし

 

「く…!俺のターン、ドロー!」

 

凌牙

手札5→6

 

「俺は《セイバー・シャーク》を召喚!!」

 

セイバー・シャーク レベル4 攻撃1600

 

「更に、このカードは俺の場に水属性モンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる!《サイレント・アングラー》を特殊召喚!!」

 

サイレント・アングラー レベル4 攻撃800

 

(これで、レベル4のモンスターが2体か…)

「トーマス!俺の本当のエースを見せてやる!!」

「…!!」

「俺はレベル4の《セイバー・シャーク》と《サイレント・アングラー》でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!現れろ!No.101!満たされぬ魂を乗せた方舟よ。光届かぬ深淵より浮上せよ!《S・H・Ark Knight》!」

中央部に槍を装備した騎士の紋章がある白と紫が基調の戦艦が凌牙の場に浮上する。

先端の右側にはそのモンスターの番号が刻まれている。

このカードこそ、バリアンとしての凌牙のエースカードだ。

 

No.101S・H・Ark Knight ランク4 攻撃2100

 

「これが奴のオーバーハンドレッドナンバーズ!?」

「《Ark Knight》の効果発動!1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを2つ取り除くことで、相手の場に特殊召喚されている攻撃表示モンスター1体をこのカードのオーバーレイユニットにする!」

「なんだと!?」

モンスターを破壊することなく、オーバーレイユニットとして収容する効果。

これでは、たとえ破壊耐性を持っていたとしても意味がない。

「エターナル・ソウル・アサイラム!!」

《No.101S・H・Ark Knight》の右コンテナからアンカーが発射され、《No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー》を捕縛する。

捕縛されたトーマスのモンスターはあえなくそのまま収容されてしまった。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・サイレント・アングラー

・セイバー・シャーク

 

「俺の《ジャイアント・キラー》が…」

「俺は《Ark Knight》でダイレクトアタック!!ミリオン・ファントム・ブラッド!!」

《No.101S・H・Ark Knight》の様々な個所からレーザー砲台が展開される。

それから発射される無数のレーザーがトーマスの周囲に次々と着弾する。

「うおおおおーーー!!」

 

トーマス

ライフ4000→1900

 

「分かったか…?これがバリアンの力」

ダイレクトアタックを受けたトーマスが自身の左腕を確認する。

痛みはあるが、まだ動かすことはできる。

「俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

トーマス

手札2

ライフ1900

場 伏せカード1

 

凌牙

手札6→3

ライフ3400

場 No.101S・H・Ark Knight(オーバーレイユニット1) ランク4 攻撃2100

  伏せカード1

 

凌牙の言うとおり、バリアンの、《No.101S・H・Ark Knight》の効果は恐ろしい。

しかし、トーマスの眼には諦めの色はひとかけらもない。

「なるほど…。お前の決意は本物みたいだな。だがな、俺の決意も本物だ!!お前をこっちの世界へ引き戻す!!俺のターン、ドロー!!」

 

トーマス

手札2→3

 

「来たぜ…!!俺は手札から魔法カード《オーバーレイ・ダーク・リンカーネイション》を発動!相手エクシーズモンスターのオーバーレイユニットを1つランダムに墓地へ送る!その効果で墓地へ送ったカードが闇属性モンスターだった場合、そのモンスターを俺の場に特殊召喚し、デッキからカードを1枚ドローする!しかし、それ以外のカードだった場合、俺のライフは半分になる。お前の場に存在するオーバーレイユニットは1つだけだ!」

「く…!!」

《No.101S・H・Ark Knight》の効果はオーバーレイユニットを2つ消費するため、使用後はどうしてもオーバーレイユニットが残り1つになってしまう。

トーマスはその隙をついたのだ。

そのモンスターの中に格納されたオーバーレイユニット、《No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー》がコンテナを破壊し、トーマスの場に舞い戻る。

砕けたコンテナは強制排除され、どこからともなく新たなコンテナが現れると、代わりにそれが装着される。

 

No.15ギミック・パペット―ジャイアントキラー ランク8 攻撃1500

 

オーバーレイ・ダーク・リンカーネイション(アニメオリカ)

通常魔法カード

相手フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択し、そのエクシーズ素材1つをランダムに選択して墓地へ送る。

この効果で墓地へ送ったエクシーズ素材が闇属性モンスターだった場合、そのモンスターを自分フィールド上に特殊召喚し、自分のデッキからカードを1枚ドローできる。

闇属性モンスター以外だった場合、自分のライフポイントは半分になる。

 

