いつもより一層支離滅裂な文なのでご注意ください。
戦闘ムリ…
3話
「ただいまー。」
「あら、お帰りなさい。」
私はあの後、イタチと別れて真っ直ぐ家へ帰った。本当はミコトさんの様子が心配だったため、彼の帰路についていこうかと思ったものの、親子でつもる話もあるだろう。子供なりに気を使いおとなしく自分の家に向かった。
父はこの木ノ葉隠れの里の四代目火影である波風ミナト。火影とはこの里一番の偉い人で、里のみんなを守っているとてもすごい忍なのだとか。そんなお父さんは、普段お母さんに怒られてばかりだし、娘の私に甘えて来るし、お母さんと私をこれでもかというくらい溺愛している、とても一端の忍とは思えない人である。まあその分、私に甘えて来る以上に甘やかしてくれるし、とっても優しいいし、かっこよくて強い自慢の父である。本人に直接言ったら、きっと咽び泣いて頰の皮がめくれそうなくらいすり寄って来るので言わない。
一方の母は、今はなき渦潮隠れの里の一族の生き残りであるクシナ。一族の名はうずまき一族で、他のどの忍よりも生命力が強く、チャクラの量も比ではないらしい。もちろん母も例外ではなく、むしろ一族の中でも特にチャクラ量が多いとのことだ。
そんな二人の間に生まれてきたのが私、波風アカネである。そんな私は母クシナの血をそれはもう色濃く受け継いでおり、父は私と母を並べて、「ん、僕の愛しい赤い天使達だね!」と悶えては母から鉄拳を食らっている。しかし父がそういうのも無理もない。母とお揃いの真っ赤な髪に母と瓜二つな顔。口癖や男勝りな面だったりと、まさにクシナ2号である。
「アカネ、今日はいつもより早いじゃない。イタチ君と遊んでたんじゃないの?」
「んー、ちょっと色々あったの。それよりお父さんは?今日はお仕事休みなんじゃないの?」
「ああ、ミナトならさっき出かけたってばね。なんでも、自来也先生が里に来てるらしくてね。」
「自来也おじちゃんが?どこにいるの?」
「さあ…すぐに帰るって言ってたし、近くの団子屋でくっちゃべってるんじゃないかしら?」
「!!ちょっと行って来るってばね!」
「え、ちょ、アカネ!待ちなさい!」
「な、なに?」
「アンタこんな暑い中帰って来たばかりでしょ?ちゃんとお茶飲んでからにしなさい。」
「…はーい。」
お母さんの言った通り、お父さんは行きつけの団子屋さんにいた。そして案の定、彼の目の前にいる白髪の人を見つけた。その人に気がついた私は息を弾ませながら走って行く。
「自来也おじちゃん!」
私の張り上げた声に彼はいち早く気づいてくれたようで、話を中断させ私に手を振ってくれた。
自来也おじちゃんは私が生まれた時からちょくちょくうちに来ては面白い話を聞かせてくれる、気のいい人である。なんでも、お父さんのお師匠様だそうで何かと気をかけてくれ、お父さんも彼をすごく慕っている。
「おー、アカネか!見ないうちに大きくなったのォ!」
「あはは、そうなんです。どんどんクシナに似て来ちゃって。
ところでなんでアカネがこんなところに?イタチ君と遊んでたんじゃないのかい?」
「んー、ちょっとね!ところでお父さん!私に手裏剣術の修行つけて!」
「手裏剣術…?あ、もしかしてイタチ君が?」
「うっ…まあ…」
「やっぱり…ん!わかった!」
「イタチ…うちはフガクの息子か。
にしても、その年で修行たァ、さすがわしの弟子、その娘といったところかのォ。」
「俺的にはまだ早いと思ったんですが、フガクさんのお宅の息子さんの方はもう修行を始めているそうで。娘も負けん気が強いせいか、つい最近修行を見てくれるよう頼まれていて。」
負けん気が強いのは否定しない。だってあのイタチだ。モヤシだ。男女だ。意地でも負けてられないだろう。
「なるほどのォ。ま、競争相手がいるのはいいことだ。
それにうちは本家の嫡男。相手にとって不足なしだのォ。
ってこたァ、将来の相手も決めているのか?」
「ちょ、先生!!将来なんてまだ早いですって!!」
「だはははっ!冗談だ、冗談。
どれ、アカネ。せっかくだしワシも一緒に修行をみてやろうか?」
「!!!本当!?」
これは嬉しい誤算だ。自来也は忍界でも名の知れ渡っている忍、伝説の三忍のうちの一人だ。先日終戦したばかりの第三次忍界大戦には参戦しなかったものの、これまで木の葉に貢献して来た功績は大きく、一時期は火影にとの声が上がっていたほどだった人だ。そんな自来也と四代目火影に教えをこう私の立場は、意外にすごいのかもしれない。
「よし、じゃあ前回の復習からいくよ。
体術の基本は最初に教えた通り。さあ、始めるよ。」
お父さんの合図と同時に私は体制を前かがみに、そのまま顎を狙って蹴り上げた。もちろんかわされるのは予想済み、蹴り上げた時の勢いのまま足を払う。これもかわされる。
