「ユウ!!ユウ・・・。」
「な・・・なんで・・・なんで夢で出てきた君がここに・・・??」
侑斗は混乱しながらウィンダに尋ねた。
「ああ・・・そうだった・・・。今のあなたには説明する必要があるわね。」
ウィンダは離れ、涙を拭いた。
「あなたが最近よく見ている夢は夢じゃないわ。これは前世の記憶なの。」
「ぜ・・・前世の・・・記憶・・・?」
侑斗は蓮が言っていたことを思い出した。
「で・・・でも、なんで君がそのことを・・・!?」
「だって、私が見せたんだもん。あなたの前世を知らせるために。」
「君が・・・・!?」
頭を混乱させながら、そのあと、ウィンダから前世の自分自身のことを教えてもらった。
自分の前世が《ガスタの魔剣士ユウ》であることを、そしてウィンダを守るために犠牲になったことを・・・。
「で・・・でも、それはただ君が見せただけの幻想かもしれないよ?他に証拠は??」
「私が見えて、触れることができること!」
侑斗はウィンダの即答に開いた口がふさがらなかった。
「前世がカードの精霊の人はこうやって触れることができるし、姿を見ることができるの。少し例外の人もいるけど、その人たちは実体化した精霊にしか触れることはできないわ。」
ウィンダはそう言いながら侑斗の手を握った。
侑斗の手に暖かく、柔らかい感触が伝わった。
「じゃ・・・じゃあ、確かめるよ・・・。」
「うん!!」
ウィンダは立ち上がった侑斗の腕に抱きついた。
「ちょ・・・ちょっと!!恥ずかしいよ・・・。」
「前世のユウもこうしてたら恥ずかしくしてたなー。」
「ぼ・・・僕はユウじゃ・・・もういいや。」
侑斗はそのまま歩くことにした。
午後7時になって、蓮の家にたどり着いた。
侑斗は両親の死後、夕食は蓮の家で食べることになったからだ。
「(本当に気づかないのかな・・・?)ただいまー・・・。」
「おかえり。侑斗君。遅かったわね。」
家に入ると、褐色の肌で黒くて長い髪をした女性がエプロン姿でいつも通りにむかえた。
彼女が蓮の母親だ。
ちなみに、父親の方は海外出張中だ。
「遅くなってすみません。おばさん。」
「いいわよ。それより、ご飯できてるわよ。早く居間に行って。」
「はい。」
侑斗は靴を脱ぎ、居間へ向かった。
「ねっ!気づいてないでしょ?」
「た・・・確かに・・・。」
確かに、ウィンダのことを蓮の母親が仮に気付いているとしたら、驚くか、彼女にあいさつをするはずだ。
それに、ウィンダはいまだに侑斗の腕に抱きついたままだ。
「頼むから・・・ごはんの時は離しててね。」
「えー!!なんで!?」
「このままじゃご飯が食べれないから・・・。」
「ぶー!!」
ウィンダは不服そうに頬を膨らませた。
「西隣に僕の家があるから、そこで待ってて。」
「はーい・・・。」
ウィンダは侑斗を離すと、蓮の家を出た。
侑斗は蓮と彼の母親と一緒に夕食を食べた。
夕食後、侑斗が家へ戻ると、ウィンダは侑斗の父親の部屋でカードケースをじっと見ていた。
「どうしたの?ウィンダ。」
「ねえユウ。このケースの中にカードがいっぱいあるんでしょ?見せてよー!」
ウィンダはほこりが被ったカードケースに指をさした。
「ああ・・・。これは父さんのカードケース・・・。あれからずっと中を見てないな・・・。」
侑斗は父親のことを思い出した。
彼が侑斗にデュエルを教えた人物だ。
何度か中のカードを見せてもらったことがあるが、彼の死後、思い出すのが嫌で一切中身を見ていなかった。
しかし、その時はまだ幼かった頃で、今は成長し、両親の死を乗り越えている。
「開けるよ。待ってて。」
「やったー!!」
ウィンダは笑顔で万歳をした。
侑斗はほこりを払い、ケースを開けた。
「あーーー!!これは!!」
「・・・!!」
2人はびっくりしながら中身を見た。
中にはガスタシリーズのカードがたくさん入っていて、更にはガスタの印がついたペンダントがあった。