「更に、《オーバーレイ・ダーク・リンカーネイション》の更なる効果で、デッキからカードを1枚ドローする!」

次にトーマスがドローしたカード。

それはクリストファーから渡されたRUMだった。

まるで、自分の魂にデッキが応えているかのようだ。

「来たぜ…!!バリアン世界にいるお前に会うために、俺がそっちの世界へ行ってやるぜ!!俺は手札から《RUM-アージェント・カオス・フォース》を発動!!」

「人間の貴様が…新たなRUMだと!?」

凌牙が知っている中では、人間の中でRUMを使いこなしているのは侑斗たち4人と遊馬だけだ。

更に、見たことも聞いたこともないカードであったことも凌牙にとっては衝撃的だ。

「これは兄貴たちが作った人間の新たな力…。こいつは俺の場のランク5以上のエクシーズモンスター1体をカオス化させる。俺は《ジャイアントキラー》をオーバーレイ!!カオスエクシーズチェンジ!!現れろ、CNo.15! 人類の英知の結晶が、運命の糸を断ち切る使者を呼ぶ!《ギミック・パペット-シリアルキラー》!」

紫色のエネルギーがあふるほど体内に宿している黄金の人型マリオネットが上空のオーバーレイネットワークから舞い降りる。

そして、彼の右腕に装備されているブレスレッドに封じ込められている紋章の力が増幅し、彼を蝕む。

(く…!!だが、実験の時よりもはるかにましだ!!)

 

CNo.15ギミック・パペット―シリアルキラー ランク9 攻撃2500

 

「《アージェント・カオス・フォース》は俺の場にランク5以上のエクシーズモンスターが特殊召喚された時、1度だけで墓地から手札に加えることができる。《シリアル・キラー》の効果発動!こいつは1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手の場のカード1枚を叩き潰す!さらにそのカードがモンスターだった場合、相手にそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージをてめえにぶち込む!!エクスターミネーション・スラッシャー!!」

《CNo.15ギミック・パペット―シリアルキラー》が左右半分に開き、黄金の歯車のような刃が複数発射される。

「く…!!俺は手札から《バルーン・シャーク》の効果を発動!俺の場の水属性エクシーズモンスターが破壊されるとき、このカードを手札から墓地へ送ることでその破壊を無効にする!!」

《No.101S・H・Ark Knight》の目の前に小柄なトラザメが現れる。

そして、急にその体を大きく膨らませて、そのモンスターの盾となり散った。

 

バルーン・シャーク

レベル3 攻撃300 守備1000 効果 水属性 魚族

自分フィールド上に表側表示で存在する水属性エクシーズモンスターが破壊されるとき、このカードを手札から墓地へ送ることで発動できる。

そのモンスターは1度だけ破壊されない。

 

「だが、《バルーン・シャーク》の効果は1度だけだ!《シリアルキラー》で《Ark Knight》を攻撃!ジェノサイド・ガトリング・バースト!」

《CNo.15ギミック・パペット―シリアルキラー》が四つん這いとなり、口からガトリング砲を露出させる。

ガトリング砲の無数の弾丸が《No.101S・H・Ark Knight》の砲台を一発も外すことなく破壊し、その戦艦が砕け散った。

「く…!!」

 

凌牙

ライフ3400→3000

 

「どうだ凌牙!?俺のファンサービスは!!俺はこれでターンエンドだ!!」

 

トーマス

手札3(うち1枚《RUM-アージェント・カオス・フォース》)

ライフ1900

場 CNo.15ギミック・パペット―シリアルキラー ランク9 攻撃2500

  伏せカード1

 

凌牙

手札3→2

ライフ3000

場 伏せカード1

 

「く…!!この程度で俺の決意が変わるとでも思っているのか!?」

「く…!!」

凌牙のオーバーハンドレッドナンバーズを倒したとしても、その決意は変わらない。

ならば、最悪相討ちになったとしても凌牙のライフをすべて削りきるしかない。

「真のカオスの力はこんなチャチな物じゃねえ!!バリアンでなきゃ到達できねえカオスの深淵をたっぷり見せてやる!!」

凌牙の右手が紫色の光り始める。

そして、地震のデッキトップに指を掛ける。

「いくぜ、トーマス…。ここからが俺の本気だ!!」

凌牙の体からすさまじいプレッシャーが解放される。

 

そのプレッシャーは近くのビルの屋上で観戦しているベクターも感じている。

「な…何だ!?この全身に感じる力は…!?」

「バリアンの…いや、カオスの力だ」

「何!?てめえは…」

ベクターの背後に、突然ウィンドが現れる。

「どうやら、お前の中にいる奴の計画通りになって行っているようだな」

「な…何のことだ!?」

「悪いが、これ以上こいつの力を増幅するわけにはいかない。お前を殺し、中にいる奴も消滅させる」

ウィンドはデュエルディスクを展開すると、彼の隣に精霊が現れる。

銀色の鎧を装備した人型の白い鳥獣だ。

 

