プリキュアオールスターズ 闇からの挑戦状   作:風紀@ボカロ厨

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「・・・」
「・・・あのぉ」
暗い部屋の中で向かい合う2人。向かい合ったデスクの上の書類を裁くその姿はサラリーマンのそれだった。
呆然としたブンビーを見たあと、ライアは急に静かになり、彼を職務室まで連れていったのだ。
「・・・なに」
そんな無愛想な反応に、ブンビーはやはり強烈な違和感を覚えた。ライアは黙々と仕事を続けている。
先ほどと一変した態度はやはり不気味だ。
「さっきと、雰囲気違いすぎない・・・?」
彼女にとってタブーだったら不味いかもしれないので恐る恐る言葉をかける。
(もしや、彼女、二重人格?いや、でも闇とかそういう力を吸収しちゃうと人格変わっちゃうっていうしその可能性も・・・)
ライアはしばらく無言で作業をしていた。
「・・・あれは、業務用のキャラなんで」
業務用ーつまりは自分で作っているということだ。ライアは右手を顔の前にさっとやった。そして、外した時には、また黄色の星が1つ、頬に浮かんでいた。
「私、口下手なんですよね。でも、口下手って仕事に支障が出てしまうのでこうやってキャラを分けることで、仕事を効率的にこなしているのですよ。」
というと、また右手を顔の前に持っていった。すると、また無愛想な鉄面皮に戻り黙々と作業を再開した。
(これまた、独特な子だなぁ・・・)
ブンビーは書類に目を通すとため息を吐いた。
【ふたりはプリキュアに関する報告書 壱】
【最近のプリキュアの傾向について IV】
(この企業、どんだけプリキュアを目の敵にしているんだかねぇ・・・)
と、その時、2人の狭い職務室の扉が開かれた。ブンビーがみやるとそこには真っ黒なスーツを身にまとった男だった。
顔は、見えない。
よく見ようと思って目を凝らすがこの部屋のやけに暗い証明のせいで、首から上は見えなかった。
「ライアさん。そろそろ例の仕事を引き受けていただけませんか?」
その言葉にライアは自分が整理していた書類の束を机の済に置くとその男をじっと見つめた。
「・・・上から?」
「えぇ。」
その言葉にライアは小さく頷くと、またデスクワークに戻った。
「・・・ありがとう、ニヒルさん」
その言葉が聞こえていたのか否かは不明だが、ニヒルさんはぺこりとお辞儀をすると部屋から出ていった。
「ねぇ、例の仕事って?」
今しがた彼が出ていった扉をみつめるブンビー。
「・・・さっき言った、プリキュアに関する仕事」
「へぇ」
しかし、頷いたあとでブンビーは気づいた。
(あれ?その仕事って任務失敗したら死ぬんじゃなかった・・・?)
しかし、ライアは無表情で手を動かしている。
「プリキュアって、めっちゃ強いし、人数も多いけど、大丈夫?」
その問いかけに、ライアは応えなかった。


