No.00ガスタの魔剣士ユウ
CNo.00ガスタの魔剣士ユウ・暴風
WNo.00ガスタの魔剣士ユウ・清風
No.49秘鳥フォーチュンチュン
No.50ブラック・コーン号
No.74マジカル・クラウン―ミッシング・ソード
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ
蓮
No.7ラッキー・ストライプ
No.17リバイス・ドラゴン
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
No.55竜騎兵グレン
CNo.55灼熱竜騎兵グレン
CNo.55竜闘士グレン
No.57奮迅竜トレスラグーン
No.82ハートランドラコ
No.85クレイジー・ボックス
No.91サンダー・スパーク・ドラゴン
竜司
No.10白騎士イルミネーター
No.11ビッグ・アイ
No.18ジェムナイト・アゲート
No.52ダイヤモンド・クラブ・キング
瑠那
No.16色の支配者ショック・ルーラー
No.20蟻岩土ブリリアント
No.23セイクリッド・ルナマリア
No.30破滅のアシッド・ゴーレム
No.87雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ
「わーい!!湖だー!」
嬉しそうにウィンダがきれいな湖に目を向ける。
「ここかあ…カムイが行ってた湖って」
2人は今、精霊たちと一緒に里付近の森にいる。
3つの試練を突破したものの、まだまだ氷山の雪の勢いは弱まらず、行くには危険だ。
よって、待っている間にデッキ改良と休憩をすることになった。
「ねえ、ユウ!!早く遊ぼうよ!!」
「ウィ…ウィンダ!?ここで脱ぐの!!?」
突然脱ぎ始めたウィンダを見て、顔を真っ赤にする。
「ん?なんで顔を赤くしてるの?」
マントとシャツ、ズボンを脱いだウィンダの姿は緑を基調としたチューブトップ姿だった。
目の前で完全に着替えるわけではなかったので、侑斗はほっとした。
しかし、かわいらしい水着姿に顔を赤くしたままだ。
そんな侑斗を可愛いと思ったウィンダは湖に入り…。
「えい!!」
「うわあ!冷たいよウィンダ!!」
「えへへ。ユウも早くおいでよー」
急かすウィンダに侑斗は微笑むと、服を着たまま湖に入る。
「それ!」
「きゃあ!!ユウ、やったなー!」
2人は水を掛け合う。
その光景を見ながら、精霊たちはお昼寝を楽しんでいた。
「はは…やりすぎちゃったかな…?」
苦笑しながら、びしょ濡れになった服を絞り、木に干す。
「ご…ごめんねユウ…調子に乗りすぎちゃった」
「いいよ、乾かせばいいだけだし」
上半身が裸になった侑斗は再び湖に入る。
「…。えい!!」
湖に入ってきた侑斗にウィンダが抱きつく。
互いの肌の温度が直に伝わっていく。
「ユウ…あったかい…」
「ウィ…ウィンダも…温かいよ…」
侑斗の顔がますます赤くなる。
薄い水着に隔てられた彼女の胸の感覚が伝わっている。
そんな中、急に2人の足元から水柱が上がる。
「きゃ…きゃあ!!」
「一体…何が起こってるの!?」
2人の視界が数秒間水に遮られた。
「あ…あれ…??」
水柱が収まり、周囲を見渡す。
目の前には石灯篭が外側に複数ある石の道路。
そして、その道の終点には戦国時代に建てられたと思われる古い屋敷がある。
「ユウ!!飛行機が飛んでる!!」
「ってことは…まさか僕たち…戻ってきちゃったのかな?」
湖から出て、靴の中の水を出す。
よく見ると、2人とも服装が元に戻っていて、そばには侑斗とウィンダの荷物が置かれていた。
「一体何が何やら…」
「ユウ!!あそこの家に入ってみようよ!!」
「うん。ここがどこか知りたいしね」
荷物を取り、2人は屋敷の中に入って行った。
だが、中は巨大な部屋1つだけだった。
「屋敷にしては…かなり珍しい形だな」
「ねえ、ユウ!!ギラグがいるよ!!」
