遊戯王ZEXAL 風の戦士たち   作:ナタタク

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侑斗
No.00ガスタの魔剣士ユウ
CNo.00ガスタの魔剣士ユウ・暴風
No.49秘鳥フォーチュンチュン
No.50ブラック・コーン号
No.74マジカル・クラウン―ミッシング・ソード
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ 


No.7ラッキー・ストライプ
No.17リバイス・ドラゴン
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
No.55竜騎兵グレン
CNo.55灼熱竜騎兵グレン
No.57奮迅竜トレスラグーン
No.82ハートランドラコ
No.85クレイジー・ボックス
No.91サンダー・スパーク・ドラゴン

竜司
No.10白騎士イルミネーター
No.11ビッグ・アイ
No.18ジェムナイト・アゲート
No.52ダイヤモンド・クラブ・キング

瑠那
No.16色の支配者ショック・ルーラー
No.20蟻岩土ブリリアント
No.23セイクリッド・ルナマリア
No.30破滅のアシッド・ゴーレム
No.87雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ


第63話 新たなバリアン もう1体の銀河眼

「遊馬君…!どこにいるんだ!?遊馬君!!」

月すら見えない森の中を侑斗は走る。

普段はそばにいるはずのウィンダやフォーチュン、風クリボーの姿がない。

徐々に赤い光が見えてくる。

「こ…これは…!!」

バリアンの力で満たされた赤いフィールドの中で激突する遊馬と黄色いマントのデュエリスト。

そして、マントの男が呼び出したのは、かつて侑斗が戦った別世界のデュエリストのエースカード。

真紅の粒子が流れている漆黒の機械的な肉体を持つ竜の光線によって、《No.39希望皇ホープ》が跡形もなく消し飛んだ。

「うわああああ!!」

《No.39希望皇ホープ》を破壊した光線はそのまま遊馬とアストラルを焼き尽くしていく。

「遊馬君!!アストラルーーーーー!!!!」

 

「!!!!?はあ…はあ…」

真っ暗で、かわいらしいぬいぐるみがそばに置かれているベッドの上。

時刻はまだ午前2時過ぎ。

「ゆ…夢…」

「スースー…」

白いシャツとパンツだけの姿で、侑斗に抱きついて眠るウィンダ。

彼女の寝顔を見て、あれは悪夢だったことを再確認した。

「ピー?」

「クリクリー」

「大丈夫…。心配してくれてありがとう」

目の前に現れたフォーチュンと風クリボーに微笑むが、心の中では小さな不安が生まれていた。

(今度は…敵として現れるのか…あのモンスターは…)

 

「ふう…」

その日の昼、蓮達と共に海釣りを始めた。

 

「ふう…」

「侑斗。引いてるわよ」

「え…?」

瑠那の声に反応し、竿を上げるが、すでに魚は餌をとって逃げていた。

「おいおい、どうしたんだよ?考え事か?」

「ああ…なんでもないよ。さてっと、リベンジしないと!」

笑顔を作り、再び餌をつける侑斗

隣で侑斗を見ているウィンダは心配そうにしている。

(ユウ…どうしちゃったんだろう?)

「よし!2匹一気に釣れた!」

「俺も1匹つれたぜ!」

「釣れたわ」

蓮達のバケツの中には、たくさん魚が入っていたが、侑斗のバケツには1匹もなかった。

「どうしたんだよ?いつもなら、少しは釣れてるはずだろう?」

「引いてるときも、全く気が付いてない…」

「何かあったんだじゃないの?侑斗」

「それは…」

「ユウ、朝からずっとその調子だよ。何も言ってくれないのって、ひどいよ…」

「ウィンダ…」

涙ぐみウィンダを見て、ようやく夢のことについて話しはじめた。

 

「ははーん…。夢の中で、遊馬君とアストラルが負けて、死ぬって夢…」

「まあ、無理もねえぜ。バリアンの奴らに何度も襲撃されてっからな」

「…」

バリアンに洗脳された人々に、侑斗たちは何度も襲撃を受けた。

そのたびに彼らを撃退してきたが、カオスエクシーズモンスターに今のデッキでどこまで対抗できるかは分からない。

「心配ねーよ!」

サイコロを投げながら、笑顔で答える蓮。

「蓮…」

「俺たちは負けねえよ。当たり前じゃねえか!俺たちは一緒に戦ってるんだからな!」

「一緒に…?」

「そうよ。私たちはナンバーズ部のメンバーであり…」

「幼馴染だからね」

「みんな…」

「それに、遊馬はちょっとやそっとじゃあくたばらねえよ。それを一番よく知ってるのは、お前だろ?」

「そう…だったね」

「あ…!ユウ、竿!!」

「え…!?」

あわてて、竿を引き揚げようとする。

今までよりも大物の感覚がし、侑斗だけの力では釣り上げることができない。

「手を貸すぜ!侑斗!」

「私も!」

蓮達の手を借り、思いっきり引き上げる。

「…」

釣れたのは…なぜかオボットだった。

まさかのある意味では大物に絶句した。

 