体術の基本は体に力を入れすきないことだ。攻撃を当てるにしろ躱すにしろ、防御にだってそうだ。一見するとどれも力一杯やらなければいけないイメージなのだが、それはほんの一瞬だけ。そう、相手と接触する瞬間のみ。始終力を入れているとすぐに体力も落ちてくるし、必要な時の反撃が思わず緩んでしまう恐れがある。躱すにしても柔軟な動きで且つ軽やかに、そして反撃の際の力みは必要な瞬間に必要なだけ。が、私の場合、なんでも力業で解決してしまう癖があるため、それを治すにはかなりの努力がいるのだ。それに、組手をする際の緊張感は、たとえ相手が気心が知れているからといって、ないはずがない。自然に体が硬くなってしまうのである。
「力を入れるのを攻撃を与える瞬間だけ。力を入れたままだと次の動作が鈍る。その一瞬は忍にとって命取りだよ。」
「っ!わか、ってる、てばね!」
ミナトは次々と後ろへ避ける。何度か蹴り殴りを繰り返すうちにやっと後ろに立っている木に追い詰めることができた。
一瞬動きが固まり隙ができた。その隙に顔面に向けて力一杯拳を振るえば、飛び上がり空中で一回転して背後を取られた。ふるった拳のまま、振り向きながら反撃をしようとしたが手首を掴まれ動きを止められてしまった。
「はい、そこまで。」
「あぁーん、もう!あと少しだっのに!」
腕を止められたまま地団駄を踏み始めた私に、側で見ていたおじちゃんがこちらへ歩いて来た。
「うむ、体の動きは悪くはないが、まだまだだのオ。」
「そうですね、前よりは改善されたけど、やっぱり全体的に力みすぎてる。
力任せもほどほどに、ね。やれやれ、誰に似たんだか…」
「ああ…おっかねえのォ。木の表面に亀裂が入っておる…」
もちろんまだ4歳の私にそんな力はない。きっと力一杯やったので、無意識に拳にチャクラをまとわせていたんだろう。
そんな高度なチャクラコントロールは私自身、まだ身につけていない。というか意識するとできなくなるので、これは咄嗟の火事場の馬鹿力というやつなのか。
「とはいえ、無意識にチャクラをまとわせるとは…末恐ろしいのォ。」
「アカネ、頼むからその拳をお父さんの顔面に向けないようにね。」
「娘の拳で二枚目も形無し…か。周りからはしばらく笑い話になるだろうのォ!」
しばらくみんなで笑っていたのだが、自来也おじちゃんの「ハバネロの再来か…」という言葉に、師弟二人の顔はだんだん青ざめていくのであった。
修行が終わったあと、アカネは母の手伝いがあるから、と礼を言って帰った。
その後ろ姿を見守るのは、伝説の三忍、自来也とその弟子、四代目火影ミナトであった。
「…似てるのォ。」
「あはは、クシナを知ってる人ならみんな言います。違うところといえば、髪の長さくらいですかね?」
「この歳の女の子は髪を伸ばしたがるものだが、アカネは伸ばさんのか?」
「ん、クシナは伸ばして欲しいみたいなので、肩甲骨くらいは伸ばすんですけど。遊ぶ時には邪魔だとか言ってすぐにきったしまうんですよね。」
俺としてはせっかく綺麗なんだからのばしてほしいんですけどね。とミナトは笑った。
「それにしても、今回の修行。未熟なところはあれどあの年頃にしてはとんでもねえ実力だのォ。」
「イタチ君の実力に張り合っているのか、以前俺が護身術を教えていた頃よりも伸び代が上がっていて…」
「フガクの息子、やはり天才、か。」
「ええ、アカネの話だけきけば、呑み込む速さも尋常じゃないですね。」
「やや力任せなところがあるが体術は悪くない。手裏剣術もは4歳にして下忍、中忍レベル。無意識にチャクラをコントロールする潜在能力。これを持ってしてでも未だ足りぬと焦らせるほどのライバル、か。」
自来也はまだ中心にクナイが何本か刺さったままの的を眺めていた。
アカネは小一時間ほどでクナイを数本同時に的にあてることができるようになったのだった。にもかかわらず彼女はこれに未だ満足した様子はなく、次回にはクナイの空間的軌道修正の修行をしてほしいとせがんで来たほどだった。
「いやはや……次々と現る鬼才の登場に、古の伝説はついに御役目御免、というわけか。」
「いえいえ、先生はまだまだですよ。」
「ふん、そりゃまた、天才児と謳われたお前からの嫌味かのォ?」
「滅相も無い!…でも、次々と現る鬼才ってのには同感です。
あの子達ならすぐに俺らを越しますよ。」
「そうだな…それにしても。
千手の分家であるうずまき一族の血を受け継いだ子と伝説の瞳術を持つ一族うちはの子が、切磋琢磨し合うとはのォ……一体何の因果か。」
赤く爛々と輝く夕日は、遠くに見える山々の狭間に沈み込もうとこちらを見ていた。
自来也おじちゃんはイタチもアカネも鬼才と表していますが、実際は鬼才はイタチだけでアカネは天才止まり。天才どまりといってもすごいものはすごい。イタチが規格外なだけ。