遊戯王ZEXAL 風の戦士たち   作:ナタタク

90 / 112
侑斗
No.00ガスタの魔剣士ユウ
CNo.00ガスタの魔剣士ユウ・暴風
WNo.00ガスタの魔剣士ユウ・清風
No.49秘鳥フォーチュンチュン
No.50ブラック・コーン号
No.64古狸三太夫(ポン太から譲渡)
No.74マジカル・クラウン―ミッシング・ソード
No.69 紋章神コート・オブ・アームズ 


No.7ラッキー・ストライプ
No.17リバイス・ドラゴン
No.32海咬龍シャーク・ドレイク
No.55竜騎兵グレン
CNo.55灼熱竜騎兵グレン
CNo.55竜闘士グレン
No.57奮迅竜トレスラグーン
No.82ハートランドラコ
No.85クレイジー・ボックス
No.90ヒート・ガストラフェテス(ラスールから獲得)
No.91サンダー・スパーク・ドラゴン

竜司
No.10白騎士イルミネーター
No.11ビッグ・アイ
No.18ジェムナイト・アゲート
No.52ダイヤモンド・クラブ・キング

瑠那
No.16色の支配者ショック・ルーラー
No.20蟻岩土ブリリアント
No.23セイクリッド・ルナマリア
No.30破滅のアシッド・ゴーレム
No.87雪月花美神クイーン・オブ・ナイツ


第80話 深海の遺跡

「うわあああ!!」

激しい嵐で、飛行船が大きく揺れる。

「ポ…ポン!!海ってこんなに恐ろしい場所だったポン??」

「ふえーん、ユウーーー」

「ウィンダ、ポン太君!大丈夫だよ。船の中なら安全だから」

遊馬がバランスを崩し、転倒している中、泣き出すウィンダとポン太を落ち着かせる。

「おかしいわね…。ネットの天気予報では、この辺りは晴天だって言ってたのに…」

「あんまり、天気予報は信用ならないなあ。あ痛!!」

壁に頭をぶつけ、さすりながら座標を確認する。

遺跡の場所はここで間違いないようだ。

「蓮…」

船が揺れる中、璃緒は目覚めぬ蓮を心配そうに支えていた。

船に戻ってからも、蓮は目覚めることがない。

心拍数も呼吸も正常であるにもかかわらず。

「どうしたら…あなたは戻ってきて…!!」

璃緒の眼に謎のビジョンが映る。

巨大な渦の中からの声…。

(おいで…)

父親を思わせるかのようなやさしい男性の声が聞こえる。

しかし、小鳥の言葉が彼女を現実に押し戻す。

「大変!!船の動力が止まったわ!!」

「何ーー!?」

船を動かす無数の歯車が動きを止める。

「これじゃあ…閉じ込められたもの同然だよ!!」

「船は…ここを離れる気はないようだ」

アストラルが今後の方針を考えようとすると、璃緒が耳に再びあの声が響く。

(おいで…おいで…)

「だ…誰!?一体誰が…!!?」

恐ろしくなり、周囲を見渡すも、声の主は見つからない。

「誰…!?私を呼ぶのは誰なの!?」

「り…璃緒!?」

彼女の異変に、凌牙と瑠那が動揺する中、急に船の明かりが消える。

「い…一体どうなってるの!?」

(おいで…さあ、おいで…)

おびえる璃緒の瞳になぜか人型モンスターのシルエットが映った。

そして、船の明かりがつく。

「良かった…。一時的な停電だったんだ」

「ユウ!怖かったよーーー!!」

ウィンダの涙で、侑斗の服がぬれる。

「一体今のは…!!?」

凌牙は蓮に目を向けると、動揺する。

その方向には彼の姿しかなかったからだ。

「璃緒…璃緒!!璃緒ーーーー!!」

「どこへ行ったというの?」

「モニターを!!」

遊馬に呼び掛けられ、侑斗達はモニターを見る。

すると、璃緒が嵐の中、デッキに出てきていた。

その眼はうつろで、とても正気とは思えない。

「く…!」

「凌牙!!」

凌牙と瑠那が一緒にデッキへ飛び出した。

「凌牙君!!瑠那!!」

「私たちも追いかけるぞ!!」

 

(おいで…おいで…こっちへおいで…)

璃緒がゆっくり、デッキの端へ足を運ぶ。

「璃緒!!」

彼女が端に到達した時、凌牙と瑠那がデッキに到着した。

しかし、璃緒は2人に目を向けず、そのまま嵐の海に飛び込んだ。

「璃緒ーーー!!」

「璃緒…」

2人は迷わず、海に飛び込む。

その姿を侑斗達は目撃した。

「そんな…!凌牙君と瑠那ちゃんまで!!」

「これは…大変なことになった」

「早くあいつらを助けねえと!!」

「仕方ないか…。ウィンダと小鳥ちゃん、ポン太君は船で待ってて!!」

「あーあ…結局こういうことになるのかー」

侑斗と竜司、遊馬、アストラルが海に飛び込んでいった。

「ユウ…みんな…。小鳥ちゃん、狸さんをお願い!」

「ウィ…ウィンダ!?」

「私、絶対にユウと離れたくないもん!!」

精霊に戻ったウィンダが海に入った。

「みんな…」

「ポン…」

小鳥とポン太は心配そうに海を見つめた。

 

「う…うん…?」

眼を開くと、上に海が見える。

「海…なんで上に…あ…!!」

少し視線をずらすと、ウィンダの姿が見えた。

更にいうと、侑斗は彼女の膝を枕にしていたのだ。

「あ、ユウ!起きたんだね?遊馬君たちも一緒だよ!」

侑斗以外の全員が起きていて、この空間に驚きを隠せずにいた。

「ウィンダ!?なんで君まで!」

「だって、ユウから離れたくなかったんだもん…」

「ウィンダ…」

本当なら、小鳥と共にとどまってほしかったという思いとついてきてくれてうれしいという思いが半々になる。

「それで…ここは?」

「海の底…みたいだね」

足元には青い砂と貝、岩石のみで、まるで砂漠のようだった。

「ふああ…摩訶不思議なことってあるものだねえ」

「おそらく…」

「璃緒は」

凌牙と瑠那は一直線に続く足跡をじっと見た。

 