「結局1匹もつれなかった…」

「でも、ユウがさっきより明るくなったよ!」

ちょっとだけがっかりする侑斗にウィンダが腕にしがみつく。

顔を赤くしながら、侑斗は釣竿と空のバケツを持って歩く。

釣れたオボットは島がさまざまなカードと交換してくれた。

「島さん、引き取ったオボットでどうするのかな…?」

「それよりもユウ!せっかく新しいカード貰ったから、帰ったら一緒にデッキ改造しよ!」

「そうだね。これだけカードがあれば、もしかしたら…」

ピリリリリリ…!!!

「凌牙君から…?なんだろう?」

(侑斗!!遊馬がバリアンと戦っている!!そして…っておい!!)

(早く来て、侑斗さん!このままだと遊馬が…遊馬が…!!)

悲鳴に近い小鳥の声が侑斗とウィンダの耳に飛び込んでくる。

「ユウ!!」

「分かってる!お願いだ、フォーチュン、ガルド!!」

風の目を発動し、フォーチュンとガルドを実体化させる。

「「ピーーーーー!!」」

2体の鳥が巨大化し、2人は遊馬の元へ飛翔した。

(場所は決闘庵がある山林の中…夢と同じ場所じゃないか!!)

「ねえ、ユウが夢の中で見たモンスターってもしかして…」

「うん。僕の予想が間違っていなければ、あれはもう1体の…」

「ということは、もしかして…」

「見えてきた…あれは…!!」

森の中で浮かぶ赤いフィールド。

そのフィールドにいるのは傷だらけの遊馬とアストラル、そして貴族風の衣装で、顔に赤い印が3つついている美少年と彼と対峙するカイトだった。

フィールドの周囲の木々はなぎ倒され、地割れが生じていた。

「あのフィールド…《スフィア・フィールド》に似た力がある…」

風の目が、侑斗に赤いフィールドの危険性を教えた。

「凌牙君、璃緒ちゃん、小鳥ちゃん!一体何があったの!?」

「あの後、カイトが助けに来て、代わりにバリアンと戦っている」

「そして、バリアンが使っているモンスターは…107番目のナンバーズです」

「《銀河眼の時空竜》…」

侑斗はフィールドの中で咆哮する《No.107銀河眼の時空竜》をじっと見る。

異世界の仲間の1人が最も信頼しているエースカード…。

一度そのモンスターに敗れたことがある侑斗には、そのモンスターの恐ろしさがよくわかっていた。

時空を支配し、場のモンスターすべてのモンスターの力を無効にして、攻守を元通りにしてしまう効果。

そして、その効果を発動したターンに相手がカード効果を発動するたびに攻撃力がエンドフェイズまで1000ポイントアップし、更にそのターンに2度攻撃が可能になる。

「なんでそのモンスターを知っているんだ!?」

「え…?ああ、勘だよ。勘」

「勘にしては、当たりすぎてるが…」

「今はそれを聞いている暇はないわね」

フィールドの中ではデュエルが続いている。

 

カイト

手札2

ライフ500

場 銀河眼の光子竜(《フォトン・スペクター》の影響下) レベル8 攻撃2000

 

少年

手札2

ライフ4000

場 No.107銀河眼の時空竜(オーバーレイユニット1) ランク8 攻撃3000

 

フォトン・スペクター(アニメオリカ(調整))

レベル1 攻撃0 守備0 効果 光属性 魔法使い族

相手モンスターの直接攻撃宣言時、自分の墓地に存在するこのカードをゲームから除外して発動できる。

自分の墓地から「フォトン」または「ギャラクシー」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に攻撃表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、攻撃力が1000ポイントダウンする。

さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない。

 

「行くぞ!俺のターン、ドロー!」

 

カイト

手札2→3

 

「俺は手札から魔法カード《死者蘇生》を発動!その効果により、俺は墓地から《フォトン・スラッシャー》を特殊召喚!」

 

フォトン・スラッシャー レベル4 攻撃2100

 

「更に、手札から《フォトン・サークラー》を召喚!」

光の粒子で構成された片足立ちの魔術師が、マントを身に着け、《フォトン・スラッシャー》と共に《銀河眼の光子竜》の両翼を守る体制に入った。

 

フォトン・サークラー レベル4 攻撃1000

 

(この状況…まさか、あのカードを…?)

