遊戯王ZEXAL 風の戦士たち   作:ナタタク

6 / 112
第5話 宝石のナンバーズ

「それでよ。あの後、このカードはそのまま俺が持つことになったんだぜ!」

「もう・・・今日これで何回目よ。その話。」

光の空間の中で、蓮はある少女に《No.55竜騎兵グレン》の話を何度もしていた。

その少女は青い髪で、ハートランド学園の制服を着ていた。

「ふう・・・。なんで私はあなたとだけこんな形で話ができるのかしら・・・。」

「そんなこと今考えても仕方ねえだろ?もうこうなってから1年だからよ。それに、俺と話すのは退屈なのか?」

「そんなわけじゃないけど・・・。蓮。そろそろあなたが起きるわね。」

「げっ!!もうそんな時間かよ!じゃ、また次の夜にな!璃緒!!」

蓮がそう言った瞬間、光の空間が消え、蓮は意識を失った。

 

「蓮!!いつまで寝てるの!!?遅刻するわよ!」

母親の声が聞こえるのと同時に、蓮は目を覚ました。

「分かった分かった。今降りるぜ。ったく、もうちょっと璃緒と話せると思ったのによ・・・。」

蓮はデッキと鞄を持って部屋を出た。

 

そして、登校中・・・。

「へえ。今日はその女の子にあのカードのことを教えたんだ。」

「おう!大親友のお前が俺を助けてくれたこともな!!」

蓮はそう言いながら侑斗の肩を組んだ。

「大親友って・・・そんな大げさな。」

「大げさなんかじゃねえよ。何年付き合ってると思ってんだよ?」

「それはそうだけど・・・。」

「お!!いつもの二人がお出ましだ!早く行こうぜ!」

蓮は竜司と瑠那の姿を確認すると、肩組をやめ、走って行った。

「ねえ、ウィンダ。蓮が夢の中で毎日会う女の子って精霊なの?」

「さあ・・・?私にはよくわからないわ。それより・・・。」

ウィンダは侑斗の腕に抱きついた。

「うわ!!ちょっとウィンダ!!」

「蓮だけずるいわよ!!ユウと密着して!!」

「密着って・・・ウィンダ・・・。」

侑斗は額に手を置き、ため息をついた。

「おーい!何やってんだよ!置いてくぞ!」

「ああ!ごめん!今いくよ!」

侑斗はウィンダが抱きついたままの状態で3人のもとへ走って行った。

 

今日の学園では、昼休み、ある噂でもちきりだった。

「え・・?シャークが負けた?」

「学園最弱の九十九遊馬に・・・・!?」

「へえー・・・。」

「あの全国大会優勝候補レベルの腕前を持つシャークがね・・・。」

他のクラスメートから聞き、4人は驚いた。

神代凌牙、通称シャークは学校では札付きの不良で、学園最強クラスのデュエリストだった。

1年前の全国大会で不戦敗に喫して以降、アンティルールで敗者のデッキを奪っていた。

しかし、昨日、侑斗たちがナンバーズと遭遇したのと同じ日に九十九遊馬が凌牙を倒した。

その時、二人はナンバーズをエクシーズ召喚していた。

「あいつらもナンバーズを・・・?」

「ふーん・・・どうやらナンバーズは複数あるみたいだね。それに、蓮の件もあるから、注意しないとね。」

「確かにそうね。でも、おかしいのは侑斗よ。」

「え・・・僕が?」

侑斗は瑠那の言葉にびくっとした。

「あなたの場合はナンバーズをエクシーズ召喚しても暴走しなかったし、その上あなたのナンバーズが蓮のナンバーズを倒したとき、彼は元に戻ったわ。それに、あの後、彼がそのカードをエクシーズ召喚しても暴走していない・・・。」

「確かに・・・。」

侑斗は《No.00ガスタの魔剣士ユウ》のカードを見た。

「(一体・・・このカードにはどんな秘密があるんだろう・・・?)」

 

「これでホームルームは終わりだ。あと、この頃宝石泥棒がこの町で宝石屋の襲撃だけでなく、昨日は一般市民に対して強盗事件を何度も起こしている。そいつは警官から奪った銃を所持している。だから不用意な外出は避け、遭遇したとしても決して手を出さず、警察に通報するように。」

白髪の天然パーマで、白衣を着た無精ひげの多い中年教師で侑斗たちのクラスの担任である男、杉原哲郎がその泥棒の人相が描かれた紙を配布すると、すぐに教室から出た。

その男はすべての指に高い宝石がついた指輪をはめていて、歯のうちの1本が金歯になっているスキンヘッドの大男だった。

「宝石泥棒ねえ・・・。」

侑斗達はその紙をじっと見た。

「そういえば、昨日はあの日だから・・・もしかして、ナンバーズがかかわってるってことは無い?」

「お前なあ・・・なんでもナンバーズナンバーズって・・・。」

「何よ。可能性を述べただけよ。」

「まあまあ・・・。」

侑斗は蓮と瑠那が口げんかを始めるのではないかと危惧し、ここで仲裁に入った。

「それより、早く家へ戻ろうよ。外は危なそうだし、それに眠いしさ・・・ふあああ・・・。」

竜司は大あくびをしながら鞄を持った。

「あなた・・・授業中ずっと寝てたのにまだ寝たりないの?」

瑠那はあきれながら竜司に言った。

 

