遊戯王ZEXAL 風の戦士たち   作:ナタタク

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侑斗
No.00ガスタの魔剣士ユウ
CNo.00ガスタの魔剣士ユウ・暴風
WNo.00ガスタの魔剣士ユウ・清風
No.49秘鳥フォーチュンチュン
No.50ブラック・コーン号
No.74マジカル・クラウン―ミッシング・ソード
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ 

蓮
No.7ラッキー・ストライプ
No.17リバイス・ドラゴン
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
No.55竜騎兵グレン
CNo.55灼熱竜騎兵グレン
CNo.55竜闘士グレン
No.57奮迅竜トレスラグーン
No.82ハートランドラコ
No.85クレイジー・ボックス
No.91サンダー・スパーク・ドラゴン

竜司
No.10白騎士イルミネーター
No.11ビッグ・アイ
No.18ジェムナイト・アゲート
No.52ダイヤモンド・クラブ・キング

瑠那
No.16色の支配者ショック・ルーラー
No.20蟻岩土ブリリアント
No.23セイクリッド・ルナマリア
No.30破滅のアシッド・ゴーレム
No.87雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ


第68話 オボミを救え!? 遊馬VSオービタル7

「《ブラック・ミスト》を解放した!!?」

「おいおい何やってんだよ!?あのカードはろくなカードじゃねえだろ!?」

放課後の教室で、遊馬からの言葉に侑斗達は驚愕する。

《No.96ブラック・ミスト》…。

数少ない自我を持つナンバーズであり、黒いアストラルともいうべきもう1つの姿を持つ存在。

最初に遊馬がそのカードを手に入れたとき、一時的に操られたこともあり、アストラルが鍵の中に封印し、そのカードがある方が勝つ可能性が高いデュエルであっても絶対に出すことはなかった。

しかし、先日鍵の中で遊馬がアストラルの記憶を取り戻すための試練を受けた際にやむを得ず解放し、デュエルの後行方をくらませた。

「No.96はいずれ私に悪の力を必要とするときが来るといっていたが…」

「そんなことどうだっていいよ!それよりもアストラルの記憶っていうのは…?」

「それのことなのだが…私の使命が何かを思い出しただけだ。私の使命は、世界のすべてが記されたカード、ヌメロン・コードをバリアンよりも先に手に入れることだ」

「ヌメロン・コード?なんだそりゃ?ヌメヌメしたカードのことか?」

「蓮…あなたは黙って」

瑠那からプレッシャーのようなものが放たれる。

璃緒のそれにも匹敵する威力があり、蓮は沈黙した。

「ふああ…それでヌメヌメ・コードをなんでバリアンよりも先に手に入れる必要があるのかな?いまいち、それがよくわからないんだけど…」

「ヌメロン・コードだ。過去や現在、未来のすべての歴史を書き換え、使いようによっては世界を支配、破壊することも可能な存在だ。あれをバリアンの手に渡すわけにはいかない」

「確かに…ね…」

「ねえねえ、お化けさん。そのヌメルン・コードってどこにあるの?」

「だからヌメロン・コードだ。いい加減覚えてくれ。それの所在はいまだにわからない。おそらく、残りのナンバーズにそれが記されている可能性がある」

「じゃあ、ヌメヌメ・コードを手に入れるためにも、他のナンバーズを集めないとね」

「ヌメロン・コードだ…。ってまさか君まで言い間違えるのか!?」

「あ…いやあ、蓮達が言い間違えたから、こういう場合はわざと間違えたほうがいいかなって思って…」

侑斗のまさかのボケで、いつもは無表情のアストラルの空いた口がふさがらなかった。

現在、地上世界にいると思われるバリアンはミザエルのみ。

アリトとギラグは先日遊馬に敗れたため(ギラグに関しては遊馬の口から侑斗達に伝えられた)、治療のためにバリアン世界に戻ったと考えたほうがいい。

「そうだ。そろそろ時間だし、島さんのカード屋に行ってみる?もしかしたら、あれが完成しているかもしれないし」

「そうだな!よし!今日はナンバーズ部とナンバーズクラブ合同でカオスオーバーハンドレッドナンバーズ対策の実戦訓練だ!!」

「「「おー!!!」」」

 