「俺は手札から魔法カード《シフトアップ》を発動!俺の場のすべてのモンスターのレベルを、最も高いモンスターのレベルに統一させる!」

《銀河眼の光子竜》の咆哮が《フォトン・サークラー》と《フォトン・スラッシャー》の士気を高め、レベルを引き上げる。

 

フォトン・サークラー レベル4→8 攻撃1000

フォトン・スラッシャー レベル4→8 攻撃2100

 

「レベル8のモンスターが3体…。来るか」

少年の表情がわずかな怖れともう1体の銀河眼の強化形態への大きな期待が合わさったものになる。

「なんで!?《シフトアップ》を発動せずに、《パラディオス》を召喚すれば勝てるのに!?カイトさん!!」

《輝光子パラディオス》には相手モンスター1体の効果を攻撃力をすべて消滅させる効果がある。

今の状況ならば、《No.107銀河眼の時空竜》の妨害を受けることもない。

侑斗にはなぜカイトが自ら勝利を捨てるような行動をとったのかわからなかった。

だが、それを一番よくわかっていたのはカイト本人だ。

「(侑斗の言うとおり、ここで《パラディオス》をエクシーズ召喚すれば、奴をこのまま倒すことができる。だが、最強の《銀河眼》使いを決めるためには、俺の《銀河眼》で奴の《銀河眼》を倒すしかない。そうでなければ、俺の中に後味の悪いものが残る!!)俺はレベル8の《銀河眼》と《フォトン・サークラー》、《フォトン・スラッシャー》でオーバーレイ!逆巻く銀河よ、今こそ、怒涛の光となりて姿を現すがいい!降臨せよ、我が魂!《超銀河眼の光子龍》!」

 

超銀河眼の光子龍 ランク8 攻撃4500

 

「これが…これが《超銀河眼の光子龍》!!」

少年の瞳から恐れが消え、ただ待ちに待った最強の敵の到来を狂喜する輝きを放つ。

「《銀河眼》をオーバーレイユニットとしてこのカードがエクシーズ召喚された時、このカード以外の場に存在するすべてのカードの効果を無効にする!フォトン・ハウリング!!」

《超銀河眼の光子龍》が魂すら凍りつかせるほどの雄たけびを放つ。

あまりにも恐ろしい雄たけびに《No.107銀河眼の光子竜》はのけぞり、効果を失ってしまった。

「効果を奪うことで、ナンバーズの破壊耐性を奪う!これこそ、そのカードはナンバーズキラーと恐れられる所以か!?」

「更に、《超銀河眼》の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除き、相手の場に存在するすべてのオーバーレイユニットを墓地へ送り、墓地へ送ったオーバーレイユニット1つに付き、攻撃力が500ポイントアップする!」

《超銀河眼の光子龍》は胸にオーバーレイユニットを宿し、更に咆哮する。

咆哮する竜に誘われるかのように、《No.107銀河眼の時空竜》の最後のオーバーレイユニットが吸収されていった。

 

超銀河眼の光子龍 ランク8 攻撃4500→5000

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・フォトン・スラッシャー

 

墓地へ送られた相手のオーバーレイユニット

・光子化

 

「攻撃力5000!!?」

「行け!《超銀河眼の光子龍》!アルティメット・フォトン・ストリーム!!!!」

《超銀河眼の光子龍》の3つの頭部から凄まじい破壊力を誇る赤い光線が放たれる。

力とオーバーレイユニットをすべて奪いつくされた《No.107銀河眼の時空竜》はなすすべもなく破壊された。

「うおおおおお!!」

 

少年

ライフ4000→2000

 

「俺はこれで…ターンエンドだ」

 

カイト

手札3→0

ライフ500

場 超銀河眼の光子龍(オーバーレイユニット2) ランク8 攻撃5000→4500

 

少年

手札2

ライフ2000

場 なし

 

「はははははは…いい…いいぞ…!!」

実体化したダメージにより、傷ついたにもかかわらず、少年は笑っていた。

生まれて初めて正真正銘のライバルと思える存在に出会えた。

少年の数少ない願望が叶った瞬間でもあったからだ。

「《銀河眼》使いたるもの、こうでなければな!!」

「負け惜しみを…!」

「私のターン、ドロー!」

 

