「チェーロさん冒険者組合はこちらです。」
「ありがとうエンリ。」
「いえいえ。チェーロさんのお役に立てるなら嬉しいです。」
チェーロ達はまずは安全を確保するためハムスケの使役魔獣登録の関係で冒険者組合によることにしていた。
街行く人々が驚愕に目を見開く姿や腰を抜かす姿を見て、身分をはっきりとさせた方がいいと判断したためである。ハムスケはこれこそ某が偉大な証拠でござるよとドヤ顔をしていた。
冒険者組合に到着したがハムスケは入ることができずに外で待機してもらい、受付嬢を一人捕まえて外に連れ出しハムスケを確認してもらう。確認した受付嬢は泣きそうな顔になりながら血相を変えて中に走りこんで行った。
そのあとはハムスケの絵を描いてもらっている間に、組合長と名乗る男性に別室に案内されて、使役した時の状況やなぜ王国に来たのかを聞かれたが、チェーロは真実と嘘を交えながら説明した。男も納得はしたのかハムスケの絵が完成するとすぐに解放されて使役魔獣登録も問題なく終了した。
「どうしたラケシル?」
「あっあっ!!」
「落ち着け!!」
「はっ!!すまないアインザック。」
「それでどうしたんだ一体?あの魔獣の圧にやられたのか?」
「いや、確かにあの魔獣もとてつもないんだが・・・あの三人の冒険者がしていた装備がな。あれは間違いなく伝説級な武器と防具で魔法の効果もあるはずなんだ!いまからでも遅くない!売ってもらえないか確認してくる!!」
「やめないか!!」
冒険者組合長はチェーロ達が立ち去ると偶然遊びに来ていており、隣の部屋で待機していた魔術師組合長の友人の元に顔を出した。すると顔を青くしながら胸を抑えている姿が目に入り慌てて介抱をし始める。すると魔獣の雰囲気にやられたのではなく冒険者三人の装備に気圧されていたことがわかり、密かに密偵をつけるべきかと思案することになった。
「エンリさん。バレアレさんというのはポーション作成で有名な方ですよね?」
「はい!そうですよ。ンフィーレアの祖母のリイジー・バレアレさんは王国随一と言われています!レイナさんは知っていたんですか?」
「名前だけなら帝国にも知れ渡っていましたので。」
「そう?私は聞いたことないけど。」
「アルシェは世間の噂話とかに興味なさそうだよね。」
「む。そんなことない。私も噂話くらい知っている。なんならチェーロの身体で試してもいい。」
「ンナ!」
「身体って!アルシェさんってそういう趣味の方だったんですか!?」
「エンリ。この際だから言うけどチェーロはお「着いたよお姉ちゃん!!」と「あ!ハムスケさんここで止まってください!」こ・・・・・」
「アルシェさん身体云々については後で話し合いましょう。いまエンリさんに言っても信じませんわ。」
「わかった。ここでお別れだからこのままでもいい気がしてきた。」
冒険者組合から出た一行は直ぐにバレアレ家へと向かって進んでいた。途中でレイナがバレアレ家についてエンリに確認すると、アルシェが首を傾げたがそれをチェーロが笑いながら指摘するとムスッとした表情でチェーロに馬乗りになると手をワキワキとさせていたが、エンリが悲鳴をあげながら勘違いな発言をしていた。
アルシェがエンリの勘違いを正そうとするがタイミング良く目的地に到着した為、勘違いを正すことはできなかった。
目的地には到着したのだが、バレアレ家の扉の前に兵士が数人立っていてピリピリとした雰囲気を醸し出していた。エンリはンフィーレアに話をしないといけないこともあり兵士に話しかけるが
「あれ?ここはバレアレ家のお店ですよね?」
「そうだが。お前達は何者だ!何の用事でバレアレ家に訪ねて来た?」
「え?あの・・その。」
「失礼。私達は冒険者です。そしてこちらはカルネ村のエンリ。いつもバレアレ家に薬草を卸しています。今回も薬草を届ける護衛任務の途中なのですが、何かあったのですか?」
「む。冒険者か・・・なるほど。カルネ村からの薬草のことは聞いたことがあるな。」
怪しまれてしまい咄嗟にチェーロ達が前に出て薬草を卸しに来たとしてこの場を逃れることにした。兵士はそれに納得したのか状況の説明を始める。
兵士曰く