「みんな行くぞ!!バリアンズ・カオス・ドロー!!」

 

凌牙

手札2→3

 

ドローと同時に衝撃波が発生し、周囲の建物のガラスを砕く。

「一体…何なんだ??」

「トーマス、言っただろう?カオスの深淵を見せてやると。これこそが七皇の真の力!《RUM-七皇の剣》を発動!エクストラデッキ・墓地のオーバーハンドレッドナンバーズをカオス化する!!」

「何!?場にないオーバーハンドレッドナンバーズをカオス化だと!!?」

《No.101S・H・Ark Knight》が場に舞い戻ると、即座にオーバーレイネットワークに取り込まれていく。

「カオスエクシーズチェンジ!!現れろ、CNo.101!満たされぬ魂の守護者よ、暗黒の騎士となって光を砕け!《S・H・Dark Knight》!」

船体中央部の存在する紋章が黒と紫が基調の槍戦士に変化し、凌牙の場に現れる。

 

CNo.101S・H・Dark Knight ランク5 攻撃2800

 

「どうだ?これが人間には到達できないカオスの深淵!!」

「なんだこいつは!?見ているだけで鳥肌が立ってきやがる!!これが凌牙のカオスナンバーズ…」

七皇の長たる凌牙の力がそうさせるのか、オーバーハンドレッドナンバーズすべてにそういう力があるのか、今のトーマスには分からない。

しかし、一つだけ確かなことは手加減や躊躇をしたら必ず負けるということだ。

 

屋上でデュエルをしているベクターにも凌牙の力を感じることができた。

「これがナッシュの力…」

ベクターの頭に何者かのテレパシーが届く。

(まさか、ナッシュがこれほどまでに力を持っているとはな…。しかも、その影響でほかの七皇までもな…)

「これじゃあ、人間どもがどれだけ束になっても勝てるわけが…」

「何をよそ見している?」

「おっと…そうだったぜ!!」

「俺はレベル4の《幻獣ワイルドホーン》にレベル4の《幻獣ホワイトビスマルク》をチューニング。深海に眠りし破邪の水龍よ!敵の技を無にし、激流の如く邪悪を薙ぎ払え!シンクロ召喚!出でよ、《マリンフォース・ドラゴン》」

ウィンドの竜が《CNo.104仮面魔踏士アンブラル》を大波で吹き飛ばす。

「ちくしょう!!こうもたやすく俺のオーバーハンドレッドカオスナンバーズを…!?」

「弱いな…お前は。あの時本気で未来を変えようとしてこの時代にきたたやつらの足元にも及ばない」

「さあ…お前の体内にいる魂たちを解放してもらおうか」

 

「《Dark Knight》の効果発動!!1ターンに1度、相手の場に特殊召喚されたモンスター1体をこのカードのカオスオーバーレイユニットにすることができる!!」

「く…!!今度はオーバーレイユニットを使わずにかよ!?」

「俺は《シリアルキラー》をカオスオーバーレイユニットに変換する!ダーク・ソウル・ローバー!!」

《CNo.101S・H・Dark Knight》の槍からカオスの激流が《CNo.15ギミック・パペット―シリアルキラー》に襲い掛かる。

カオスの深淵の力を受けた大量殺人人形はカオスオーバーレイユニットと化していく。

「トーマス、お前の戯言もこれで終わりだ!!《S・H・Dark Knight》でダイレクトアタック!!」

《CNo.101S・H・Dark Knight》の槍がトーマスに襲い掛かる。

「うわああああ!!」

攻撃の影響で、トーマスが大きく吹き飛ばされる。

「さらばだ…トーマス」

「まだだ!!俺は必ず、お前を連れ戻すと決めたんだ!!お前が運命と呼ぶものをデュエルでぶっ壊してな…」

体中から襲ってくる痛みに耐えながら、トーマスは立ち上がる。

そして、場には巨大な1つの頭部4つの小さな人の体といういびつな黒い人形がいる。

「貴様…どうやって!?」

「俺はダイレクトアタックを受けた瞬間、《ギミック・パペット―ダイ・アウト》の効果を発動した。このカードを手札から特殊召喚することで、俺が受ける戦闘ダメージを半分にし、ダメージ計算終了時にバトルフェイズを終了させる」

 

ギミック・パペット―ダイ・アウト レベル8 攻撃1500

 

トーマス

ライフ1900→500

 