「あれは…」

足跡を追い、歩いていくと、巨大なドームのような遺跡が見える。

ドームの中は迷宮のような街になっていた。

「ここは…遺跡!?」

「そうみてえだ。きっと、ここにナンバーズが」

遊馬は壁の隙間に刺さっている2枚のコインを手に取った。

「これは…?」

「遊馬君の親父さんのコインみたい。ナンバーズがある遺跡の目印として隠してたんだって。ふああ…」

侑斗達はゆっくりと、離れないように捜索を開始した。

「璃緒には…不思議な力があってな、ここに来るまで、ずっと何かを感じていた」

「感じる…」

凌牙曰く、璃緒は目覚めた後、バリアンの襲来を予期するなど、不思議な感覚に目覚めていた。

これがあの事件の後遺症かどうかは定かではないが…。

「もしかしたら…その力に導かれたのかもしれない」

「その力って…ナンバーズ?」

(おいで…)

璃緒を海へもぐるよう仕向けた声が今度は凌牙の耳に響く。

「凌牙。これは…?」

「何…こいつは璃緒の…!!」

侑斗達が前へ進む中、瑠那と凌牙は右手の横道に足を踏み入れた。

そして、そこに《リチュアの儀水鏡》が落ちていた。

「おい…遊馬!侑…!?」

凌牙が後ろを振り向くと、急に壁が道をふさいだ。

「くそ…!」

「他の道で、侑斗達と合流するしかないわね…」

 

「うう…どこまで続くのーーー?」

果てしなく続く迷宮に、ウィンダはかなりつらい表情を浮かべた。

「都市クラスの遺跡なら、これだけの広さは珍しくないけど…」

「うん…?凌牙君と瑠那がいないような…」

「何!!?」

「凌牙君と瑠那が!?」

侑斗達は周囲を見渡すと、竜司の言うとおり、2人の姿がどこにもなかった。

「2人とも…どこは!?」

「どうやら、ここはただの迷宮ではないようだ」

アストラルは近くの壁に目を向ける。

そこには見覚えのある傷があった。

「…。それって、俺たちはずっと同じ場所を歩いてるってこと?」

「そうだ。ここでは常識は通用しないようだ。この傷を、私は3回も見ている」

「ナンバーズを見つけさせないようにするために…?」

「あ…ユウ!壁が!!」

「え…!?」

侑斗達の周囲に次々と壁が構成されていく。

そして、侑斗達はその場に閉じ込められてしまった。

「こ…これじゃあ出られるわけねえだろ!?」

「上もふさがれた以上、ガルドとフォーチュンを使っての脱出も無理か…」

 

「こ…これは!?」

凌牙と瑠那の目の前に、ピラミッド状の巨大な祭壇がある。

そして、凌牙の耳に再び例の声が…。

(おいで…おいで…!!)

「誰だ!?俺を誘っているのか!?」

「凌牙…。何か聞こえるの!?」

「くそ…お前が璃緒を!!?」

瑠那の声に耳を貸すことなく、凌牙は階段を上る。

「凌牙!!」

瑠那も彼の後に続いた。

「何…!?」

「これは…??」

祭壇の一番上にいたのは璃緒だった。

しかし、服装は制服ではなく、白い巫女の服だった。

そして、彼女の隣に青い鎧を身に着け、立派な髭をたくわえた青い肌の男がいる。

「璃緒…?」

「凌牙。あの2人、ナンバーズを持っているわ」

「何!?」

「お待ちしておりました。神代凌牙」

男の口から、例の声とそっくりな声が発せられる。

「誰だ…てめえは!?」

「わが名はアビス。ナンバーズの精霊」

「てめえが璃緒を操ったのか!?」

凌牙の眼に怒りの色が浮かぶ。

「我とそなたは戦うべき運命。目覚めよ。我が力を受け継ぎし者」

「何をたくらんでいるか知らねえが、てめえの相手は俺がする!璃緒を離しやがれ!!」

「いいだろう。ただし、我とそなたの妹を倒すことができたなら!!」

アビスと璃緒はデュエルの準備を整える。

璃緒はD・ゲイザーをつけず、左目の青い光を発動させる。

「分かった…。てめえをぶちのめして、璃緒を!!」

「凌牙、私も戦うわ。いくらあなたでも2人同時では分が悪いわ」

「瑠那…。好きにしろ」

「なら、そうさせてもらうわ」

2人はデュエルの準備を整える。

「「デュエル!!」」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙5

瑠那5

ライフ4000

 

アビス&璃緒

手札

アビス5

璃緒5

ライフ4000

 

「先攻はもらうぞ!俺のターン、ドロー!」

 

凌牙

手札5→6

 

「俺は《キラー・ラブカ》を召喚!」

細長い体に複数の刃付きのヒレがついている黄色いラブカが現れる。

 

キラー・ラブカ レベル3 攻撃700

 

「更に、こいつは俺の場に魚族・海竜族・水族モンスターが召喚・特殊召喚された時、手札から特殊召喚できる。《シャーク・サッカー》を特殊召喚!」

 

シャーク・サッカー レベル3 攻撃200

 

「レベル3のモンスターが2体。来るわね…」

「俺はレベル3の《キラー・ラブカ》と《シャーク・サッカー》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ、《No.47ナイトメア・シャーク》!!」

 

No.47ナイトメア・シャーク ランク3 攻撃2000

 

「そして、俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙6→3

瑠那5

場 No.47ナイトメア・シャーク(オーバーレイユニット2) ランク3 攻撃2000

  伏せカード1

 

アビス&璃緒

手札

アビス5

璃緒5

ライフ4000

場 なし

 

「その程度のモンスターとは…。我のターン、ドロー」

 

