「落ち着けってお前ら。ラキュースが鎧を装備できてるってことは最後まではしていないってことだろ。いまから姫さんとこに行くんだからそんなに殺気だってたらまずいだろ。」
「最後までしていないだけで、チェーロのナニをあの胸や手と口で堪能した可能性は捨てきれない。」
「あからさまな事後の現場だった。何もなかったとは言わせない。」
「・・・(あの時逃げなければ私がラキュースの代わりに)」
「だから!!何もしてないしなかったわよ!!」
「チェーロチェーロチェーロチェーロ。青の薔薇は抹殺青の薔薇は抹殺青の薔薇は抹殺。」
「私達はチェーロさんのことを信じてはいますが、次回からは全員が同じ部屋でということを提案いたしますわ。」
「・・・・・・もうそれでいいよ。アルシェ、ごめんね。これからはみんなと一緒の部屋で寝るから、そっちには行かないでほしいかな。」
「ツアレおねーちゃん。いまからお城に行くんでしょ?」
「私達お姫様?」
「お城・・・貴族・・・この子達だけでも守らないと。」
「ネム。絶対に勝手に走り回ったらダメだからね。絶対だからね。」
「お姉ちゃん心配しすぎだよー。」
「今回は某も着いて行っていいでござるとはー。ツアレ殿、リカリカ殿とネム殿の護衛は某の役目故、大丈夫でござるよ。」
青の薔薇と白百合は歩きながら城へと向かっていたが、話題は朝の一幕にあり、チェーロとラキュースが一夜を共にしていたことが問題になっていた。
ラキュースは無垢なる白雪を装備して身の潔白を証明していたが、性に対する知識ではティナとティアに敵うわけもなく、声を荒げて反論をしていた。
逆にチェーロの方はレイナを筆頭に疑いは早々に晴れていたが、アルシェが夜の炎を発現させてもおかしくない様子に、危機感を感じていた。
そうした中、城へと到着しクライム案内のもとラナーが待つ部屋へと案内された。
「わぁ ありがとうラキュース。白百合の皆さんを連れて来てくださったんですね!チェーロ様は噂通りお美しいです!」
「ちょっ!ラナー!まずは自己紹介を!」
「コホン はじめまして白百合の皆様、私はラナー・ティエール・シャルドロン・ライル・ヴァイセルフ。この国の第三王女をさせていただいています。ラナーとお呼びください。」
部屋に入ると目を輝かせながらラナー王女がチェーロに駆け寄り手を握りながら激しく振り回すが、アルシェの様子をチラッと確認したラキュースが慌てて引き剥がして自己紹介を促した。
そんな光景を青の薔薇とクライムは苦笑いではあるもののしょうがないという感じでみていた。チェーロはその笑顔に胡散臭さを感じ、また超直感も警報を鳴らしていた。
「アルシェ様は第七位階を使用できるんですよね?フルーダー様のお弟子さんは凄いです!レイナース様は槍での攻撃が凄いとか重爆の名は伊達ではないんですね!」
「レイナースだと?」
「やっぱり帝国四騎士の重爆だったのかよ。」
「それにフルーダーの弟子とはな。ならあいつも第七位階を使えるのか?聞いたことはないが。」
「ラナー王女。私の名前はレイナースではなくレイナですよ。」
「私もフルーダーの弟子ではなくチェーロの弟子。チェーロに会うまでは第三位位階までしか使用できなかった。」
「あら?そうでしたの?ごめんなさい。でもそれならチェーロ様も第七位階を使用できるということですよね?すごいです!!」
「ハハハ そんなことはないですよ。それよりも俺達をここに集めた理由を聞いてもいいでしょうか。それとも素のやりとりをお望みであればクライムくんも含めた全員であなたも素顔を見せてお話でもしましょうか?」
「・・・・・・そうですね。大変失礼いたしました。皆さんどうぞお座りになってください。」
ラナーは無邪気な笑顔でレイナとアルシェの過去の事を話し始め、その言葉に青の薔薇とクライムは警戒態勢に入るが、次の標的をチェーロへと変えて笑顔を浮かべながら近づくが、話の途中で小声でチェーロから言われた言葉に少し考える素振りを見せると全員を席に座るように促した。