ギミック・パペット―ダイ・アウト

レベル8 攻撃1500 守備1200 効果 闇属性 機械族

このカードは通常召喚できない。

自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手の直接攻撃宣言時に手札から発動できる。

このカードを表側攻撃表示で特殊召喚することで、その攻撃によって受ける自分へのダメージを半分にし、バトルフェイズを終了させる。

この効果で特殊召喚した次の自分のターン、自分は「ギミック・パペット」と名のつくモンスター以外のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚することができない。

 

「なるほど…。やるじゃねえか!!これなら、ぶったおす甲斐があるってもんじゃねえか!!俺はこれでターンエンドだ!!」

 

トーマス

手札3(うち1枚《RUM-アージェント・カオス・フォース》)

ライフ500

場 ギミック・パペット―ダイ・アウト レベル8 攻撃1500

  伏せカード1

 

凌牙

手札3→2

ライフ3000

場 CNo.101S・H・Dark Knight(オーバーレイユニット2) ランク5 攻撃2800

  伏せカード1

 

「だが、驚いたよ。極東のイカサマチャンピオンがここまでやるとはな」

「ああ…これぐらいやってやるさ。これはお前と俺たちの絆を蘇らせるデュエルだからな!!」

挑発をかわし、決意を口にする。

だが、次の凌牙の言葉は遊馬やトーマスへの最大級の侮辱と言っても過言ではない言葉だった。

「絆か…くだらねえ。お前たちとの友情ごっこにはもううんざりなんだよ!!」

「なんだと…!?それ、本気で言っているのか!?」

「もちろん本気さ。俺はお前に友情だの絆だの、甘ったるいものを感じた覚えがねえんだよ!!」

「あ…」

凌牙の言葉に、トーマスは大きく動揺する。

それが凌牙の狙いだった。

(そうだ…それでいい。トーマス、俺を憎め。友としてではなく、倒すべき敵として!!)

これは、凌牙が納得したかっただけなのかもしれない。

これほど仲間であったトーマスを憎ませ、殺意を持たせたのなら、そんな彼を倒してしまっても仕方がないと。

「俺たちとの間に絆も友情もねえって言うんなら…俺がデュエルでそいつを生み出してやる!!俺のターン、ドロー!!」

 

トーマス

手札3→4

 

「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動!その効果で俺は《ギミック・パペット―アントロード》を特殊召喚!!」

 

ギミック・パペット―アントロード レベル4 攻撃0

 

「《アントロード》の効果で、俺の場のギミック・パペットと名のつくモンスターのレベルを8に変更だ!!」

 

ギミック・パペット―アントロード レベル4→8 攻撃0

 

「俺はレベル8の《アントロード》と《ダイ・アウト》でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!現れろ、《No.40ギミック・パペット―ヘブンズ・ストリングス》!!」

 

No.40ギミック・パペット―ヘブンズ・ストリングス ランク8 攻撃3000

 

「だが、特殊召喚された以上《Dark Knight》の効果から逃れることはできない!声だけでかくても俺の心には響かねえ!!」

「だったら、響かせてやろうじゃねえか!!《ヘブンズ・ストリングス》の効果発動!1ターンに1度オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、このカード以外の表側表示で存在するすべてのモンスターにストリングカウンターを1つ置く!!メロディ・オブ・メイヘム!!」

上空から無数の赤い糸が現れ、《CNo.101S・H・Dark Knight》を拘束する。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・ギミック・パペット―ダイ・アウト

 

「そして、次のターンの終了時、ストリングカウンターが乗ったモンスターをすべて破壊し、破壊したモンスター1体につき500ポイントのダメージをお前に与える!!」

「そして、今手札にあるそのまがい物のカオスの力を使うというのか?」

「こいつは兄貴が俺に託してくれたカードだ。俺は信じている!!カードに込められた人の思いってやつを!!お前にもあるはずだ!!デュエルで積み重ねてきた思いがよお!!」

「らしくないことを言うじゃねえか…」

「ああ。だが遊馬が、そして凌牙!!お前たちが俺をこんなことをいう男に変えちまったんだ!!だから、俺もデュエルでお前の変わっちまった心をもう一度変えてやる!!」

凌牙や璃緒に対する贖罪ではなく、家族のためでもなく、世界のためでもない。

トーマスはただ、凌牙を連れ戻したいという一心で戦っている。

いわば、これは彼の私闘だ。

バイロンの復讐のために戦い続けていた過去の彼では到底考えられないことだろう。

「俺は手札から《RUM-アージェント・カオス・フォース》を発動!!その効果で、俺は《ヘブンズ・ストリングス》でオーバーレイネットワークを再構築!!カオスエクシーズチェンジ!!現れろ、CNo.40!人類の叡智の結晶で、悪魔よよみがえれ!《ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス》!」