「え…?」
部屋の中心に置かれている石像をギラグはじっと見ている。
その石像が侑斗達にとっては衝撃的だった。
それが陣羽織を着たギラグにしか見えなかったからだ。
「ギラグそっくりな石像…?」
「ねえねえ、ギラグが作ったの?」
「…」
ギラグが2人に振り返る。
「あ…あれ?顔がおかしいね」
「赤い鼻…?」
「か…返せーーーー!!」
「キャア!!」
「俺の体を返してくれーーー!!」
石像の眼が開き、グラグラ揺れる。
石像からの声はギラグそっくりだった。
「体を返せって…どういうこと?」
「その声…ギラグ?」
「あ…ああ!!なんだかわからねえけど、俺の体が取り込まれちまったんだ!!あいつ…俺の体を乗っ取った奴が、ナンバーズの精霊だ!!」
「ナンバーズの精霊!?」
「ってことは、ここは遊馬君たちが言ってた遺跡の1つってこと!?」
「フフフフ…」
ギラグの肉体の口から若干高い声が出る。
「そうだポン。入れ替わったんだポン。これからは…オラが喜楽荘八だポン!!」
「喜楽荘八?」
聞いたことのない名前にウィンダは首をかしげる。
「聞いたことがある。戦国時代、ハートランドシティを拠点としていた小大名。善政を敷いた名君…」
「オラはずっと待っていたんだポン!石像の中から自由になる日を…。そしたら、偶然喜楽荘八がオラの前に現れたんだポン!」
「ギラグが喜楽荘八…?」
「頼む侑斗!!あいつを倒して、肉体から追い出してくれ!!」
プライドを捨てたギラグが侑斗に懇願する。
「うーん…でも、あなたは僕の友達を襲撃したし…」
「頼む…!!あいつが持っているナンバーズが手に入ったとしても、手を出さねえって誓うから!頼むーーーー!!」
石像から大量の涙が流れる。
「ふう…仕方ないなあ。じゃあついでにあなたのナンバーズをもらう。それなら助けるよ」
「な…何!!?」
「あなたは友達に酷いことをした。そのことを忘れたの?」
「うぐ…」
痛いところを突かれ、沈黙するギラグ。
「わ…分かった!!オーバーハンドレッドナンバーズは渡せねえけど、それ以外のナンバーズは譲る!!だから頼むーーーー!!」
「その約束、忘れないでね」
笑みを浮かべ、侑斗はデュエルの準備を整える。
「いいだポン!オラの自由を奪う奴は誰であろうと許さないだポン!!」
侑斗達は外に出て、屋敷の前でデュエルを行うことになった。
「頑張れーユウ!!」
「頑張れーユウ、じゃなかった…侑斗!!」
「「デュエル!!」」
精霊
手札5
ライフ4000
侑斗
手札5
ライフ4000
「オラの先攻、ドローだポン!」
精霊
手札5→6
「オラは手札から《子狸ぽんぽこ》を召喚するポン!」
漫画で出てくるような、かわいらしいデザインの狸が調緒をたたきながら現れる。
子狸ぽんぽこ レベル2 守備0
「わあ…!!可愛い!」
可愛らしく調緒をたたいている《子狸ぽんぽこ》にウィンダは魅了される。
「このカードの召喚に成功した時、デッキから《子狸ぽんぽこ》以外のレベル2・獣族モンスター1体を裏守備表示で特殊召喚することができるだポン!」
大きな和太鼓をたたいている《子狸ぽんぽこ》よりも若干大きめのモンスター、《子狸たんたん》がセットされる。
「そして、カードを1枚伏せて、ターン終了だポン!」
精霊
手札6→4
ライフ4000
場 子狸ぽんぽこ レベル2 守備0
裏守備モンスター1(《子狸たんたん》)
伏せカード1
侑斗
手札5
ライフ4000
場 なし
「僕のターン、ドロー!」
侑斗
手札5→6
「(《子狸ぽんぽこ》も《子狸たんたん》も同じレベル2のモンスター…。なら、エクシーズ召喚される前に!!)僕は手札から《ガスタの武器職人セイ》を召喚!」
ガスタの武器職人セイ レベル4 攻撃1900
「バトル!《セイ》で《子狸ぽんぽこ》を攻撃!風のトンカチ!」
《ガスタの武器職人セイ》がトンカチに風を纏わせ、《子狸たんたん》の頭をたたく。