「こんにちはー…」

「お掃除!お掃除!」

侑斗達を出迎えたのは島ではなく、オボットだった。

「あ…!ユウ、このオボット!」

「直ったんだ!良かったー…」

「なあ、このオボットは何だよ?」

「ああ、遊馬君には話してなかったね。このオボットは…」

「お、今日も団体さんで来店か」

「あ…!島さん!!…完成しましたか?」

「もちろん!さっそく試してみるかい?」

島の案内で、3階の物置の隣の部屋へ向かう。

その部屋にはCPUとデュエルが可能なデュエルリングがあり、対戦相手ゾーンには巨大なデュエルマシンがある。

「おおーーー!!」

「島さん。出来上がったということは…」

「もちろん、君たちが言っていたバリアンのデッキとこの機械でデュエルが可能だ」

システムを起動すると、ミザエルが対戦相手に指名される。

他にも、アリトとギラグのデッキが登録されている。

「ただ、問題は3人ともデッキの全容が明らかになっていないってことだな」

島の言うとおり、《CNo.107超銀河眼の時空龍》のように全容がよくわかっていないカードがある。

また、デュエルで見たカード以外は既存のカードで射れているだろうと想定されたものばかりだ。

「でもこれなら、少なくともオーバーハンドレッドナンバーズの攻略方法が見いだせる」

「よっしゃー!なら、まず俺がミザエルとデュエルするぜ!」

蓮がデュエルの準備を整え、デュエルマシンの前に立つ。

「デュエル!!」

 

「うーん…どのカードも恐ろしい効果ばっかりだなあ…」

「ちくしょう!せめてミザエルには1勝はしたかったぜ!」

「まあまあ、あのドラゴンを破壊できただけでもよかったんじゃないの?」

「ギラグをコテンパンに倒したお前に言われたくねえよ!!」

夕方の帰り道を侑斗たちは歩いている。

コテンパンに倒したとは言うものの、ギラグの《CNo.106溶岩掌ジャイアント・ハンド・レッド》の別のカード効果をエンドフェイズまで無効にする効果は凄まじかった。

しかし、その効果が強制効果であることを利用すれば、逆に相手の首を絞めることも可能だ。

このように、デッキの再現性は良くなかったが収穫はあった。

「じゃあ、俺はここで!また明日な!」

「うん。また明日」

「まったねー!」

侑斗達に見送られ、家に入る遊馬。

「じゃあ、俺たちも帰ろうぜ!腹減ったし!」

「うん。じゃあ、ふごっ?!!」

強い風が吹き、侑斗の顔に四角い紙が貼りつく。

「うわあ、珍しいことはあるものだね」

「その紙、何か書いてあるわ」

「何かな何かな?」

なぜかわくわくしているウィンダが紙を取り、読み始める。

「ええっと、カタカナで『タスケテ』…ってえ!!?」

「え…?ウィンダ!他に書いてあるのは?」

「うーん…無いよ…」

「『タスケテ』…助けてってことか!?」

「じゃあ、どこかで誰かが助けを!!?」

「風向きからすると…もしかしたらあそこに…」

「…」

蓮達が動揺している中、侑斗はただじっと紙に目を向けている。

「どうしたのユウ!?早く探さ…」

「あのさ、これただの覚書じゃないかな?」

「え…?」

「覚書…?」

「説明して。侑斗」

「多分、『タ』は卵、『ス』は酢」

「ということは、『ケ』はケチャップで…」

「『テ』は多分、てんぷら粉か天かすだね」

「何だよそれ、まっぎらわしーなー!」

全て取り越し苦労だったことを悟った蓮達はこのようなややこしいメモを書いた人物に八つ当たりした。

「それにしても、なんで侑斗はそうだと思ったの?」

「買い物に行くときによくやるんだよ。買う物の頭文字をカタカナに書き換えて覚えるってのをね」

そう言いながら、ポケットからメモ紙を取り出す。

それには『ミカラシ』と書かれていた。

「今日買いに行くのは味噌と寒天、ラー油、塩。ウィンダ、帰ったら一緒に買いに行こうか」

「うん!!」

侑斗達は先ほどの紙を捨て、再び帰路につく。

しかし、あの紛らわしいメモを完全に誤解してしまった哀れなロボットがいた…。

 