夕方、侑斗たちはいつも通り、4人で下校していた。

「宝石泥棒・・・許せないね・・・。」

竜司は少し真剣な表情で紙を見ながら言った。

「そういえば、あなたのデッキはジェムナイトデッキだったわね。だから許せないのね。」

「まあね。できれば俺の手で捕まえた・・・・。」

言葉を続けようとすると、竜司は大男とぶつかった。

「邪魔すんな!チビ!」

大男は竜司にそう吐き捨てると、走り去った。

「・・・・。潰す。」

竜司は低身長であることがコンプレックスであるため、それを指摘されると鬼の形相になる。

「落ち着きなさい。竜司。」

瑠那は竜司をつかみ、制止した。

「ねえ・・・ちょっと待って・・。」

侑斗は竜司の紙を見て、先ほど走り去った大男の人相を思い出した。

その男の顔は少ししか見ていないが、なぜか少し引っかかるものがあったのだ。

「・・・。あの人・・・あの宝石泥棒だ!!」

「お・・・おい!竜司のデッキケース!!」

「ん・・・あーーーー!!」

竜司は蓮の指摘を受け、自分の腰を見ると、デッキケースがなくなっていた。

「きっと、あの男が盗んだんだ!くそっ!まさかスリまでやんのかあいつは!!」

「追いかけるぞ!!」

4人は宝石泥棒を追いかけはじめた。

「ユウ・・・・ユウ・・・。」

「どうしたの?ウィンダ!?」

「あの人から蓮の時と同じ黒いオーラが・・・。」

「まさか・・・瑠那の言ったとおりになるなんてね。」

 

追いかけているうちに、商店街に着いた。

しかし、宝石泥棒は人ごみに紛れたために見失ってしまった。

「よし!!こっから、手分けして探・・・。」

パーン!!

急に近くの宝石店で発砲音が起こった。

「もしかして宝石泥棒!?」

「そういえば、銃を所持してるって先生が言ってたわね。」

「構うもんかよ!親友のデッキを盗まれたんだ!黙ってられっか!!」

蓮は宝石店に突入した。

「あ・・・・!!蓮・・・。瑠那は竜司と一緒に待ってて!」

侑斗は蓮を呼び戻すために宝石店に入っていった。

「蓮!侑斗!!・・・。全く、私の役目はほとんどこれね。」

「離せ!!俺のデッキを取り戻して、チビといったあいつを・・・!!」

「おとなしくして。」

瑠那は竜司を制止させながら2人を待った。

 

「俺のだ!!俺の宝石・・・・!!」

宝石泥棒はショーケースを破り、宝石をどんどん袋に入れていた。

「デッキを返せ!!泥棒!!」

店の中に入った蓮は宝石を入れるのに夢中になっている彼に蹴りを入れた。

「うぎゃあ!!」

彼は突然の攻撃で、ショーケースに顔面をぶつけた。

「蓮!!ああ・・・遅かった・・・。」

侑斗は店に入ったときはもう遅かった。

「デッキは返してもらうぜ!!」

蓮は宝石泥棒から竜司のデッキを取り返した。

「カード・・・宝石・・・。」

「ん・・・?」

宝石泥棒はゆっくり起き上がり、蓮を見た。

「ユウ!!気を付けて!!」

「あ・・・。」

彼の手の甲には「18」という数字が刻まれていた。

「この人はナンバーズを持っている!!蓮!」

「何!?」

「カードも・・・宝石も・・・金も・・・俺のものだー!!」

宝石泥棒の拳が蓮の腹部にめり込んでいた。

「がはっ・・・・!!」

蓮は倒れ、気を失った。

「カード・・・カード・・・。」

彼は蓮のデッキケースを奪うと、侑斗に目を向けた。

「さあ・・・・お前のカードもよこせー!!」

D・パッドとD・ゲイザーをセットした。

「くっ・・・!!あの人のナンバーズを何とかしなきゃ!!」

侑斗もD・パッドとD・ゲイザーをセットした。

「ユウ!気を付けて。」

「分かってる。」

「「デュエル!!」」

 

宝石泥棒

手札5

ライフ4000

 

 

侑斗

手札5

ライフ4000

 

 

「先攻は俺だ!ドロー!」

 

宝石泥棒

手札5→6

 

「俺は《ジェムナイト・サフィア》を召喚!」

宝石泥棒の場に水色の体をしたサファイアの大盾を装備した騎士が現れた。

 

ジェムナイト・サフィア レベル4 守備2100

 

「それは・・・竜司のカード!!よくも・・・!!」

「カードを1枚伏せ、ターンエンドだ!」

 

宝石泥棒

手札6→4

ライフ4000

場 ジェムナイト・サフィア レベル4 守備2100

  伏せカード1

 