アビス

手札5→6

 

「我は《ゴルゴニック・ゴーレム》を召喚」

緑色のコブラをモチーフとした石人形が現れる。

 

ゴルゴニック・ゴーレム レベル3 攻撃1200

 

「更に、このカードは我が岩石族モンスターの召喚に成功した時、手札から特殊召喚できる。《ゴルゴニック・ガーゴイル》を特殊召喚」

紫色の蛇を模した石人形が現れる。

 

ゴルゴニック・ガーゴイル レベル3 攻撃1000

 

「レベル3のモンスターが2体。凌牙、気を付けて」

「分かっている。ナンバーズか…」

「我はレベル3の《ゴルゴニック・ゴーレム》、《ガーディアン》でオーバーレイ。エクシーズ召喚。現れよ、《ゴルゴニック・ガーディアン》!!」

下半身が大蛇で、上半身が人の体のようなものになっている紫色のモンスターが現れる。

 

ゴルゴニック・ガーディアン ランク3 攻撃1600

 

「ナンバーズじゃねえ…!?」

「それに、攻撃力は《ナイトメア・シャーク》よりも下。何を考えているの…?」

《ゴルゴニック・ガーディアン》の瞳が怪しく光る。

「《ゴルゴニック・ガーディアン》は1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手モンスター1体をエンドフェイズまで石化する」

「何!?」

《ゴルゴニック・ガーディアン》は頭部にオーバーレイユニットを宿すと、瞳から怪しい光線を放った。

光線を受けた《No.47ナイトメア・シャーク》は石化し、動けなくなった。

「《ナイトメア・シャーク》!!」

「石化したモンスターの攻撃力は0となり、効果も無効化される」

 

No.47ナイトメア・シャーク ランク3 攻撃2000→0

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・ゴルゴニック・ゴーレム

 

「効果が無効になったことで、《ゴルゴニック・ガーディアン》でも戦闘破壊できるということね…?」

「いや、《ゴルゴニック・ガーディアン》のもう1つの効果を発動。1ターンに1度、攻撃力が0のモンスター1体を破壊できる」

「そんな…!!」

《No.47ナイトメア・シャーク》にひびが入り、自然崩壊してしまった。

「そんな…こんなに容易く《ナイトメア・シャーク》が破壊されるなんて…」

「更に、墓地の《ゴルゴニック・ゴーレム》の効果発動。このカードを墓地から除外することで、相手の場にセットされている魔法・罠カード1枚をエンドフェイズまで石化する」

凌牙の伏せカードが石化し、力が封印された。

「バトル。《ゴルゴニック・ゴーレム》でダイレクトアタック」

《ゴルゴニック・ガーディアン》の蛇の尾が凌牙を薙ぎ払う。

「うわあああ!!」

 

凌牙&瑠那

ライフ4000→2400

 

「凌牙!!」

「く…」

攻撃を受けた腹部を抱えながら、ゆっくり立ち上がる。

すると、凌牙の瞳に謎のビジョンが映る。

海に囲まれた古代ギリシャ風の都市国家。

中心にある城の中で、兵士たちの葬儀が行われている。

その葬儀の中には前の遺跡で見つけたボウガンがあった。

そのボウガンを見ながら、兵士から話を聞いて泣き崩れている巫女の服を着た青髪の少女とそんな彼女の肩に静かに手を置くほかの兵士とは異なる、希少な魚介の鱗で作られた鎧を着た青髪の少年。

その2人があまりにも凌牙と璃緒に似ていて…。

「凌牙!!」

「…!?はあ…はあ…」

瑠那の声を聞き、凌牙は現実に戻る。

「我はカードを1枚伏せ、ターンエンド。さあ、娘よ。そなたのターンだ」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙3

瑠那5

ライフ2400

場 伏せカード1

 

アビス&璃緒

手札

アビス6→3

璃緒5

ライフ4000

場 ゴルゴニック・ガーディアン(オーバーレイユニット1) ランク3 攻撃1600

  伏せカード1

 

「(凌牙のためにも…まずは《ゴルゴニック・ガーディアン》を破壊するのが先ね)私のターン、ドロー」

 

瑠那

手札5→6

 

「私は《セイクリッド・グラディ》を召喚!」

 

セイクリッド・グレディ レベル4 攻撃1600

 

「このカードの召喚に成功した時、手札からレベル4のセイクリッドと名のつくモンスター1体を特殊召喚できる。私は《セイクリッド・カストル》を特殊召喚」

 

セイクリッド・カストル レベル4 攻撃1700

 

「このカードがセイクリッドと名のつくモンスターの効果で召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローできる」

 

瑠那

手札6→4→5

 

「レベル4のモンスターが2体。エクシーズ召喚か…」

「更に、手札から永続魔法《セイクリッドの星痕》を発動。これで、私はセイクリッドと名のつくモンスターの特殊召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローできる。そして私は…」

「罠発動。《召喚規制》。次の我々のターンのエンドフェイズまで、互いにエクストラデッキからモンスターを特殊召喚することはできない」

4人のエクストラデッキが不思議な魔法陣で一時的に拘束される。

 

召喚規制

通常罠カード

相手ターンのメインフェイズ時にのみ発動できる。

次の自分のターンのエンドフェイズ時まで、お互いにエクストラデッキからモンスターを特殊召喚することができない。

 

「けれど、《セイクリッド・カストル》の攻撃力は1700。《ゴルゴニック・ガーディアン》よりも上。《セイクリッド・カストル》で《ゴルゴニック・ガーディアン》を攻撃!」