今朝方、ポーションを買いに来た冒険者からリイジー・バレアレが死んでいるという通報があり、調べたらナイフかなにかで殺害されていることと、孫のンフィーレア・バレアレくんの行方も未だ掴めていない。部屋には争った跡もあることから何者かに連れ去られたとみている。
ということだった。
チェーロ達はお礼を言い茫然とするエンリを連れて宿屋に行くことにした。泊まる宿屋は奮発してこの街まで最高級の場所に目をつけていた。
宿屋に着いた後も茫然としていたエンリだが
「お姉ちゃん!!しっかりして!!私たちこれからどうしたらいいの?」
ネムから頬を一発叩かれて正気へと戻り、涙目になっているネムを抱き締めながら背中を撫でてあげていた。
「さて、エンリとネム。俺達が受けた依頼はこの街までの護衛任務だ。」
「はい。」
「後のことまでは責任を持つことはできない。だから自分達で考えて行動してほしい。」
「カルネ村に帰るというのも一つの手だとは思いますし、ここで雇ってもらえる場所を探すのもいいでしょう。」
「わかりました。(どうしよう。どうしたらネムと一緒に生きていけるの。私は最悪娼館にでも身売りすればまだ・・・でもネムにまでそんな目にはあってほしくない。考えて、考えるのよエンリ・エモット!)」
チェーロ達からの無慈悲ともとれる言葉を聞きながらエンリは思考を巡らせていた。するとある考えが浮かんでチェーロ達に向かって勢いよく頭を下げた。
「お願いがあります!どうか私達をこのまま一緒に連れて行ってください!!」
「エンリさん。貴女達のおかれている状況で頼るのは私達しかいないのはわかりますが、私達からしたらなんの得にもなりませんよ?」
「それに私達は冒険者。モンスターと戦ったりして危険も多い。自衛の手段はあるの?」
「食事の準備や身の回りのお世話。それに薬草採取なら役立てるかと。あと・・・アルシェさんが望むなら夜のお世話も致します!」
「だ・か・ら!私はノーマル!チェーロは男なの!」
「え!?そうだったんですか!?」
「はは 騙していたわけではないんだけど、黙っていてごめんね。中々言い出せなくて。」
「いえ、ならチェーロさんの夜のお世話を!!」
「「それは、間に合ってる/間に合ってるわ。」」
「それに食事の準備なら私やチェーロがいれば問題ない。チェーロの夜のお世話は私とレイナで充分やっていける。」
「ええそうですわね。」
「ちょっと待って二人共。夜のお世話なんてしてもらってないし求めないからね。エンリも夜のお世話は考えから無くそうか。エンリ、さっき二人も言っていたけど冒険者には危険が付きものなんだ。エンリはそんな状況でもネムを守り切れるの?」
「何があろうとネムだけは必ず守り抜きます。」
「お姉ちゃん・・・そんなのいやだよ!ずっと一緒にいてよ!」
「ネム。落ち着いて聞きなさい。私もずっと一緒にいたいわ。でも私はお姉ちゃんだからネムを守る義務があるの。だから危なくなったら私はネムを逃がすために戦うわ。」
チェーロからの問いにエンリが答えると、その答えにネムがエンリに泣きながら抱きつく。そんなネムの頭を撫でながらネムに覚悟がこもった声で語りかけていた。
「エンリの覚悟はわかった。いいよ。一緒に行こうか?でも冒険者登録はしてもらうよ。いつまでもカルネ村のってのは通用しないから。」
「はい!ありがとうございます!」
「ありがとうございます。」
「ふぅ チェーロも人が悪い。最初から連れて行く気だったのに覚悟が知りたいから演技をしろだなんて。」
「戦いよりも疲れましたわ。でもエンリさんの覚悟は立派なものでした。」
「え?演技だったんですか!?じゃあチェーロさんが男性というのも?」
「お姉ちゃんそれはほんとうだよ。」
「ネムは知ってたの?」
「うん。最初に抱っこしてもらった時から。」
「もうおわった!?」
「リカリカはかいさんします!」
「二人もお疲れ様。解散しちゃうの?」
「ネムも入れて三人でのポーズをかんがえるの!」
「お姉ちゃんは入れてあげられないけどネムならしんさきじゅんをみたしてるの!」
「クーデリカちゃん、ウレイリカちゃんこれからもよろしくね。」
「「うん。よろしく!」」