攻撃を受けた《子狸たんたん》は目を回しながら消滅した。
「僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド」
精霊
手札4
ライフ4000
場 裏守備モンスター1(《子狸たんたん》)
伏せカード1
侑斗
手札6→4
ライフ4000
場 ガスタの武器職人セイ レベル4 攻撃1900
伏せカード1
「オラのターン、ドローだポン!!」
精霊
手札4→5
「オラは《子狸たんたん》を反転召喚し、リバース効果を発動するポン!デッキから《子狸たんたん》以外の獣族・レベル2モンスター1体を特殊召喚するポン!俺はもう1体の《子狸ぽんぽこ》を特殊召喚するポン!」
子狸たんたん レベル2 守備800
子狸ぽんぽこ レベル2 守備0
「これでレベル2のモンスターが2体!!」
「ユウ!!気を付けて!!」
「オラはレベル2の《子狸たんたん》と《子狸ぽんぽこ》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、No.64!混沌と混迷の世を斬り裂く知恵者よ。世界を化かせ、《古狸三太夫》!」
赤い甲冑を身に着けた狸が現れる。
兜には64の番号が飾りとしてついている。
No.64古狸三太夫 ランク2 攻撃1000
「来た…ナンバーズ!!」
「オラは《古狸三太夫》の効果を発動するポン!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、オラの場に《影武者狸トークン》を特殊召喚するポン!」
《No.64古狸三太夫》が印を切ると、突然狸の置物のようなモンスターが現れる。
「影武者…?」
「そして、《影武者狸トークン》の攻撃力は、特殊召喚時に場に存在する一番攻撃力の高いモンスターと同じになるポン!」
《影武者狸トークン》が頭に葉を乗せると、その姿が《ガスタの武器職人セイ》と同じになった。
影武者狸トークン レベル1 攻撃1900
取り除かれたオーバーレイユニット
・子狸たんたん
「攻撃力1900…相討ち狙い?」
「更においらは手札から永続魔法《一族の結束》を発動だポン!」
「しまった!!《一族の結束》…!!」
今の精霊の墓地に存在するモンスターは獣族のみ。
その状態での《一族の結束》がどれほど侑斗にとってダメージが大きいことか。
「やべえ…!《一族の結束》は墓地に存在する全てのモンスターの元々の種族が同じ場合、自分の場に存在するその種族のモンスターの攻撃力は800アップするぞ!!」
No.64古狸三太夫 ランク2 攻撃1000→1800
影武者狸トークン レベル1 攻撃1900→2700
「攻撃力2700と1800!?」
「バトルだポン!《影武者狸トークン》で《ガスタの武器職人セイ》を攻撃だポン!」
《ガスタの武器職人セイ》に変化した《影武者狸トークン》がトンカチを《ガスタの武器職人セイ》にたたきつけ、破壊した。
「く…!!」
侑斗
ライフ4000→3200
「更に、《古狸三太夫》でダイレクトアタックだポン!!」
《No.64古狸三太夫》はナギナタを取り出すと、それで侑斗を切り裂いた。
「うわあああ!!」
侑斗
ライフ3200→1400
「ユウのライフが一気に…!!」
「オラはカードを2枚伏せて、モンスターを裏守備表示で召喚!ターンエンドだポン!」
「罠発動!《奇跡の残照》!このターン、戦闘で破壊された僕のモンスター1体を特殊召喚する!僕は《ガスタの武器職人セイ》を復活させる!」
精霊
手札5→1
ライフ4000
場 No.64古狸三太夫(オーバーレイユニット1) ランク2 攻撃1800
影武者狸トークン レベル1 攻撃2700
一族の結束(永続魔法)
伏せカード3
侑斗
手札4
ライフ1400
場 ガスタの武器職人セイ レベル4 攻撃1900
「く…僕のターン、ドロー!」
侑斗
手札4→5
(よし…このカードなら!!)