ピピピピ…。

ハートの塔の地下に存在する巨大コンピューター。

街の人々の多くが寝静まっているころ、それを操作しているロボットがいる。

「九十九遊馬め…あんなトンマで愚図な奴!!デュエルをすればひとひねりですな。しかし、あいつにはアストラルという得体のしれない生命体がついているであります。念には念を入れるであります」

コンピュータには新型の人工衛星が表示されていた。

 

翌日の夕方…。

「あー…やっと終わったぜ…かったりい授業」

「だらしないなあ、蓮は。俺はまだまだ体力有り余ってるよ」

「あなたの場合は居眠りばかりしてたからでしょ?」

侑斗達いつもの5人組が川沿いの道を歩いている。

「あ…そうだ、ユウ!」

「うん?」

「これ、ユウにあげる!」

ウィンダから《電光千鳥》というエクシーズモンスターカードが侑斗に渡される。

「これは…?」

「友達から2枚もらったの!ユウと私で一枚ずつ、おそろいだね!」

「ウィンダ…」

「おーい、イチャイチャするときは2人っきり…」

竜司は言葉をつづけるのをやめ、川辺の広場を見た。

「どうしたの?竜司」

「あそこで遊馬君とオービタルがいる」

「え…!?」

竜司が見た方向を見ると、そこには遊馬となぜか学ランを装備しているオービタル7、そして小鳥、オボミ、真月がいた。

侑斗達はなぜオービタル7でそこにいるのかわからなかった。

オービタル7にはカイトからバリアンの情報を入手しろと命令されている。

そんな彼が仕事をさぼり、遊馬と対峙しているのだ。

「どうなってるんだろう?」

「行ってみよ!」

ウィンダに同意し、侑斗達は小鳥たちに近づく。

「小鳥ちゃん…これは?」

「それが、オービタルが遊馬にデュエルをしろって…」

「デュエル…?なんで?」

「さあ…?でも、勝ったらオボミさんを解放しろと…」

「オボミちゃんを…?」

小鳥と真月に聞いても、なぜこうなったのか侑斗達には皆目見当がつかなかった。

 

「トンマ!今日がお前の最後であります!いざ勝負!」

「おもしれえ!やってやるぜ!!」

「どうやらデュエルが始まるようだな…」

皇の鍵からアストラルが出てくる。

「ああ…!!」

「行くであります!」

遊馬とオービタル7がデュエルの準備を整える。

ちなみに、オービタル7は頭部の収納スペースに保管されているカイトの予備のデュエルディスクを使用している。

「「デュエル!!」」

 

オービタル7

手札5

ライフ4000

 

遊馬

手札5

ライフ4000

 

(オービタル7…どんなデュエルをするんだろう?)

オービタル7はカイトがナンバーズ狩りのために改造した人工知能搭載型ロボット。

カイトのデュエルを間近で見ている以上、きっと面白いデュエルを見せてくれるだろう。

「先攻はオイラがもらうであります!オイラのターン、ドロー!」

 

オービタル7

手札5→6

 

「オイラはモンスターを裏守備表示でセット!ターンエンド!」

 

オービタル7

手札6→5

ライフ4000

場 裏守備モンスター1

 

遊馬

手札5

ライフ4000

場 なし

 

「おいおい、裏守備モンスターだけでターン終了かよ」

通常、このような状況では多くのデュエリストが攻撃を躊躇する。

しかし、場数を踏み、多くのデュエリストと戦ってきた遊馬はその限りではない。

「行くぜ!俺のターン、ドロー!」

 

遊馬

手札5→6

 

「俺は《ガガガマジシャン》を召喚!」

 

ガガガマジシャン レベル4 攻撃1500

 

「行くぜ!《ガガガマジシャン》で裏守備モンスターを攻撃だ!!」

《ガガガマジシャン》の拳が裏守備モンスターに叩きつけられた。

しかし、攻撃の余波が突然遊馬に襲い掛かる。

「うわああ!!」

 

遊馬

ライフ4000→3500

 

「えーーー!!?」

「このモンスターは…!!」

侑斗達は裏守備モンスターの正体に自身の目を疑った。

なんと、そのモンスターはオービタル7そのものだったからだ。

 

オービタル7 レベル4 守備2000

 