「…!?待て、瑠那!!」

凌牙の制止むなしく、《セイクリッド・カストル》が攻撃態勢に入る。

しかし、すでにオーバーレイユニットを宿していた《ゴルゴニック・ガーディアン》によって石化されてしまう。

「油断したな、娘よ。《ゴルゴニック・ガーディアン》の効果は相手ターンでも発動できるのだ」

《ゴルゴニック・ガーディアン》の尾が石化した《セイクリッド・カストル》を破壊し、瑠那に襲い掛かる。

「く…。罠発動!《激流障壁》!!俺たちへの戦闘ダメージを0にする!!」

凌牙と瑠那が地中から出現した水柱によって守られる。

「更に、墓地からランク3・水属性のエクシーズモンスター1体を守備表示で特殊召喚し、このカードをオーバーレイユニットにする!よみがえれ!《ナイトメア・シャーク》!!」

2人を守った水柱の中から《No.47ナイトメア・シャーク》が飛び出す。

 

No.47ナイトメア・シャーク ランク3 守備2000

 

激流障壁

通常罠カード

自分の墓地にランク3・水属性のエクシーズモンスターが存在し、自分が戦闘ダメージが発生するときにのみ発動できる。

自分が受ける戦闘ダメージを0にする。

その後、自分の墓地からランク3・水属性のエクシーズモンスター1体を表側守備表示で特殊召喚し、このカードをエクシーズ素材にする。

 

「瑠那!これで《ゴルゴニック・ガーディアン》は無防備だ。早く破壊しろ!」

「ええ。《セイクリッド・グレディ》で《ゴルゴニック・ガーディアン》を攻撃!」

2体のモンスターの攻撃が交差し、相殺される。

「私はカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙5

瑠那5→3

ライフ2400

場 No.47ナイトメア・シャーク(オーバーレイユニット1) ランク3 守備2000

  セイクリッドの星痕(永続魔法)

  伏せカード1

 

アビス&璃緒

手札

アビス3

璃緒5

ライフ4000

場 なし

 

「くっそーー!どうすりゃ、ここから出られるんだよ!?」

遊馬は何度も何度も自分たちを阻む壁をたたくが、びくともしない。

一方、竜司はぐっすりと眠っている。

「凌牙君と瑠那、無事だといいけど…。…!?」

急に天井に何か衝撃が発生する。

それにより、天井が砕ける。

「え…!?何?何が起こってるの!?」

「これは…」

侑斗達の前に黒い球体が降りてくる。

そして、その中からドルベが姿を現した。

「お前は…ドルベ!!」

「彼が…ドルベ…」

ドルベは何も言わずに侑斗達を見つめる。

「2人程度、初めて会う人間がいるな…。私はドルベ。バリアン七皇の1人」

「七皇…?」

「バリアン世界を守る存在だ。これ以上、ナンバーズをお前たちに渡すわけにはいかん」

「…。やるの?」

いつの間に目が覚ましていた竜司がデュエルの準備を整えようとする。

「それも…いいだろう…」

ドルベはじっと彼らを見る。

デュエルをするかしないかを判断しているのだ。

「ドルベ!!なんで、俺たちが戦わなくちゃいけねえんだよ!?遺跡のナンバーズが示してくれたじゃねえか!お前たちは元々、人間だったんだ!!」

「ふざけるな!!」

冷静なドルベの口から荒げた声が放たれる。

「元々が人間だっただと!?そんなことがあるはずがない!我々はバリアン世界の住人。アストラル世界とは対となる存在!戦う運命にあるのは当然だ!!」

「じゃあ…お前もアストラルも、戦う本当の理由は知らないってことじゃねえか!!そんなくだらない理由で戦ってんじゃねえ!!」

アリトと友達になることができた遊馬にとって、ドルベの戦う理由があまりにも滑稽に見えた。

しかし、ドルベの答えは変わらない。

「お前が何と言おうとも、アストラル世界とバリアン世界は相いれない存在。そうだろう?アストラル!!」

「…。私の使命は、バリアン世界を滅ぼすこと…」

「ははーん…。じゃあ、どっちも人形ってことだね?」

「人形…だと…!?貴様!!」

竜司の言葉に、ドルベが激昂する。

「だって、そうじゃないか。使命とか任務とか、そんなの他人からの命令じゃんか。それを何も考えずにはいそうですかと従うなんて、そんなの人形でもできるよ」

「く…。私を…バリアン七皇を侮辱した罪は重いぞ!後藤竜司!!」

 

「《ゴルゴニック・ガーディアン》を倒したか…」

アビスの眼が少しだけ青く光ると、再び凌牙の瞳にビジョンが映し出される。

自分とうり二つの容姿をした男がベクター軍と呼ばれている軍隊と戦っている姿。

その軍が召喚した《ゴルゴニック・ガーディアン》を鏡を使った計略によって撃破している姿を。

「一体…このビジョンは…!!?」

「これはポセイドン海連合国の王の記憶。我にとって、一番記憶に残った兄妹の記憶」

「兄妹…だと…!?」

「そうだ。私とその国を救うため、悲劇の結末を迎えてしまった者たちだ」

アビスの言葉に、凌牙の眼が大きく開く。

(凌牙…一体どうしたというの?あの男から、何を見せられているの?)

 

「九十九遊馬の前に、まず貴様から…!!」

「待て、ドルベ!!デュエルの前に1つだけ聞きたいことがある」

「なんだ…?」

「バリアン七皇の中に、まだ我々が出会っていない七皇が2人いる。おそらく、この遺跡にはその2人の記憶がある。なぜ、彼らは姿を現さない!?」

「確かに…」

「そういえば、そうだったね」

侑斗達がこれまで出会ったことのある七皇はアリト、ギラグ、ドルベ、ミザエル、ベクター。

今までその5人としかあったことがない。

「その2人は…我ら七皇のリーダー、ナッシュ。そして、メラグ。だが、2人は必ずどこかで生きている!!」

「どこかで…ということは、行方不明なの?」

「それは…!!?」

上空に突然オーロラが現れる。

そのオーロラには凌牙と瑠那がアビスと璃緒とデュエルをしている光景が映し出されていた。

「凌牙君!瑠那ちゃん!!」

「シャークの妹が…なんでシャークと瑠那を!?」

「もうすでにデュエルが始まっていたというのか…。それに、あの男は…。お前たちとの決着は今度だ!!」

ドルベは赤い光に包まれると、デュエルが行われている祭壇に向けて飛んで行った。

「飛んでいくだなんて卑怯だぞ!!」

「大丈夫。僕たちにも飛ぶ手段があるよ」

風の目を発動し、フォーチュンとガルドが実体化した。

「「ピーーー!!」」

「フォーチュンもガルドも、2人までなら乗ることができる。急ごう!!」

「ふああ…。この方法なら、楽でいいね」

侑斗と竜司がフォーチュンに、ウィンダと遊馬がガルドに乗ると、上空へ飛翔した。

「あーあ…。こういう時はユウと一緒に乗りたかったのになー」

 