左羽の付け根に自身に自身の番号が刻まれている漆黒の人型悪魔の人形。

天使であることを捨てた人形の手には双刃の剣、顔は人の物からまがまがしい悪魔の物となっている。

 

CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングス ランク9 攻撃3300

 

「これが奴のカオスナンバーズ…」

「いくぜ、凌牙!《デビルス・ストリングス》の効果発動!このカードの特殊召喚に成功した時、ストリングカウンターの乗ったモンスターをすべて破壊する!!」

「何!?」

「メロディ・オブ・マサカ!!」

《CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングス》の剣から放たれた光線を受け、《CNo.101S・H・Dark Knightが爆散する。

「そして、破壊したモンスターの中で元々の攻撃力が一番高いモンスターのその数値分のダメージを与える!!さあ…俺の思いをくらって目を覚ませ!!」

爆発の中で、拡散した光線が凌牙に襲い掛かる。

「うわああああ!!」

 

凌牙

ライフ3000→200

 

凄まじいダメージで吹き飛ぶとともに、彼の体が人間の状態に戻る。

(トーマス…これがお前の思い…)

「《デビルズ・ストリングス》の効果で、俺はデッキからカードを1枚ドローする」

「トーマス…(これが俺に向けた思いの強さだって言うのかよ…)」

ここまで頑固に自分を取り戻そうと彼をしていることは予想外だった。

いくら憎しみで戦わせようとしても、今の彼には無意味だ。

そして、その思いにこたえたいという自分を抑えることに必死になってしまう。

「(人間の姿に戻ったということは、あと少しで心も取り戻せるはず)

「その瞬間、《Dark Knight》の効果発動!リターン・フロム・リンボ!!」

「何…!?」

《CNo.101S・H・Dark Knight》が体がぼろぼろになった状態で墓地から舞い戻る。

 

CNo.101S・H・Dark Knight ランク5 攻撃2800

 

「オーバーレイユニットを持つこのカードが破壊され、墓地に《Ark Knight》が存在するとき、このカードは復活できる!!そして、復活した時、俺のライフは《Dark Knight》の攻撃力分回復する!!」

上空に掲げられた《CNo.101S・H・Dark Knight》の槍から放たれる波動で、凌牙の傷がいやされていく。

 

凌牙

ライフ200→3000

 

「く…。だが、もうそいつにオーバーレイユニットはねえ!!《デビルズ・ストリングス》で攻撃!!」

《CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングス》がもう1度《CNo.101S・H・Dark Knight》に刃を向ける。

「罠カード発動!!《オーバーレイ・コネクト》!!このカードはオーバーレイユニットのないエクシーズモンスター1体のオーバーレイユニットとなる!!」

「何…!?」

カオスオーバーレイユニットを手にした《CNo.101S・H・Dark Knight》が《CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングス》の刃で切り裂かれる。

「ぐうう…!!」

 

凌牙

ライフ3000→2500

 

「だが…《Dark Knight》は蘇る!!使命を果たすまで、何度でもだ!!」

再び現れる《CNo.101S・H・Dark Knight》。

手に持つ槍には刃こぼれがあり、左目に深い傷跡がある。

 

凌牙

ライフ2500→5300

 

どれほど傷ついても、何度でも立ち上がる。

このカードはまさに凌牙の思いの象徴だ。

「トーマス…そろそろあきらめたらどうだ?」

「いいや、まだだ!!いくらお前のライフが回復しようが、お前との絆を取り戻すまで、絶対にあきらめねえ!!」

トーマスの言葉に怒りを覚え始める。

なぜ、こうも自分の思い通りにならない。

なぜ、ここまで頑固に自分を取り戻そうとする。

自分を憎んでくれたらどれだけ楽だったか、どれだけ仕方ないと納得させることができただろうか。

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!!」

 

トーマス

手札4→2

ライフ500

場 CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングス(オーバーレイユニット2) ランク9 攻撃3300

  伏せカード2

 

凌牙

手札2

ライフ5300

場 CNo.101S・H・Dark Knight ランク5 攻撃2800

 

「俺のターン、ドロー!!」

 

凌牙

手札2→3

 

「お前のはかない希望はこれで終わりだ!!俺は《Dark Knight》の効果で、《デビルズ・ストリングス》をカオスオーバーレイユニットにする!!ダーク・ソウル・ローバー!!」

