大空と死の支配者   作:ばすけばすけ

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チェーロのスキル 全種族魅了について

文字通り全種族を魅了することができる。しかし意思の疎通ができないモンスターに対してはとびっきり美味しそうな匂いがするという認識になってしまいモンスターを呼び寄せてしまうことがある。


元貴族の少女

「今回の新規登録者は2名だけだ。お前達二人を相手に講習会を開いてやることをありがたく思え!」

 

講習会の内容は依頼のランクについて、違約金の発生する流れ、冒険者とは切っても切れない関係にあるモンスターの難度という概念、身分証明となるプレートのランクに対することが説明されて終わった。

 

チェーロは腕を上にあげて背筋を伸ばしていたが、一緒に聞いていた女の子が落胆したような雰囲気をしていたため気になり声をかける。

 

「お疲れ様。体調悪そうだけど大丈夫?」

 

「ありがとう。体調が悪いわけではない。冒険者の夢の無さに驚いただけ。」

 

「まぁ確かに夢がある仕事ではないよね。帝国だと王国より冒険者に対しての依頼も少ないみたいだし。」

 

「そうなの?なら王国にいけばまだましなのかな。私はアルシェ、貴女は?」

 

「チェーロ。アルシェはマジックキャスターだよね?良かったらパーティを組まない?」

 

「チェーロは戦士?パーティを組むかはまだわからないけど一緒の依頼を受けるのは構わない。」

 

「どっちかというとファイターかな?いまから受ける?」

 

チェーロはアルシェと名乗った少女と話ながら受付に行き、カッパーでも受けれる任務を確認する。現在は薬草採取しかなく、お互いの実力確認の為にそれを受注しモンスターも狩ることにした。

 

「この場所ならいまから行けば夕方には帰って来れる。チェーロはすぐに出発できる?」

 

「こっちは大丈夫だよ。アルシェは準備とか大丈夫なの?」

 

「問題ない。」

 

アルシェは杖しか持っていない手ぶらに見えてはいたが、自身と同じように無限の背負い袋を持っているのかもと納得して先を歩くアルシェについて行く。

 

門を抜けて街道を進み森の手前にある薬草が生えている草原に到着した二人は手分けして薬草を探す。

薬草も無事に集まって小腹が空いた為、チェーロはアルシェに休憩にしようと声をかけようとするが、森からゴブリン15体が飛び出してきた。

 

「アルシェ!ひとまず俺の後ろに。前衛は俺がやるからアルシェは隙を見て魔法で攻撃してくれ。」

 

「チェーロ、貴女俺って・・いまはそれどころじゃないけど終わったら質問に答えてもらう。」

 

チェーロがいち早くゴブリンに気づきアルシェを後ろに庇う。アルシェはチェーロを女の子だと思っていたが、俺という発言から男の子だったのかと驚くが戦いに専念することを優先した。

 

チェーロはゆっくりと前へと進んで行く、先頭を走っていた三体が飛びかかってくるが、そのゴブリンの首目掛けて手刀を放つと、空中で胴体と首が離れてそのまま下に落下した。アルシェは一瞬のことで驚くがすぐさまマジックアローを放ち一体を仕留める。チェーロはそのままゆっくり歩き続けて飛びかかってくるゴブリンの首と胴体を離す作業を繰り返していた。もっともアルシェにはその作業を詳しく見ることができなかった為、空中で勝手に引き離されていくようにしか見えなかった。

 

チェーロが倒したのが12体でアルシェは3体のみである。アルシェは申し訳なさから討伐部位の切り取りを進んで行っていた。チェーロはその間に死体の片付けをすると言って処理が終わったものから違う場所に運んでいた。

 

「お疲れ様。ちょっと休もっか?」

 

「チェーロ、貴女は何者なの?しかも女の子だと勘違いしていたけど男の子?」

 

「ん?男だよ?え?女に見えてたの!?」

 

「女の子にしか見えない。フフ 警戒して損した。」

 

アルシェはチェーロが男かもと思った時に下心があり近づいてきたのかと警戒をしたが、面白いくらいの慌てようから杞憂だったと判断し、初めて声を出して笑い声をあげた。笑い終えたアルシェから クゥー という可愛らしいお腹の音が鳴る。

 

「あ・・・」

 

アルシェはお腹を押さえて恥ずかしそうに俯く。

 

「携帯食は持ってきてる?」

 

「ごめんなさい。必要になると思ってなくて持ってきていないの。」

 

「なら分けてあげる。」

 

チェーロは無限の背負い袋から携帯食を取り出してアルシェに手渡す。また無限の水差し(果実水ver)とコップも取り出して果実水を手渡した。

 

「冷たい。そして美味しい。いまのは無限の背負い袋?これは無限の水差しだよね?」

 

「うん。冒険の必需品でしょ。」

 

「そんなことない。この二つのアイテムを買うお金があれば遊んで暮らすこともできる。チェーロはどっかの貴族だったりするの?」

 

「そんなまさか!俺は只の冒険者だよ。アルシェは佇まいがなんか貴族っぽいよね。」

 

「ゔ・・・実はね家は元貴族なの。いまは妹二人と三人で暮らしていて親との縁はたっているんだけどね。妹二人を養うのにどうしてもお金が必要で。それで冒険者になったんだけど・・・冒険者の稼ぎも良くないしなかなか上手くいかない。」

 

チェーロが放つ独特の雰囲気のせいか単純に気があうのかはわからないが、アルシェは初対面の相手にポツリポツリと自身を取り巻く環境について話していく。

チェーロはそれを聞きながら顎に手を当ててなにやら考え込んでいた。

 

「チェーロ。足手まといかもしれないけどパーティを組んで欲しい。魔法の腕には自信がある。戦闘面で役立たずなら夜の相手でもいい。経験はないけど知識はある。」

 

「ちょっとストップ!!アルシェ!夜の相手とか女の子が言わないの!パーティを組むのは俺からもお願いしたいけど、それは戦闘面や知識面から。学校に通ってたってことは色々と詳しいんでしょ。妹二人と一緒に四人で王国に移動しよう。あっちならまだ稼げるはずだから。」

 

「うん。ありがとうチェーロ。」

 

アルシェは実力と人柄も問題なくアイテム類も揃っているチェーロとなんとしてもパーティを組みたいが為に、身体を差し出すとまで言いだすが、チェーロはそれを良しとはせずに魔法と知識面で力を貸して欲しいと握手を求めてきた。アルシェは笑いながら手を握りしめてお礼を言う。

 

また、帝国だと冒険者の役割が低いこともあり稼ぐことができない為、王国に移動することが今後の方針になり、アルシェの妹二人と荷物もあることから馬車の購入が一先ずの目標となった。

 

「チェーロは住む場所あるの?良かったら家に来る?妹達もいて狭いけどチェーロがいるなら安心できる。」

 

「宿を考えていたんだけど、アルシェがいいならお邪魔しようかな。」

 

「大丈夫。なら組合に寄った後に妹達を迎えに神殿に行こう。」




天空のガントレッドについて
攻撃がクリーンヒットした際に与えるダメージが2倍になり、鎧、防御スキルや耐性などの抵抗を受け付けない。

アルシェについて
原作との相違点
フールーダの元を去る際に家族のことを相談し、弟子からの最後の頼みを受け入れたフールーダはアルシェと妹二人を親から引き離す。引き離す際に二度と娘三人に関わらないようにする契約を書面にて結んだ。その契約書面には皇帝までも名前を連ねており、破ったら反逆罪として処罰されることになっている。
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