「神代凌牙…月影瑠那…」

祭壇の上空で、ドルベはデュエルを見始める。

「私のターン…ドロー…」

 

璃緒

手札5→6

 

「このカードは相手の場にのみモンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《リチュア・マーライオン》を特殊召喚」

上半身がライオン、下半身が魚となっている奇妙な青いモンスターが現れる。

 

リチュア・マーライオン レベル5 攻撃1400

 

(《リチュア・マーライオン》は特殊召喚に成功した時、デッキからリチュアと名のつくカードを1枚手札に加える効果がある。《儀水鏡》を呼び込む気か…!?)

「そして、手札から速攻魔法《セイム・サモン》を発動。自分の場にモンスターが存在しない状態でモンスターの特殊召喚に成功した時、デッキから同じレベルのモンスター1体を特殊召喚できる。私はもう1体の《リチュア・マーライオン》を特殊召喚。その効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は0となり、効果は無効化される…」

 

リチュア・マーライオン レベル5 攻撃1400→0

 

「《マーライオン》の効果を使わない…!?」

いつもの璃緒なら、ここで《リチュアの儀水鏡》を手にし、何らかの儀式モンスターを呼び出すはずだ。

この行動からも、今の璃緒がおかしいことがよくわかる。

 

リチュア・マーライオン

レベル5 攻撃1400 守備1200 効果 水属性 水族

このカードは相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しないとき、手札から特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚に成功した時、デッキから「リチュア」と名のつくカードを1枚選択して手札に加えることができる。

「リチュア・マーライオン」のこの効果は1ターンに1度しか発動できない。

 

セイム・サモン

速攻魔法カード

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に自分がモンスターの特殊召喚に成功した時に発動できる。

自分のデッキから特殊召喚したモンスターと同じレベルのモンスターを1体選択し、自分フィールド上に特殊召喚する。

この効果で特殊召喚されたモンスターの攻撃力は0となり、効果は無効化される。

 

「私はレベル5の《リチュア・マーライオン》2体でオーバーレイ。エクシーズ召喚!現れなさい、No.94!氷の心をまといし霊界の巫女、澄明なる魂を現せ!《極氷姫クリスタル・ゼロ》!」

青いダイヤモンド状の飾りが多くついたドレスを纏い、右手に剣を装備している巫女が現れる。

彼女の番号はドレスの左裾に刻まれている。

 

No.94極氷姫クリスタル・ゼロ ランク5 攻撃2200

 

「現れたか…ナンバーズ!!」

「バトル。《クリスタル・ゼロ》で《ナイトメア・シャーク》を攻撃!」

《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》の剣が《No.47ナイトメア・シャーク》を切り裂いた。

「く…!!(ここで《キラー・ラブカ》の効果を使うわけには…)」

ここで、《キラー・ラブカ》の効果を使えば、《No.47ナイトメア・シャーク》を破壊されずに済んだ。

しかし、彼の中の何かがそれを制止させた。

「そして、私はカードを2枚伏せ、ターンエンド」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙5

瑠那4

ライフ2400

場 伏せカード1

  セイクリッドの星痕(永続魔法)

  

アビス&璃緒

手札

アビス3

璃緒6→2

ライフ4000

場 No.94極氷姫クリスタル・ゼロ(オーバーレイユニット2) ランク5 攻撃2200

  伏せカード2

 

「(ランク5だが、攻撃力が低い。一体、どんな効果を持っている??)俺のターン、ドロー!」

 

凌牙

手札5→6

 

「俺は《セイバー・シャーク》を召喚!」

 

セイバー・シャーク レベル4 攻撃1600

 

「そして、このカードは俺の場に水属性モンスターが存在するとき、手札から特殊召喚できる。《サイレント・アングラー》を特殊召喚!」

 

サイレント・アングラー レベル4 攻撃800

 

「俺はレベル4の《セイバー・シャーク》と《サイレント・アングラー》でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!「吠えろ未知なる轟き!深淵の闇より姿を現わせ!!《バハムート・シャーク》!!」

 

バハムート・シャーク ランク4 攻撃2600

 

「瑠那!!」

「分かっているわ。場から魔法カード発動。《アーマード・エクシーズ》。場のエクシーズモンスターに、墓地のエクシーズモンスターを装備させる。場の《バハムート・シャーク》に墓地の《ナイトメア・シャーク》を装備」

《No.47ナイトメア・シャーク》が現れ、オーラと化して《バハムート・シャーク》を包む。

「装備モンスターの名前と攻撃力は装備したエクシーズモンスターと同じになる」

 

バハムート・シャーク ランク4 攻撃2600→2000

 

「だが、《ナイトメア・シャーク》の攻撃力は2000。わざわざ攻撃力を下げてどうするのだ?」

「更に、俺は手札から魔法カード《アクア・ジェット》を発動!俺の場の魚族・海竜族・水族モンスター1体の攻撃力を1000ポイントアップさせる!」

 

バハムート・シャーク ランク4 攻撃2000→3000

 

「そして、《アーマード・エクシーズ》の効果でカードを装備しているモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、装備カードを墓地へ送ることで、もう1度だけ攻撃できるわ」

このまま《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》を戦闘破壊し、更に攻撃すれば一気にアビスと璃緒のライフを200まで削ることができる。