「なんでお前がモンスターカードになってんだよ!?」

「ふふふ…このカードはオイラがカイト様達には内緒で作ったカードであります!」

「後で怒られなきゃいいけど…」

自慢げに語るオービタル7を見て、侑斗は失笑する。

「オイラの分身がリバースした時、カシコマリカウンターを1つ乗せることができる!」

「カシコマリカウンター??」

《オービタル7》は敬礼をしながら、一言だけ言う。

「カシコマリ!!」

「…」

ただ、カシコマリというだけのリバース効果。

オービタル7は得意げだが、多くの人々は脱力している。

「…。俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

遊馬は何か言いたげだったが、行っても無駄だろうと思い、言うのをやめた。

 

オービタル7

手札5

ライフ4000

場 オービタル7(カシコマリカウンター1) レベル4 守備2000

 

遊馬

手札6→4

ライフ3500

場 ガガガマジシャン レベル4 攻撃1500

  伏せカード1

 

「オイラのターン、ドロー!」

 

オービタル7

手札5→6

 

「オイラは《SDロボ・ラビト》を召喚!」

両肩に白いウサギの頭部を模したパーツがある小型の人型ロボットが現れる。

SDロボがオービタル7が使用するカードシリーズのようだ。

 

SDロボ・ラビト レベル4 攻撃600

 

「このカードの召喚に成功した時、オイラは手札・墓地からSDロボと名のついたモンスター、またはオイラの分身をセットすることができる!オイラは手札から《SDロボ・エレファン》をセットするであります!」

「すごーい!SDロボってオービタルやほかの仲間と一緒に戦うんだね!」

ウィンダの言うとおり、《SDロボ・エレファン》と《SDロボ・ラビト》には召喚時に仲間を呼び出す効果がある。

手札にもう1枚のSDロボか《オービタル7》がいれば、エクシーズ召喚を容易く行うことができる。

 

SDロボ・エレファン レベル8 守備2500

 

「更に、《SDロボ・ラビト》の効果発動!1ターンに1度、オイラの場のモンスター1体をリリースすることで、オイラの場のSDロボと名のつくモンスターとオイラの分身のレベルはエンドフェイズまで8になるであります!」

 

SDロボ・ラビト レベル4→8 攻撃600

オービタル7 レベル4→8 守備2000

 

SD(スーパーディフェンス)ロボ・ラビト

レベル4 攻撃600 守備1800 チューナー 地属性 機械族

このカードが召喚に成功した時、手札・墓地から「オービタル7」または「SD」と名のついたモンスターを自分フィールド上にに裏側守備表示でセットすることが出来る。

また、1ターンに1度、自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースすることで発動できる。

自分フィールド上に表側表示で存在する「オービタル7」または「SD」と名のついたモンスターのレベルをエンドフェイズまで8にする。

この効果を発動したターン、自分は機械族モンスター以外のモンスターを特殊召喚することができない。

 

「おおーーー!ロボットかっこいいーーー!!」

「感心している場合じゃないぞ!レベル8のモンスターが2体になったんだ!」

遊馬と真月が目を輝かせているのに対し、小鳥は若干白けている。

「本当…男の子ってが好きね」

「それはそうですよ!!ロボットは男の心を熱くさせますからね!」

「分かるぜ!俺にもその気持ち!!」

(レベル8のモンスターが2体。もしかしたら、《ジャイアント・キラー》か《ジャイアントレーナー》のような強力なエクシーズモンスターが…)

ランクの高いエクシーズモンスターは大抵強力な効果を持つものが多い。

レベルを8に調整するカードを持っているため、ランク8のエクシーズモンスターを持っていないはずがない。

「オイラはレベル8の《SDロボ・ラビト》とオイラの分身でオーバーレイ!エクシーズ召喚!きらめく銀河よ!恋の光となりてオイラに宿れ! 瓦礫の化身、ここに降臨! 現れろ、《廃品眼の太鼓竜》!」

《銀河眼の光子竜》のようなシルエットの竜がオービタル7の場に現れる。

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃3000

 

「攻撃力3000!?」

「これは…!!?」

「ふふふ…土下座の準備は、できてるでありますか!?」

次第にシルエットが消え、本当の姿を現している。

胴体が巨大な太鼓で、太くて短い腕と脚、そしてゴーグル型カメラが付いた頭部がついたダサい機械竜。

そのあまりものダサさにウィンダと小鳥は座り込み、侑斗たちの空いた口はふさがらず、オボミは収納されている長い作業用アームを完全に露出させている。

「ふん!驚いて声も出ないか?」

「いや、なんだ?そのポンコツ」

「し…失礼な!この見た目で判断するな!」

「それって…かっこ悪いってことを認めてるのかな…?」

ウィンダを立たせながら、苦笑いする。

「行くであります!オイラは《廃品眼の太鼓竜》の効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、次の相手のターンのエンドフェイズまでこのカードの攻撃力を1000ポイントアップさせるであります!」