ドローしたカードを見て、侑斗は笑みを浮かべる。
(うん…?あの笑み、そのカード…)
精霊は侑斗の動きを見逃さなかった。
そして、いきなり日の丸が描かれた扇子を取り出す。
「ポポポポポポポポ…ポン!!」
「い…いきなり何を!?」
いきなり能を始めた精霊は侑斗に向けて、術を放った。
術を受けた侑斗が急に腕を下す。
「あ…あれ?ユウ、どうしたの!?」
ウィンダの呼びかけに侑斗は応じない。
そして、彼に狸のような鼻と髭が突然現れる。
「ユ…ユウ?どうしたの!?」
「あ…あれ…?」
精霊の口から侑斗そっくりな声が漏れる。
「え…?え…えーーーーー!!!」
精霊が侑斗とウィンダ、ギラグの石像の姿を見て、大声を上げる。
「ちょ…ちょっと!!なんで僕のカードを勝手に!!」
侑斗の体を乗っ取った精霊はにやっと笑いながら手札を確認する。
「オラは手札から《ガスタの神官ムスト》を召喚するポン!」
ガスタの神官ムスト レベル4 攻撃1800
「だポン…?」
「ウィンダ!!ギラグ!!僕はここだよー!」
ギラグの体の中にいる侑斗が必死に訴える。
「え…?一体どうなってるの?」
「僕が侑斗なんだ!!精霊に乗っ取られたんだ!!」
「えーーーー!!」
「やりやがったなーーー!!」
精霊はにやにやしながら場のモンスターを見る。
「ふふふ…今のお前の体の主はオラだポン!お前がこの2体でエクシーズ召喚したかったモンスターは分かってるポン!オラはレベル4の《ムスト》と《セイ》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、《ダイガスタ・エメラル》!!」
背中に大きな翼、そして両腕のバックラーをつけた風のジェムナイトが現れる。
ダイガスタ・エメラル ランク4 攻撃1800
「えーー!?《ダイガスタ・エメラル》を!?」
「本当だったら、ここで《ガスタの魔剣士ユウ》をエクシーズ召喚するのに!」
この行動でウィンダとギラグは確信する。
精霊が侑斗を乗っ取ったことを。
そして、更に無意味な行動を精霊が起こす。
「更に、オラは手札から速攻魔法《オーバーレイ・ハーフ》を発動するポン!場のエクシーズモンスター1体のオーバーレイユニットを1つ取り除き、攻撃力を半分にするポン!オラは《ダイガスタ・エメラル》を選択するポン!」
「意味ないーーー!!」
侑斗は頭を抱えながら、精霊の行動を眺めるしかなかった。
ダイガスタ・エメラル ランク4 攻撃1800→900
取り除かれたオーバーレイユニット
・ガスタの武器職人セイ
オーバーレイ・ハーフ
速攻魔法カード
フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動する。
洗濯したモンスターの攻撃力を半分にし、エクシーズ素材を1つ取り除く。
「バトル!攻撃力900の《ダイガスタ・エメラル》で攻撃だポン!!」
《ダイガスタ・エメラル》が風を起こし、攻撃力2700の《影武者狸トークン》を攻撃しようとした。
「でも…そうしたら君に…」
「それはどうかなポン?」
次の瞬間、侑斗と精霊の精神が入れ替わる。
「あれ…?元に戻ってる?」
「ユウ!!危ない!!」
「え…?」
視界に《ダイガスタ・エメラル》の後ろ姿が見える。
《影武者トークン》がトンカチでそのモンスターを返り討ちにすると、そのまま攻撃の衝撃が侑斗に襲い掛かる。
「これで終わりだポン!!」
「させない!僕は速攻魔法《フェザー・ポーション》を発動!僕の場の風属性モンスター1体をリリースすることで、そのモンスターの元々の攻撃力分、僕はライフを回復させる!」
《ダイガスタ・エメラル》がその姿を風に戻し、侑斗の傷をいやす。
侑斗
ライフ1400→3200
フェザー・ポーション
速攻魔法カード
自分フィールド上に表側表示で存在する風属性モンスター1体をリリースすることで発動できる。
そのモンスターの元々の攻撃力分、自分のライフを回復させる。
「危ないところだった…」
反撃する対象を失った《影武者狸トークン》が元の場所に戻す。
《フェザー・ポーション》が無かったら、侑斗は負けていた。
「僕は手札から魔法カード《テイク・オーバー5》を発動!デッキトップから5枚のカードを墓地へ送る!」