唯一の懸念材料は《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》の効果だが。

「バトル!《バハムート・シャーク》で《クリスタル・ゼロ》を攻撃!ナイトメア・ボイス!!」

《No.47ナイトメア・シャーク》の力を得て、《バハムート・シャーク》の口から身の毛がよだつほどのおぞましい音波が放たれる。

「甘い。《クリスタル・ゼロ》の効果発動」

「何!?効果発動だと!?」

「オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、表側表示で存在するモンスター1体の攻撃力を私たちのターンのエンドフェイズ時まで半分にする。そして、この効果はオーバーレイユニットがある限り、何度でも使用できる」

「何…!?」

「クリスタル・イレイザー!」

《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》はオーバーレイユニットを2つ宿すと、《バハムート・シャーク》の肉体が氷漬けになって行った。

 

バハムート・シャーク ランク4 攻撃3000→1500→750

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・リチュア・マーライオン×2

 

アーマード・エクシーズ(アニメオリカ)

通常魔法カード

自分の墓地からエクシーズモンスター1体を選択し、自分フィールド上に表側表示で存在するエクシーズモンスター1体の装備カード扱いとして装備する。

装備モンスターはこのカードの効果で装備したモンスターと同じ攻撃力になり、同じ名前のモンスターとして扱う。

装備モンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、この効果で装備したモンスターを墓地へ送り装備モンスターはもう一度だけ続けて攻撃できる。

 

「返り討ちにしなさい!《クリスタル・ゼロ》!」

《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》の剣が《バハムート・シャーク》を切り裂く。

「うわあああ!!」

「きゃあああ!!」

 

凌牙&瑠那

ライフ2400→950

 

「く…俺は手札から速攻魔法《トラップ・ブースター》を発動!手札を1枚墓地へ送ることで、手札から罠カードを1枚発動する。俺は手札から《ゴースト・フリート・サルベージ》を発動!」

凌牙と瑠那の場に墓地へのゲートが現れ、そこに3本の錨が降ろされる。

「俺の場の水属性エクシーズモンスターが戦闘で破壊された時、そのモンスター1体とオーバーレイユニットとなったモンスターを2体まで特殊召喚できる!」

錨を道しるべとし、3体の魚が場に浮上した。

 

バハムート・シャーク ランク4 守備2100

セイバー・シャーク レベル4 守備1200

サイレント・アングラー レベル4 守備1400

 

手札から墓地へ送られたカード

・ドリーム・シャーク

 

ゴースト・フリート・サルベージ(アニメオリカ・調整)

通常罠カード

自分フィールド上の水属性エクシーズモンスター1体が戦闘によって破壊された時に発動できる。

そのエクシーズモンスター1体とそのエクシーズ素材となったモンスター(2体まで)を表側守備表示で特殊召喚する。

この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、表示形式を変更できない。

 

「(これで、俺にできることはねえ…。瑠那、頼む!!)俺はこれでターンエンド」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙6→0

瑠那4

ライフ950

場 バハムート・シャーク(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) ランク4 守備2100

  セイバー・シャーク(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) レベル4 守備1200

  サイレント・アングラー(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) レベル4 守備1400

  セイクリッドの星痕(永続魔法)

  

アビス&璃緒

手札

アビス3

璃緒2

ライフ4000

場 No.94極氷姫クリスタル・ゼロ ランク5 攻撃2200

  伏せカード2

 

「後を託すために、モンスターを残したか。我のターン、ドロー」

 

アビス

手札3→4

 

「我は罠カード《生者の使命》を発動。手札のモンスターを2枚まで墓地へ送ることで、墓地からリチュアと名のつくモンスターを墓地へ送ったモンスターの数だけ特殊召喚できる」

2体の《リチュア・マーライオン》が墓地から舞い戻る。

 

リチュア・マーライオン レベル5 攻撃1400

 

手札から墓地へ送られたカード

・ゴルゴニック・グール

・ゴルゴニック・ケルベロス

 

聖者の使命

通常罠カード

自分のターンのメインフェイズ時にのみ、手札のモンスターカードを2枚まで墓地へ送ることで発動できる。

墓地へ送ったカードの数だけ、墓地から「リチュア」と名のつくモンスターを特殊召喚できる。

この効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できず、効果は無効化される。

 

「レベル5の水属性モンスターがまた2体…」

「こ…これは…!!?」

再びビジョンが映る。

ベクターの力によって、深海からアビスによく似た装備をしている巨大なモンスターが青い魔石がついた杖を装備して現れる光景。

「我はレベル5の《リチュア・マーライオン》2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!見せてやろう。神代凌牙。我の真の姿を。現れよ、No.73!カオスに落ちたる聖なる滴。その力を示し、混沌を浄化せよ!《激瀧神アビス・スプラッシュ》!!」

 

「な…なんだこれは…!?」

「クリー…」

風クリボーが震えながら現れ、侑斗の後ろに隠れる。

「すごく大きい…」

「あれが…遺跡のナンバーズ!!?」

凌牙のビジョンの中で現れた巨大なモンスター。

バリアンであるドルベでさえ、そのモンスターから放たれるプレッシャーに戦慄した。

 

No.73激瀧神アビス・スプラッシュ ランク5 攻撃2400

 

《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》の額から青い光が放たれる。

「こ…この光は!!?」

青い光が凌牙、ドルベ、アストラルに同じビジョンを見せる。

ベクターによって召喚された《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》が暴走し、無差別に破壊活動を行う光景。

そして、連合国軍が劣勢に立たされる中、璃緒そっくりの少女が城を飛び出し、暴走する海神の前に立つところでビジョンが途切れた。

「今のは…遺跡の記憶だというのか!?」

「間違いない…。あの遺跡に現れた兄妹が…」

凌牙そっくりの国王のペンダントの形がバリアンの印と同じだったことをドルベとアストラルは覚えている。

おそらく、凌牙も…。

 