「なんでこれが・・・?」
「これ・・・前世のユウのペンダントだ!!」
ウィンダはペンダントをじっと見た。
「前世の僕の物が・・・なんで・・・。」
侑斗は疑問を持っていたが、突然何かに突き動かされたかのように、そのペンダントを身に着けた。
すると、頭の中に何かのイメージが浮かんだ。
扉が誰かに解放され、100枚のカードが放出され、それらがさまざまな場所に散らばったイメージだ。
イメージが消えると、どっと疲れがたまった。
「はあ・・・はあ・・・。」
「大丈夫?」
「うん・・・。それより・・・さっきのイメージは・・・?あれ・・・?」
侑斗は自分の手に1枚のカードがあることに気付いた。
「このカード・・・持ってたっけ・・・?」
そのカードはカード名も、イラストも、テキストもない黒いカードだった。
「なんだろう・・・?このカードは・・・?」
「さあ?それより、早く私が入ったデッキを作ってよ!!」
ウィンダはガスタのカードがたくさんあったことに興奮したのか、デッキを組むようせがんだ。
「分かった。分かったよ。」
侑斗はそのカードをデッキケースに入れ、デッキを組み始めた。
「ううん・・・。あれ・・・?」
侑斗は目を覚ますと、そこは父親の部屋で、手元には構築が完了したデッキがあった。
「ああ・・・。そっか。デッキができたのと同時に寝たんだ・・・。」
まだ宿題はしていないが、今日明日は休日のため、気にしないことにした。
「ええっと・・・ウィンダは・・・!!」
侑斗はウィンダが隣で寝ていることに気付いた。
「とても気持ちよさそうに寝てるな・・・。」
侑斗はウィンダの手に触れた。
「ユウ・・・。」
「え・・・何?」
侑斗はウィンダに尋ねたが、返事はなかった。
「寝言かあ・・・。」
「おーい!!侑斗!デュエルしようぜ!」
例の如く、蓮が外から大声で侑斗を呼んだ。
「うん!今いくよ!・・・。待っててね。」
侑斗はウィンダに耳元でそれだけ言うと、外へ出た。
侑斗と蓮はデュエルをするために、島の店へ向かった。
「お。いつものお2人さんじゃないか。あと2人は2階で待ってるよ。」
島は店内の清掃をしながら侑斗たちに言った。
「あの二人な。ありがとな。島のおっさん!」
「ああ・・・引っ張らなくてもいいのに・・・。」
侑斗は蓮に引っ張られながら2階へ向かった。
「へへ・・・。おっさんか・・・。まだ30前半なんだけどなあ。」
「あ!!ようやく来たよ。早くデュエルしようよー。」
「やっと来た。退屈してたわ。」
2階には白い短髪で身長が中学1年生、もっと言えば小学校高学年と誤認しかねないくらいの小さな身長でエスニック風の服装の少年と前髪がピンクで後ろ髪が紫色の長髪で、露出の多い白い服を着た少女がいた。
少年の名前は後藤竜司で、少女の名前は月影瑠那。
どちらも侑斗と蓮のクラスメートで、小学校のころからの付き合いだ。
「竜司。瑠那。新しいデッキができたんだ。」
侑斗は昨晩作ったデッキを見せた。
「おお!!ならまず俺とやってくれ!!」
蓮はデッキを出して、侑斗に宣戦布告をした。
「あなたが・・・?ふふ・・・。まあ、練習相手にはいいかもしれないわね。」
「あ!!瑠那!お前、笑いやがったな!!」
蓮は瑠那の笑いに反応し、腹を立てた。
「だって・・・あなたのデッキはあの運任せデッキでしょ?」
「なんだよ!運も実力の内だ!早くやろうぜ!!」
「分かったよ。そんなに急かさないで。」
侑斗と蓮はD・パッドとD・ゲイザーを装備し、ARデュエルの準備をした。
「侑斗のデッキ。どんなものかしら・・・。」
「このデュエル・・・面白そうだね。」
瑠那と竜司もD・ゲイザーを装着した。
「「デュエル!!」」
侑斗
手札5
ライフ4000
蓮
手札5
ライフ4000
初デュエル開始です!!
はたして侑斗と蓮のデッキはどんなものなのか・・・??
感想待ってます!