ボロボロの槍から放照れるカオスの激流で、《CNo.40ギミック・パペット―デビルズ・ストリングスがカオスオーバーレイユニットとなる。

これで、再び《CNo.101S・H・Dark Knight》の復活が約束される。

「罠発動!《威嚇する咆哮》!!これで、お前はこのターン攻撃できねえ」

「しのぎやがったか…。俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!!」

 

トーマス

手札2

ライフ500

場 伏せカード1

 

凌牙

手札3→2

ライフ5300

場 CNo.101S・H・Dark Knight(オーバーレイユニット1) ランク5 攻撃2800

  伏せカード1

 

「(やっぱりお前は厄介な野郎だぜ…。人間の心を捨てたはずの俺にここまで熱いものを湧き上がらせるとはよお…だが、俺がほしいのはそれじゃねえ。何もかもを焼き尽くすような憎しみだ!!トーマス、なぜ俺を憎まない!?俺を憎んでくれないんだ!!?頼むから…俺を憎んでくれ!!!)今から面白いものを見せたやるよ!!」

凌牙の力で、トーマスの目の前にソリッドビジョンが現れ、アンナたちが戦い、敗北し、消滅する光景が映し出される。

 

「う…うう…!!」

車の中で、今まで意識を失っていた遊馬が目を覚ます。

「遊馬!!」

「ここ…は…」

「良かった…気が付いたのね」

「みんな…無事なのか…?」

遊馬の言葉に、小鳥たちは沈黙する。

「遊馬…」

「大丈夫です。み…みんな無事ですよ!!」

「そうか…」

安心したのか、遊馬は再び意識を失った。

今の小鳥たちには言えるはずがない。

今、多くのデュエリストが犠牲になろうとしていることを。

「そっか…分かった。遊馬君が少しだけ目を覚ましたって」

「本当!?」

「まあ、この程度でやられる相手じゃあ…うん…?」

侑斗達の背後に6枚の光るカードが飛んできている。

「おい侑斗!!カードが飛んでくるぞ!!」

「え…??」

「私、とってくるね!!」

精霊に戻ったウィンダは風の力で跳躍し、カードを回収する。

そして、すぐに侑斗のバイクに戻った。

「ユウ…これ…」

「…!?」

ウィンダが手渡したカード…それはゴーシュたちのカードだった。

「…。ウィンダ。遊馬君が起きたら、そのカードを渡そう。それが鉄男君達の願いなんだ…」

「ユウ…。…うん」

侑斗の言葉で、ウィンダは理解した。

そして、2人の会話を聞いている蓮達も。

「おいおい…そんなにあんな世界を守りたいのかよ…バカヤローーーー!!!!」

 

「残念だったな。お前の大事なお仲間はみんなやられてしまったぜ。こいつは俺からのファンサービスだ!!トーマス!!どうだ?仲間たちが圧倒的な力でひねりつぶされていく様を見るのは」

「そこまで…そこまで堕ちてやがったのか?取り戻す心は鼻からねえ外道に成り果てたのかよ…」

湧き上がる憎悪でトーマスは拳を握りしめる。

あまりにもその力が強いのか、拳から血が出ている。

(やっと…やっと俺を憎んでくれるのか?トーマス…。そんなお前を倒すことで、俺はようやく神代凌牙として生きた時間を消すことができる…)

「凌牙!!いや、もうお前は凌牙じゃねえ!!」

「そうだ…俺はナッシュだ!!バリアンのナッシュなんだよ!!来いよ、トーマス!!今すぐお前も地獄へ送ってやるぜ!!」

再びバリアンの姿に戻った凌牙。

そして、明確な殺意を持ったトーマスはデッキトップに指を掛ける。

「俺のターン、ドロー!!」

 

トーマス

手札2→3

 

「地獄へ行くのはてめえだ!ナッシュ!!俺を本気で怒らせたことを後悔させてやるぜ!!俺は手札から魔法カード《トライアングル・ギミック・ボックス》を発動!墓地に存在するギミック・パペットと名のつくモンスター3体を除外することで、エクストラデッキからランク8以下の機械族エクシーズモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!俺は墓地の《ダイ・アウト》、《ジャイアント・キラー》、《アント・ロード》を除外!!現れろ、《No.88ギミック・パペット―デステニー・レオ》!!」

 

No.88ギミック・パペット―デステニー・レオ ランク8 攻撃3200

 

トライアングル・ギミック・ボックス(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

自分の墓地から「ギミック・パペット」と名のつくモンスターを3体除外することで発動できる。

自分のエクストラデッキからランク8以下の機械族エクシーズモンスター1体を選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効化される。

 

「《デステニー・レオ》…。デステニーカウンターを3つ手にしたとき、相手を強制敗北させるモンスターだ。だが、効果は無効となり、オーバーレイユニットもねえ。今の貴様のモンスターは牙を抜かれたライオンと同じ!!」