「神代凌牙。ここからが本当の試練だ。《アビス・スプラッシュ》の効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ取り除くことで、相手ターンのエンドフェイズまでこのカードの攻撃力を2倍にする。そしてこの効果を発動したターン、このカードが相手に与える戦闘ダメージは半分になる」

「何…!?」

《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》の胸にオーバーレイユニットが宿る。

すると、そのモンスターの杖の宝石が輝き始めた。

 

No.73激瀧神アビス・スプラッシュ ランク5 攻撃2400→4800

 

取り除かれたオーバーレイユニット

・リチュア・マーライオン

 

「攻撃力4800だと…!?」

「でも、私たちの場に存在するモンスターはすべて守備表示。ダメージは受けないわ」

「更に、罠カード《エクシーズ・オーバースペック》を発動。このターン、元々の攻撃力よりも攻撃力が高いエクシーズモンスターが守備モンスターを攻撃するとき、貫通ダメージを与える」

「何…!?」

《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》が赤く染まり、さらに力を発揮する。

「バトル。《アビス・スプラッシュ》で《バハムート・シャーク》を攻撃。ファイナル・フォール」

《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》が放つ大波が《バハムート・シャーク》を襲う。

効果で戦闘ダメージが半分になるとはいえ、ダメージは1350。

この攻撃を受けたら、2人は敗北する。

「璃緒…くっそおおおおおお!!」

「私は手札の《セイクリッド・サーサナス》の効果を発動!相手の攻撃力3000以上のモンスターが攻撃するとき、このカードを手札から特殊召喚することで、相手のバトルフェイズを終了させる!」

白銀の鎧を着て、右手にコンパスを握っている青い髪の少年が現れる。

その少年が巨大なバリアを展開し、大波をしのぐ。

 

エクシーズ・オーバースペック

通常罠カード

このカードを発動したターン、自分フィールド上に表側表示で存在する攻撃力が元々の攻撃力よりも高いエクシーズモンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

セイクリッド・サーサナス

レベル4 攻撃0 守備200 チューナー 光属性 天使族

相手フィールド上の攻撃力3000以上のモンスターの攻撃宣言時に手札から発動できる。

このカードを手札から特殊召喚し、バトルフェイズを終了させる。

この効果で特殊召喚されたこのカードがフィールドから離れたとき、ゲームから除外される。

 

「なんとかしのいだか。我はカードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

凌牙&瑠那

手札

凌牙0

瑠那4→3

ライフ950

場 バハムート・シャーク(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) ランク4 守備2100

  セイバー・シャーク(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) レベル4 守備1200

  サイレント・アングラー(《ゴースト・フリート・サルベージ》の影響下) レベル4 守備1400

  セイクリッド・サーサナス レベル4 守備200(チューナー)

  セイクリッドの星痕(永続魔法)

  

アビス&璃緒

手札

アビス4→1

璃緒2

ライフ4000

場 No.73激瀧神アビス・スプラッシュ(オーバーレイユニット1) ランク5 攻撃4800

  No.94極氷姫クリスタル・ゼロ ランク5 攻撃2200

  伏せカード1

 

ターン終了の宣言と共に、再び3人の瞳にビジョンが映し出される。

妹が《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》の手に握られ、ベクターに降伏するよう脅迫される王。

その王を救うため、白天馬に乗って、人間だったころのドルベが現れる。

彼は王を自らの友と呼んだ。

しかし、弓部隊の妨害により、彼女を救うことができない。

そして、彼女は神を浄化するため、王が最も望まぬ選択をする。

自らを生贄に捧げ、ナンバーズを呼び出すことだった。

彼女は自らの身を海に沈め、《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》を召喚した。

「あれは…《アビス・スプラッシュ》と《クリスタル・ゼロ》!?まさか…シャークと璃緒は…」

「ナッシュと…メラグだというのか!!?そして…私は…」

「これは…俺の記憶…」

「凌牙!?一体どうしたというの!?」

残酷な過去の記憶に、凌牙は膝を地につける。

「このフィールドは…お前の心そのもの。お前は再び妹を失うことになる」

祭壇が徐々に崩れていき、璃緒の真下に巨大な渦が現れる。

今の彼女はアビスの力で浮遊しているが、もしアビスがそれを止めたら、彼女は渦の中へ消えてしまう。

「お前の心の弱さが、お前の大事な物すべてを失わせる」

「や…やめろーーーー!!」

アビスが力を解くと、璃緒が渦の中に落ちていく。

「璃緒ーーーー!!」

「そんなことはさせない!!!」

侑斗と竜司を乗せたフォーチュンが全速力で駆けつけ、璃緒を救出する。

「シャークーーーー!!」

ガルドに乗っていた遊馬が飛び降り、凌牙の前に立つ。

「遊馬…」

「侑斗…みんな」

「シャーク!!妹は無事だ!さっさとこのデュエルを終わらせろよ!」

璃緒が救出されたことで、アビスを渦を止めた。

「こい。我を倒し、記憶を取り戻すのだ。そして、王となってこの世界を導け」

「ふざけるな!俺は何者でもねえ。俺は俺だ!!」

「熱くなりすぎよ。次は私のターンなのに…。私のターン、ドロー」

瑠那はため息をつきながら、カードを引く。

ため息をついているものの、若干口が緩んでいた。

 

瑠那

手札3→4

 

「罠発動《バトルマニア》。これで、お前たちの場のモンスターはすべて攻撃表示となり、可能な限り攻撃しなければならない」

 

バハムート・シャーク ランク4 守備2100→攻撃2600

セイバー・シャーク レベル4 守備1200→攻撃1600

サイレント・アングラー レベル4 守備1400→攻撃800

セイクリッド・サーサナス レベル4 守備200→攻撃0(チューナー)

 

「私は手札から魔法カード《セイクリッドの祝福》を発動。私の場にセイクリッドと名のつくモンスターが存在するとき、このターン、私の場のすべてのモンスターの属性は光属性として扱われる」

 

セイクリッドの祝福

通常魔法カード

自分フィールド上に「セイクリッド」と名のつくモンスターが表側表示で存在する場合にのみ発動できる。

このターン、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターの属性は「光」として扱う。

 

