「ここどこーーーー!?」
ツナは広い草原に一人佇みながら叫び声をあげた。
暫くは放心状態でいたが、アイテムボックスを確認したり、ステータスを確認したりと慌てだした。
「ん?アイテムボックスに知らない手紙が二通?」
一通目を開いてみるとユニからで
【ツナさん。すいません。こうなる未来は視えていたのですが、そろそろ好きなことをしていただきたかったので内緒にさせていただきました。】
二通目は白蘭からで
【その世界はゲームのユグドラシルとは違う一つの異世界だよ。ジャンニーニくんの装置が暴走して転移したみたいだね。ツナヨシくんの身体はチェッカーフェイスが責任を持って管理してくれてるから安心していいよ。】
二人からの手紙を読み自身の置かれている状況を知ったツナは
「異世界!?未来の次は異世界!?確かにいまは獄寺くんと11代目候補達が現場をまわしてくれてるけど、トゥリニセッテ的には大丈夫なの!?だからチェッカーフェイスが身体を管理!?俺の身体本当に大丈夫なの!?」
ツナは手紙に向かって一人ツッコミを入れまくっていたが、落ち着いたのか装備品を確認し、白蘭から地図とこの世界のお金、この世界の情勢や常識が書かれた紙が用意されており、それを読むと朝になったら近くの街まで向かうことにした。
簡易テントを設置し火を起こすと、焚き火で暖をとるために近くで丸くなる。
その光景を遠くから見ていた五人の女性がいた。
「おい!こんな場所に子供が一人でいるぞ。」
「女の子?男の子?ここからじゃわからない。」
「なら近づいて確認してみるべき。」
「貴女達ね。やめときなさい。モンスターが出たら助けに行けばいいわ。」
「ラキュースの言う通りだ。こんな場所で野営をするくらいだ。自衛くらいはできるんだろう。」
ツナが野営に選んだ場所は街道からは外れており、モンスターが出没する森の近くであった。
ツナはテントに入り眠っていたが、月の明かりで辺りが照らされるとテントから飛び出した。
すると森の方からゴブリン5体、オーガ4体、トロール3体が森から飛び出しツナに向かって走ってきた。
遠くにいた女性五人組の内、忍者の格好をした二人と仮面をした一人が異変を察知し、残りの二人を起こす。
「あの数は危険。」
「美少女美少年の可能性が高いのに見過ごせない。」
「トロールが3体かよ!ありゃ一人じゃ辛いぜ。」
「イビルアイ。先行して保護してあげて。」
「わかっ・・・なんだあれは?」
仮面をした一人がフライの呪文を唱えるが、五人組が見た光景は子供が一瞬で消えたと思ったらゴブリン5体、オーガ4体の胴体に穴が開いて倒れている光景だった。
子供はトロールと向き合い構えると、一瞬で間合いを詰めて一体の頭部を破裂、そのまま二体目、三体目と頭部を破裂させた。
そしてモンスターの死体を一箇所に集めると手をかざして燃やし始め、モンスターの死体が完全に無くなるとこちら側にニコッと笑顔を向けてテントに入っていった。
「いまの見えたか?」
「俺には無理だ。あれはモンクか?」
「あれは美少年。ちょっと美味しく頂いてくる。」
「美少女かもしれない。脱がして確認しないといけない。私も行く。」
「だからやめなさい二人共。こちらに気づいていたわよね。最後の笑顔は牽制かしら?なんにしてもこの時間に近づくのは余計な警戒心を与えてしまうわ。話すなら朝になってからよ。」
ラキュース達五人の眼が覚めるとテントが消えており、子供は立ち去ってしまっていた。
一番近い街はバハルス帝国の帝都アーウィンタールで通行税を支払い門の中に入った。
手っ取り早く身分証明書を得るため、冒険者登録をしようと組合へと向かう。
「すいません。冒険者登録をしたいのですが。」
「ではこちらの用紙に必要事項の記入をお願いします。代筆もできますがいかがいたしますか?」
「自分で書くので大丈夫ですよ。」
ツナは用紙に必要事項の記入を始める。
「はい。確認いたしました。チェーロ様ですね。ちょうどこれから新規の冒険者に向けた説明会が行われますが参加されますか?」
「お願いします!」
チェーロが部屋に入ると杖を持った女の子が一人だけ席についていた。