侑斗

手札5

ライフ4000

 

「ユウ!落ち着いて!」

「分かってる!だけど・・・。」

侑斗は気を失っている蓮を見た。

「親友を傷つけたこと・・・どうしても許せないんだ!僕のターン!」

 

侑斗

手札5→6

 

「僕は、《ガスタの神官ムスト》を召喚!」

 

ガスタの神官ムスト レベル4 攻撃1800

 

「更に、手札から速攻魔法カード《ガスタの最前線》を発動!手札からレベル4以下のガスタモンスターを特殊召喚できる!《ガスタの静寂カーム》を特殊召喚!」

 

ガスタの静寂カーム レベル4 攻撃1700

 

ガスタの最前線

速攻魔法カード

自分の手札からレベル4以下の「ガスタ」と名のつくモンスター1体を特殊召喚する。

 

「レベル4の《ガスタの神官ムスト》と《ガスタの静寂カーム》でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!来い!!《No.00ガスタの魔剣士ユウ》!!」

この時エクシーズ召喚された《No.00ガスタの魔剣士ユウ》の表情は怒りに満ちていた。

 

No.00ガスタの魔剣士ユウ ランク4 攻撃2500

 

「ナンバーズ・・・こいつが俺に力を・・・。」

「バトル!!《ガスタの魔剣士ユウ》で《ジェムナイト・サフィア》を攻撃!ウィンディ・ストラッシュ!!」

《No.00ガスタの魔剣士ユウ》は風をまとった2本の魔剣で《ジェムナイト・サフィア》を撃破した。

「へへへ・・・罠カード発動!《奇跡の残照》を発動。その効果でこのターン戦闘で破壊された《ジェムナイト・サフィア》を復活させるぜ!!」

 

ジェムナイト・サフィア レベル4 守備2100

 

「く・・・。カードを1枚伏せ、ターンエンド。」

 

宝石泥棒

手札4

ライフ4000

場 ジェムナイト・サフィア レベル4 守備2100

 

侑斗

手札6→2

ライフ4000

場 No.00ガスタの魔剣士ユウ(オーバーレイユニット2) ランク4 攻撃2500

  伏せカード1

 

「俺のターン。ドロー・・・。」

 

宝石泥棒

手札4→5

 

「へへへ・・・小僧。こいつでお前を倒し、デッキをいただくぜ・・・。」

「何!?」

「手札から《レスキュー・ラビット》を召喚。」

宝石泥棒の場にヘルメットとゴーグル、笛を装備したかわいらしい兎が現れた。

 

レスキュー・ラビット レベル4 攻撃300

 

「きゃあ!!可愛いモンスターね!」

ウィンダは《レスキュー・ラビット》を見てはしゃいでいた。

「《レスキュー・ラビット》の効果発動。こいつを除外して、デッキからレベル4以下の同名通常モンスター2体を特殊召喚するぜ。2体の《ジェムナイト・ルマリン》を特殊召喚!」

宝石泥棒の場にイエロートルマリンでできた騎士が現れた。

 

ジェムナイト・ルマリン×2 レベル4 攻撃1600

 

「レベル4モンスターが3体・・・!?」

「レベル4の《ジェムナイト・ルマリン》2体と《ジェムナイト・サフィア》をオーバーレイ!!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!!エクシーズ召喚!《NO.18ジェムナイト・アゲート》!」

宝石泥棒の場にメノウでできた巨大な三角錐が現れ、それが重装の西洋風の鎧と槍、盾を装備した巨大な騎士に変化した。

その騎士の盾には「18」という数字が刻まれていた。

「これが・・・18番目のナンバーズ・・・。」

 

(宝石泥棒のメインフェイズ)

宝石泥棒

手札5→4

ライフ4000

場 No.18ジェムナイト・アゲート(オーバーレイユニット3)ランク4 攻撃3000

 

侑斗

手札2

ライフ4000

場 No.00ガスタの魔剣士ユウ(オーバーレイユニット2) ランク4 攻撃2500

  伏せカード1

 

一方、遠くからある少年がこのデュエルを見ていた。

その少年は黒い服を着て、前髪が緑、後ろ髪は薄い黄色だった。

「奴もナンバーズを集めているのか・・・。しかし、何だ?奴のナンバーズから感じるこの違和感は・・・?」

「カイト様!」

その少年をカイトと呼んだロボットは、白を基調とした装甲で、両腕両足はあり、両腕には高性能なマニピュレーターがついていた。

「奴のナンバーズに興味がある。このデュエルを記録しておけ。オービタル。」

「カシコマリ!!」

オービタルと呼ばれたロボットは頭部のカメラでデュエルの記録を開始した。

「(しかし・・・ナンバーが0だと・・・?そのようなナンバーズがあることはMr.ハートランドは言っていなかったぞ・・・。)」




新たなナンバーズ出現です!!
はたしてそのモンスターの効果とは!?
そして、原作キャラではカイトが一足早く登場です!(遊馬ごめんね!)
感想待ってます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。