わずかな望みをデッキに託し、目を閉じた状態でカードを墓地へ送った。
デッキから墓地へ送られたカード
・ガスタの祈り
・ガスタの静寂カーム
・ガスタ・ガルド
・ガスタの救出劇
・ガルドスの羽ペン
「そして、カードを1枚伏せてターンエンド」
精霊
手札1
ライフ4000
場 No.64古狸三太夫(オーバーレイユニット1) ランク2 攻撃1800
影武者狸トークン レベル1 攻撃2700
裏守備モンスター1
一族の結束(永続魔法)
伏せカード3
侑斗
手札5→0
ライフ3200
場 伏せカード1
「はあ…はあ…」
「やっぱり、喜楽の体の方がいいポン!」
「ねえ、なんで君はこんなことを?ギラグの体を乗っ取って…!!」
侑斗の質問に、精霊は少しだけ沈黙する。
「オラは…喜楽荘八の影武者だったポン!」
「影武者…?」
「何が伝説だポン…名君だポン。オラが戦に勝ったからだポン!!オラのおかげで伝説になったんだポン!!全部…狸のオラが喜楽荘八に化けてやったことなんだポン!!」
「「た…狸!!?」」
精霊、いや狸の言葉に、2人は驚きを隠せなかった。
狸は自分と喜楽の関係と精霊になった経緯を語り始めた。
戦国時代、戦場に迷い込んだ狸は喜楽に救われた。
その恩に報いるため、狸は喜楽の影武者となり、代わりに戦場で戦った。
狸には天賦の才があり、戦は連戦連勝、国は豊かになった。
しかし、ある日突然、喜楽は狸の才能に嫉妬し、解雇した。
そして、すぐに喜楽は戦に負け、戦死した。
そのあと、狸は失意のうちに死亡し、なぜかのちに作られた喜楽の石像に魂が乗り移っていた。
「死んだら…今度は死者の影武者だポン!オラはもう影は嫌だポン!オラが本物になるだポン!!」
「うるせえ!!侑斗!早くあいつを倒してくれ!ナンバーズはやるから!!」
「オラのターン、ドローだポン!!」
狸
手札1→2
「《古狸三太夫》の効果発動だポン!《影武者狸トークン》を特殊召喚!」
2体目の《影武者狸トークン》が現れ、その姿を《ガスタの武器職人セイ》に変化させる。
更に、《一族の結束》の効果でパワーアップする。
影武者狸トークン レベル1 攻撃2700→3500
取り除かれたオーバーレイユニット
・子狸ぽんぽこ
「これで終わりだポン!!3体の狸でダイレクトアタックだポン!!」
「ああ…。これで侑斗が負け、俺は死ぬまで石像…。終わったビングだ…俺…」
涙を滝のように流しながら、ギラグはこれから訪れるであろう自分の不幸な未来に絶望する。
「罠発動!《ゼロ・ホール》!!(ためしに入れてみたけど、まさかここで助かるなんて…)」
「な…《ゼロ・ホール》??」
まさかのカードに、ギラグは泣くのをやめる。
「《ゼロ・ホール》は手札が0枚の時、場に存在するすべてのカードを破壊するカード!これで、ユウは生き延びれるね!」
侑斗と狸の場に巨大な暗黒空間が現れ、場のカードを次々と飲み込んでいく。
「しまっただポン!けど、《古狸三太夫》は《影武者狸トークン》が存在するとき、破壊されないだポン!」
破壊された裏守備モンスター
・素早いモモンガ
破壊された伏せカード
・くず鉄のかかし
・スリップ・サモン
・天罰
No.64古狸三太夫 ランク2 攻撃1800→1000
「くう…なら《古狸三太夫》でダイレクトアタックだポン!」
《No.64古狸三太夫》のナギナタを侑斗は無抵抗な状態で受けた。
侑斗
ライフ3200→2200
「ユウ!!」
「オラはカードを1枚伏せて、ターンエンドだポン!」
狸
手札2→1
ライフ4000
場 No.64古狸三太夫 ランク2 攻撃1000
伏せカード1
侑斗
手札0
ライフ2200
場 なし
「僕のターン、ドロー!」
侑斗
手札0→1
「更に、《テイク・オーバー5》の効果発動!墓地のこのカードを除外することで、デッキからカードを1枚ドローする!」
侑斗
手札1→2
「君の言いたいことはよくわかった。けど、僕たちには負けられない理由があるんだ。君と同じように!僕は手札から魔法カード《ガスタの再生術》を発動!墓地からガスタと名のつくモンスター4体をデッキに戻し、デッキからカードを2枚ドローする!」
侑斗
手札2→3