少年

手札2→3

 

「私もこれを使わせてもらおうか。《死者蘇生》を発動!その効果で、私は《銀河眼の時空竜》を特殊召喚!」

 

No.107銀河眼の時空竜 ランク8 攻撃3000

 

「ふふふふ…これならば、私が本気を出すにふさわしい。バリアル・フォーゼ!!!」

少年が紫色の光に包まれていく。

「ああ…!!」

少年の姿は徐々に人間ではなくなり、その姿が金色の肉体と髪と白い仮面、赤い縁と緑色の結晶と羽根の形をした装飾品を身に着けた人型の生命体となった。

「バリアン…ついに正体を現したか…」

「なるほど。それが貴様らの真の姿か」

「今から貴様に、真のバリアンの力を見せてやろう。《RUM-バリアンズ・フォース》発動!!このカードは、自分のエクシーズモンスター1体をランクアップさせ、カオス化させる!私はランク8の《銀河眼》でオーバーレイ!カオスエクシーズチェンジ!!逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ。永遠を越える竜の星! 顕現せよ、《CNo.107超銀河眼の時空龍》!」

 

CNo.107超銀河眼の時空龍 ランク9 攻撃4500

 

「《超銀河眼の時空龍》だと…!?」

「やっぱり…カオスナンバーズを!?」

「でもユウ…様子がおかしいよ!!」

ウィンダの言うとおり、今の《CNo.107 超銀河眼の時空龍》はもやができた幻影となっていて、完全な姿になっていなかった。

黄金の竜の幻影が咆哮し、フィールドに大きな衝撃が走る。

「いや…!?エネルギーが大きすぎる!!このままでは、《スフィア・フィールド》が…!!」

「凌牙君…これは…?」

「《スフィア・フィールド》はどうやら、あいつらが本気の力を発揮するためのフィールドみたいだ。それがなければ、奴らは…」

膨大なエネルギーにより、フィールドに大きなひびが入る。

このままでは自滅すると判断した少年はやむなく人間の姿に戻る。

「くっ…!このデュエル、貴様に預けておくぞ!!我が名はミザエル!!いつか、2体の《銀河眼》を支配する者だ!!」

膨大なエネルギーが暴走し、爆発を起こす。

ミザエルはその爆発の中に消えて行った。

そして、《スフィア・フィールド》の崩壊が始まり、カイトと遊馬が落下する。

「く…!」

落下予測地点付近には大きな地割れがある。

このままでは遊馬が落ちてしまう。

凌牙は考えるよりも先に遊馬の救助に向かう。

「カイト様!!」

一方、カイトはオービタル7に救出された。

「くう…!!」

地割れの中に落ちそうになった遊馬の手を凌牙は間一髪、つかむことに成功した。

しかし、無慈悲にも凌牙の足場が砕け、2人仲良く落下しようとしていた。

「うわあああああ!!!」

「凌牙!」

「「遊馬!!」」

「おおおおおお!!」

これまた間一髪、侑斗が凌牙の足を掴み、落下を阻止した。

「凌牙君…!遊馬君は!?」

「ああ…大丈夫だ!早く引き上げろ!!」

「分かってるよ!小鳥ちゃん!璃緒ちゃん!ウィンダ!手を貸して!!」

彼女たちの助けを借り、どうにか2人を引き上げることに成功した。

しかし、落下とデュエルによるダメージで、遊馬の怪我は深刻だった。

「すぐに助けを呼ばないと!小鳥ちゃんは救急車を呼んで!!」

「は…はい!!」

「凌牙君!タンカを作って遊馬君を!」

「ああ!!」

侑斗と凌牙は自分の上着を脱ぎ、即席タンカを作った。

そして、2人で遊馬を地割ればかりの山道を通り、なんとかふもとまで移動した。

(《超銀河眼の時空龍》…)

異世界の仲間の切り札であり、《スフィア・フィールド》では存在を維持できないくらいの膨大なエネルギーを持つ恐るべきカオスエクシーズモンスター…。

(やっぱり…僕たちも手に入れるしかない。バリアンに対抗するための力を…カオスエクシーズモンスターを!!)




今回はデュエルがほとんどなかったためか、かなり短くなってしまいました…。
それにしても、バリアンの中で一番早く登場したオーバーハンドレッドナンバーズのカオスエクシーズモンスターなのに、全貌が明らかになるまで1年以上かかるって…。
物語展開のためか、それともまだデザインしかできていなかったのか…?
あ、それとバリアン七皇+オービタル7のオリカ募集中です。
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