夢喰バクと笑顔の代価【1】

待ちに待った夏休みが来た。

最近不審者がいるみたいだからあまり遅い時間まで遊ばないこと、と担任の教師から注意されたホームルームを終えると、星空みゆきは駆け足で、教室を飛び出した。

「あ、待ってよ〜。みゆきちゃん!」

靴箱へ向かおうと階段を降りかけていたみゆきの耳に、どうにか届いたその声は、小柄な少女、黄瀬やよいが発したものだった。

「なんで、そんなに急いどるん?なんか予定あったか?」

教室に戻り、扉の前にたったみゆきに、ゆっくり鞄にプリントファイルを入れていた日野あかねが声をかける。

「だって、夏休みだよ!?最っ高に、ウルトラハッピーだよ!!」

興奮して目をキラキラと輝かせるみゆき。そんなみゆきを、鞄を肩にかけ、学校から出る準備万端、という格好の緑川なおが呆れたように笑った。

「みゆきちゃん。夏休みって言ったって宿題があるじゃん?」

「はっぷっぷー。それは言っちゃダメだよー。なおちゃん」

口を尖らせるみゆきに、青木れいかがにっこりと笑いかけた。

「みゆきさん。宿題が終わっていないと遊びに行っちゃダメですよ?」

その言葉にさらに口を尖らせるみゆき。そんならみゆきを見て、やよいとあかねが顔を見合わせて笑った。

「もう。2人とも笑わないでよ~」

「えへへ。ごめんね。」

「あー、すまんすまん」

「ぜーったい思ってないっ!」

そのツッコミに5人はいっせいに笑った。いつの間にかみゆきを囲うように円ができている。

「じゃあ、ひとまず行こっか!!」

その声とともに、みゆきたちは学校をあとにした。

しばらく、通学路を歩いているとみゆきのかばんの中からキャンディが出てきた。

「暑かったくるぅ・・・」

「おつかれ、キャンディ」

キャンディは狭いカバンの中に入っていたせいか汗だくだった。

「あ、ねぇねぇなんか、教会の近くに新しく引っ越してきた子がいるんだって!」

やよいが教会の方を指さす。4人はパーっと目を輝かせると、早速、教会のほうへと足を進めた。

「どんな子かな?」

「仲良くなれるといいな。」

「女の子やろか?男の子やろか?」

「どちらにせよ、仲良くしたいですね。」

5人は仲良く横に並んで道を歩いた。そして、教会にたどり着く。その隣には豪華な二階建ての一軒家が建っていた。

と、その時みゆきは一瞬だけ立ち止まった。

(あれ・・・?なんか、この話、前もした気がする・・・)

「前々から工事されてたのってこの家を建てるためだったのか」

なおが納得して頷くと、真っ白な扉が開いた。予想打にしていなかった事態に5人は固まる。

そこから出てきたのは、凛々しい顔立ちをしたみゆきたちと同じくらいの年の子だった。

中性的な顔立ちに黄色の髪は少し長いのか結んでいる。涼し気な青の瞳とすっと通った鼻。薄い青のオープンカラーTシャツから出る腕は引き締まっている。

「・・・君たちは?」

「あにょ、えっとぉ・・・星空みゆきですっ!!よ、よろしくね!えっと・・・」

「あ、僕は羽素斗 永久(ぱすと とわ)。よろしくね。星空さん。後は・・・」

「あ、うち、日野あかねっちゅうねん!!」

「私は、緑川なお!」

「わ、私は、黄瀬やよい」

「私は青木れいかです。よろしくお願いします」

丁寧にお辞儀をするれいかに永久は照れたように頭を掻いた。

「日野さんに、緑川さんに、黄瀬さんに、青木さん。よろしく」

にっこりと微笑む永久。その笑顔に自然とみゆきたちも笑顔になった。と、その時

「キャンディもよろしくしたいクルーっ!!」

「あっ!?ちょ、キャンディ!?」

なんと、カバンの中に慌てて隠れたキャンディが出てきてしまったのだ。永久も突然飛び出してきた、謎の喋る生物にぽかんとしている。しかし、なぜか永久はにっこり微笑んだ。

「君たち・・・プリキュア、なの?」

「え、なんで永久くんがそんなことを知ってるの・・・!?」

驚きが隠せないみゆきたち。しかし、永久はにっこりと笑った。

「話は中でしよう。」

永久に招かれ、プリキュアたちは彼の家に足を踏み入れた。

下校する中学生や小学生で賑わうはずの街の中はなぜか静かだった。

 

 

 

 

 

 

「みつけましたヨ?プリキュア」

どこからかそんな笑い声が誰もいない街の中でコダマした。




・・・むかしむかしあるところに。
どこからか女の子の綺麗な声がする。でも本物の女の子じゃない。オルゴールみたいな機械的な作り物の声だ。
・・・むかしむかしあるところに
━━人見知りな女の子がいました。
━━その女の子はひとつの絵本をきっかけに引っ込み思案な性格を治そうと努力しました。
━━ その結果、何年かして彼女は友達ができました。
語っているのは黒色のセーラー服を身にまとった女の子だった。その子は絵本を手に無表情に淡々とお話を読んでいる。
━━趣味や性格もバラバラな4人の友人と仲良くなれたのは理由がありました
━━彼女は伝説の戦士だったのです。
この話の主人公って・・・私?
━━彼女は【ハッピーエンド】が大好きでした
━━なので、泣きたい時は笑顔
━━口癖はウルトラハッピー、な幼稚な女の子でした
よ、幼稚・・・?
━━彼女が好きな絵本はシンデレラやピーターパン、赤毛のアンです
━━彼女の読む絵本の世界には夢がいっぱいでした
・・・なに、これ・・・?
━━でも、現実の絵本はそんなに幸せなものではありません
━━彼女が読んでいたのは子供向けの夢物語だったのです
子供向け?夢物語?
━━白雪姫の意地悪な継母は、白雪姫によって高温の鉄の靴を履かされ死にました
━━シンデレラは意地悪なお姉さんたちの目を鳥達に潰させました
━━これのどこが【ハッピーエンド】なのでしょう
━━ねぇ?星空みゆきさん
女の子が私のところまで歩み寄ってきて私の胸ぐらをぐいっと掴んだ。そして
「ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?
なんで、こんなのがハッピーエンドなんですかぁ?」
「ひいっ」
思わずその子を突き飛ばす。その途端、私はカット目を見開いた。
カーテンから漏れ出る朝日。
「なんだ、夢・・・?」
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