《廃品眼の太鼓竜》がオーバーレイユニットを飲み込むと、腹部から太鼓をたたくような音がし、攻撃力が増加する。

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃3000→4000

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・オービタル7

 

「攻撃力4000!?」

「《廃品眼の太鼓竜》で《ガガガマジシャン》を攻撃!憧れのガラクター・ファット・ストリーム!!」

《廃品眼の太鼓竜》の口から緑色の溶解液が放たれる。

「遊馬!」

「おう!罠発動!《ハーフ・アンブレイク》!!」

《ガガガマジシャン》がシャボン玉状のバリアに守られる。

「《ハーフ・アンブレイク》は場のモンスター1体をエンドフェイズまで戦闘での破壊を阻止し、自分への戦闘ダメージを半分にできる」

溶解液の一部がシャボン玉に弾かれ、周囲にばらまかれた。

 

遊馬

ライフ3500→2250

 

「ここでオイラはカードを1枚伏せて、ターンエンドであります!」

 

オービタル7

手札6→4

ライフ4000

場 廃品眼の太鼓竜(オーバーレイユニット1) ランク8 攻撃4000

  伏せカード1

 

遊馬

手札4

ライフ2250

場 ガガガマジシャン レベル4 攻撃1500

 

「よっしゃあ!行くぜ!俺のターン、ドロー!」

 

遊馬

手札4→5

 

遊馬はドローしたカードを確認する。

「よし…!俺は手札から《ガガガガール》を召喚!」

《ガガガマジシャン》そっくりな形だが、かなり肌を露出させていて、腰の部分には大きなリボンが付いた女性用制服を身に着けている金髪の少女が骸骨のストラップをつけた携帯を持って現れた。

 

ガガガガール レベル3 攻撃1000

 

「《ガガガマジシャン》の効果発動!こいつは自分のレベルを1から8のどれかに変更できる!そして、《ガガガガール》は《ガガガマジシャン》と同じレベルに変更できる!俺は2体のガガガのレベルを3に変更!」

 

ガガガマジシャン レベル4→3 攻撃1500

 

「レベル3のモンスターが2体。これで、ランク3のエクシーズモンスターが呼び出せる!」

「遊馬!あのモンスターをエクシーズ召喚するぞ」

「おう!俺はレベル3の《ガガガマジシャン》と《ガガガガール》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!打ち鳴らせ!《太鼓魔人テンテンテンポ》!」

4つの太鼓を装備し、2つの角を持つ小さな魔人が現れる。

 

太鼓魔人テンテンテンポ ランク3 攻撃1700

 

「なんで攻撃力1700の《テンテンテンポ》を!?」

蓮が抗議めいたことを口にする。

彼の言うこともわかる。

遊馬のデッキには、一時的にだが攻撃力を倍にできる《弦魔人ムズムズリズム》がいる。

そのモンスターを使えばオービタル7に更に大きなダメージを与えることができる。

「ううん。これでいい」

「何…!?」

「《ガガガガール》を含むガガガと名のつくモンスターのみでエクシーズ召喚に成功した時、相手モンスター1体の攻撃力を0にできるゼロゼロコール!」

《ガガガガール》が携帯を操作し、妨害電波を放つ。

《廃品眼の太鼓竜》が誤作動を起こし、各所から煙が出る。

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃4000→0

 

「ああ…《廃品眼》!!」

「遊馬!」

「おう!俺は《テンテンテンポ》の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手モンスター1体のオーバーレイユニットを1つ取り除き、俺の場の魔人モンスターの攻撃力を500ポイントアップさせる!ドラミング・ソニック!!」

《太鼓魔人テンテンテンポ》が我武者羅に太鼓を叩きまくる。

すると、《廃品眼の太鼓竜》のオーバーレイユニットが砕け、《太鼓魔人テンテンテンポ》の力になった。

 

太鼓魔人テンテンテンポ ランク8 攻撃1700→2200

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・ガガガマジシャン

・SDロボ・ラビト

 