「ああ…。だから俺はこいつを使う!永続罠《マーシャリング・フィールド》を発動!そして、速攻魔法《サイクロン》を発動!その効果で俺は《マーシャリング・フィールド》を破壊する!!」

「何!?発動した永続罠カードを破壊だと!!?」

《マーシャリング・フィールド》が砕けた瞬間、トーマスの場に彼の紋章が現れ、そこから1枚のカードが現れ、彼の手札に加わる。

「《マーシャリング・フィールド》が場から墓地へ送られた時、デッキ・墓地から《アージェント・カオス・フォース》を手札に加える。そして俺は再びそいつを発動する!!」

「3回目のランクアップ!!?」

「俺は…《デステニー・レオ》でオーバーレイネットワークを再構築!!カオスエクシーズチェンジ!!現れろ、CNo.88!吠えろ、荒ぶる魂。すべてを滅ぼす、怒りを、呼び覚ませ!《ギミック・パペット-ディザスター・レオ》!」

四つん這いになっている人型人形4体が土台となっている黒い大きな球体。

その上に黄金の装甲と翼を持つライオンが現れる。

ライオンの右前脚に自身の番号がきざれている。

 

CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ ランク9 攻撃3500

 

「ち…ちくしょう!!この俺がここまで…!!」

「どうした?ナンバーズを持たないただの人間にここまで苦戦するのか?」

すでにベクターの手札にも場にもカードが存在しない。

ウィンドの場には《マリンフォース・ドラゴン》と《幻獣ワイルドホーン》、《幻獣クロスウィング》、《幻獣ロックリザード》、《幻獣サンダーペガス》が存在する。

(ベクター…。奴とのデュエルは後だ。お前にはまだやらねばならんことがある)

「ああ…そうだな。おいてめえ!!このデュエル、お前の勝ちにしといてやるよ!!俺のターン、ドロー!!魔法カード発動!!」

発動と同時に、周囲が膨大な煙に包まれる。

「ちっ…!どこまでも汚い真似を…」

煙が晴れると、ベクターの姿がなかった。

 

「ナッシュ!!こいつが俺の最強にして最後のカオスナンバーズ!!《ディザスター・レオ》だ!!」

「忘れたのか!?《Dark Knight》にカオスオーバーレイユニットが存在し、墓地に《Ark Knight》が存在する限り、俺は不死身だ!!」

確かに、《CNo.101S・H・Dark Knight》の自己再生とライフ回復効果は強力だ。

だからこそ、トーマスのこれまでの猛攻をしのぐことができた。

しかし、今のトーマスには勝利の策がまだ存在する。

「だが、今度はどうかな!?俺は手札から魔法カード《ディザスター・ストライク》を発動!俺の場に《ディザスター・レオ》が存在するとき、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える!!」

「何…!?」

「くらえ、ナッシュ!!!!」

《CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ》の口から溶岩をも上回る温度の業火が放たれ、凌牙を焼き尽くす。

「うわあああ!!(バカな…!?俺に直接ダメージを…)」

 

凌牙

ライフ5300→2800

 

ディザスター・ストライク

通常魔法カード

自分フィールド上に「CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ」が表側表示で存在する場合にのみ発動できる。

相手にそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを与える。

「ディザスター・ストライク」は1ターンに1度しか発動できない。

 

「まだだ!!俺は《ディザスター・レオ》の効果を発動!!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、お前に1000ポイントのダメージを与える!マキシマム・カラミティーーー!!!」

《CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ》の口から今度は金色の光線が凌牙に向けて放たれる。

「うわあああ!!!」

 

凌牙

ライフ2800→1800

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・No.88ギミック・パペット―デステニー・レオ

 

「く…。確かに、強力なモンスターだ。だが、俺のライフはまだ尽きていねえ!!」

「いいや、これで俺の勝利は確定した。俺はこれでターンエンド!!」

「何…!?」

凌牙は大きく目を開く。

攻撃も行わず、効果ダメージを与え、自身のライフを削りきれていない状態でターンを終わらせたトーマスの行動。

そして、先ほどの言葉。

その答えを、トーマスは口にする。

「俺のターンのエンドフェイズ時、こいつにオーバーレイユニットがなく、相手のライフが2000以下の時、俺はデュエルに勝利する!!」

「トーマス…」

「ナッシュ!!!これでてめえは終わりだ!!ファイナル・クラック・ダウン!!!」

《CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ》の姿を模した炎が凌牙に直撃し、大爆発を引き起こす。