墓地からデッキに戻ったカード
・ダイガスタ・エメラル
・ガスタ・ガルド
・ガスタの神官ムスト
・ガスタの武器職人セイ
「そして、僕は《ガスタの風読みレラ》を召喚!」
ガスタの風読みレラ レベル4 攻撃1400
「このカードの召喚に成功した時、手札のガスタと名のつくカード1枚を墓地へ送り、このカードをリリースすることで、デッキからレベル4以下のガスタと名のつくモンスター2体を特殊召喚できる。僕は《セイ》と《ムスト》を特殊召喚!この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は0になる」
ガスタの武器職人セイ レベル4 攻撃1900→0
ガスタの神官ムスト レベル4 攻撃1800→0
「レベル4のモンスターが2体!?」
「更に、この効果で手札から墓地へ送られた《ガスタ・グリフ》の効果発動。このカードが手札から墓地へ送られた時、デッキからガスタと名のつくモンスター1体を特殊召喚できる。僕はデッキから《ガスタの調教師アトモ》を特殊召喚!」
ガスタの調教師アトモ レベル4 攻撃1500(チューナー)
「僕はレベル4の《セイ》、《ムスト》、《アトモ》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!来い、《No.69紋章神コート・オブ・アームズ》!!」
No.69紋章神コート・オブ・アームズ ランク4 攻撃2600
「出たー!!《コート・オブ・アームズ》!!」
「《コート・オブ・アームズ》の特殊召喚に成功した時、このカード以外の場のエクシーズモンスターの効果を無効にする!ゴッド・メダリオン・ハンド!」
《No.69紋章神コート・オブ・アームズ》から無数の触手が現れ、《No.64古狸三太夫》を絡め取った。
「ポン!!?」
「更に、《コート・オブ・アームズ》は1ターンに1度、エンドフェイズまで場のエクシーズモンスター1体に変身できる。チェンジ・メダリオン!」
触手が《No.64古狸三太夫》の遺伝子を読み取り、《No.69紋章神コート・オブ・アームズ》は読み取った遺伝子の主に変身した。
「《古狸三太夫》からコピーした効果を発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、僕の場に《影武者狸トークン》1体を特殊召喚できる!」
影武者狸トークン レベル1 攻撃0→2600
取り除かれたオーバーレイユニット
・ガスタの風読みレラ
「こ…攻撃力2600!?」
「バトル!《コート・オブ・アームズ》で《古狸三太夫》を攻撃!!」
《No.69紋章神コート・オブ・アームズ》は装備しているナギナタで《No.64古狸三太夫》を両断した。
「ポンーーーー!!」
狸
ライフ4000→2400
狸は自身の伏せカードを見る。
そのカードは《千畳敷返し》。
しかし、《影武者狸トークン》が場に存在する《No.64古狸三太夫》は破壊されない。
それは、《No.64古狸三太夫》に変身している《No.69紋章神コート・オブ・アームズ》も例外ではない。
千畳敷返し(アニメオリカ)
通常罠カード
自分フィールド上に表側表示で存在する「狸」と名のつくモンスターが攻撃対象となったときに発動できる。
攻撃モンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「ああ…」
突然、ギラグの眼に懐かしい光景が浮かぶ。
自分に変化した狸と一緒に領内を馬で移動している光景。
一緒に城を抜け出し、山の中で川遊びをしている光景。
皆が寝静まる中、元の姿に戻った狸と一緒に飲んでいた時の光景。
「ポン…」
「これでとどめだ!《影武者狸トークン》でダイレクトアタック!!」
《No.64古狸三太夫》に変化している《影武者狸トークン》が狸を切り裂いた。
「ポンーーーーー!!どうして…オラが…」
負けられない理由を持つ自分が負けたこと。
狸はどうしても納得できなかった。
「ポン太----!!」
狸
ライフ2400→0
「やったーーー!!ユウが勝ったー!」
ウィンダはぴょんぴょんとびながら喜ぶ中、ギラグがポン太と呼んだ狸に近づく。
「オラは…影じゃないポン…オラは…オラは…」