「そんな…《廃品眼》のオーバーレイユニットが…!!」

「《廃品眼の太鼓竜》はオーバーレイユニットを持っている状態で破壊された場合、復活する効果がある。だが、《テンテンテンポ》でオーバーレイユニットを奪えば、問題ない」

「そういうことか…!!」

蓮はようやく遊馬の行為に納得が付いた。

「バトル!《テンテンテンポ》で攻撃!テンポラリー・サウンド!!」

《太鼓魔人テンテンテンポ》が再び太鼓をたたく。

すると、上空から雷が落ち、《廃品眼の太鼓竜》が爆発した。

「《廃品眼》ーーー!!」

 

オービタル7

ライフ4000→1800

 

「よっしゃあ!俺はカードを1枚伏せて、ターンエンド!」

 

オービタル7

手札4

ライフ1800

場 伏せカード1

 

遊馬

手札5→3

ライフ2250

場 太鼓魔人テンテンテンポ(オーバーレイユニット1) ランク3 攻撃2200

  伏せカード1

 

「ムムム…よくもオイラの《廃品眼》を!!オボミさん…必ずオイラがトンマを倒し、あなたを御救いするであります!」

切り札である《廃品眼の太鼓竜》が破壊されたものの、オービタル7の手札は4枚。

これだけの手札がある以上、次のターンに何をするのかわからない。

「オイラのターン、ドロー!」

 

オービタル7

手札4→5

 

「オイラは手札から魔法カード《リビングデッドの呼び声》を発動するであります!その効果で、オイラは手札から《廃品眼の太鼓竜》を特殊召喚するであります!」

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃3000

 

「また《廃品眼の太鼓竜》が出てきちゃった!!」

「オービタル7の場には《廃品眼の太鼓竜》だけ。もしかしたら、あのカードが…」

侑斗の頭の中に思い浮かべているカード。

オービタル7が次に手に取ったカードがまさにそれだった。

「オイラは手札から魔法カード《オーバーレイ・チャージ》を発動するであります!オイラの場に存在するモンスターがエクシーズモンスターだけの場合、手札2枚をオーバーレイユニットにすることができる」

両肩に猿の頭部を模したパーツがある小型の人型ロボット、《SDロボ・モンキ》と《機械複製術》がオーバーレイユニットとなり、《廃品眼の太鼓竜》の周囲を旋回する。

「く…!これで奴のオーバーレイユニットは2つ。来るぞ!遊馬!」

「《廃品眼の太鼓竜》の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、次のお前のターンのエンドフェイズまで攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃3000→4000

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・機械複製術

 

「バトルであります!《廃品眼の太鼓竜》で《テンテンテンポ》を攻撃!さらに手札から速攻魔法《リミッター解除》を発動!これで《廃品眼》の攻撃力を2倍にするであります!」

「何!?」

《廃品眼の太鼓竜》内部のシステムが暴走し、発射される溶解液の量と濃度が飛躍的に増大する。

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃4000→8000

 

「攻撃力8000!?このまま攻撃を受けたら、遊馬君の負けです!!」

「遊馬君!!」

「《廃品眼》!憧れのガラクター・ファット・ストリーム!!!!」

溶解液を受けた《太鼓魔人テンテンテンポ》が消滅する。

そして、それがそのまま遊馬に襲い掛かる。

「オボミさん、見ていたでありますか?これであなた…を…!?」

「へへへ…すげえぜ、オービタル!けど、俺はまだ負けてねえぞ!」

遊馬が発動した伏せカードは《ガード・ブロック》。

その効果で、戦闘ダメージを阻止してカードをドローしたのだ。

 

遊馬

手札3→4

 

「くうう!オイラはカードを1枚伏せ、ターンエンドであります!」

《廃品眼の太鼓竜》が《リミッター解除》の代償で爆発した。

しかし、墓地から現れた《SDロボ・ラビト》がそれを修理し、修理完了と同時に自身をオーバーレイユニットに変換した。

《リミッター解除》による自身への負担を軽減する、単純かつ理想的なコンボだ。

 

オービタル7

手札5→0

ライフ1800

場 廃品眼の太鼓竜(オーバーレイユニット1) ランク8 攻撃3000

  伏せカード1

 

遊馬

手札4

ライフ2250

場 なし

 

「何度も破壊されることも計算済みか…」

「ああ…!俺のターン、ドロー!」

 