「ナッシュ…これで…」

「まだだ!!まだ俺はやられてねえ!!」

爆発で起こった煙が晴れると、そこにはまだ立っている凌牙の姿がある。

そして、左腕を失った《CNo.101S・H・Dark Knight》の姿がある。

「何…!?」

「俺は罠カード《デストラクト・ポーション》を発動した。その効果で《Dark Knight》を破壊し、そのモンスターの元々の攻撃力分ライフを回復させた。そして、《Dark Knight》の効果でさらにライフを回復させた。これで、そのモンスターの特殊勝利効果は不発だ!!」

 

トーマス

手札3→0

ライフ500

場 CNo.88ギミック・パペット―ディザスター・レオ ランク9 攻撃3500

 

凌牙

手札2

ライフ1800→4600→7400

場 CNo.101S・H・Dark Knight ランク5 攻撃2800

 

「(トーマス…感謝するぜ。これで俺はもう引き返せねえ。地獄の深淵から…)俺のターン、ドロー!!」

 

凌牙

手札2→3

 

「トーマス…。どうやら運命は俺に戦えと言っているみたいだぜ…」

「何…!?」

「良く見ておけ!!これこそが人の心に別れを告げるためのカード!!俺は《アイスエイジ・シャーク》の効果を発動!!このカードを手札から墓地へ送り、俺の手札に存在するレベル4以下の水属性モンスター2体を特殊召喚し、その2体でエクシーズ召喚を行う!!俺は手札の《スターフィッシュ》2体を特殊召喚し、オーバーレイ!!」

「人の心…!?凌牙…お前…」

凌牙の言葉で、トーマスは悟った。

彼の…自らの唯一の友が自分に憎しみを持たせた理由を。

「エクシーズ召喚!!現れろ、《No.47ナイトメア・シャーク》!!」

 

No.47ナイトメア・シャーク ランク3 攻撃2000

 

アイスエイジ・シャーク

レベル3 攻撃1200 守備200 効果 水属性 魚族

このカードを手札から墓地へ送ることで、手札に存在するレベル4以下の水属性モンスター2体を特殊召喚することができる。

その後、特殊召喚した2体のモンスターでエクシーズ召喚を行う。

「アイスエイジ・シャーク」のこの効果は1ターンに1度しか発動できず、この効果を発動したターン、自分は通常召喚を行えない。

 

「《ナイトメア・シャーク》…」

人間であったころの凌牙が瑠那から受け取ったエースカード。

そして、このターンでトーマスは《No.47ナイトメア・シャーク》の効果で敗北する。

「凌牙…」

「さらばだ、トーマス。《ナイトメア・シャーク》の効果で、《Dark Knight》は相手に直接攻撃することができる!ダイレクト・エフェクト》!!」

《No.47ナイトメア・シャーク》が放つ水を受けた《CNo.101S・H・Dark Knight》の黒い鎧が青に染まっていく。

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・スターフィッシュ

 

(そうさ…分かっていた。分かっていたさ…)

「《Dark Knight》でダイレクトアタック!!!」

《CNo.101S・H・Dark Knight》の槍がトーマスに襲い掛かる。

しかし、その槍は彼に当たることなく、地面に突き刺さった。

「…凌牙…?」

「トーマス…」

「けっ!いけ好かない野郎だぜ…。後戻りできない運命に自分を追い込むために、俺を利用しやがって…」

「気づいていたのか…?」

「ああ…。だが、俺にはお前の運命を変えることはできねえ。全く…運命ってやつは…」

「トーマス…」

人間の姿に戻り、自らの拳を握りしめる。

その手からはトーマスと同様、自らの血でぬれている。

「行けよ…凌牙」

「…ああ」

凌牙は目を閉じ、トーマスとすれ違う形で歩いていく。

「最期に…お前とやれてよかったぜ、凌牙。先に地獄で待ってるぜ…」

トーマスは微笑むと、そのまま目を閉じる。

そして、彼は立ったまま消滅した。

彼の命は、ライフが0になる前に尽きていた。

しかし、彼の執念がここまで命をつなぎとめていたのだ。

 

トーマス

ライフ500→0

 

「トーマス…。みんな…この戦いが終わったら、俺もすぐに逝く…」

凌牙の眼から涙がこぼれる。

必死に止めようとするが、止まらず、むしろ涙の量だけが増えていく。

人間の心を捨て、後戻りできないところまで来たにもかかわらず…。

「うおおおおおおお!!!!!」

街の中で、凌牙の声が響き渡る。

しかし、その声を聞くものはどこにもいなかった。

そして、トーマスのカードもまた、遊馬の元へ飛んでいく。

ほんのかすかな可能性と希望を信じて…。

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