「私はレベル4の《セイクリッド・サーサナス》、《サイレント・アングラー》、《セイバー・シャーク》でオーバーレイ。エクシーズ召喚。現れよ、《No.23セイクリッド・ルナマリア》」

 

No.23セイクリッド・ルナマリア ランク4 攻撃2000

 

「そして、《セイクリッドの星痕》の効果で、私はデッキからカードを1枚ドローするわ」

瑠那はドローしたカードに目を向ける。

 

これは、新たに見つかった遺跡を行く前の話だ。

出発するメンバー全員のデッキの確認を済ませ、店を離れる時に島に呼び止められた。

「竜司君。瑠那ちゃん。このカードを持っていけ」

2人は渡されたカードを見て、驚きを隠せずにいる。

「島さん…このカードは!?」

「本当なら、遊馬君に渡したかったけど、話を聞いていたらもうこういうカードを持っていたらしいからね。侑斗君と蓮君も持っているんなら、2人に渡さないとって思ってな」

 

「…。私は手札から《RUM-ムーン・フォース》を発動!私の場の光属性エクシーズモンスター1体をランクアップさせる!」

「何…!?」

「瑠那も…RUMを!?」

「私は《セイクリッド・ルナマリア》でオーバーレイネットワークを再構築。カオスエクシーズチェンジ!現れよ、CNo.23!秘めたる思い、聖なる矢となりて、闇を射抜け!!《セイクリッド・アーク》!!」

《No.23セイクリッド・ルナマリア》が光に包まれ、その姿を純白の衣で包み、弓矢は様々な宝石で装飾された大弓となった。

 

CNo.23セイクリッド・アーク ランク5 攻撃2000

 

RUM-ムーン・フォース

通常魔法カード

自分フィールド上に表側表示で存在する光属性エクシーズモンスター1体を選択して発動する。

選択したモンスターよりランクが1つ高い光属性エクシーズモンスター1体を選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。

 

「攻撃力わずか2000のモンスターで、我の《アビス・スプラッシュ》に勝てると思っているのか?」

「ええ…。そのつもりよ」

「何…!?」

「《セイクリッド・アーク》で《アビス・スプラッシュ》を攻撃」

《CNo.23セイクリッド・アーク》は大弓で大量の光の矢を同時に発射した。

「《セイクリッド・アーク》が相手攻撃表示モンスターを攻撃する時、カオスオーバーレイユニットを1つ取り除くことで、戦闘で私たちに発生するダメージが0になる。そして、戦った相手モンスターをダメージ計算終了後、破壊するわ」

「なんだと…!?」

《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》は杖から青い光線を放って矢を撃ち落そうとした。

しかし、光の矢たちはその光線を吸収し、さらに力を増幅させる。

その矢が《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》を次々と貫き、破壊した。

「《アビス・スプラッシュ》が…」

「そして、この効果で破壊したモンスターの攻撃力分のダメージをあなたに与える」

 

アビス&璃緒

ライフ4000→0

 

CNo.23セイクリッド・アーク

ランク5 攻撃2000 守備2000 エクシーズ 光属性 天使族

光属性・レベル5モンスター×4

このカードは「No.」と名のつくエクシーズモンスター以外との戦闘では破壊されない。

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動する。

選択されたカードはこのターン、1度だけ戦闘およびカード効果では破壊されない。

この効果は相手のターンでも発動できる。

このカードが「No.23セイクリッド・ルナマリア」をエクシーズ素材としているとき、以下の効果を得る。

●このカードが相手の攻撃表示モンスターを攻撃するとき、エクシーズ素材を1つ取り除くことで、このカードはその戦闘では破壊されず、発生するお互いへのダメージを0にする。

その戦闘のダメージステップ終了時、戦闘を行った相手モンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

「やったーーー!!瑠那ちゃんと凌牙君が勝ったーー!!」

ガルドに乗ったまま、ウィンダは万歳した。

「良かった…勝ってくれて…」

「神代凌牙…璃緒…」

勝利を喜ぶ侑斗達、そしてデュエルを終えた凌牙を見て、ドルベは静かにその場を立ち去った。

アビスの胸から《No.73激瀧神アビス・スプラッシュ》と《No.94極氷姫クリスタル・ゼロ》が飛び出し、凌牙の手に渡る。

「これが…俺と璃緒のナンバーズ…」

「見事だ。お前は見事、試練を乗り越えた」

アビスはゆっくり立ち上がり、凌牙を見る。

「なぜだ?なぜ俺を試すようなことを」

「それは、お前に命じられたからだ」

「俺が命じただと…!?」

「失った過去の記憶を呼び覚ますためのデュエルをせよと…。神代凌牙。我が役目は終わった。さらばだ…」

「待て!?俺にはまだ聞きたいことが…!!」

凌牙の懇願にも聞こえる声を無視し、アビスは消えて行った。

すると、侑斗達の視界を不思議な霧がつつんでいった。

 

真っ暗だった海原に朝日が昇る。

小鳥とポン太は眠ることなく、ただひたすらデッキから海を見ていた。

「遊馬…みんな…」

「ポン!!?小鳥!後ろ後ろ!!」

「え…?」

小鳥は後ろを振り返ると、大きな光の球体が現れ、その中から侑斗達が出てきた。

「みんな…遊馬!!」

「侑斗!ウィンダ!無事でよかったポン!!」

「飛行船…。そっか、帰ってきたんだ」

「…。璃緒…璃緒は!?」

「あ…!!」

デッキを見渡すが、璃緒の姿がない。

凌牙と瑠那は大急ぎでブリッジに入る。

すると、璃緒は蓮に寄り添うように、意識を失っていた。

「璃緒…まだ目覚めないの!?」

瑠那は彼女の体を揺らすが、目を覚ますことがなかった。

「そんな…璃緒ーーーーー!!!!」

凌牙の叫びが飛行船中に響き渡った。

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