遊馬

手札4→5

 

「俺は《クレーンクレーン》を召喚!」

 

クレーンクレーン レベル3 攻撃300

 

「こいつの召喚に成功した時、墓地からレベル3モンスター1体を特殊召喚できる!俺は《ガガガガール》を特殊召喚!」

墓地につながる異次元の穴から《クレーンクレーン》は《ガガガガール》を回収した。

 

ガガガガール レベル3 攻撃1000

 

「そして、こいつは俺の場にレベル3モンスターが存在するとき、特殊召喚できる!現れろ、《ミミミック》!!」

 

ミミミック レベル3 攻撃300

 

「更に俺は手札から魔法カード《ガガガリベンジ》を発動!その効果で、俺は墓地から《ガガガマジシャン》を特殊召喚する!そして、《ガガガマジシャン》のレベルをこいつの効果で3に変更する!」

 

ガガガガール レベル4→3 攻撃1500

 

攻撃力が劣るとはいえ、遊馬の場にたった1ターンで4体のモンスターが現れた。

彼らのレベルは3。

ランク3のエクシーズモンスターを最大2体は呼び出せる。

「遊馬!うまい!」

「遊馬。へたくそ」

オボミの言葉に、オービタル7の耳が反応する。

(オ…オボミさん。まさか、オイラのことを応援して…その思いに必ず答えるであります)

「早く勝て。トンマ」

オボミは見ず知らずのオービタル7を応援する気は毛頭ない。

早く遊馬がデュエルに勝ち、明里の部屋を掃除しなければならない、ただそれだけだ。

何も知らないことは、ある意味幸運なことなのかもしれない。

「…。俺はレベル3の《ガガガマジシャン》と《ガガガガール》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!刻めリズム!《弦魔人ムズムズリズム》!!」

テンガロンハットと厚手のコートをまとった小さな魔人が薔薇を咥え、リュートを引きながら現れた。

 

弦魔人ムズムズリズム ランク3 攻撃1500

 

「そして、《ガガガガール》の効果発…」

「《ガガガガール》の効果、使わせないであります!オイラは速攻魔法《禁じられた聖杯》を発動するであります!その効果で《ガガガガール》の効果を受けた《ムズムズリズム》の効果を無効にし、攻撃力を400ポイントアップさせるであります!」

《弦魔人ムズムズリズム》は聖杯の水を飲んでしまい、《ガガガガール》から受け取った力もろとも自身の特殊能力を失ってしまった。

「く…。だが、《ガガガリベンジ》の効果で、《ムズムズリズム》の攻撃力はアップする!」

 

弦魔人ムズムズリズム ランク3 攻撃1500→1900→2200

 

「確かに、《ガガガガール》の効果は実質的にエクシーズ召喚されたモンスターが発動する。考えたな…」

「まだだ!俺はレベル3の《クレーンクレーン》と《ミミミック》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!奏でろ、メロディ!《管魔人メロメロメロディ》!!」

緑色の髪をした魔人の少女が自分よりも何倍も大きなラッパの上にのって現れた。

 

管魔人メロメロメロディ ランク3 攻撃1400

 

「確かに、2体のエクシーズモンスターを呼び出したけど、《ガガガガール》の効果の発動に失敗している以上…」

「俺は手札から魔法カード《魔人オーケストラ》を発動!俺の場に魔人と名のつくエクシーズモンスターが2体以上存在するとき、エンドフェイズまで相手の場のモンスターの攻撃力を0にする!」

「何!?」

2体の魔人エクシーズモンスターが分身し、一斉に音楽を奏で始める。

通常なら心地のいい音楽だが、あまりにも大勢になったためかもはや騒音状態だ。

騒音によって、《廃品眼の太鼓竜》の回路がショートし、パニック状態になった。

 

廃品眼の太鼓竜 ランク8 攻撃3000→0

 

魔人オーケストラ(アニメオリカ・調整)

通常魔法カード

自分フィールド上に「魔人」と名のつくエクシーズモンスターが2体以上表側表示で存在する場合にのみ発動できる。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの攻撃力をエンドフェイズまで0にする。

 