「お前はポン太だ」
長い間、忘れることのなかった恩人の声が聞こえ、ポン太は見上げる。
石像のままであるが、その表情は穏やかなものだった。
「殿様…?」
「懐かしいな…ポン太」
「もしかして、デュエルの影響で…?」
「なんで…オラを捨てただポン!?」
「あの戦は最初から負けが決まっていた」
「そ…そんなことないポン!あんな戦、オラが最初から戦っていたら…」
勝っていた…そう続けようとしたが、彼から伝えられたのはあまりにも重い現実だった。
「いや…領民にばかり富を与えていた儂を快く思わん家臣たちが寝返ったのだ。気づいた時はどうにもならん状況だった。だから、せめてお前だけでも逃がそうと思ったのだ。家族がいなかった儂にとって、お前はたった1人の家族だったからな…」
「そんな…オラ、嫌だポン!!言ってほしかっただポン!一緒に戦おうって!!」
ポン太が涙を流しながらギラグの肩を握る。
もう、どうにもならない過去。
ポン太の感情は感謝と新しい怒りでごちゃまぜだった。
感情の整理がついたポン太は侑斗たちの前に立つ。
「ナンバーズを譲るだポン。お前たちが使ってほしいだポン。それが…せめてもの罪滅ぼし」
ポン太から差し出されたカードを侑斗は何も言わずに受け取った。
すると、ポン太の魂がギラグの体から解き放たれる。
その姿は幼い狸そのものだった。
「喜楽様…」
ギラグに別れの言葉を告げ、成仏しようとした。
「んなわけねえだろ!!?」
衝撃的な言葉がギラグの口から飛び出す。
そして、彼が石像を破壊し、魂だけの状態になってポン太を掴み、捕食しようとした。
しかし…。
「うわあああ!!」
ギラグの両腕が風の目で実体化した魔剣に切り裂かれる。
特殊な魔力で鍛えられた魔剣は実体のないものですら切り裂いた。
そして、ポン太はウィンダの腕の中へ落下した。
「ポ…ポン…??」
あまりにも突然の出来事に、ポン太は何が何だかわからなかった。
侑斗の足元に2枚のナンバーズが落ちる。
おそらく、ギラグの腕を切った衝撃で魂から飛び出てきたのだろう。
「剣崎…侑斗…よくも俺の腕を…ナンバーズを!!!」
憤怒の表情を浮かべたまま、ギラグは自身の肉体に戻る。
魂状態の時に攻撃されたため、肉体へのダメージはないものの、デュエル以外でナンバーズを奪われるという失態が彼に怒りを呼ぶ。
「侑斗!!今度会ったときは…九十九遊馬よりも先にてめえを八つ裂きにしてやる!!覚えてろぉ!!」
ギラグは叫びながら、背後に現れた時空の渦の中に消えて行った。
「ギラグ…」
奪い取ったナンバーズに目を向ける。
「《No.55ゴゴゴライアス》…《No.86H-Cロンゴミアント》…」
「狸さん…大丈夫…?」
ウィンダは心配そうに、腕の中にいるポン太に目をやる。
「喜楽の殿様…」
「ポン太…」
侑斗は優しくポン太の頭をなでる。
「僕たちと…一緒に行かない?」
「ポン…??」
「さっき、ギラグはさっきのが作り話のように言っていたけど、こんなにできた作り話はあるはずがないよ。きっと…何かあるはずだ」
「ポン…」
「狸さん!一緒に行こう、ね?」
「…」
自分を助けてくれたやさしい喜楽荘八。
なぜ、急に自分の魂を捕食しようとしたのかはわからない。
しかし、豹変する前までのギラグを見て、ポン太は彼こそが本当の喜楽荘八だということを確信している。
彼は決心した。
「ポン!きっと、喜楽の殿様は誰かに操られているだけだポン!殿様の目を覚まさせるためにも、お前たちに協力するポン!」
「操られている…か…。まあ、そういうことにしておこう」
「じゃあ、狸さん。この中に入っててね!」
ウィンダがマントの中から《子狸ぽんぽこ》そっくりなぬいぐるみを取り出す。
「ポン!このままだと疲れるポン」
ポン太はぬいぐるみの中に入ると、ぬいぐるみの体が動く。
「ポポン!ポンポン!成功だポン!」
「これからよろしくね。ポン太君」
ウィンダの胸に抱かれている状態のポン太が侑斗と握手を交わす。
「侑斗…ウィンダ!?」
背後から聞き覚えのある声が聞こえる。
「え…遊馬君!!?」
アニメとは展開が異なり、ポン太が侑斗と同行することに!
ガスタデッキで、《No.64古狸三太夫》をどうやって使うのか…?