「決めろ、遊馬!」

「バトルだ!《ムズムズリズム》で《廃品眼の太鼓竜》を攻撃!リズミックストリング!」

《弦魔人ムズムズリズム》がリュートを奏でると、紫色の光線が放たれる。

光線を受けた《廃品眼の太鼓竜》は一撃でバラバラになった。

魔人エクシーズモンスター達の力を合わせても、《廃品眼の太鼓竜》を完全破壊することはできない。

だが、オービタル7のライフをすべて奪うには十分だ。

「ぎょえーーーーー!!!!」

 

オービタル7

ライフ1800→0

 

「よっしゃーーー!!」

「とこれで遊馬、このデュエル。一体何だったんだ?」

「さあ、けどあいつ、なかなかのデュエリストだったな」

SDロボと自身の分身、そして切り札の《廃品眼の太鼓竜》を効率よく使いこなす力量。

遊馬ももし手札に《魔人オーケストラ》がなければ、勝利は難しかっただろう。

「なあ、またやろうぜ!オービタル!」

不用意に近づいていく遊馬。

しかし、オービタル7は保険としてあるものを用意していた。

(くくくく…トンマめ、こんなこともあろうかと秘密兵器を用意しているのだ)

衛星軌道上に存在する人工衛星型巨大ビーム砲、通称『オービタル砲』が発射準備に入る。

そして、遊馬にロックオンした。

「喰らえ!!」

「遊馬、へたくそ。ご飯抜き」

まさかの計算外。

オボミが遊馬のそばに移動したのだ。

このままではオボミまで巻き込まれる。

「オ…オボミさん!!?」

オービタル砲はもうビームを発射している。

もうすぐ遊馬に命中する。

このままでは…。

「ノオオオオオ!!!」

オービタル7は全力でオボミを突き飛ばす。

「ウィンダ!」

「うん!!」

侑斗は風の目を発動し、ウィンダは精霊に戻る。

そして、ビームは遊馬とオービタル7に命中した。

 

「ええ…!?誤解?」

若干焦げているオービタル7が頭を傾ける。

「なんで俺がオボミに意地悪するんだよ!?」

複数に軽いやけどを負い、頭が抹茶色なアフロ状態になってしまった遊馬。

あまりにも理不尽な今回の出来事に相当ご立腹だ。

「あはは…でも、無事でよかったね」

笑いながら、ウィンダの膝を枕に眠っている侑斗の頭をなでる。

2人とも若干火傷をしている。

遊馬とオービタル7にビームが命中する寸前、侑斗とウィンダが同時に風のバリアを展開し、彼らを守ったのだ。

だが、遊馬は若干バリアの力が足りなかったのか、こんな無残な姿になってしまった。

そして、侑斗は一瞬で莫大な力を使ったため、疲れて眠っている。

「遊馬、へたくそ。お馬鹿でドジ」

「お前…言い過ぎだろう!?」

「でも、優しい」

「うう…」

オボミは確かに辛辣な悪口を言うが、どうやらそれは彼への信頼の証…なのかもしれない。

「オービタルはオボミちゃんを助けるためにデュエルを…?」

「ふーん…」

何か思いついたのか、小鳥はオービタル7を前かがみになって覗き込む。

「あの子…ちょっと大胆すぎないかしら?」

瑠那の言うことはもっともだ。

前にも言っただろうが、この学園の制服はミニスカートで、こんなことをしたら下着が見えてしまう。

といっても、こんな分かりきったことを書いている筆者ももしかしたら助平なのかもしれない。

「もしかしてオービタル、オボミちゃんのこと好きなのかな?」

「な…何ですか!?いきなり…」

恐怖のスクラ…いやいや、小鳥にばれたが、何とか隠そうと四苦八苦する。

遊馬とオボミはなぜそうなるのかわからず、首をかしげる。

どうやら、オボミも遊馬レベルの鈍さを持っている模様。

「でも、そういう時はまず、お友達からじゃないかな?」

「だから…違…」

問答無用、と言わんばかりに小鳥はオービタル7とオボミを握手させる。

「よろしく」

オボミの顔が無表情から笑顔に変化する。

「カ…カシコマリングだ!オイラーーー!」

こちらこそよろしく、と言いたかったようだが、あまりの動揺でこんなセリフになってしまった。

周囲が笑いに包まれる。

そんな中でも、侑斗は気持ちよさそうにすやすや眠っていた。




オービタル7とオボミが友達に…!!
次回はもしかしたら皆さんの予想通りなことになるかも…。
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